■お嬢様、かくし芸を所望す。■
陵かなめ |
【1329】【木島・徹】【ホームレス】 |
東京のとあるお屋敷での物語です。
屋敷では、毎年新年パーティを主催しております。
しかし、今年は一月も終わろうとしているのに、パーティの開催をお嬢様が承認しません。困り果てたパーティ実行部は、お嬢様付きの執事であるマサヤに矢のような請求を飛ばし始めています。
今日こそは、お嬢様から承認を頂かねば…。マサヤは決意を新たに、お嬢様の部屋を訪れました。
さて。
お嬢様の部屋でマサヤは、お嬢様の説得に必死です。
「お嬢様、せめて月の数が変わる前に、承認だけでもお願いします。」
「堅苦しい挨拶だのを聞くだけなど、イ・ヤ・じゃ!」
まっこうから意見の対立二人。このままでは、埒があかないと…早くもマサヤはあきらめムードに。しかし、お嬢様はマサヤのその空気を見逃しませんでした。
「ところで、マサヤ。パーティを今年は広く開放して、外部の者を招待してみてはどうかの?きっと楽しい芸を見せてくれるぞ?」
一つ、付け加えておかねばなりません。お嬢様は、このように時代劇口調で話をされておりますが、決して年端を重ねたご老体では有りません。これは、庶民を守りながら諸国を漫遊する等の、時代劇に登場するえらい人の口調が、時代劇を好んで観ているうちにうつってしまったものなのです。
それはさておき。とにかくお嬢様からの、パーティの開催条件は以下の通り。
・外部の方をご招待。(当日は屋敷の会場を開放)
・そして、お嬢様に何かかくし芸を見せて欲しい。(新春番組の影響か?)
これまで、屋敷内部の者のみの落ちついたパーティを企画していた事実など、もはや何の効力もありません。マサヤは、これからの自分のこなさねばならない仕事の量や各執行部からの苦情など、様々な情景を心に描きながら、やっとこれだけ言葉に出来ました。
「そうですか…楽しい会になると良いですね…」
それが、心の奥底から沸き起こった言葉かどうかは、知る由もありません。
<以下、作者補足>
お久しぶりです。『お嬢様シリーズ』続編です。今回募集するのは、新年パーティでお嬢様にかくし芸を披露してくれる方です。舞台を使った本格的な隠し芸から、その場しのぎの体を張った隠し芸など、どんな隠し芸でも結構です。
とにかく、パーティでお嬢様が退屈しないよう…お願い致します。ご応募の際には、どのような隠し芸かを詳しく教えていただけると幸いです。また、お嬢様のご機嫌を損ねるような事になれば………会場内に悲しい出来事が起こるやも知れません。
ではでは。どうぞよろしくお願いします。
<募集人数>
・1〜4名
<登場NPC>
・お嬢様
・マサヤ
<その他>
東京怪談異界『お嬢様のお屋敷の』も参考にしていただけると幸いです。
http://omc.terranetz.jp/creators_room/room_view.cgi?ROOMID=0419
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