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■零の誕生パーティ■

滝照直樹
【1305】【白里・焔寿】【神聖都学園生徒/天翼の神子】
【データ修復中】
零の誕生パーティ

1.電話連絡:白里・焔寿
いきなり電話から聞こえたのは…
「にゃー」
この瞬間草間は固まった。何か感づいたのか猫が草間の肩に乗る。
「ダメじゃないアルシュ。器用だからって電話を勝手にとっては…もしもし白里です」
「ああ、草間だ」
彼は確か彼女も虹猫一匹の里親だと思い出した。猫としては一番奇妙なこと(能力)をするのは知っているが…電話を取るとは思わなかった。
「草間さん!こんにちは、どのようなご用件で」
「ああ、零のための誕生パーティを開こうと思うのだが、来るか?」
「もちろん行きます。場所は、あやかし荘が良いと思います」
喜んでいて、優しし王に返答する焔寿。あやかし荘なら、予想外の大人数になっても大丈夫だろう。
「御食事はこちらで用意しますから」
丁寧に段取りのバックアップなどをしてくれるそうだ。草間は感謝を込めて返事をする。
政府高官のご令嬢であるだけある。
「助かる。ありがとう」
「妹さんの誕生日をしっかり決めて、祝うというのは良いことですよ」
家族愛は大事であると知っている彼女は懐かしそうに、そして少し寂しそうに答えた。
「そうだな。日時は〜だから」
「はい、そのときに」
彼女は笑みをこぼして電話を切った。

2.白里焔寿
あやかし荘には高級食材の山が送られてきた。
「どうするのでしょうか?」
恵美は首を傾げる。
「お誕生日会の食材です」
にっこりと微笑む焔寿。
「なるほど」
恵美はそう返答するしかなかった。
一種の「御用達」レベルの高級食材が目の前にある。それだけでもう言葉は出ない。無農薬、無添加食品で、たまらず「良い仕事してますね〜」と言いたいほどのものだ。今では焔寿御用達の店…。
誕生日会前日ということ故、肉などは今の内に下ごしらえをして、明日には生もの用が来る手筈らしい。
大きな厨房がいるのではとおもったりする。
焔寿はチェックしてさくさくと準備に取りかかった。まるで、あやかし荘の台所をいつも使い慣れているか様に、手際がよい。
チャームとアルシュは、彼女が用事をしていると知ってじっとしている。アルシュは虹猫の一匹、前に人間の言葉を喋る事が出来た。それ故なのか人間の行動を理解しているようだ。

3.零の誕生パーティ準備
草間は零に何も告げず、あやかし荘に来いと言ってから、先に出かけてしまった。
零は何のことか分からないので、兄に従う。
この数日、何事もないように零に隠していたのは、サプライズパーティにしようと思ったからだ。
零の驚く顔を見たいという気持ちがあったのだろう。
先に着いた草間と、丁度エルハンドがシュラインを連れて戻ってきたところでばったり出会った。
「お疲れ様エルハンド、お帰りシュライン」
「何とか間に合ったな、草間」
「武彦さん、無計画すぎるわよ」
「わるいわるい」
シュラインの声を聞いた時に、謝るも安堵感があった。
「今、あやかし荘では準備の修羅場と思う、済まないが料理の方手伝ってくれないか?」
「ええ良いわよ」
草間の頼みを快く引き受け、軽い足取りであやかし荘に向かうシュライン。
「俺たちも飾り付けをするか」
草間は腕まくりしてあやかし荘に入っていった。

シュラインが台所に来た時には、焔寿とみなも、恵美が料理をしていた。
「こんにちは」
「「こんにちは」」
笑顔で挨拶する。
「シュラインさんが来てくれると大助かり!それに何より零さんが喜びますね!」
みなもは嬉しそうに言った。焔寿も頷く。
「ありがとう」
そうまで言われると照れるなぁとシュラインは思った。
「さて、急いで戻ってきたけど手伝い出来ること無いかしら?」
彼女は零の心に残るパーティにしようと張り切って料理をし始めた。

数時間後全ての準備は整った。

4.主賓登場
零は、あやかし荘に着いた。
しかし様子が違う。全て明かりがついていない。
「どうしたのだろう?」
不安があった。
兄が何気なく来いと言うことだけしか言わなかった。何があるのと問うとはぐらかされた。
いつものことだからあまり気にもしていなかったが、これは違う。
静まりかえったこの場所はとんでもない事になっているのではと考えてしまう。

恐る恐る玄関のドアを開けた。
「こんにち…」
すると、いきなり明かりがついて、クラッカーの音や「ハッピバースデー!」と大声で祝いの言葉の嵐が耳に届いた。
クラッカーの紙まみれになった零は呆然とする。
目の前には、草間や遠出をしていないはずのシュライン、みなもと焔寿達が待っていたのだ。
「これは?」
「零ちゃんの誕生日会よ」
「え?私」
「そうよ」
まだ状況を理解していない零にシュラインが優しく説明した。
みなもと焔寿、そして柚葉は、彼女の手をひっぱってこっちこっちと食堂に連れて行く。
と、食堂は豪勢な料理と、綺麗な飾り付けで誕生パーティという事が彼女にも分かった。
「皆さんありがとう」
零は驚きながらも、とても嬉しそうな笑顔で答えた。

時音と歌姫の歌をBGMにしてワイワイと盛り上がる。
焔寿の猫チャームとアルシュ、草間の赤猫は行儀良く椅子に座っていた。かなり賢いようだ。
草間はみなもが居ないと気づく。まぁ手伝いに専念するらしいから今厨房にあるのだろうと思っていた。
零と一緒に食事をして話をしていると、喉が渇いた。
「ウィスキーあるかな?」
テーブルを探したが無い。
「ここりあります」
みなもの声がした
「ああすまない…ってなんだ!その格好!?」
思わず、手にしたグラスを落としそうになった。
バニーガール姿のみなも。流石に不意打ちである。
「何故そんな格好…?」
「姉さんが、この服が良いって言うから…う〜ん」
3人して悩む。彼女は、この格好をしているのは、とても恥ずかしそうだから、兄妹はそれ以上聞かないことにした。
中盤、みなもが十八番の水芸で皆を驚かせる。極めは、リクエストした飲み物を「それ」で淹れるというものだ。焔寿の友達チャーム率いる猫たちは、時音の伴奏にあわせにゃーにゃーと歌う。なかなか可愛い。
プレゼントを贈る時間帯になった。
みなもは、海から採ってきた自然の宝石をビーズで結んだネックレス。形はいびつだが、心はこもっているのが分かる。時音は、くまのぬいぐるみ、焔寿は鍵のかけられるアンティークの小物入れ、シュラインは珈琲カップだった。他にも様々なプレゼントを貰う。
兄、草間のプレゼントは小さな箱だった。指輪ケースみたいだった。
「別に兄妹が指輪を贈るって言うのも悪くないかな…と思ってな…」
照れながら答える草間。まぁ思いついたのが指輪だったのは仕方有るまい。
「大切にするよ、兄さん。ありがとう」
にっこりと微笑む妹だった。

最後に零が、お礼の挨拶をして幕を閉じた。

誕生パーティがおわったあと、皆で片づけをして、おのおのが家路につく。
零はとても嬉しそうに軽い足取りで兄と帰っていった。
「また1年後が楽しみ」
零の言葉は幸せの気持ちが一杯だった。

End

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0086 / シュライン・エマ / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【0759 / 海塚・要 / 男 / 999 / 魔王】
【1109 / 水瀬・夏紀 / 男 / 17 /若き退魔剣使い】
【1219 / 風野・時音 / 男 / 17 / 時空跳躍者】
【1252 / 海原・みなも/ 女 / 13 / 中学生】
【1305 / 白里・焔寿 / 女 / 17 /天翼の巫女】

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■         ライター通信          ■
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こんばんは
滝照直樹です。
『零の誕生パーティ』に参加してくださりありがとうございます。

また機会が有れば宜しくお願いします。

滝照直樹拝