■東京怪談本番直前(仮)■
深海残月 |
【0086】【シュライン・エマ】【翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】 |
ある日の草間興信所。
「…で、何だって?」
何故かエビフライを箸で抓んだまま、憮然とした顔で訊き返す興信所の主。
「どうやら今回は…ノベルの趣向が違うそうなんですよ」
こちらも何故かエビフライを一本片付けた後、辛めのジンジャーエールを平然と飲みつつ、御言。
「…どういう事だ?」
「ここにたむろっている事に、いつもにも増して理由が無いって事になるわね」
言い聞かせるように、こちらも何故かエビフライにタルタルソースを付けながら、エル。
「…怪奇事件をわざわざ持ってくる訳じゃなけりゃ何でも良いさ…」
箸でエビフライを抓んだそのままで、思わず遠い目になる興信所の主。
「そう仰られましても、今回は…『皆さんから事件をわざわざ持って来て頂く』、事が前提にされているようなんですけれど…」
ざらざらざら、と新たなエビフライを皿の上に大量に足しながら、瑪瑙。
「…」
「…」
「…まだあるのか」
エビフライ。
「誰がこんな事したんでしょうかねぇ…」
じーっとエビフライ山盛りの皿を見つつ、空五倍子。
「美味しいから俺は良いけどねー☆」
嬉々としてエビフライをぱくつく湖藍灰。
「…いっそお前さんが全部食うか?」
嬉しそうな湖藍灰を横目に、呆れたように、誠名。
「…嫌がらせにしても程がある…くうっ」
嘆きつつも漸く、抓んでいたエビフライを頬張る興信所の主。
「あの、まだ軽くその倍はあるんですけど…」
恐る恐る口を挟んで来る興信所の主の妹、零。
それを聞き興信所の主は非常ーに嫌そうな顔をした。
「…誰がこんなに食うんだ誰が」
「誰かの悪戯だ、って話だったか?」
タルタルソースの入った小皿と箸を片手に、立ったままビールを飲みつつ、凋叶棕。
「そうだ。しかも出前先の店曰くキャンセル不可で、だがそういう事情があるならと…折衷案として食べ切れたなら御代は無料で良いと来た…何がどうしてそんな折衷案になるのか果てしなく謎なんだが」
そして草間興信所には金が無い。
客人もなるべくならば払いたくは無い。
故に、そこに居る皆総掛かりで…何となく食べて片付けている。
客人も合わせるなら、別に金銭的には何も切羽詰まっている訳では無いが…。
「ところで『事件を持って来て頂く事が前提』ってのはなんだ?」
誰にとも無く問う興信所の主。
「誰かから御指名があったら、ボクたちここから出て行かなきゃならないんだよね」
答えるように丁香紫。
「…逃げる訳か」
「そんなつもりは無いが…。そうやって『我々の中の誰か』を指名した誰かの希望に沿う形にノベルを作るのが今回のシナリオと言う事らしい…まぁ、制約緩めなPCシチュエーションノベルのようなものだと言う話だが…それが今回の背後の指定だ…」
頭が痛そうに、エビフライの載った小皿を持ったまま、キリエ。
その話を聞いて、更に憮然とする興信所の主。
「………………だったらせめてそれまでは意地でも付き合わせるぞ」
「わかってますって。でもこれ…ひとつひとつを言うなら結構美味しいじゃないですか。たくさんあるとさすがにひとりでは勘弁ですけど、幸運な事に今は人もたくさん居ますし。きっとその内片付きますよ」
興信所の主を宥めるように、水原。
「ところでいったい誰がこんな悪戯したんでしょーね…」
エビの尻尾を小皿に置きつつ、ぽつりと呟くイオ。
「それさえわかればお前ら引き摺り込まずともそいつに押し付けられるがな…」
この大量のエビフライとその御勘定の両方が。
興信所の主は再び嘆息する。
「まぁ、どちらにしろ…誰か来るまでは誰も逃がさんぞ…」
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→ 公園にて
その時の。
場所はいつもの如く草間興信所。
シュライン・エマはやっぱり今日もそこに居た。
「…間島さんたちに会ったって?」
「ええ。蓬莱館で」
にこりと返すシュライン。問うたのは所長の草間武彦。間島と言えば暁闇に来る幽霊の常連客。武彦とも数度店で「会った」事があったりする。だがそれでもさすがに、蓬莱館で…となると「会った」の意味がまた違ってくる訳で。…間島は普段、幽霊と言うイメージ通りの幽霊だ。つまり、見えないのが普通で、そもそも滅多に人と対話出来る存在ではない。霊感の強い相手とならそれなりに可能だろうが、それでもすらすらと会話するのは恐らく無理だろう。更には霊感など皆無なら…誰も居ないのと殆ど変わらない。その程度の相手。
「握手してもらっちゃったの♪」
「えーと確か間島さんって暁闇にいらっしゃるって言う…幽霊さんでしたよね」
確認がてら、零。
一応話は聞いている。
「そう。本当に実体化してたのよー」
嬉しそうなシュラインは、のほほんと珈琲を飲んでいる。
「そりゃ、俺も是非お会いしたかったな」
こちらもこちらで軽く言う武彦。
一応、どんな人だったのか気にはなる。
「間島さんの方でも草間さんの事は気にしてらっしゃったようですが…どうもすれ違いだったようですね?」
小さく肩を竦める真咲御言。
彼もまたいつもの如く興信所に訪れてのほほんと珈琲を飲んでいる。
「そうなのか?」
「そうでした。…ま、草間さんも草間さんの方で色々あったんでしょうけど」
真咲はそう言い、またカップに口を付ける。蓬莱館では色々と事件が起こったと聞いている。そちらに巻き込まれてしまっていたなら…それは、のほほんと遊んでいる輩とはすれ違ってしまっているだろう。
「…でね、蓬莱館で間島さんたちに会えたら…もうひとり気になる人思い出しちゃって」
「気になる人?」
何処か御機嫌なシュラインの科白に、武彦は ん? と訝しげに反応。
「そう。――あの真咲さん、突然ですけど…油烟墨氏に会える方法、知りませんか?」
にこ、とついでのように口に出した途端。
…ぴしりと場の空気が凍った。
「…エマさん?」
「シュライン…?」
言った途端のあまりにあんまりなふたりの反応に、シュラインは目を瞬かせる。
「え、ちょっと何何ふたりとも」
「?」
ひとり何事かわからず首を傾げている零。
「言うに事欠いてあの爺さんか…?」
ひじょーに嫌そうに呟く武彦。
一方の真咲は複雑そうな顔をしている。
「…あの人は…あまり人界には下りて来ないと言う話らしいですが…それはエマさん相手の場合はまた違った対応になるかもしれませんが…お止めになった方が無難だと思いますよ?」
「…そうなんですか?」
続いてしみじみと言い聞かせてくる真咲に、シュラインはきょとんとした顔をする。
■■■
その次は。
ゴーストネットOFF…もとい名称不明ネットカフェにて。
ぱたぱたぱたとキーボードを叩く少女――と言うか少年と言うかどちらでもありどちらでもないと言うか――にシュラインはこそっと声を掛けていた。
「油に? ………………本気?」
ぼそりと返答したその性別不明な相手は丁香紫。毎度の如くのほほんとネットサーフィンの最中である。
「そう。油烟墨さん…なんですけど」
知らん顔でかちかちとマウスをクリックする音が微かに響く。が、別にシュラインを無視している訳ではない。耳では確り聞いている。
丁香紫は画面を見、PCを操作しつつうーんと唸っていた。とは言え別に画面上では難しそうな事は何もない。…つまり、油烟墨とはどうしたら会えるのか? と言うシュラインの質問に即答出来ないらしい。
この丁香紫、人界に来ている同じ鬼家の仙人の中では――こう見えて一番年長者と言う事らしいので、細かい事も色々知っているかとシュラインは思ったのだが。…そう、油烟墨と言う人物も『鬼』を名乗っている仙人である。
「油烟墨は…どー…したら良いのかなー…特に連絡取った事ないし取る必要もあんまり無いし…」
こないだの人参果の件でも結局見付からず終いだし。と、ついでにぽろり。
「…そうだったんですか」
「うん。逃げた。…見た目鈍間そうだけどけっこぉ素早いんだよね、油って」
ちゅーと百パーセントのオレンジジュースをストローで啜りつつ頷く丁香紫。
ちなみにシュラインの手にも紅茶の紙コップがちゃっかりあったりする。
丁香紫はそんな彼女を改めて見て深々と頷いた。
宥めるようにぽむと肩を叩く。
「とにかく、あんまり探らない方が…って言うか、止めた方が良いとだけは忠告しておくよ。人間なら余計」
…シュラインを見るその紫の瞳もこれまでに無く真面目な気がするのは気のせいか。
■■■
と。
取り敢えず油烟墨を知っていそうな方々に聞いて回ったその後の事。
ちょっと消化不良気味ながらも、シュラインは改めて買い出しに向かっていた。
…色々足りない物や足りなくなりそうな物があるのを忘れていた。シュラインは毎度御用達の商店街で用件を済ませ、興信所への帰り道を歩いていた。その途中、公園でちょっと小休止。
缶ジュースを一本開け、一息吐いている。
…それは、油烟墨氏には――ただの迷惑で片付けられない被害を被ってはいるものの。
何となく憎めない。
………………それどころか、妙に可愛らしい印象持っちゃってるのって感性ずれてるのかしら…。
聞けば聞く程、会うなんて止めた方が良い――って宥められるし。
むー。
シュラインは小休止がてらちょっと考え込んでいる。
そこに。
「…ったくあの愚弟が…」
ぶつぶつと何やら愚痴っている風の、機嫌悪そうな年配の方が歩いているのを発見。
あまり見掛けない風体の小柄な人物でもある。風体だけではなく、人物自体もシュラインは御近所で見掛けた事はない。
ちょうど、シュラインの前を通り過ぎようとその老人はすたすた歩いて行く。
何となく気になった。
「あの」
「…なんじゃ?」
シュラインに声を掛けられるなり、その老人はじろりと睨んで来る。
纏っているのはゆったりした着物…と言うか日本風ではないが何処ぞの古来からのもののような質素な服。長く伸ばした白い髪と髭。皺くちゃの顔に、目の光だけがやけに力がある。
「どうかなさったんですか?」
「どうもこうもないわい。…ぬ、お主?」
「?」
「………………ふむ。ほー。ま、構わんか」
話し掛けた相手にじーっと見られ、自分がどうかしたのだろうかとシュラインは目を瞬かせる。
何事か。
「あの?」
「それより今はあの愚弟のこっちゃ。儂の前に現れるなと何度言ったら聞くのか…」
「弟さんですか」
「そう、いつもいつも儂の邪魔ばかりしおってどうしようもない奴よ」
今日も今日とて同じ事。儂の物に無断で手を出しおって。久々に楽しもうと思ったのにな。
「はぁ」
「折角表に出て来たのに彼奴の顔を見ては興醒めじゃ。むしろ頭に来るわい」
そもそも彼奴の子飼いが何故にあんなところに居るのか。あれ当人に恨みはないがあの状況ではな…彼奴が予め儂の邪魔をする為置いていたとしか思えん。…まったくつまらん事をする。
と、老人がそこまで話すなり、ひょいと差し出されたのは一本の缶ジュース。持っているのはシュラインの手。買い出しの中にあった缶の中のひとつ。
「…宜しければ」
「おお、すまんの」
遠慮も何もなくあっさり受け取り、老人は器用にプルタブを開けるとこくりとひとくち。
「ちょうど喉を湿らせたいところだったんでな。うむ、気が利く」
満足げに頷くと、老人はまた続きを。
と、こんな調子で老人はずーっと話し続け、シュラインもそれに聞き入ってしまい。
…いつの間にやら数十分後。
おお、と老人が突然大声を上げた。
何事かとシュラインは老人を見る。
と。
「お主も買い物帰りの様子。この陽気では時間が経つとまずいものもあるのではないか?」
突然指摘され、シュラインはそこで初めて随分と時間が経っている事に気付く。
「あ、そうでした! …忘れてました。お気遣い有難う御座います」
そう答えると慌てて立ち上がる。…買って来た物の中に冷蔵庫に入れなければならない物が幾つかある。老人にぺこりと礼をしつつ、シュラインは袋を持った。
「いやいや、聞いてくれた礼じゃよ。それ程気にするでない」
ほっほっほと笑い、老人もいつの間にか立ち上がっている。
じゃ、私はそろそろ失礼します、と言うシュラインに、話だけではなくこの缶一本の礼もいずれしようぞ、と空いた缶を翳して見せ、老人はにやりと笑って返す。
何故かお互い、妙にすっきりした気分になっている。
シュラインは消化不良気味だった油烟墨の事があまり気にならなくなってきたような。
そして老人も、不機嫌の理由が…解消と言うか、気分転換出来た模様で。
…結局、何やら和やかにふたりはその場で別れた。
実はシュラインが公園から去ったその時、歩き去る老人の後ろ姿は――文字通り、掻き消えるように消えていたのだが。
■■■
…で。
シュライン帰宅後の草間興信所にて。
どう言う訳だかまた空気が重くなっていた。
興信所内に居た人物は零に武彦、そして真咲と、シュラインがここから出た時のままである。
何かあったの、と問うにも問えない微妙な重さが部屋の中を漂っていた。
が、零はと言うとシュラインの持っていた買い物袋を平然と受け取っている。
…ひとりだけ、普通だ。
「…?」
暫し後、袋を受け取り、中身を選別している零が首を傾げていた。
「どうかした?」
「えーとあの、缶飲料が二本少ないみたいなんですが…」
何となくレシートを見つつ、どなたかに差し上げたんですか? と零はシュラインに振っている。何処ぞで小休止していた程度なら一本少ないのはまだわかるが…二本となると。
「あ、そう。帰ってくる途中の公園でお元気そうな年配の方に会って…」
ちょっと話し込んじゃったのよ、とシュラインの返答。
「…なに?」
片眉を跳ね上げる武彦。
それを聞き、無言でじーっとシュラインを見ている真咲。
…何か、反応が変だ。
「えーと…私がお元気そうな年配の方と話し込んでたのがどうかした…訳?」
取り敢えず武彦に振ってみるシュライン。
と、真咲が先に口を開いた。
「…実は先程、件の油烟墨が何故かここに来まして」
「あ、そうだったんですか! …じゃ、もっと早くに帰ってくれば」
惜しかったなーと残念がるシュライン。が、すぐにいつぞやの大騒ぎになった件を思い出し慌てて武彦を見遣る。
「って武彦さん今回は何も無かった!? 大丈夫!?」
「…ああ。まぁな。いつぞやのように何故かまた囲碁の勝負挑まれたところまでは同じだったんだが…今回はそれを受ける受けないの前に凋叶棕がここに来た」
「…」
凋叶棕。
それも確か鬼を名乗る仙人のひとりで、草間興信所としてはそこの仙人の中でも一番馴染み深い相手とも言える。…つまり、ここには比較的良く来る。
だが。
確か、いつぞやの大騒ぎの時に、油烟墨とは特に相性が悪い相手だとか何とか言っていたような気も…。
そんな相手といきなり鉢合わせ?
「………………大丈夫、だったの?」
今度はちょっと違う意味をこめてシュラインは問うてみる。
と。
「あんまり」
大丈夫じゃない。
武彦は緩く頭を振っていた。
「…」
「…今は、仲間内で凋叶棕と油烟墨のふたりの相性が悪いと言われている理由が実感出来たところです」
むしろ『天敵』とでも言った方が良いような気もしました。
と、真咲もぽつり。
「…で、俺たちそっちのけで唐突に舌戦が始まったかと思ったら…ふたりして出てっちゃったんですよ」
「だから結局俺があのジジイの相手をしなくて済んだんだが…それが果たして幸運だったと言って良いのか悪いのか物凄く迷うんだな…」
武彦、そこまで言って、沈黙。
つまりは傍で見ているだけでもそれだけ空気が重くなるくらいのやりとりだった、と。
むしろ自分たち以外のどなたかに掛かりそうなとばっちり迷惑が気になってしまう程の心持ちである。
「はぁ…」
「それもな、最後――表に出ろ、興信所前の外の道でいきなり暴れたら迷惑だ、だったら何処だ、『そこの公園辺りにでも行きゃあ良い』と言うような話に落ち着いていたように聞こえたんだな…一応」
「…え?」
公園?
シュラインの声に武彦が意味ありげに頷く。
「参考までに、油烟墨は七十前後の…白い髪と髭を伸ばした小柄な老人の姿で、ゆったりした道服を着てるんですが――お元気そうな年配の方と仰ってましたよね…油烟墨は確かに『お元気そうな方』と言って間違いないですし」
エマさんの見た年配の方って、まさかその方じゃ、ないですよね?
続けられる真咲の科白に、ああ、とばかりにシュラインは、ぽむ、と手を合わせた。
「そっか、道服だったのねあの服は」
あまり見掛けないので見てすぐ出て来なかった。
「そうなると弟さんって凋叶棕さんの事か。じゃああれは恐らく武彦さんの事で…あれは真咲さんの事…って事は…ううん…」
「………………当たり…か」
何事かひとり納得したり悩んでいるシュラインの反応に、はぁと嘆息する武彦。
「…いや、シュラインに被害がなかったのなら俺はこれ以上何も言わんがな」
「被害…と言うより…実際会って話してみると、油烟墨さん、案外気さくで良い方に思えた事は思えたんだ…けど」
それはやっぱり内訳がわかってから言い分を考えるとちょっとアレだけど…取り敢えず皆さんが言う程…の相手ではないような…。
気が、するが。
そんなシュラインの返答に、武彦はどうも複雑そうな顔をしている。
…興信所の中の空気は、まだ重い。
【了】
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登場人物(この物語に登場した人物の一覧)
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■整理番号/PC名
性別/年齢/職業
■PC
■0086/シュライン・エマ
女/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
■指定NPC
■鬼・油烟墨(くい・ゆーいぇんもー)
男/606歳/仙人
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ライター通信…改めNPCより
×××××××××××××××××××××××××××
さて、鬼家の油烟墨である。
今回は良くもまぁ儂なんぞが呼ばれたものだと思ったが…エマ姑娘と言ったか、あの貧乏探偵の女にしとくのは勿体無いような娘子だな。うむ。………………少々照れるな(←プレイングを見た模様)
…ちなみにライターも儂の行動は基本的に把握していないらしい(実は)
ともあれ発注に感謝する。
このシチュエーションノベルもどきな自由形式シナリオにも関らず、「PCゲームノベルの」期限ぎりぎりと言う事態になり申し訳無いとのライターの話もあったな。
…儂がどんな人物なのかいまいち把握し切れてなかった事が一番の理由らしい。どうやらその辺りを把握するのに時間が掛かったようだ(手持ちNPCだろーが)
ところでな、このシナリオは…NPCの指定に関しては実はあまり深く考えんでも良いらしい。
商品としてあるシチュエーションノベルの代わりのような形で「ライターのNPCとのシチュエーションを」ってのがライターの初めの思惑だったんだが、実際のところ「絶対にNPCが『複数絡む』だろうってシチュエーション(公式NPC含む)」を思い付いたら使ってくれって事でも全然構わないらしいんでな。…むしろひとりふたりとNPC自体を指定されるより、複数のNPCが関するような「特定の事柄」を指定される、と言った需要の方があるらしい気もして来たそーだ。…またシナリオの設定部分の書き方を緩めに変えるべきかとライターが悩んでいるようでもある。ま、価格が上乗せしてある分、その辺は客人の都合でどーとでも使ってくれて構わんらしい。大雑把に言うと「NPC絡みで制約緩めを希望するならここのシナリオで」と言う事でな。無論、今回の儂のようにオチまで正体不明で通す事も全然構わんらしいぞ(笑)
と、多少余計な話になった。それと、これからの話になるが…ライターは儂の扱いは九割方黒幕やら裏方、と表に出ない場所で考えているようでな(笑)再びまみえる事があるかどうかははっきり言ってわからん。わからんが…敢えて言っておくか。
再見、とな。
…いずれ、また。
以上、油烟墨
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