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■『ジンクス』に願いを込めて〜心の法則〜■

葵桜
【3077】【司城・奏人】【幽霊学生】
「雫お姉さんは、お呪いを信じる?」
「呪い?うーん・・いい事は信じたいかな!!」
瀬名・雫(せな・しずく)がよく読んでいる、女の子向けの有名雑誌を
手に取ると、呪いのページで手を止め、不思議そうに銀は尋ねた。
神様、お守り、呪いという存在を銀は信じているが、お守りや神社以外で
占いが載せられた記事は、初めて目にした。

「銀くん、占いに興味があるの?」
「うん。この間、【魔境】が狐族の人から送られてきたんだ・・」
銀が手に取った魔境は、魔境の世界へと通じており、霊感のあるもの、尚且つ、狐族の者が認めた者だけが通れる不思議な魔境である。
森へと繋がっており、大きな大木がある。
御神木様の名は「約束の木」。


「『約束の木』の為に、お茶会を開いて欲しいって・・・。
狐族が読む雑誌に、『約束の木』の今月の運勢は『お茶会』らしいんだ。
狐族の人達はジンクスを信じる人が多いからね」

嬉しそうに銀は告げると、楽しい行事が好きな銀は、手作りの招待状を何枚か書き上げた。




【備考】
お久しぶりです。
今回、第一話、ジンクス〜心の法則編〜をお届けしますが、
「ジンクス」シリーズは関連性がないので、短編だと思って頂いた方が、妥当です。
(関連性があるのは題名のみです。)
今回、初めて「ゴーストネットOFF」以外のゲームに参加させていただきます。
よろしくお願いいたします。

お茶会で『約束の木』の心を少しでも開いてあげれば成功です。
是非、楽しんでいってください。
自然や珍しい鳥、動物にも出会えると思います。
平和で豊かな世界です。



----<申し込み前の注意事項>------------------------------

この商品の作成はライターが受注を開始してから20日以内に作成
される商品です。受け付け窓口は、ライターが受け付けを可能と考
える参加PCが集まり次第閉じる形になっています。
完成する商品は参加PC全員が同じ場合もありますし、1人1人が
違う場合もございます。これはライターの文章作成方法の違いから
出るものですので、あらかじめご了承ください。


『ジンクス』に願いを込めて〜心の法則〜


「雫お姉さんは、お呪いを信じる?」
「呪い?うーん・・いい事は信じたいかな!!」
瀬名・雫(せな・しずく)がよく読んでいる、女の子向けの有名雑誌を
手に取ると、呪いのページで手を止め、不思議そうに銀は尋ねた。
神様、お守り、呪いという存在を銀は信じているが、お守りや神社以外で
占いが載せられた記事は、初めて目にした。

「銀くん、占いに興味があるの?」
「うん。この間、【魔境】が狐族の人から送られてきたんだ・・」
銀が手に取った魔境は、魔境の世界へと通じており、霊感のあるもの、尚且つ、狐族の者が認めた者だけが通れる不思議な魔境である。
森へと繋がっており、大きな大木がある。
御神木様の名は「約束の木」。


「『約束の木』の為に、お茶会を開いて欲しいって・・・。
狐族が読む雑誌に、『約束の木』の今月の運勢は『お茶会』らしいんだ。
狐族の人達はジンクスを信じる人が多いからね」

嬉しそうに銀は告げると、楽しい行事が好きな銀は、手作りの招待状を何枚か書き上げた。



●魔境と呼ばれる世界と約束の木。
魔境の世界。
美しい木々と花々が印象に深く残り、静かな森に響き渡る鳥達の囀りがとても心地よい。
凶暴だと呼ばれる動物でさえ、平和な魔境の世界では争う事を知らず、無邪気に日陰で眠っている。
夏場だと言うのに暑さも感じず、後々、銀に聴いた話だが、魔境の世界は常に平温が保たれているのだと言う。


「皆、いらっしゃいませ。」
「銀くん、招待状をありがとう」
けして綺麗な字とはいえないが、銀が必死に心を込めて書いた招待状を鞄から取り出し、葛城・樹(かつらぎ・しげる)は招待状を提示する。
少し大きめの服で、まるでウェイターの様な格好をして出迎えた銀は、招待状に目をやる。
「わぁぁ〜、ボクの書いた招待状だね!なんだか、改めて見ると少し照れちゃうな・・」
照れ笑いしながら、持っていたお盆で顔を覆い隠し、樹の優しい笑顔をお盆の隙間から垣間見る。
「銀くん、久しぶりにクッキーと、甘味を抑えて作ったケーキを焼いてきました」
海原・みなも(うなばら・みなも)が少し多めに持参した、甘い匂いを漂わせるお菓子に食欲をそそられ、予め準備されいているテーブルの上が彩りを見せる。
 別名、太りにくいケーキだとみなもは、自信を持って勧める。
女性人にとっては魅力的なケーキだろう。
「僕も差し入れを持ってきたんだよ」
紅茶を淹れたり、クッキーなどを焼くのが好きな樹は、実家にあった大きなピクニックバスケットに魔法瓶やティーセットに、手作りのお菓子を詰めて持ってきていた。
受け取った銀が匂いを嗅ぐとほんのりと甘く、美味しそうな香りが漂い、甘い物好きな銀は幸せそうな顔を見せる。

「銀くん〜」

七瀬・雪(ななせ・ゆき)と樹が、聞き覚えのある声がする方へと振り返ると、小さな少女が、まるでアリスに似た格好のコスチュームを着て走ってくる。
「樹ちゃん、こんにちは」
「あっ!雪お姉ちゃん、こんにちは。」
ふわりと微笑む雪に、いつも大切に抱いている兎の人形をぎゅっと抱きしめ、茅鳥・樹(ちどり・いつき)は元気な笑顔を返す。
「えっと、約束の木のお姉ちゃんを連れて来たんだよ」
雪の優しい笑顔につられてしまい、本来の目的を一瞬忘れかけてしまっていた樹は、慌てて言葉を発する。
樹の指差す方向を見つめると、一人の女性が無表情で大木を見上げているが、何も考えていない事が不思議と感じられる。
「貴方が約束の木さん・・・ですね」
少し遠慮しがちに司城・奏人(つかさき・かなひと)が尋ねると、なにも返答がないものの、案の定、反応は示すようなので、内心では、ほっと胸を撫で下ろす。
今でこそ思い出作りをしたいと感じている奏人だが、生前の頃はとても無機質な人生だった。だが、今は様々な人達との係わり合いを大切にしたいと感じている。
少しばかり、生前の奏人に似ている部分が「約束の木」にもあるようだ。
今回、茶会に参加したのも、あまり学校に引きこもっていても毒で、それならば、茶会の誘いを受けようと思った。
奏人は、自然の中で誰かと時間を共有したいと思う憧憬にも似た感情を持って参加していた。

「皆さん、いらっしゃい。さっ、お疲れだろうし、座ってくれよな」
同じくウェイターの様な格好をしている成瀬・水都(なるせ・みずと)は高校生らしい無邪気な笑顔で、席へ導く。
銀よりも様になっているが、慣れない格好に少し息苦しさを感じている様にも見える。
「水都さんと会うのは初めてね・・・」
「雪さんだよな?銀から皆の事は聞いてるよ」
雪である事を確認しながら、水都は話しを進め、椅子を後ろに下げ、雪が座るのを確認すると、椅子をテーブルに近づける。
「約束の木さんも早く座りましょう?」
相変わらず、ほけほけしている約束の木の手を優しくエスコートして、みなもは席へと導く。
連れて行かれるがままに席へと着くと、僅かながらも会釈をする。
約束の木は軽い反応を見逃さなかったみなもは、僅かながら幸せな気分になった。



●約束の木の名。
茶会は穏やかに進められ、みなもや樹が用意したお菓子、そして紅茶が並べられている。
お菓子やちょっとした料理の品々はこれから並べられるようだ。
「所で、約束の木さんの名前はなんとお呼びしたらいいのかしら?」
雪は軽く首を傾げ、優しく微笑みながら約束の木へと質問する。
「そうですね・・確かに『約束の木』さんとずっとお呼びするのは不思議な感じがしますしね・・」
紅茶を一口飲むと、テーブルにカップを置き、呼び名について、みなもは真剣に考える。


---- その頃(キッチンでは・・・)。
水都が一人では大変だと思い、樹は手伝おうと思い切って声をかける。
「あれ?!樹さん、手伝ってくれるのか?」
器用にお菓子の乗った皿をもてる限り、持ち上げた水都は樹に気づき、万遍の笑みを見せる。
動物は飼い主に似ると言うが、表情豊かな所は銀と似ている感じもする。
「ええ。喫茶店でアルバイトしていますから給仕は僕に任せて下さい」
「それじゃ・・・紅茶を皆に淹れてくれませんか??」
「もちろん。紅茶を淹れるのは得意ですから・・」
紅茶を上手に淹れるのは樹にとって、得意中の得意であり、気合を入れて紅茶作りを開始した。


――――その頃(名前について検討中)。
「『約束の木』さんは何と呼ばれるのがいいですか?」
「・・・・」
「分からないって」
無表情な顔つきな約束の木と長い付き合いの銀は通訳する。
「なら、『ユル』はどうですか?」
紅茶を持ってきた樹は紅茶を皆にせっせと注ぎ、サービスしながら尋ねる。
「ユル?綺麗な名前ですけど、どのような由来があるんですか??」
「僕の名前も木にちなんだ名前なんですよ。日本語だと樹木の【樹】ですけれど、もう一つ意味があって、ルーン文字のSIGELでもあるんです」
「つまり、ルーン文字が由来なんですね」
「僕の場合だと、太陽とか創造などの意味を持つんです」
みなもだけではなく、全員が樹の言葉に興味津々に聞き入る。
約束の木の名前の由来はルーン文字の中に、世界樹があり、世界樹は聖なる木である、イチイの木を示す「ユル(Yr)」という文字から取って考えたのだと樹は語る。
「もし、ご迷惑でなければあなたを『ユル』と呼んでも良いでしょうか?」
落ち着いた様子で尋ねる樹だが、内心はかなりドキドキしている。
皆の注目を集めながら約束の木はゆっくりと頷く。
今日一番の反応を見せた。
全員が納得しながら、これからは『ユル』と呼ぶことにした。



●お茶会を楽しもう。
「君は紅茶と日本茶、どちらがお好み?」
奏人は、もっとユルと話をしようと、積極的に、勇気を出して話しかける。
因みに飲まないという選択肢は最初から排除されているようだ。
「・・・お茶」
「へっ?・・・えっと、お茶ですね」
答えが返ってくるのか分からなかったが、しっかりと返答してきたユルに、つい嬉しさを隠し切れない表情を奏人は見せる。
「お茶っ葉でしたら用意して来ました」
持ってきた日本茶を鞄の中から取り出すと、みなもは葉茶差し出す。
みなもは高価なものではなく、美味しいと、味の保障が出来る葉茶を選んで持ってきていた。
葉茶を樹に渡し、茶の味を最大限に引き出すように茶の温度に気をつけながら樹は茶を淹れる。
興味があるのか、ユルはじっと茶を入れる姿を眺める。
「そうだ・・クッキーを焼いてきたんです」
皆の前で出しそびれてしまった為、ここぞとばかりにクッキーを差し出す。
「母のレシピなんだ。口に合うといいんだけど・・・」
ほけほけした様子でクッキーをユルが眺める中、心を少しでも開いてくれる事を期待して、奏人はどきどきしながら、ユルの表情を窺い見る。
雪やみなも、そして樹も、ユルの反応を不思議と、窺い見てしまう。
「奏人お兄さん、ボクも食べてもいい??」
「ええ、もちろん」
多少の無言の時間の流れを断ち切ったのは銀の方だった。
合掌をして、大好きなお菓子を口へと笑顔を見せながら銀は運びいれる。
その様子を見ていたユルが突然、合掌した後にクッキーを口へとマイペースにゆっくりと運び入れる。
「美味しいね♪」
「・・・・うん。美味しい・・・」
美味しいクッキーを頬張り、頬っぺたに手を当て、感情性豊かな銀は本当に幸せそうに喜ぶ。
対照的にユルはほけほけした様子で答えるが、銀曰く、『本当に美味しい』と、言っている事を不安そうな奏人に伝える。
長い事一緒にいれば、小さな仕草でユルの事が理解できるようになると銀は言い、ユルが茶会を楽しみにしていた事を告げる。
「ユルさん、私の故郷・・えっと、天界は硝子の森ですの。とても素敵な所ではありますが、寂しい場所かもしれません」
約束の木に登っているリスや鳥、日陰で眠る動物達を見て、雪は微笑を見せる。
「ここは沢山の良い仲間達も居て素敵ですよね・・・」
約束の木に登るだけではなく、時折、ユルの肩に小さな動物が登ってきたり、止まったりしている光景を見にする。
ユルに懐いている事が良く分かる。
「好きだよ・・。皆、優しい子ばかり」
少しばかり心を開いたのか、ユルは肩に止まった鳥を優しく撫でながら受け答えする。
あまり、話す事に慣れていない為、若干、単語を並べて話しているようにも聞こえる。
「さぁ、お茶が入りました。皆で飲みましょう・・」
全員分の茶を淹れ終えた樹が、茶を器用に持ち上げ全員の席へと運び、並べる。
「みなもさん、頂きます」
「はいっ。雪さん。ご賞味あれ。」



●壮大な世界と美しい音。
みなもの選んだ日本茶は絶賛したくなるほど美味しく、食の方も自然と進む。
「そうだわ。お菓子ばかりだけではなくご飯もと思い、お弁当も作ってきたのよ」
少し大きめの可愛らしい弁当箱を持参してきた雪の弁当は、中身も可愛らしく、丁寧に仕上がっている。
「ちょっとだけ、演奏を披露しても構わないかしら?」
少しばかり照れながら、雪が一行に尋ねると、心良く同意を見せてくれ、魔境の世界に入る前に持参してきたフルートを取り出す。
「ユルお姉ちゃん、フルートの音が動物達にも聞こえる様に、高い所で雪お姉ちゃんに歌って貰おう?」
「ここを使うといい・・・」
樹の言葉に納得したユルは、手を約束の木、つまり身体を指差し、約束の木に巻きついている太い蔓を指差す。
指先を軽く動かすと、ユルの思うがままに蔓は動き、雪の前で止まる。
「早く!!雪お姉ちゃん、乗って!!」
「え、ええ・・」
身体を樹に押され、雪が恐る恐る蔓の葉の上に乗ると、蔓はゆっくりと上へ雪を運び、立ち易そうな位置で動きを止める。
魔境の世界で最も巨大な大木から見渡す景色は辺り一面緑で、巨大な自然を一望する事が出来、雪は言葉を失ってしまう。
「雪さ〜ん」
みなもの声に、我を忘れていた雪は心を取り戻し、フルートを奏で始めた。
流石に高い位置、そして壮大な森とだけあって、フルートの音が響くかどうかが心配だったが、魔境の世界では不思議と音が響き渡るらしい。
素晴らしい音が響き渡る中、気をフルートの音に集中させている内に雪は本来の姿を見せる。
本来の姿は天使であり、美しい羽は雪を更に美しく引き立てていた。
「わぁ〜、沢山の動物達が・・」
耳を澄まし、聞き入っている内に動物達が音に誘われて集まっていた事に一番に気づいたのはみなもであった。
「皆、音に誘われて来たんだね」
驚いていたみなもに銀は微笑み、銀の頭に止まった鳥を、みなもの肩へと乗っける。
人馴れをしていると言うよりも、樹や水都などの極少数の人間としか触れ合った事のない鳥は、なんの抵抗もなくみなもの肩へと止まった。
「可愛いです」
微笑を見せながら、柔らかい毛を優しく撫でると、鳥は可愛らしい仕草で反応する。

演奏が無事に終わると、一行は感動しながら拍手を送る。
「とても、素敵でした」
約束の木を見上げ、奏人は雪の音を心から素晴らしいものであると感動の意を表した。
「木の上に・・・登る」
「えっ?(登りたいかって事・・ですよね)是非、登ってみたいです」
断定に聴こえるが、語尾を若干上げて話している様なので、どうやら疑問系で尋ねているようだ。
樹の言葉を確認したユルは再び蔓を呼び寄せ、各々に蔓を用意し、乗せると雪のいる位置まで慎重に運ばせた。

「わぁ〜素敵!!!!」
思わず息を呑んでしまいそうな景色に、みなもは、ついつい自然と声を出していた。
歩いている限りでも、広いとは感じていたものの、先が見えないほど、緑が広がっていた。
世界中を探しても、辺り一面、自然溢れる緑を見渡せる場所は少なく、貴重な体験でもあった。
本当の自然と呼べるのだと実感できる。

「ふぅ。ユルお姉ちゃん、ボクも運んで欲しかった・・」
自力で登ってきた銀は遅れながらも、皆の所へと合流する事が出来た。
だが、いくら身軽だと言えども、高い大木を登ってきた銀は、若干ふらふらになりながら木に寄りかかる。
「銀はいつも見てる景色・・登らなくてもいいと思った」
意外なユルの返答に皆が一斉に笑う。
ユルは軽く首を傾げ、何故笑うのかが分かっていないようだ。
「わぁ〜」
「っと・・銀くん気をつけないと危ないよ・・」
バランスを崩し、落ちかかった銀の体を慌てて雪が支えると苦笑しながら銀は雪の事を見上げる。
「雪お姉さん、ありがとう・・」
「いいえ・・。どうしたの?」
珍しい顔つきを見せた銀に少し不安になりながら雪は窺い見る。
笑顔と言われれば笑顔なのだが、少しばかり遠慮した笑顔の様にも見える、説明し辛い表情と雰囲気を見せていた。
「ユルお姉さん、楽しそうだなって思って・・」
「銀くんはユルお姉さんの事が好きなのね」
躊躇なく、頷くと雪の腕の中に収められていた雪の腕を軽くぎゅっと握り締める。
銀は今日の茶会について実は悩んだ部分もあり、逆にユルの心を閉ざしてしまうのではないかと思い、不安な感情も心の何処かにあった。
ユルの悩みが何なのかなどを聞いてあげたい者も沢山いただろうが、今日は心を開いてくれただけでもよしとしよう。
少しの間、景色を見た後にまた、地上へと戻った。


「あっ!折角ですし、皆で記念写真を撮りませんか?妹からデジカメを借りて来たんです」
「いいですね。僕が撮りましょうか?」
奏人が尋ねるが、それでは全員で撮る事が出来ないと感じたみなもは、いい案がないかと考える。
「蔓・・使う」
二つの蔓で器用にデジカメを掴み上げ、ユルは困っていたみなもの問題を難なく解決する事が出来た。
早速、撮ろうとしたのだが、みなもが少しばかり待って欲しいと告げ、草むらの中へと入って行く。
数分待った後に、みなもは再び姿を見せた。
「みなもさん、お帰りなさっっ・・」
振り返った樹の言葉が失われる。思いもよらない光景を目にしたからである。
当然、一行も驚いて一瞬動きが止まる。
「お待たせしました。さっ、撮りましょうか?」
笑顔で微笑むみなもの格好はバニーガール。
驚きはしたものの、少しすれば、あまり違和感を感じなくなっていった。


「はいっ。チーズ!」


みなもの声に合わせて、ユルは上手にシャッターをきる。全員が一斉に集まったのは今日が初めてだ。
写真は後日、全員の下へ送るとしよう。
今日一日で、ユルの人間への関心は高まったといえるだろう。
それに、狐族の占い雑誌は、比較的当たっているようだ。
すでに夕暮れ時となり、空は暁色に変ろうとしている。
そろそろ、帰宅しなければならない時間が近づく中、森の中には皆の楽しむ声が響き渡っていた。



● 不思議な出会い。
『ジンクス』に願いを込めて〜心の法則〜(番外編)
奏人編。

風はそよそよと穏やかに吹き、鳥の囀りは一日の平和を象徴しているかのようである。
いつもの樹の下に仰向けになり、うたた寝をし始めていた。
暑いとはいえ、やはり木の陰だと、大分、気温が違うように感じる。

がさっ。

「・・・木の葉?」
突然顔の上に木の葉が舞ってきたかと思えば、次に紙のようなものがヒラヒラ舞い降りて来た為、上手い具合に宙を舞う紙をキャッチする。
奏人は不思議そうに手に取ると、其処には『招待状』と記載されていた。
「ご・・ごめんなさい!!」
慌てて木から下りてきたのは小さな男の子であった。
「はい。君は・・?」
「ボクは銀・・(はっ!)」
安心して紙を受け取ると、人間と遭遇してしまうとは思っていなかった銀はすっかり帽子を被っていない事に気がついた銀は慌てて耳と尻尾を覆い隠す。
「気にしなくて大丈夫ですよ・・誰かに話したりとかしませんから・・」
「お兄さん・・・ありがとう」
万遍の笑みを見せた銀は受け取った『招待状』に目を落とす。
「はい。お兄さんにボクからお茶会の招待状」
「僕に・・・?」
改めて銀は『招待状』を差し出す。
「お兄さんお名前は?」
「司城・奏人です」
「じゃー、今日からお友達だね。だから、受け取ってくれると嬉しいな」
きょとんとした様子を見せたが、すぐに奏人は軽く微笑を見せた。


「喜んで、楽しみにしています」



                               おしまい。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
1252/海原・みなも(うなばら・みなも)/女/13/中学生
1985/葛城・樹(かつらぎ・しげる)/男/18/音大予備校生
3077/司城・奏人 (つかさき・かなひと)/男/28/幽霊学生
2144/七瀬・雪 (ななせ・ゆき)/女/22/音楽家

                      申込み順。




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■         ライター通信          ■
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初めまして。
そしてお久しぶりです。
早めの執筆をと思ったのですが、ぎりぎりになってしまい
本当にすません。
今年は蒸し暑いので、熱中症にはお気をつけくださいね。
私は部屋のクーラーをまだ今年は使ってないのですが、
汗だくです。
シャワーを浴びる回数が地道に増えている気が・・・。
体調には十分お気をつけください。


【みなも様へ】
いつもお世話になっています。私は今は紅茶に嵌っています。
一週間の内に5日は紅茶を飲んでます。
でも、ホットを好むので、この時期は暑いです・・。
(でも、飲んでいたり。)
お茶は・・・やはり日本茶です!!
私もそう思います・・・(しみじみ)

【樹様へ】
いつもお世話になっています。いつも素晴らしいお茶汲みを・・。
私も紅茶を是非、淹れて貰いたいです。
実は、紅茶を飲む際には袋の説明の規定を守り、
測って水を加えてます。
何故だか友達に驚かれました・・
(面倒じゃない?っと。)

【奏人様へ】
初めまして。
銀との素敵な出会いを提案してくださってありがとうございます。
全然、強引ではありませんよ。
この様な出会い方は珍しい・・・・・(うーん)・・・・
初めてかもしれません。
気に入っていただければ幸いです。

【雪様へ】
2度目のご参加ありがとうございます。
いつも一言メッセージありがとうございます。
私は最近、お弁当作りを時々するのですが、
中々上手に可愛らしくは出来ないです(しゅんっ)
でも、いつか素敵なお弁当を作って見せます!!
(やる気満々!!)
っと、その前に家の料理をなんとか・・(苦笑)