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<東京怪談ウェブゲーム あやかし荘>


集まれ!カレー奉行


*オープニング*

あやかし荘の一室。
コタツに入り、ヌクヌクとテレビを見て過ごす因幡・恵美と座敷わらし・嬉璃。
二人とも、コタツの上に置かれたミカンを剥きつつ、テレビに見入っている。
二人が見ている番組は、美味しいお店を紹介するものだ。
本日のお題はカレーらしい。

「こういうの見てると、カレー食べたくなっちゃいますよね〜」
恵美が、ミカンむきむき呟く。
「そうじゃのぉ…」
嬉璃も、画面に見入っている。そして、嬉璃はハッとしたように恵美の方を向いた。
「恵美よ、今日の夕食はカレーがいいのぢゃ!!」
「そうね、あたしも賛成っ」
ニッコリと笑いあい、それじゃあ!とカレーの食材を買いに出かけようと支度し出す恵美に…

「待つのじゃ、恵美!!わしは、色んなカレーが食べたいのじゃ!」

??とハテナ顔の恵美に対し、多少興奮気味に嬉璃が答える。

「カレーにも色んな種類があるのぢゃ!甘口や中辛、辛口といった辛さもあれば…
 シーフードカレー、キーマカレーなどの種類。
 付けあわせだって、普通ご飯から、ナン、サフランライス。
 福神漬けにラッキョウ、とんかつ、コロッケ…とその組み合わせは無限大…」

ちなみに、うっとりと話す嬉璃のこの知識はすべて、今見ていた番組から得たものである。
そして、いまだにハテナ顔の恵美に対して

「ぢゃ〜か〜ら〜!みなのものに、好きなカレーを持ってきてもらうのぢゃ!
 それを食べあう…これならたくさんの種類のカレーが食べられてお得なのぢゃ!」

そう、胸を張る嬉璃に対し、『確かに、それなら作る手間も省ける』と密かに思う恵美であった。


*カレー奉行、現る!!*

因幡・恵美(いなば・えみ)と座敷わらし・嬉璃(きり)の突然の呼びかけにもかかわらず、集まったのは男四人衆。
それぞれがカレーを持参し、テーブルを囲む。

恵美と微笑みつつ会話を交わすは奉丈・遮那(ほうじょう・しゃな)。あやかし荘にて大学受験のための勉強をしつつ、親の経営する占い店でも占い師としても至極頼りにされている。
そんな大忙しの遮那も、『恵美さんのお誘いならばっ!』と笑顔でやってきた。

「カレーかぁ…好きか嫌いか、って言われたら好きなほうだけど…そういや、最近食べてなかったな。」
と、なにやらビニール袋をひっさげてやってきたのは、臨床心理士、門屋・将太郎(かどや・しょうたろう)。
「たくさんのカレーが食べたいだなんて、嬉璃ちゃんも欲張りだよな。ま、俺も同じようなもんだけどな」
と、にこやかな笑みを浮かべている。

そんな横では、カマイタチっ子の三男、鈴森・鎮(すずもり・しず)が将太郎の言葉に頷くように、声高々に歌っていた。
「カレー♪カレー♪きょおのカレーは〜もっりだ〜くさ〜ん♪あっまくっち♪ちゅ〜から♪かっらくっちにぃ〜♪
 ふっくじんづ〜けもわっすれっずにぃ〜♪」
ご機嫌に歌っているところを見ると、物凄く楽しみらしい。今回は人間形態での参加である。
なぜなら、鼬形態ではスプーンが持ちにくい。

「カレー♪カレー♪」

即興で作る鎮の歌に、
「鎮くん、その曲は何番まであるんですか?」
と、スローなテンポ、そして微笑みつつツッコミを入れたのは、加藤・忍(かとう・しのぶ)。職業…は、後にわかる。
穏やかな笑みをたたえつつ、
「皆さんの持ち寄ったカレーがどんなものか楽しみですねぇ」
とポヤヤンとしたオーラを放っている。


「それにしてもよ、肝心の主催者がいないじゃないか」
そのことに気づいた将太郎が声を上げた。将太郎の言葉に、恵美が遮那との会話を一時中断し、
「嬉璃ちゃんでしたら、『ちょっと用意をしてくるのぢゃ!』と外に行ったきりなんですよね…」
と、不安げに話す。
「先に始めてしまうのも悪いですし、もう少し待ちましょうよ、皆さん」
と、遮那が話した途端、部屋の入り口である襖の外から嬉璃の声が聞こえた。

「待たせたのう、皆のもの!!カレーパーチーの始まりなのぢゃ!!」

襖から出てきたのは、無論、嬉璃。
だが、その服装が…

「うっわーー、スゲーな、嬉璃!!その服、どこで売ってるんだ!?」
興味津々な鎮に、エヘン!とばかしに胸を張る嬉璃。

「確かに、カレー奉行がどうたら、と言ってましたねぇ…」
「だからと言ってよぉ…」

その姿を見ても動じずに、のほほんとした笑顔の忍に、明らかに苦笑している将太郎。

「「お奉行様の格好で来なくても…」」

恵美と遮那の声が素敵にハモった。
ちなみに、流石にマゲは結ってない。
桜吹雪も舞ってない。
ただ、いつもの座敷わらし衣装が、水色に、そしてズルズルと長くなったようなものである。

「わしの心意気を皆に示せばならん!と思ったのぢゃ♪
 何はともあれ、皆のもの!!わしにカレーを献上するのぢゃ〜!!」

かくして、カレーパーティーの幕は上がった。



*一番手、奉丈 遮那*

「僕のカレーが一番手ですか?困ったな、いたって普通のカレーなんですけど…」
そう言いつつ、遮那が皆に振舞ったのは、本当にごくごく平凡で一般的なカレー。
市販のルーで、その箱の説明書きを忠実に守り、作り上げた中辛のカレーである。
一人一人のお皿に盛り、福神漬けを添える。
「本当なら、隠し味にリンゴやハチミツ、チョコレートなど入れるとまた違うものになるのかもしれませんが…」
皆がスプーンを口に運ぶのを、ドキドキしながら見守る遮那。
特に、恵美が食す姿をモジモジと上目遣いに見る姿は、手作りのバレンタインチョコレートを目の前で食べてもらう女子そのものだ。
そう思わせるのは、遮那が小柄で華奢で、女の子にすら見えそうな可愛らしさを持っているからであろう。
少しの間があき、
「うん、美味しいっ♪」
恵美が声を上げたことに、物凄〜〜く安堵の表情を見せる遮那。
「やっぱり、日本人の口に合うのはこの味ですよねぇ〜」
と、忍も頷いている。
「基本に忠実なのが一番かもしれませんね♪美味しかったです、遮那さん♪」
ペロリと遮那のカレーを平らげた恵美が感想とお礼を告げる。そして、極上の笑顔を遮那に向けた。
その笑顔を見れたことに、頬を染めつつ幸せを感じる遮那。
勿論、
「あのっ、恵美さんさえよければいつでも作りますからっ」
の一言も忘れない。
頬を染め、見詰め合う二人…。
そんな二人の桃色空間に
「なー、小皿じゃ足りないよ〜!おかわり〜!!」
と、恵美同じくペロッと遮那のカレーを平らげた鎮が声を上げる。
見れば、他の面々もお皿は綺麗に片付いていた。
「おいおい、まだこれからみんなのカレーが出て来るんだぞ?今お腹いっぱいになったら食べられなくなっちまうぞ〜」
と将太郎がなだめる。
「そうなのぢゃ、鎮よ。それじゃあ、次は鎮のカレーといこうではないか♪」
嬉璃がそう言うと、よっし!とばかりにゴソゴソと、そして楽しげにカレーを出す鎮だった。


*二番手、鈴森 鎮*

鎮が、それぞれの皿に、カレーを得意げに盛る。
ただ、盛られた側は皆、『キョトン』とした表情を隠しきれない。
「えっとなー。中身は甘口と中辛のルーが半分ずつ入ってて、野菜はジャガイモと人参と玉ねぎ!!なぁんと牛肉も入ってるんだぞっ!」
そして、白いご飯には福神漬けが添えられている。
どうだ!!と言わんばかりの鎮。
だが、場の空気は豪華かつ、大振りな野菜の具のことよりも、とにもかくにも「色」に目が行っていた。

「…えっと…シチュー?」
「んー、違うよ、カレー!!」
恵美の問いかけに、頬を膨らませながら鎮が応える。
そう、その鎮が持ってきたカレー。色が、白いのだ。正確に言えば、『白っぽい』。やや黄色がかってはいるのだが…
『いったい、何が…』
そう思う一同は、手を出せずにいた。
しばらくの沈黙。
しかしそこで、豪快にスプーンでルー&ライスをすくい、口に運ぶ勇者がいた。

それは、将太郎。

そして、そのカレーを味わい、『やっぱりな』とニヤリ顔で答えた。
「鎮、このカレーの白さの正体はアレだな?」
「え?もしかして、わかっちゃった??」
「あぁ、俺の場合は…分離しちまうから、後付けで食べたりしたもんだが…それに、マスタードも効いてるとは…」
将太郎と鎮の会話に、ハテナ顔の他の者達。
思い切って、恵美がその、白いカレーに口をつける。

「これ・・・なんだか凄く、クリーミィ…でも、ピリっとしてて…んーーー何が入ってるんだろう…?」
思案する恵美に続け!と言わんばかりに食べ始める忍、遮那。
「見た目ほどはマズく…あ、いや、食べられないことはないですねぇ」
と、言う忍に、遮那がハッ!と声をあげる。
「これ、もしかして、マヨネーズですか?しかも、マスタードマヨネーズ!」
「だ〜いせ〜い〜か〜い♪」
楽しげに鎮がニパッと笑う。
「見た目もアレだし、味も好み別れるところだけれど、食えないもんじゃないだろっ?」
そう言う鎮に、将太郎も
「俺も、マヨネーズがけは知っていたしな。嫌いじゃないぜ」
と続ける。しかし、嬉璃だけは一口食べ「ギブアップなのぢゃ…」と恵美にすべてを託した。
どうやらお口に合わなかったらしい。
託された鎮のカレーを恵美と遮那で食べあった。
「それじゃあ次は…将太郎のカレーにするのぢゃ!」
期待を込めた目で、嬉璃は将太郎を『ビシィッ!』と指差す。


*三番手、門屋 将太郎*

「いや、実は俺もマヨネーズカレーにしようかと思ったんだよな。まさか俺以外にもマヨカレー持って来るヤツがいるとは思わなかったが。」
その言葉に、鎮がテヘッと笑う。嬉璃は安堵の表情を浮かべる。
「マヨネーズは、辛口でもマイルドにするのがミソだよな。
 …ってことで同じカレーじゃつまらないだろうし、俺が持ってきたのはコレだ!」
将太郎はそう言いつつ、皆の小皿にカレーを配る。
一見、普通のカレーライスである。…が。
その上に、ででん!と存在感のある茶色いものが乗っかっていた。
「将太郎さん、コレって…」
恵美が目を丸くする。
「あぁ、うなぎの蒲焼だ。うなぎカレー。ほら、とんかつのせたカレーで、カツカレーになるだろ?
 アレのうなぎバージョンだと思ってくれ。」
「コレは流石に…初めて見ましたね…」
忍が、恐る恐る口にする。それに続き、他の面々もそれぞれスプーンを運ばせる。
カレーに、さらにこってりとしたうなぎの蒲焼。丁寧にタレと山椒付きだ。

濃い。凄く濃い。
小皿といえども、既に二杯のカレーを食べている皆にとって、この濃さは胃にクるものがある。
しかし、将太郎は勿論のこと、嬉璃と忍も「美味しい美味しい」とあっという間に平らげた。
どうやら二人の味覚には叶っていたらしい。
「た、たまにはこういう贅沢なカレーもいいですね」
と、遮那と恵美も完食する。
「うむ、たまにはこういった意外なものが乗っかってるのも悪くはないのぅ。美味しかったのじゃ♪
 それじゃあ次は…」
と、嬉璃が忍を指差そうとすると、恵美が挙手をした。
「実は、結局あたしもカレー、作っちゃったんです♪」
ニコリと笑う恵美を見て、
「本当か!?ならば、先に恵美のカレーをいただくことにするのぢゃ!」
と嬉璃が恵美を指差した。


*四番手、因幡 恵美*

「実は、将太郎さんに言われたカレーが気になって…レシピ探して作ってみたんですよー♪」
ニッコリと微笑む恵美。その笑顔に将太郎は
「お、もう作ってくれたのか!」
とビックリとした表情をする。その言葉に、忍は
「将太郎さん、いったい何をリクエストしたんですか?」
と、将太郎に問う。
「それはな…」
と、将太郎が話そうとするのを、恵美は
「見てのお楽しみにしてください♪」
と、口元に人差し指を当て、『シィーー!』の動作をすると、将太郎は「だ、そうだ」と言葉を止めた。
そして、恵美が一人一人の小皿にカレーを盛り付ける…

先ほどの鎮の白いマヨネーズカレー同じく…皆の反応は『キョトン』である。
なぜなら、恵美の盛ったカレーは…緑色のルーに、黄色いライス…

「恵美さん、な、なんですか、コレは…??」
「俺のカレーと同じ位、凄い色だなー!」
遮那の言葉に、鎮も目をまぁるくする。
「この黄色いご飯は、サフランライスですよね」
忍が冷静に言うが、カレーの正体まではわからなかった模様。
判別のつかない皆に、恵美が説明をする。
「将太郎さんが、『緑黄色野菜を煮込んでカレー作ると、ルーの色が緑色になるのかね?』とおっしゃってたので…
 えぇと、この緑色はほうれん草の色なんですよ。実際は、ほうれん草をすりつぶしてから、色々なスパイスを加えたのですが…
 本格的なインドカレーで、鶏肉も入っています。『サグチキン』カレーというものらしいですね。
 どうぞ、食べてみてください♪」
笑顔で恵美がすすめる。
トロリ、というよりもドロォリとしたカレーのルー。濃い緑色と黄色のコントラストが眩しい。
皆が、一斉にスプーンを口に運ぶ。
「ん、想像よりもまろやかで美味しいな」
「このスパイスも、本格的なインド料理!という気がしますねぇ〜」
将太郎と忍が舌鼓を打つ中で、遮那も『恵美さんの手料理!!』と美味しそうに食べる。
嬉璃も鎮も『こんなカレーがあったんだぁ』とばかりに食べきった。
「恵美ちゃん、早速作ってくれてありがとな!美味しかったぜ」
そうニカッと笑う将太郎に、恵美も「どういたしまして♪」と笑顔で返した。
満足げに頷きつつ、
「よしよし、それじゃあラストは忍のカレーぢゃな☆」
と、嬉璃が忍を『ビシィッ!!』と指を指した。


*五番手、加藤 忍*

「・・・・・って、そういえばおぬし、今日手ぶらぢゃったよな?」
嬉璃が忍に指をさしたままの状態で問う。
「イヤですねぇ、私はちゃんと、お皿とスプーンを持参してきましたよ。」
ニッコリと、相変わらずスローテンポで答える忍。
「ち〜が〜う〜の〜ぢゃ〜!!今日は皆でカレーを持ち寄るパーティーなのぢゃぞ!?
 タダ食いするとは…い〜度胸ぢゃのう!!」
ちなみに、嬉璃は憤慨しているため気づいてはいないが、忍が『持ってきた』と言ったスプーンやお皿はあやかし荘の台所から持ってきたモノである。
「そんなに怒らないでくださいよ、嬉璃さん。ちゃんとカレーはありますから、安心してください」
ニコリと微笑む忍に、いまだフシュ〜!!と憤慨オーラを発する嬉璃。

そして、忍は台所に行ったかと思うと、鍋と牛乳を持って戻ってきた。
「嬉璃さん、まずは牛乳でも飲んでください。カルシウム不足は怒りっぽくなる要因でもありますし、それに、カレーにも合うんですよ」
そう、ウィンクしながら嬉璃に言う忍。
よろしければ、皆さんも…と言いつつ、忍は他の面々にも牛乳を注いでいく。

ちなみに、この牛乳はあやかし荘の冷蔵庫の中に入っていたものだとは恵美も気づかなかった。
そして、嬉璃達がゴクゴクと牛乳を飲み干すと…いつの間にか、各面々の目の前に、カレーの盛られた皿が…

「え?いつの間に?」

と、その準備の早さに皆が驚く。
そして更に、そのカレーは…異様な雰囲気を醸し出していた。

色は…茶色。とりあえず、茶色。
具は、牛肉や玉ねぎや人参、と先ほどの鎮のカレーと一緒。
ところどころ、濃い魚…鰻?が見え隠れしている。
スプーンですくうとドロォリとしており、緑色の葉っぱが時折目につく。

「忍…おぬし、もしかして…」

嬉璃が、異様な香りを発するカレーを目の前に、言う。

「今までのカレー、すべて混ぜおったな?」

『いつのまにぃっ!!』
と、そこにいたすべての者の声がハモる。

そう、加藤忍、職業『泥棒』もっとちゃんと言うと『義賊』。
皆がカレーに夢中になってる間に、それぞれを少しずつ鍋に移すことなど朝飯前なのである。

「あ、あたしはもうお腹いっぱい…かな?」
と、恵美が言うと、遮那が
「ぼ、僕も」
と続ける。
「悪いが、さっきのほうれん草のカレーを〆とさせてくれ…」
「俺も、このニオイは無理ー!!」
将太郎も鎮もギブアップ宣言だ。

「さ、主催者の嬉璃さん。私の作ったカレー、食べてくれますよね♪」

そうニッコリと微笑む忍に、さすがにスプーンを持つ手も震える嬉璃であった。
しかし、カレー奉行の意地にかけて、この勝負、負けるわけにはいかぬ!とばかりに
「し、仕方ないのじゃ…!!」
と、意を決した嬉璃がスプーンを口に運んだ…



*エンディング 〜犠牲者*

無事に、カレーパーティーは終了した。
カレー奉行、嬉璃が
「なかなかに色んなカレーが食べれて楽しかったのぢゃ!また皆で食べあおうぞ!」
と奉行姿のままで嬉々として閉会宣言をする。

「しかし、ぢゃ。忍、次に同じことをしたら…」
「大丈夫です、私はバレるような同じ手は使いません。」
「ぢゃなくて!!ちゃんとしたカレーを持ってくるのぢゃ〜!!」
「まぁ、そう怒らずに…」
と、嬉璃と忍がやり合っている。


その間、部屋の一方で恵美は……倒れている三下忠雄にコップの水を飲ませていた。

そう、2006年もアンラッキー大賞受賞間違いなし!の月間アトラス編集部員であり、ここあやかし荘の一室に住む三下がタイミング良く(本人にとっては物凄く悪く)、嬉璃が忍のゴチャ混ぜカレーを口に運ぶ瞬間に帰ってきたのである。
そして、あれよあれよという間に、嬉璃によって怪しげカレーを食べさせられ…今に至る。

「三下も、ついてねぇなぁ」
苦笑する将太郎に、ウンウンと頷く遮那。そして、
「先が見えてしまうと絶望しちゃいそうなので、三下さんを占うことはできませんね」
と続ける。
「おーい、三下ぁー!!起きろぉー!」
と、いつの間にか鎌鼬状態なプリチー鎮がペチペチと三下の頬を叩く。

「なんで僕が、こんな目にぃ…」

かろうじて意識を保っていた三下は、一言その言葉を発すると、気を失った。



こうして、三下以外の面々は楽しくカレーパーティーを終了することが出来たのであった…



END



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0506/奉丈・遮那/男性/17歳/占い師】
【1522/門屋・将太郎/男性/28歳/臨床心理士】
【2320/鈴森・鎮/男性/497歳/鎌鼬参番手】
【5745/加藤・忍/男性/25歳/泥棒】

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■         ライター通信          ■
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あけまして、おめでとうございます!(遅いよ!)
まだまだ新米ライター、千野千智でございます!
またしても、このヘッポコに発注をくださいましてまことにありがとうございました!!
今回はワタクシとしては初の全員共通ノベルとなっておりますです。

鈴森鎮様、ご参加ありがとうございました♪
やりました、やりましたよ、マヨネーズ&マスタードカレー…。
ビックリしました!!イケる!!これイケるよ!!と!!!
近くのインド料理屋で食べたカレー、こんな味してました。ビックリです。
そして、カレーソングなど、鎮くんで遊ばせていただきました、ごめんなさい(土下座)

少しでも、楽しんでいただけたならば幸いです!
ご発注、本当にありがとうございました!
よろしければ、またお会いできることを願って…では!!

2006-01-19
千野千智