なつきたっ!SOS〜新婚旅行に行かない?〜
海辺のリゾートホテルへ新婚旅行
夏のひと時をのんびり過ごすなんていつ以来かしら?
楽しい思い出ができそうな、そんな予感がするわ
〜ビーチでひと時〜
「二人っきりで遊びにくるのもあまりなかったですね? 日焼け止めを塗りますよ?」
「あまりというか全然なかったでしょう?」
主人[クラーク・エアハルト]が私の背中にオイルを塗ってくる。
リゾート地のビーチとあって、日差しが強く白い肌が焼けそうなのを感じた。
「軍に長く居ましたから、こういうのにちょっと憧れていたのですよ‥‥レオノーラさんの肌はすべすべです」
水着姿で寝転ぶ私の背中や肩をクラークの手が少し硬い動きでなぞる。
くすぐったさもあるけれど、こんなに無防備に身を任せていることが私としては意外だ。
「このあとは海で泳いで、スキューバーダイビングもしたいです」
ぬるっとした手で触られて、体をくねらせながら私は目一杯楽しもうとするクラークの声を聞いていた。
「これから海で遊ぶのなら、私の体で遊ぶのもほどほどにしなきゃだめよ?」
日焼け止めのオイルを塗られた私は水着を片手で押さえながらクラークの頬にキスをする。
「れ、レオノーラさん‥‥急にそういうことされるとびっくりするのですよ」
頬にキスをされ、顔を赤くするクラークを可愛く思いながら私は水着を背中でとめると海に向かって駆け出した。
〜水中華〜
『綺麗‥‥』
レクリエーションダイビングで潜った海のサンゴ礁や泳ぐ熱帯魚の姿を見た私は目を見開く。
海にもぐる機会は多かった‥‥けれど、それも仕事ばかりであり『楽しんで』泳ぐことは皆無だった。
『世界が戦争をしているのを忘れそうになりますね‥‥』
クラークが私の隣で泳ぎながら声をかけてくる。
彼も私と同じ用にゴーグルにボンベを背負い、足ひれを動かして泳いでいた。
浅い海のため、ぴっちりとしたダイバースーツではなく肌を見せれるくらいの軽い装備である。
本当にそう‥‥世界はずっと戦争をしていた。
私は傭兵として世界中を飛び回り銃をもって頼まれた敵を倒してきた。
いつの頃から始めたのかわからないくらい、私にとって戦うことは日常となっている。
『レオノーラさん?』
『何でもないわ‥‥少し踊らない?』
気持ちを誤魔化すように私はクラークの手を掴み足ひれを動かしてサンゴ礁の周りを熱帯魚と共に泳いだ。
いわしの群れが私達の周りを大きく回り、不思議な世界が作られていく。
戦いや陰謀も関係のない静かな時間が流れた。
『こういうダンスも面白いですね‥‥せっかくですから、酸素がなくなるまで踊りましょう』
ダンスを終えた私の手を引いて今度はクラークが私を手を引いてサンゴ礁の回廊へと連れ出す。
静かな海の静かな時間を私はもっと感じたいと思っていた。
〜展望ラウンジで夕食を〜
遊びに遊んだあと、ホテルの展望ラウンジで私達は夕食を楽しむことにした。
「二人のこれからを祝って‥‥乾杯。レオノーラって、お酒飲めたっけ?」
「飲めなくはないけれど、弱いのよ‥‥だから、ノンアルコールカクテルで乾杯ね」
恥ずかしくてなかなかいえなかったことを彼にいって私は軽くグラスをあてる。
「弱いのか‥‥それは一度酔わせてどうなるかみてはみたいかな?」
ワインを傾けながら昼間の子供のようにはしゃいでいたのとは違い、年相応のクールさを見せる彼に私は微笑んだ。
(「夜になると彼は人が変わったようにかっこよくなるのだけれど、何でかしらね?」)
「顔になにかついてる?」
「目と鼻と口がついているわ。ああ、眼鏡もあるわね」
じっと眺めていたことが気になったのか彼は首を傾げるけど、私は誤魔化して食事を続ける。
「そうかい? ああ、今着ているドレスにさっき買った貝殻のネックレスが似合ってよかったよ」
「ありがとう、本当にいいチョイスだと思ったわ」
ワンピースタイプのドレスで肩のラインが見えているタイプであり偶然にもぴったり合った。
彼のこういうセンスは本当に驚かされる。
「コース料理を夜景を見ながら食べれるというのはいいね」
「本当に綺麗なものばかり見れて幸せよ。新婚旅行としていい思い出ができるわ」
彼がとった窓側の席から外をみると、命の存在が見られる街明かりが煌々と灯り、車がテールランプをともしながら走る姿が見えた。
展望ラウンジから見れば小さな光りであるが、生きている人々であり能力者となって彼らを守るために戦っている。
そのことを思い返すと不思議な気分になった。
「これから先もこうして平和に過ごせるように世界を守っていきたいですね」
「そうね‥‥世界のどこかでは平和に過ごせない人もいるもの、その人のために戦うというのもいいことよ」
夢を持っている男の人はかっこよく見えるもので、昔なら笑ってしまいそうなことでもクラークがいうと頼もしい。
(「これって惚気に入るのかしらね‥‥私も変わったわ」)
彼とであって過ごしてきた短い時間で、気持ちが変化していることに私は思わず笑ってしまった。
「あ、人の夢を笑うなんて酷いですよ」
笑ったことを勘違いしたクラークが子供のように頬を膨らます。
「いいえ、夢を笑ったわけじゃないのよ。ほら、折角の美味しい料理が冷める前に食べましょう?」
私はクスクスと笑いながらウェイターを呼んで飲み物を追加して、ゆったりした夕食を楽しんだ。
〜おしまいとはじまり〜
「にゅふ、まだ夜はこれからですよー」
酔っ払ったクラークが部屋に戻るなり私に飛びついてきてベッドへと押し倒してくる。
「新婚旅行だからって、強引ね」
押し倒されながらも甘えてくる彼を抱きしめ頭を撫でた。
これほど求められたことは今までになく、素直に嬉しい。
「デザートまで食べましたけれど、レオノーラをいただきま〜す♪」
クラークはドレスに手をかけて脱がそうとするが、すぐに動きが止まった。
「どうしたの?」
「ふにゅ〜、>レオノーラ‥‥愛しています」
酔いが回ったせいか彼は私に圧し掛かってむにゃむにゃと口を動かしながら寝言を呟いている。
「今日はいろいろ忙しかったから余計に疲れているのかしらね?」
ドレスを掴んだまま寝息を立て始める彼の頭を撫でながら私は苦笑した。
「私を食べるのは翌朝ね‥‥楽しみにして今日はこのまま寝ましょうか」
見えるおでこに起こさないようにキスをすると彼を抱きしめて私も目を閉じる。
明日旅立てばまた戦いの日常へと戻るのだから、ゆっくりと寝れるこのときを大切にしたかった。
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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / クラス 】
ga4961 /クラーク・エアハルト/ 男 / 28 /スナイパー
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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遅くなりまして申し訳ありません。
新婚旅行を普段気持ちをオープンにしないレオノーラの視点で書いて見ましたがどうでしょうか?
クラークさんと出会ったことで感情が豊かになったかなと個人的には感じています。
今後とも仲良くしていただければ幸いです、このたびは発注ありがとうございました。
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