MYSTIC-CITYについて

僕と貴方と赤い箱

 じとじとと憂鬱な雨が続く梅雨の頃。
新宿に建つバー、【黄昏の箱】の中ではこんな噂話が流れていた。
「この近くの廃ビルに出るんだって」
老朽化し、取り壊しが決まったある雑居ビル。そこにいつの頃からか夜な夜な赤い光が漂うという噂が流れていた。

 「……で、ちょっと面白がった奴らが肝試しって言ってその廃ビルに行ったらしいんだけど……」
面白半分にビルの噂を確かめようと何人かの若者がそのビルに行ったらしい。
そして、その人たちのうちの何人かは原因不明のこん睡状態に陥り、病院に運び込まれた……。
 そんな噂はまことしやかに都会の怪談として主に、10代後半から20代前半の若者の間で流れていた。

「……赤い光……」
なんとなく耳に聞こえてきたこんな話に何か、妙に引っかかりを感じたのは【黄昏の箱】のマスター、葵だ。
「こん睡状態に陥った人たちには『エーテルボックス』の魔力がほんのわずかですが、残っていましたよ」
店に頻繁に訪れる情報屋、トッドは葵の意図を察してこんなことを告げる。

「……調査の必要はありそうですね。しかし、本当に『箱』なのでしたらそれなりの方のご協力を仰がなくてはならないかもしれませんが」


【黄昏の箱】入り口の伝言板に「見えないメモ」が張り出される。
 それは、ある一定の力を持った人にしか見えない不思議なメモ。


― 近所の廃ビルに肝試しに行きませんか? 場合によってはお宝が見つかるかもしれません…… ―



■募集人数
1〜4人



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