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<東京怪談・PCゲームノベル>


 クロノラビッツ - 背に束縛 -

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 町へ買い物に出かけた、その帰り道での出来事。
 今回もまた、どこからともなく現れたクロノハッカー・カージュ。
 何なんだろう。本当に、この人は。突然、ぬっと現われるのは止めてもらいたい。びっくりするから。
 っていうか、何でいるの。もしかして、後を尾行てた? それって立派な犯罪行為なんですけど。
 やれやれと肩を竦め、溜息を吐き落としながら、スタスタと足早に先を急ぐ。
 どうせまた、今回も、しょうもない理由で訪ねてきたに違いない。
 暇だから相手してよとか、お腹すいたから何か食わせてとか、そんな感じだろう。
 と思っていたから、ケンケン文句を言いながら後をついてくるカージュを無視し続けて歩いた。
 でも、数秒後。無視するわけにはいかない、無視なんてできない、そんな状況へと追いやられてしまう。
(ん?)
 ピタリと足音が止んだ。
 諦めたのか。珍しいこともあるもんだな、なんて思いつつ、おもむろに振り返ってみる。
 すると、すぐ傍、至近距離にカージュが立っていて。思わず、びくっと肩を揺らしてしまう。
 カージュが、耳元で囁いたのは、肩を揺らしてしまった、その瞬間のことだった。
「背中の傷。まだ残ってるかどうか、確かめさせて欲しいんだけど」
 カージュは、そう囁いた。いつもと違う、優しく柔らかな声で。
 その言葉、声が頭に届き、認識した瞬間、背筋にツツーッと嫌な感覚が走る。
 背中の傷。確かに、それは在る。蜘蛛のような形をした奇妙な傷痕。
 いつどこで付いたのか、誰に付けられたのか、まったく思い出せない不可解な傷。
 どうして、それをカージュが知っているのだろう。自分ですら、気付いたのは、ごく最近だというのに。
「見ていい?」
 クスクス笑いながら、背中に触れようとしてくるカージュ。
 そこでハッと我に返る。すぐさま退いてキッと睨みつければ、カージュは、目を細めて苦笑い。
 威圧してみるものの、心はそれと裏腹に、ひどく揺らいでいた。
「来ないで」
「何だよー。物騒だなぁ」
 咄嗟に武器を構えてしまったのは、不可解な、その動揺を払おうとしたからなのかもしれない。

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 乃愛と露希の背中に今も残る傷。
 いつも身体に包帯を巻いている二人の身体には、他にも数え切れないほどの傷がある。
 だが、その中で唯一。背中にバッサリと、首のあたりから腰のあたりまで、まっすぐに残るその傷だけは不可解。
 他の傷は、何となくでも覚えている。いつ、どこで、誰につけられたものであるか。
 思い出すと嫌な気持ちになる傷が大半だから、自ら望んで彷彿することは滅多にないのだけれど。
 背中に残る、その不可解な傷について、思うところはあった。まったく思い出せないからこそ、余計に気になって。
 けれど、今日。今ここで、はっきりした。こうして、カージュが現れて、背中の傷を見たいと、確かめたいと言ったから。
 それはつまり、この傷をつけた犯人が、カージュであることを示しているのではないか。
 まぁ、犯人がカージュ本人じゃなくとも、この傷にクロノハッカーの連中が絡んでいることは、確かと言えよう。
「意図が見えませんね」
 カージュに対し、冷たい眼差しと冷たい口調を向けながら呟いたのは乃愛。
 クロノハッカーが、この傷に関与していることが判明しても、その目的は不明なままだ。
 傷が残っているかどうか、確かめたいと言うのも、また、奇怪だと思わせる要因のひとつ。
 まぁ、カージュは、こういう性格だから、大した意味もなく、ただこちらを困惑させるつもりで発しているだけかもしれないが。
 そうして、睨みつけるようにカージュを見やる乃愛の隣には、無邪気な笑みを浮かべる露希もいる。
「そんなの、聞けばいい話じゃん。直接」
 にっこりと微笑みつつも、両腕を獣の持つそれへと変化させた露希。
 胴体や顔などは平常なのに、両腕だけが獣と化しているその様は、まさしく異形。
 確かに、露希の言うとおり。見えぬ意図も目的も、直接、訊けば全てが解決するだろう。
 カージュが目の前に現れ、傷に関する意味深な言葉を発したのも、裏を返せば、訊いてくれと言っているようなものだし。
 だが、訊くと言っても、露希のその行動からは、尋ねるとかそういう気配は …… 。
「 …… 訊く気ゼロですよね。露希」
 苦笑を浮かべ、溜息を吐き落として言う乃愛。
 そんな乃愛に対し、露希は、さも当然かのように、ケロッと言い放つ。
「ん? だって〜。お姉ちゃんを傷つけたっていう罪は、弁解の余地なしだから〜」
「露希。あなたも同じように傷つけられているではありませんか」
「ロンはいいの。でも、お姉ちゃんを傷つけるのはダメ」
 自分は良いけど乃愛が傷付くのは嫌。
 そう即答する露希に、乃愛は、また、やれやれと肩を竦めた。
 乃愛だって露希と同じ。自分ならまだしも、露希が傷つけられるのは嫌だ。
 まぁ、二人とも些か自己犠牲を望む節はあるが、それは、互いに互いを大切に思い合っている何よりの証拠である。
「疲れたので、はやく帰って休みたいのですけれどね」
 クスリと笑いつつ、右腕の包帯のみをスルスルと解いていく乃愛。
 露希と同じように、包帯が取れ、露わになった乃愛の腕もまた、獣のそれと化す。
 露希と比べると、少し細くはあるが、それでも獣化したその腕は、じゅうぶんな迫力と異形を誇る。
 普段、異空間からあらゆる武器を換装し、それを用いて戦うことの多い乃愛が、自身を獣化させることは極めて稀だ。
 笑んではいるものの、憤怒の感情で満ちている露希に、少しばかり、あてられたというところもあるかもしれない。

 腕を獣化させたという時点で、既に明確になっていることだが、
 露希も乃愛も "言葉による質問" を飛ばすことや "言葉による回答" を求めるつもりはない。
 わからないこと、不明確な点を、直接、本人に訊き尋ねて解決するということに変わりはないが、それは、半ば "拷問" に近しい。
 つまり、二人が実行する "本人に訊く" という選択は、対象となる人物の身体に尋ねて、強制的に情報を吐かせるというやり方。
 乃愛もそれなりではあるが、怒りに満ちている露希に至っては、手加減する余裕なんて持ち合わせちゃいない。
 正面から露希、背後から乃愛。
 二人にはさみうちされる形となったカージュは、何とも言えぬ笑みを浮かべて身構える。
「そうそう。二人揃ってる時って、厄介さが増すんだよなぁ。お前らって」
 知ったことか。今更そんな後悔したところで手遅れだ。
 そう思うなら、それを知っているなら、それぞれ単独で動いているときを狙えば良かったじゃないか。
 見え隠れする矛盾。カージュは、厄介であることを知った上で、今日、この場に姿を見せたかのようにも思えた。
 まず先に攻撃をしかけたのは、乃愛。
 カージュの背後に回り、適度な距離を保ちつつ、獣化した腕で空中に魔飾を描いた。
 さかさまになった十字架のようなその模様は、乃愛が呟く詠唱により、すぐさま発動に至る。
 一部ではあるものの、本来の姿へ戻っているだけに、普段よりも魔力のそれは飛躍しているため、
 乃愛が放つ魔法は、速度も威力も普段のそれとは比べ物にならない。
 近頃、理由はわからないが、魔法の類がうまく扱えなくなっていることもあり、少し不安ではあったものの、
 例え暴発しても、すぐそばに露希がいるからと、乃愛は躊躇うことなく詠唱した。
 何かあっても露希がフォローしてくれるという、底知れぬ安心感が、そうさせたのだろう。
 いつもは氷の魔法をメインとして扱う乃愛だが、今日は少し趣向を変えて、闇の魔法。
 拷問するにあたり、綺麗な氷ではなく、あらゆる負を連想させる闇を、無意識にチョイスしたところもありそうだ。
 乃愛の身体を包むかのようにして出現する黒い霧。その黒い霧は、詠唱終了と同時に、闇の矢槍へと変化していく。
 そして、変化を終えたその矢槍は、乃愛が獣化した腕を踊らせることにより、標的へと真っすぐに飛んでいく。
「精度、高っ」
 ほんの僅か、数秒で詠唱から発動までをこなした乃愛を即座に称賛したカージュ。
 すごいすごいと拍手を贈りたいのは山々だが、そんなことをしていては、矢槍に貫かれ、あっけなく御臨終してしまう。
 カージュおよびクロノハッカーの連中は、その身体を構成している "とある成分" により、矢槍に貫かれたくらいで死に至ることはないが、
 それでも、これだけの数の矢槍が全身に突き刺さってしまえば、かなりの痛みを伴う。誰だって、痛いのは嫌だ。
 苦笑を浮かべながら、負けじと即座に炎の壁を出現させ、闇の矢槍を打ち消すカージュ。
 褒めるつもりなんぞないが、これまた速い。
 反応もさることながら、詠唱もなしにすぐさま炎の壁をつくって対処するとは。
 能力の発動速度や正確性に限っていえば、カージュは、その外見がうりふたつな海斗よりも格段に勝っていると言えよう。
「お姉ちゃん、ナ〜イス♪」
 ふっと一息ついたのも束の間。
 露希の無邪気な声が聞こえてきたのは、そのすぐ後のことだった。
 ハッとして振り返る間もなく、カージュは、肩に激しい痛みを覚えて眉を寄せる。
 初めから、打ち取る気なんぞ乃愛にはなかったのだ。つまり、油断させるための攻撃。
 躊躇うことなく、大量の魔力を消費してまで、闇の矢槍を放ったのは、隙を生じさせるために他ならない。
 ほんの僅かにでも隙が生じれば、後はもう、露希のターン。そこからは、露希の独壇場と化すのである。
 両腕を鎌のように振り、鋭い爪で引き裂いた露希。
 すぐさま反応し、身体を捩ったものの、避けるまでには至らず。
 カージュは、左肩から右のわき腹にかけて、抉り傷を負った。
 獣化した腕は、それだけで闇の属性を多く含むため、少しでも傷を負えば、そこから痛みは肥大していく。
 その痛みは、肉体的なそれよりかは、精神的な部分に負荷をかけるところが大きい。
 傷付いた箇所より、胸が痛い。心を抉られたかのような感覚に、カージュは、少しよろめいた。
 そこへ、追い打ちをかけるように、ガバッと飛びかかる露希。
 その様は、さながら、餌に齧り付く猛獣だった。
 ドサァッ ――
「いっ …… 」
 倒れたカージュの上に跨り、その喉元に鋭い爪をあてがう露希。
 その時、露希は、何だかつまらなさそうな表情を浮かべながら苦笑していた。
 確かに、カッとなって躊躇もなくこうやって追い詰めたけど、これじゃあ、つまんない。
 防戦じゃなく、反撃してくれないと、張り合いがない。露希の表情からは、そんな不満が感じ取れる。
「どした? 殺んねぇの?」
 死の淵に追いやられている状況にも関わらず、カージュは、そんなことを言う。
 そういう反応がまた、露希を冷めさせた。何だか、ムキになってる自分が酷く幼稚に思えた。
 これで、カージュもムキになってやり返してきたりすれば、もっともっと熱くなれるのに。
 ハァと大きな溜息を吐き落とし、露希は、乃愛を見やる。どうすればいいかな? と尋ねるように。
 殺られても文句ひとつ言えぬ状況で、この余裕。カージュの目的、意図が、ますますわからなくなる。
 見やられたところで、乃愛にもわからない。どうすればいいのか。カージュに限らず、クロノハッカーは面倒くさい。
 全員が全員、意図も目的も明らかにしないまま、こうやって姿を見せては、こちらをカッとさせるような真似ばかり。
 もしかして、反応を楽しんでいるだけなのだろうか。こちらの反応を。要は、愉快犯とか、そんな感じ?
 だとすれば、それはそれで、もっと面倒くさい人達として認識されるわけだけれど?
「 …… とりあえず、この傷をつけたのは、あなた達。その点は、間違いないですか」
 露希に拘束されている状態のカージュの顔を覗き込んで確認してみる乃愛。
 カージュは、言葉による返答こそしなかったものの、笑いながら、ただコクリとひとつ頷いた。
「では、次の質問です。この傷の意味は?」
 いつ、どこでつけられたのかという疑問については、もういい。
 そんなこと聞いたところで、何にもならない。だって、覚えていないんだから。
 例え、はっきりと説明されたところで、反応しようがない。へぇ、そうなんだ。くらいにしか思えない。
 ならば、重要なのは、その先。二人の背中に傷をつけた、クロノハッカーの意図・目的。
 そもそも、カージュは、それを伝えるために、今日、この場に姿を見せたのではないか。
 いや、正確にいうなれば、背中の傷について、こちらに何か不信感を抱かせるためというべきか。
「まだちょっと早いんだよな」
 苦笑を浮かべて返したカージュ。
 それが返答? 意味や意図について、返す言葉がそれ?
 つまり、まだ言えないと。そういうこと?
 なら、どうして来たんだ。乃愛と露希は、同じ思いを抱いた。
 だが、ムッとする気持ちを二人は抑える。ここでカッとなれば、それこそ向こうの意のまま。
 どういうことなんだよ! って熱くなれば熱くなるほど、こいつらは喜ぶ。ある意味、それが目的ともいえよう。
「露希」
「は〜い」
 乃愛に名前を呼ばれ、面白くなさそうにしつつも、カージュから離れて拘束を解いた露希。
 これ以上やっても無駄。何を訊いても尋ねても、カージュは、こちらが欲している情報を吐いてはくれない。
 苛々するし、この場で殺っちゃいたい気持ちは山々だけれど、そうしたところで、何かが解決するわけでもない。
 つい、カッとなり、翻弄されてしまった。一時とはいえ、それが事実であることに、乃愛も露希も、げんなりしていた。
 そろそろ、何か "きっかけ" が欲しい。
 こいつら、クロノハッカーを討つ必要があるのならば、その理由を明確にしたい。
 じゃないと、また今日のように苛々させられてしまうばかり。茶化されているような感覚は、とても不快だ。
 揃って溜息を吐き落とし、獣化した腕を元に戻した乃愛と露希。
 二人の呆れかえっているような様に、カージュは満足気に笑いながら身体を起こす。
 そして、また、ひとつ。大きな疑問と不信感を抱かせて、その場を去るのだ。
「これ。持ってて」
「はぁ〜? なにこれ〜?」
「 ………… 」
 カージュが、乃愛と露希に手渡したのは、小さな小瓶。
 チェーンのついたその小瓶の中には、白い灰のようなものが入っている。
 受け取りはしたものの、無言でいる乃愛。その沈黙は、いらないと拒否し、突き返したい気持ちの表れ。
 だが、それ(拒絶)をせずに無言を貫いたのは、拒否したところで、いいから持っててと押し返されるであろうことを悟ったから。
 おそらく、カージュの目的、今日に限っていえば、この小瓶を渡すことこそが目的だったのではないかと思われる。
 まぁ、その小瓶について深く詮索すれば、また別の意図が見え隠れするけれど、
 残念ながら、今は、それ以上のことを訊き出すことはできそうにない。
 面白くなさそうな表情を浮かべる乃愛と露希。
 そんな二人を見やり、カージュは、不敵な笑みと、これまた意味深な捨て台詞を吐いていく。
「失くした場合 "やりなおし" はできねぇからな。ちゃんと大事に持っとけよ。その日が来るまで」
 意味不明な言葉と代物を押し付け、ひとり勝手。満足気にその場を立ち去るカージュ。
 またね、と手を振り去っていくカージュの背中に、乃愛と露希は、じとーっとした嫌な視線を送っていた。

 気のせいだろうか。
 小瓶を渡し、それ以上のことを今はまだ話せないといったカージュが、苦しそうに見えたのは。
 何だか、カージュはカージュで何かを必死に抑えているような。我慢しているような。そんな気がした。
 もしかすると、カージュは、誰かに頼まれて、この小瓶を渡しにきただけなのかもしれない。
 つまり、今回の接触はカージュが自ら望んだものではなく …… 誰かに指示されたものだったり …… ?
 おそらく、カージュは、今日の接触を良く思っていない。意思とは裏腹な命令。誰が指示したのかは不明だが。
 そうじゃなきゃ、あんな顔できない。思い詰めたような、必死で笑んでいるような、あんな苦しそうな笑いかたなんて。
「意味わかんな〜い。とりあえず、帰ろうよ、お姉ちゃん」
「 …… そうですね」
 乃愛の服をツイツイ引っ張りながら言った露希。
 少し間を開け、笑顔を返した乃愛だったが、乃愛の心は、いまだに不信でいっぱいだった。
 二人で長々とショッピングを楽しんだ、その証ともいえる大量の荷物を抱え、自宅である寮へと戻って行く二人。
 気がかりなことはある。でも、疑問を抱いたところで、更に疑問は増えゆくばかり。
 無邪気な露希の表情を、自らの発言で曇らせるような真似だけは、絶対にしたくない。
 いまだに抱く不信感を、乃愛が口にせず心の内にしまいこみ、誤魔化すかのように笑顔を浮かべたのは、露希のため。
 この日から数えて三日後、乃愛は、ひとりで時狭間へと赴き、マスターとの面会を自ら望むことになる。
 クロノハッカーについて。彼等が犯した、今も犯しているという罪、あらゆる時間を弄ぶ "時弄" という重罪。
 彼らが問題視されるのは、はたして、本当にそれだけなのか? それとは別の何か、もっと大きな問題があるのではないか?
 不明確ながらも、クロノハッカーという罪人の背に "影" を見た乃愛は、マスターにそのあたりについて尋ねることとなる。
 だがまぁ、それはまた後日のお話。露希も知らない、乃愛だけが知ることになる、儚く切ない真実。
「お腹すいたね〜。今日の夕飯は何かなぁ〜」
「確か、今晩はカレーだと、先輩は言ってたのですよ」
「カレーかぁ! いいね〜。ロンね、先輩の作るカレー大好きなんだ〜!」
「アンも大好きなのです。でもちょっとだけ、辛いのが厄介ですけどね」
「だいじょうぶだよ。今度は少し甘くしてね! って、ロン、言っておいたから!」
「そうなのです? いつのまに、なのです?」
「へっへへへ〜」
 ポケットに放り込んだ小瓶が、ぼんやりと発光していることに、乃愛も露希も、この日はまだ、気付かずにいた。

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 The cast of this story
 8295 / 七海・乃愛 / 17歳 / 学生
 8300 / 七海・露希 / 17歳 / 旅人・学生
 NPC / カージュ / ??歳 / クロノハッカー
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 Thank you for playing.
 オーダー、ありがとうございました。