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■草間氏が避難■

滝照直樹
【1355】【蒼乃・歩】【未来世界異能者戦闘部隊班長】
【データ修復中】
あやかし荘奇譚・草間氏が避難?

◆青乃・歩
『萌の女王』と仲間や知人に言われて、かなり異能者隊長の威厳が無くなった蒼乃・歩…。しかし彼女は第一の目的がある、大好きな風野時音を異能者側に取り込むことだ。光刃であろうと、天空剣であろうと知ったことではない。仲間の呆れた発言も無視、無視、無視!何処かの萌魔王に魂を売った同然な彼女に、もう未来とかどうでも良かった。
人捜しなら…草間が良いと判断した歩は、人まず興信所に出向くが零しか居ない。訊いてみるとたぶんタバコを買いに行っているのだろうと零は言った。
「近くでマルボロを買うとしたら少し歩くよな」
だいたいの位置はわかっているので、その場所に向かう。シワシワのジャケットで、マルボロを買っている男が居る。草間だ。
「おい怪奇探偵!」
「…挨拶か?其れは?」
歩の挨拶に、眉間のしわを寄せる草間…。
「今日は何もしない」
すごく機嫌を損ねたようだ…。
「いいのかなぁ〜。初めての【ふつう】の依頼と思ったのに…」
「何!?」
ふつうの依頼と聞いては、さっきのことなどどうでも良くなった。結構単純である。
「どんな依頼だ!」
「人捜し♪」
「…誰だ?」
少し…否、完璧に不安になる…確実に怪奇現象に巻き込まれると判断した草間…。こいつが狙う目標は一つ…。
「…いや言わなくて良い…お前の口から彼奴しか居ない…『破滅的お人好しの、風野時音』…」
「あったり〜♪」
「断る。どこが【ふつう】の依頼だ!」
捜すのは確かにふつうの依頼だが…能力を持った人間だと別だ。二人が出会えば怪奇現象というか『●魔◆戦』か『◎K○RA』などのサイオニクスアニメムービーと化してしまう。この二人の喧嘩につきあうつもりはない。場所は知っているが教えて何の得があるというのだ。
「断らなくても、簡単よ。すでに捕獲器で捕らえていると思うけど、其れを探してくれればいいの。捕まったあいつを探して見つけてくればいい」
「彼奴はゴキブリかネズミか天然記念物か?!そういった超能力戦は個人同士でやれ!俺は絶対にかかわらん!」
「ふーん…」
歩は草間の言葉に青筋をたてて、退魔銃を草間に向けた。弾は当然「光刃」弾…。
「やる気か?」
「断れば、これで死んだほうがましと思うことをするぞ…」
「イヤだね」
草間は場数を踏んでいる。歩は能力があるから生き残れたようなモノだが…。機転は無きに等しい。
草間は素早く歩の手を蹴り上げ、宙に浮いた銃をつかみ、歩に向ける。
「動くな…」
そのまま、退く草間に対して憎悪ともとれる顔をする歩だった。
「くっ」
「もし能力で追いかけたら…ただじゃすまないぞ…」
「…ふ…流石だ。しかし、俺はあきらめないからな!」
一定距離まで離れた草間は、路地裏に姿を消した。
歩は跳躍して、その場まで行くがすでに見あたらない…。
「くっ!逃げ足の早い!…しかし、素直に依頼を受ければ恥ずかしい思いをすんだモノを…」
狂ったような笑みを浮かべて歩はつぶやいた。

「ママーあのお姉ちゃんわらってる〜」
「しー!見てはいけません!」

…春なのに風が少し寒かった…

蒼乃歩はおどおどしている嬉璃を見つけた。
「こまったものぢゃ…」
「どうした?」
「ん?なんでも…ある…」
インスタントカメラのシャッターを押しかけの歩に嬉璃は恐怖する。彼女は大のカメラ嫌いである。カメラ自体を見るだけでは怖くなくなったが、写されることに対しては耐性がない…。
(恐るべし…蒼乃歩…)
最強の凶器を突きつけられては服従するしかない嬉璃だった。
「まずは…草間がどこにいるか知らないか?」
「居ることはいるが…どこにいるかわからん」
「本当のようだな」
「嘘つけるか!」
「反抗するな…」
「ううう…お姉ちゃんがいぢめる…」
子供言葉になってしまった嬉璃。
「もう一つ…時音はどこ?波動を感じるのはわかっている!捕獲器が壊れていることも発見した」
「たぶん歌姫の部屋…」
「ありがとう」
嘘はついていない。いまでは歌姫は時音を愛してから守衛室に入り浸っているからだ。はっきり言って同棲だ。
当然歩が歌姫の本来の部屋についた時、歌姫は居なかったし、時音も居なかった。おそらく逃げたか?
「くそ!先に草間だ!」
歩はどこからともなく大きな鞄をとりだし…中からはゴシックロリータの本や、オタクアイテムを抱えて玄関まで戻ってきた。
そして…
「草間ぁぁ!諦めて投降してこないと、この『世界メイド服大全』という神秘の本や『萌え萌え巫女服友の会定例新聞』だのの詳細を、イラスト込みで零に詳細に濃厚に語ってやるぞー☆」
と叫んだ。
ある意味…退魔銃で撃たれて死ぬより…こっちの方が恐ろしい。

「どこだー!」
もう狂気のオタクになった歩に敵はいないと思われた。しかし!
廊下に写真が落ちていた…それは…『時音5歳』のロリロリ写真だった。彼女にとって超レアアイテムだ。
「あ!宝物めっけー!」
拾った瞬間…天井から日本刀の雨霰が降ってきた。
「うわあ!!」
奇妙なポーズで何とか攻撃をかわす歩。
「このブービートラップ…。時音ね!」
刀を抜くと今度は壁から、でかいボクシンググローブが出てきて彼女を直撃する。反対側の壁が鉄板になっており、かなりのダメージを被った。
「なかなかやるな…」
鼻血を出しながらにやりと笑う。
先に進むと…鉄鋼糸が張り巡らされている。
「ははーん。俺が念動弾でこれを切り裂こうとするか…さけると逆に罠が発動するって事だな」
「よくわかったね」
その先には10歳の時音がいた。しかも可愛い小学生の制服のコスプレをしている。
「時音!…か、かわいいい〜」
罠のことはお構いなくなった。もう可愛い時音に目を奪われた歩はただの馬鹿でしかなかった。
当然、罠に引っかかり。もう説明出来ないトラップの嵐をもろに受ける歩だった。

「あ、アレで引っかかる?」
「ふつうはないだろう?」
「あう言う奴らしいな…歩は…それより、敵の弱点を知り尽くしての対策。流石時音だ」
ノックアウトしている歩を傍観しているシュラインと草間はこの光景が信じられなかった。
剣客だけは笑いをこらえている。
「流石、戦いなれているな…」
エルハンドはいきなりドアを出し、呆然としたシュラインと草間をつれて現実世界に戻った。


歩が目を覚ますと…
殺気だった5人が立っていた。殺されかけるしかつオタク扱いされた草間と、本当に彼を心配していたシュライン、捕獲器で子供になってしまった事と草間たちに迷惑をかけた事で怒る時音と歌姫。カメラを向けられた嬉璃…。
エルハンドは玄関の方で黙っていた。
完全に分が悪い…本当に分が悪い…歩は冷や汗をかく…。
「欲も俺を殺そうとしたなぁ〜。しかも零に……」
「武彦さんをオタク扱いしたわねー」
「元に戻った僕の剣で封印されたいかな?」
「カメラを向けた罪は重いぞ、小娘ぇ〜」
にじり寄る5人に、歩は退く。彼女はエルハンドに助けを求めるが…
「自分のまいた種ぐらい自分でしっかりかたつけろ。萌えの廃人」
神にまで見放されたら…もう人生終わった。しかも廃人扱い…。
「そんなのいやぁ〜!」
その叫び声が、彼女の断末魔となった(半殺しですみましたが)。

「すまなかった〜!」
草間はシュラインに土下座する。
「いいわよ…もう怒る気も失せたわ…」
管理人室でのんびりしたあと、草間とシュラインは事務所に戻っていった。
時音は、小鳥の檻にいる小鳥をみている。歩のなれの果てだ。能力を一時的に封印すると同時に、デリケートなカナリアに変化させたのだ。悲しく歩はぴーぴーと泣くしかなかった。
数時間後には、異能者との取引で釈放されることだろう。向こうも恥ずかしすぎて、
「今回はすまない…こちらで後処理はするから…信じてくれ…」
と謝罪したぐらいだ。
異能者部隊長がこんなのになってしまった部下に哀れみを感じる。
なんというか、この事件は単なるどたばたで終わった。


End?


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0086 / シュライン・エマ / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【1219 / 風野・時音 / 男 / 17 / 時空跳躍者】
【1355 / 蒼乃・歩 / 女 / 16 / 未来世界異能者戦闘部隊班長】

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■         ライター通信          ■
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どうも滝照です。
このたび、『草間氏が避難?』に参加していただきありがとうございます。
蒼乃様のおかげで、思いっきりどたばたギャグになりました。こちらが考えた以上の行動お疲れ様です。
本当に心配しておられたシュライン様、如何だったでしょうか(滝汗
風野様は若干年齢を要望より下げました。先がおもしろいと思ったので。

作業中、笑いが止まらなかったです…。
ただ、蒼乃様が零ちゃんに「アレ」を伝授し、零ちゃんが実行した場合…。
考えただけでも恐ろしい…。
これからもよろしくお願いします。


滝照直樹拝