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■まよわしどりの里■

緋烏
【2180】【作倉・勝利】【浮浪者】
深い霧の中、何処をどう進んだのか…たどり着いたのは薄く霧が立ち込める小さな里。
呆然としていると頭上から声がした。
「おやおや、人間がこんなところに入ってくるなんて…何百年ぶりだろな?」
声のした方に眼をやると、そこに居たのはなんと粛瑛だった。
「辻で迷いでもしたかね?」
さっきまで何をしていたか、何故か思い出せなくて返答に困っていると彼は目の前に降り立ち、手招きする。
「まぁここに来るって事はそれなりに力のある奴なのは間違いない。せっかくだ、少しゆっくりしていくといい」
そう言われ、ついて行った先には平安時代を思わせる寝殿造の屋敷。
静かな空間。
聞こえるのは鳥の声と草葉の揺れる音。


「上総が来るまでしか相手はできんが…そうだな、何か話でもしようか?」