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「ここはかわいい小鳥屋さん ぴよぴよの森
ペットショップじゃないですよ。
小鳥はあなたのパートナーです。
大きい子から小さい子までなかよくしてね」
(撫子は作り笑顔を引きつらせながら店のコンセプトを説明した)
(玲奈は少し考えこんで、口を開いた)
「つ、つまり猫カフェの鳥さんバージョンみたいなお店ですか?」
(中らずと雖も遠からず。だが、ここにいる鳥類は生きて血の通ったそれではない。触れば氷水で手を切るような冷たさがある)
「えっと、そ、そうなんですけど」
(撫子は口ごもった。真実をどこまで明かせばいいか慎重に言葉を選んでいる。何しろ、逃げ帰ってしまった応募者は両手に余るほどいるからだ)
「そうなんですけど?」
(玲奈の表情が曇った。何かいわくつきであることを感じ取ったようだ)
「そ、そうなんですけど、わかりますよね? 霊鳥類」
(撫子は地獄の神に心底願った。今度こそ勇気ある応募者が一線を越えてくれますように)
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