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■学校奇譚〜ふるさとの碑〜■

緋烏
【1657】【二見・桐香】【女子高校生(隠れ魔族)】
夏休みに入り、予てより計画していた合宿の準備をしていたところ、案の定、ハプニング来襲。
「え―――――――!?予約してた民宿で食中毒ぅ!?」
「そーなのよ…家出てくる寸前にやってたニュースで『某県の民宿『秋津島』に宿泊していた客、三十八人が原因不明の腹痛に見舞われ、入院』だって。どうする?見た瞬間に予約キャンセルしといたけど・・・・今から家の別荘でも行く?」
「手ぇまわすの早くて助かるよ、馨。でも馨の家に迷惑かけたくないし…何処か他の民宿探すかぁ…」
そんな時もう好都合だと言わんばかりに、我らが新聞部顧問櫻瀬川雅が登場。
「ん?このクソ暑いのに…随分と熱心だな、オイ…な、何だ!?その眼は!俺に何を期待してんだよ!?何も出んぞ!?」
二人は雅に詰め寄り、懇願する。
「お願い!櫻瀬川の実家ならこれからの時期お祭があるでしょ!?倶楽部を助けると思って…お願い!!」
「合宿で予約していた民宿で食中毒出ちゃって…今からじゃもう普通の観光で宿なんておさえられないわ。先生の実家って結構遠くの山の中なんでしょう?小さな民宿でもあるなら、ね?私からもお願いします!」
二人に頭を下げられ、雅は深々とため息をついて、実家の方に聞いてやると言って廊下に出て電話をかけ始めた。固唾を呑んで見守る二人。
すると、なにやらもめている様子。心配になってきた二人は戸口に駆け寄る。
その時丁度電話が終わったようで、二人は首尾は?と尋ねると…
「…宿じゃなくて、うちでいいだと…離れがあるから、七人ぐらいなら平気だとさ…」

二人分の歓喜の声が部室内に響き渡った。

斯して、どたばた騒ぎが眼に見えている(雅にとって)恐怖の合宿が決定した…