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■出現!天下無敵の暇人娘!■

三咲 都李
【2152】【丈峯・楓香】【高校生】
恋も学校も飽きちゃった!何か面白いことないかなぁ?
少女・三雲京子(みくもきょうこ)はフラフラと町を歩いていた。
と、1つの看板が目に留まった。
『草間興信所』
興信所・・探偵!?うわ!おもしろそう!!
三雲はためらわず入っていく。
「すいませーん!面白いことありませんかー!」
大音量のブザーを鳴らし、三雲は草間興信所の扉を開けた。

三雲は草間興信所のソファに陣取った。
これでは仕事に支障をきたす。
依頼を回すのは簡単だが、面白半分で調査されても困る。
草間は頭を抱えた。
架空の事件。それをでっち上げ、三雲が二度とココに来ないようにすることが出来れば・・。
だが、暇人がそう簡単に懲りるような架空の事件では困る。
なにかガツンとお灸をすえてやらねば・・。
ちらりと見ると三雲はウキウキ顔で草間興信所内を物色している。
誰か・・コイツを何とかしてくれ・・・。

と、そこに誰かが入ってきた。
そう、他ならぬあなただったというわけだ。
草間はすべてをあなたに委ねた。

-----<作者より>-------
凶悪暇人・三雲京子を撃退していただきます。(笑)
架空の事件をでっち上げ、三雲京子が二度と草間興信所に興味を持たぬようにしていただきます。
・どのような事件をでっち上げるか。(例/殺人・憑依・失踪などなど)
・その事件をどのように捜査し、三雲京子を撃退するか。(例/日本一周を徒歩で行ってみるなど)

個別に作っていく予定ですが、他PC様と共同で事件をでっち上げる場合はその旨お書きくださればご一緒にお書きいたします。
出現!天下無敵の暇人娘!

1・女子高生2人
「丈峯楓香(たけみね・ふうか)でーす!で、三雲京子さんだよね?草間さんに頼まれて追いか・・違う。調査依頼を一緒に行う事になりましたー!よろしく!」
草間興信所に現れ、キャピキャピと楓香はマシンガントークを早速繰り出した。
長い髪の毛をツインテールにして緑の瞳の楓香に、三雲京子は少々面食らったように言った。
「・・あたしと同じくらい?高校の制服だよね?」
「そうでーす!15歳でーす!」楓香は自慢げに指でブイサインを作って見せた。
「・・ならあたしでも出来る調査あるんだね!頑張ろうねー!楓香!」
三雲、すでに楓香を呼び捨てである。よほど第一印象で気に入ったらしい。
「こちらこそよろしくね!京子!」
楓香も自然に三雲を呼び捨てにしていた。
波長はばっちりといった所だろう。
「で、早速だけど、京子の好きな芸能人て誰?」
「うーん・・?あ、矢嶋智人とか好きかな。」
「・・うわ。渋!」と楓香が呟いたが三雲には聞こえなかったらしい。
「あの小さい割に存在感とかあるのがカッコいいのよね」三雲は1人トリップ中である。
楓香は今のうちにと精神を集中し始めた。
精神世界投影能力。楓香の特殊能力である。
テレビに矢嶋・・テレビに矢嶋・・意識を集中して・・・。
「あ!なんか変なニュースやってるよ!」
楓香はあくまでも自然にテレビを指差した。
「え!?なになにっ!」三雲が振り向くと「・・何これ?落書き?」と一瞬で目が点になった。
テロップには大きく『新宿で【トリビア】がゲリラ撮影!』と書かれてはいたが、どう見てもどこかの商店街に落書きが闊歩しているようにしか見えない。
(う。駄目だったか・・ならば!)
楓香は再び意識を集中し、新たなイメージを自分の心に描く。
これならどうだ!
テレビの映像は切り替わり、テロップは『神田川に巨大怪獣泳ぐ!神田川のカンちゃん!?』と変わる。
ワーワーと騒ぎ立てる群衆と必死の形相のレポーター。だが・・。
「・・今の季節って氷は張らないよね?」三雲が鋭いツッコミを入れる。
そう、新たなイメージで作り出された怪獣はなぜか川を泳いでいるのではなく川の上を滑っているのである。
「・・えぇっと・・行ってみない!?ね?面白そう!早くいこ!京子!」
考えるよりも早く動いた方がよさそうだ!と楓香は京子を連れ出す事にした。
とりあえず、三雲の興味を他に持っていくことに無理やり成功させた。

2・神田川まで
JR山手線高田馬場駅に到着すると二人は大きく息を吸った。
少々混んでいた列車から開放された安堵の溜息である。
この駅で降りれば神田川はすぐである。
「・・変なの。怪獣が出た割りに皆騒いでないよね。」
三雲が素直な感想を述べた。
「え?そうかなぁ?」と楓香は少々あせった。
次のイメージを考えておかないと。
歩き出す三雲を追いかけるように楓香は歩き出した。
「ねぇねぇ。京子はどんな食べ物が好き?」
話題転換を図るように楓香は三雲に矢継ぎ早に質問をする。
「そうだなぁ。甘いもんなら結構どんなものでも好きだけど・・」
「好きな歌手は?」
「BUMP OF CHICKEN・・知ってる?」
「んーと、じゃあ好きな・・・」
「ねぇ。何でそんなにあたしのこと聞くの?」
三雲が立ち止まり、楓香を見つめて不思議そうに聞いた。
まさか追い返すための作戦糸口を見つけるため・・とは口が裂けても言えない。
楓香は「えーとえーと・・」と必死で答えになりそうな言葉を探す。
そうだ!これだ!
「あたしが京子のこと好きだからだよ!」
「・・・なーんだ。あたしも楓香のこと好きだよー」ニコニコと京子が笑った。
チクチクと、楓香の胸が痛んだ。

3・神田川
京子を追い返すって何か可哀想な感じだなぁ・・。
でも、草間さんに約束しちゃったしなぁ・・・。
少々の罪悪感を感じつつも、楓香は京子を追い返す次のイメージを一生懸命頭に描いていた・・。
「・・いないね。怪獣。」
神高橋の橋の上で三雲は呟いた。
楓香はイメージを膨らませた。目の前に本物の情景があればイメージはしやすい。
橋の上の人々にも影響は出るかもしれないが、それならそれで現実味が帯びる。
ええい!もうこれで最後だぁ!投影開始!
「・・か、かいじゅーーーー!!!」
橋の上にいた太り気味のおばさんが叫んだ。
「かかかか・・・」三雲が呟いた。
どうやら上手く見えているらしい。橋に襲い掛かろうとする怪獣の姿が。
だが、楓香のイメージは予想以上に橋の上の人々に伝わってしまったようだ。
イメージとはいえ、リアルなパニックで群集は逃げ惑う。
ちょっとやりすぎちゃったかも・・。
と、突然三雲が楓香の手を取った。
「早く逃げよう!楓香!!」
三雲に手を引かれ走り出した楓香はこれはこれで効果あったから、ま、いいか・・・と思った。
その日、『神田川にかかる神高橋で集団幻覚が起こる』という怪異が夕方のニュースのトップを飾ったのは言うまでも無い。

4・結果
楓香は草間興信所でケーキを食べていた。
実は三雲を追い返すときの約束で、無事追い返すことが出来たらケーキ2つを報酬としてもらう事になっていたのだ。
「さすが噂のケーキ屋さん!もう幸せすぎ!!」
楓香は代官山で有名なケーキ屋のケーキをわざわざ草間にオーダーしていた。
「・・・高かったんだからな!もっと味わって食え!」
草間が吠えたが楓香はおかまいなしである。
「そうそう。草間さん。この間高田馬場までのJR代、払ってね?」ニコニコとご機嫌の楓香が言った。
「・・。しょうがないな・・」と草間が財布に手を伸ばそうとしたところで邪魔が入った。
「こーんにちわーー!」
入ってきたのは誰あろう、追い払ったはずの三雲京子である。
「あー!楓香!こないだの怪獣の話さ、集団幻覚とかってニュースになってたの!知ってる?今からそれの調査行こうよ!」
三雲は楓香の腕を掴んで立ち上がらせようとしている。
が、それよりも早く草間が楓香の腕を取り詰め寄った。
「これはどういうことだ・・?」
「・・・京子と調査に行ってきまーーす!」
楓香は元気よく三雲とともに草間興信所をあとにした。
食べかけのケーキはきっちり腹に収めたが、JR代は貰い損ねた。

今度こそ、どうにかして三雲を追い返さないとJR代は回収できないな・・
とひそかに楓香は溜息をついたのであった・・・。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【2152 / 丈峯・楓香 / 女 / 15 / 高校生】

【NPC/三雲京子/女/16/女子高生】

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■         ライター通信          ■
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丈峯・楓香様
初めまして。とーいと申します。
この度はPCゲームノベル「出現!天下無敵の暇人娘!」にご参加ありがとうございます。
三雲京子は大変楓香様を気に入ったようです。(汗
なにやら性格もよく似ておられたのでどうなることかと思いましたが・・。
どうやら三雲は草間興信所ではなく楓香様に興味を持ったようで。これが果たしてハッピーエンドなのかは?です。
それでは、またお会いできる日を夢見て・・。