■桜花苑奇譚<神の居ない日>■
天瀬たつき |
【1252】【海原・みなも】【女学生】 |
「おい。藤也よ」
一日の営業もおわり、店の片づけをしていた店長、篠原藤也の背後から声がかかる。
「あ……桜華様」
そこには5歳くらいの少女が立っていた。
桜華と呼ばれたその少女は、いわゆる『ご神体』桜花神社を護る、桜の樹の化身である。巫女服を纏い、髪の両脇を緋色のリボンで留めた桜華は見掛けに似合わぬ口調でこういった。
「ちょっとわしは出雲まで行ってくる。1週間ほどここを空けるが……お主、留守番できるな?」
「留守番って、子供じゃあるまい……って、えーーーー!?」
しばしの間。その後藤也は驚愕の表情で聞き返す。一方の桜華は、それをくすくすと悪戯っぽい笑みで眺めている。
「……ま、せいぜい楽しんでくることじゃ」
「まってくださいぃぃぃ」
という藤也の悲痛な懇願の声に耳を貸す様子もなく、桜華はさっさと神社の外へと消えていってしまう。
−−そして、神のいなくなった神社。普段は桜華の力で幾重にも張られていた結界がその力を弱める。
それと同時に藤也の背後に近寄ってくる何者かの気配。
「やっほ〜。おひさぁ」
「…………彩女……っ」
そこには20代くらいの妖艶な女性が立っていました。藤也の顔を眺め、うふふ、と微笑むと彼女は言いました。
「今年こそ、あたしのダーリンになってもらうからね♪」
こわばったままの藤也の表情を見る限り、どうやら、彼にとっては望まざる客であるようです……。
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はい、はじめまして、またはいつもお世話になっております。天瀬たつきと申します。
今回のネタは「神無月」。1年に一度10月11日から17日は全国の神様が出雲に集まるんだそうで……。そこからネタを拝借したのが今回のお話。
桜花神社は普段はご神体である桜の樹の力で結界が張られており、邪な者は入れないのですが、この1週間に限っては結界の力が少し弱まってしまうのだそうです。
桜花苑の店長、篠原藤也はどうやら代々妖怪等をひきつける家系らしく、数年前から1体の妖魔に付きまとわれているようです。
サキュバスである彼女は毎年この時期になるとあしげく神社に通っては藤也を我が物にしようとあれやこれやと手を尽くしてくるようです。
PCはその1週間のうちの1日に桜花苑を訪れます。藤也について彼女から守ってやるもよし、また逆にサキュバスに荷担するもよし。
そこはあなたとPCの良心次第ということで。
ただし、一つだけ。規約に準じ、お色気以上にななりえませんので、何卒その旨だけはご了承を……。
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今回は基本的に「1人に1日」という割り当てで作品を作ります。PC1人で個別作成になります。
ただ、どうしてもご友人と合同で、という場合は「○○さんと一緒に」という注釈を追加してください
想定ページ数:約2ページ(1人のみでの話の場合)
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