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■東京五番街奇譚 〜暗がりの人形〜■

高津 ケイタ
【0086】【シュライン・エマ】【翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
「ようこそお越し頂きました。私、事務所長の笑野と申します」
笑ったような地顔、とりわけすらりと細い目がやけに印象的だ。私も一礼を返すと
ソファーに腰を掛ける。
「さて、早速ですが用件の詳細を・・・」
そういって笑野は小さな箱を取り出す。やや古い、木造の箱だがテーブルに下ろすと
ゴトリと重たい音を立てた。
「・・・それをどこかへ運ぶ、と?」
「お察しの通りです。今回の依頼ですが、お客様にこの箱を届けていただきたい」
ヨーロッパの家具やインテリアが並ぶこの事務所で、木箱はどこか違和感にも似た存在であった。
暗い木目に吸い込まれそうになる。
「仲介先のご都合で、取りには来れないとの事。フォローもうちの仕事ですから」
ニコニコと笑う笑野に対し、私は・・・・

        <仕事を受けるなら、『依頼内容』に進め。>




『依頼内容』
 仲介物品である「小さな木箱」を目的の場所へ届けて欲しい。
参加者全員に簡単な地図と、非常時の連絡先として事務所の名刺が配られる。
なお、同行者として送リ犬が参加することとなる。
依頼中に起きた事故に関しては、基本的に事務所は責任を負わないが
笑野氏の意思で介入することは出来る。