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■出現!天下無敵の暇人娘!■

三咲 都李
【2181】【鹿沼・デルフェス】【アンティークショップ・レンの店員】
恋も学校も飽きちゃった!何か面白いことないかなぁ?
少女・三雲京子(みくもきょうこ)はフラフラと町を歩いていた。
と、1つの看板が目に留まった。
『草間興信所』
興信所・・探偵!?うわ!おもしろそう!!
三雲はためらわず入っていく。
「すいませーん!面白いことありませんかー!」
大音量のブザーを鳴らし、三雲は草間興信所の扉を開けた。

三雲は草間興信所のソファに陣取った。
これでは仕事に支障をきたす。
依頼を回すのは簡単だが、面白半分で調査されても困る。
草間は頭を抱えた。
架空の事件。それをでっち上げ、三雲が二度とココに来ないようにすることが出来れば・・。
だが、暇人がそう簡単に懲りるような架空の事件では困る。
なにかガツンとお灸をすえてやらねば・・。
ちらりと見ると三雲はウキウキ顔で草間興信所内を物色している。
誰か・・コイツを何とかしてくれ・・・。

と、そこに誰かが入ってきた。
そう、他ならぬあなただったというわけだ。
草間はすべてをあなたに委ねた。

-----<作者より>-------
凶悪暇人・三雲京子を撃退していただきます。(笑)
架空の事件をでっち上げ、三雲京子が二度と草間興信所に興味を持たぬようにしていただきます。
・どのような事件をでっち上げるか。(例/殺人・憑依・失踪などなど)
・その事件をどのように捜査し、三雲京子を撃退するか。(例/日本一周を徒歩で行ってみるなど)

個別に作っていく予定ですが、他PC様と共同で事件をでっち上げる場合はその旨お書きくださればご一緒にお書きいたします。
出現!天下無敵の暇人娘!

1.お荷物
鹿沼(かぬま)・デルフェスは草間から少女・三雲京子を託された。
「ねぇねぇどこ行くのー??」
三雲は先ほどからウキウキと鹿沼の周りを飛び跳ねる。
この娘は一体仕事というものをなんだと思っているのでしょう?
鹿沼は三雲に対し少々いらだっていた。
「・・実は私立桜女学園に近いデートスポットで深夜に女子高生が失踪しているという事件があるのです。」
「えー!?それ、あたしが行ってる学校だよー!?そんなのしらなーい!」
三雲が目を丸くした。
草間が先ほど三雲の着ている制服から学校名を割り出しておいてくれたので、でっち上げ事件とは思えないほどのリアリティを持って三雲に伝わったらしい。
「知らないのも無理はありません。人ではないモノが関わっているから公にならない。だから草間興信所に依頼が来たのです。」
「・・えー。でも噂ぐらいにはなりそうなものなのにぃ。」
三雲はブーたれた顔をしてなにやらぶつぶつと文句を言っている。
自分の知らない噂はないとでも思っているらしい。
世間を知らないお子様・・鹿沼の目に三雲はそう写った。
「・・・で、どこ?デートスポットって。どうやって捕まえるの?」
三雲は既に立ち直ったらしく鹿沼に好奇心いっぱいの視線を向けた。
「高校の近くに大きな公園があったでしょう?そこが現場です。そして捕まえる方法として・・・。」
鹿沼はそこで言葉を切ってにっこりと笑った。
「三雲京子様、あなたに囮になっていただきたいの。」
「・・うっそおおおおおおぉぉ!!!!」
三雲の絶叫が辺りにこだました・・。

2.囮捜査
真っ暗な公園。
昼間なら木々の木漏れ日が優しさを演出しているであろう、昼間なら。
だが、時は夜。その木漏れ日を作り出す木々は深い闇をより一層深いものにしている。
「ねぇ、マジでここ歩くのぉ?」
心細げに三雲は茂みに隠れている鹿沼に言った。
「こちらに話しかけては駄目ですよ。女子高生の一人歩きというのが狙われやすいんですから。」
鹿沼は優しく優しく言った。
「・・うぅ。こんなとこ歩くのやだー・・。」
三雲は不安ながらも鹿沼の指示に従い、素直に歩いていく。
時々いるカップルに目をやりながら、三雲は歩き続ける。
そろそろ三雲も慣れてきたらしく、鹿沼に話しかけることもなくなった。
鹿沼は作戦を実行する事にした。鹿沼は自らの体を本来の姿へと変貌させる。
ミスリルゴーレム。鹿沼の本当の姿である。
物音を極力立てないように茂みの中を走り、三雲の先回りをした。
ある程度の距離を走ると、三雲を待ち受けた。
さぁ、囮捜査の見せ場である。

3.石化
三雲は既に怖さを忘れていた。
茂みには鹿沼がいるし、カップルも結構いる。こんな場所で出るわけないじゃん。と高をくくっていたのだ。
だが、その時は来た。
突然茂みの後ろが揺れ、得体の知れないものが出てきたのだ!
「・・・・・!」
あまりに突然のことで悲鳴すら出なかった三雲は腰を抜かして座り込んだ。
三雲が見たこの得体の知れないもの・・実は鹿沼である。
鹿沼は三雲に『換石の術』をゆっくりにかけた。
徐々に三雲の足元から石に変わっていく・・・。
「あ・・・あ・・・」
足が石に変わっていく恐怖・・。三雲は歯をガチガチと鳴らしすがるような目で鹿沼を見た。
ちょっと可哀想なことをしているのかもしれない・・と鹿沼は思ったが、これも三雲のためなのだと心を鬼にした。
腰・・胸・・首・・徐々に石化していくからだ。
その時「キャー!」という悲鳴が聞こえ、後方を人が走っていく音が聞こえた。
どうやらカップルに見られたらしい。
だが、これも後の布石となるだろう。
「たす・・・」三雲の口が石化のために半開きで固まった。
これで朝まで少し頭を冷やしてもらおう・・と鹿沼は朝を待つために一旦家に戻って行った。

4.お灸
すがすがしい朝が来た。
鹿沼は三雲にかけた『換石の術』を解いた。
「あ・・あれ?朝??」
どうやらすっかり記憶が混濁しているらしい。
「大丈夫?あなた、石にされていたのですよ。覚えてますか?」
「・・あぁ!!そう!あたし昨日化け物に襲われたの!!」
興奮したように三雲が言った。
「あれが、調査依頼の化け物だったんだね!?」
「えぇ、他の女子高生たちも石化されてました。わたくしが化け物を倒して無事お家に帰しました。」
鹿沼はニコリと言った。が、すぐに厳しい顔になり三雲に言った。
「わかったでしょう?普通の人間が興味本位で関わるべき事件ではないのよ。もう、こんなことはおやめなさい。」
さすがの三雲も反省したようで「ごめんなさい」とうなだれた。
鹿沼はこれでよかったのだ・・と思った。

5.結果
「こんにちわーーー!」
鹿沼が丁度、草間に三雲の件の報告をしていた昼下がり。
草間興信所に聞き覚えのある声が響いた。
「あー!鹿沼さんだぁ!こないだはどうもぉ!」
「み・・・みく・・も・・さ・・?あなたどうして・・・。」
鹿沼は言葉を失った。何故三雲京子はここに来たのだろうか?
「人外の者が関わっている事件以外のものもあるんじゃないかなー・・って思いましてぇ。」
てへっと三雲が笑った。
鹿沼は頭痛がしたような気がした。
それは、もちろん身体的なものではなく、精神的なものだと鹿沼自身にも分かった。
もっと怖い目にあわせた方がよかったのかしら?
鹿沼はそう思ったが、このゴキブリ並みの精神力とポジティブ思考の三雲には何をやっても無駄なのかもしれない・・と溜息をついた。

その後、私立桜女学園の近くの公園に石化する化け物の噂がまことしやかに流れていたのは言うまでもない。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【2181 / 鹿沼・デルフェス / 女 / 463 / アンティークショップの店員】

【NPC/三雲京子/女/16/女子高生】

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■         ライター通信          ■
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鹿沼・デルフェス様
初めまして、とーいです。
この度はPCゲームノベル「出現!天下無敵の暇人娘!」にご参加ありがとうございます。
鹿沼様のOMC初作品となるもの・・・なのですが、このような結果になってしまって申し訳ないです。
いい着眼点をお持ちだったのですが、三雲はそれ以上に自己中だったようです。
これに懲りずに色々なゲームやコンテンツをお楽しみくださいね。(嫌わないでくださいね(汗)
鹿沼様の口調や性格などが上手く表現されていれば幸いです。
それでは、またお会いできる日を夢見て。