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■『 千紫万紅  ― 花暦(7、8、9月) ― 』■

草摩一護
【2060】【ノージュ・ミラフィス】【雑貨屋【モノクローム・ノクターン】の主人】
『 千紫万紅  ― 花暦(7、8、9月) ― 』


 9月。病院の廊下。
 あなたが滝山修二の病室から、結城京香の心が引き裂かれるような声にもならない悲鳴のような泣き声を背に出てくると、
 そこでもスノードロップが泣いていた。病院の廊下に蹲って滝のように大粒の涙を流して。
 あなたは一筋の涙を流しながらスノードロップを手の平に乗せて、彼女の涙に濡れた頬に自分の涙に濡れた頬を擦りつけた。
「どうしてでしか? どうして修二さんが死なないといけないんでしかぁ?」
 小さな妖精は人の運命を憂いていた。
 滝山修二は今日死んだ。白血病で。
 そしてたったの三ヶ月しか一緒にいられなかった結城京香は腹の中に彼の子どもを孕んだままそこで泣いていた。
「あなたも大丈夫ですか?」
 白は優しい…そう、この場ではとても哀しすぎるぐらい優しい表情であなたに微笑みかけた。
 あなたは頷く。
 そして今回のこの事は本当に正しかったのかどうかをあなたは白に訪ねた。
 そう、自分たちが見守ってきたこの三ヶ月・・・



 7月。
 7月の花 ラベンダー。
 ラベンダーの花言葉はあなたを待っています、期待、疑い、不信、疑惑、沈黙、私に応えてください、豊香、私に答えてください・・・


 あなたは出逢った。結城京香に。
 彼女はイラストレーターをしながら滝山修二を待っていた。
 結城京香は2年前、自殺をしようとしていた。その彼女を助けた修二は京香と恋仲となり、
 だけど彼の消息は突然途切れてしまった。
 それでも京香は彼を待ち続けていた。
 あなたは白、スノードロップと共に修二を探して、その真実を知った。



 8月。
 8月の花はキスツス 花言葉は私は明日死ぬだろう。


 不吉な花言葉を持つキスツスはあなたたちの前に現れて、滝山修二を探すのをやめさせようとする。
 しかしあなたたちはそのキスツスに打ち勝ち、ついに彼を発見するが………
 そこは病院で、そして滝山修二は………




 9月。
 9月の花はヒマラヤスギ 花言葉はあなたのために生きる。




 そして9月、彼は死に、あなた方が少し目を離した隙に結城京香は………。




 ライターより


 こんにちは。このたびは『 千紫万紅 ― 花暦 ― 』を読んでくださりありがとうございます。
 今回の物語はPLさま方の大切なPCさまたちが三ヶ月に渡って触れ合った男女の悲しき恋物語となります。
 この物語がどう終わるのかは、PLさまがお決めください。


 今回のプレイングは7月に使われるPCさまが何故にこの物語に触れ、そして白とスノードロップに手を貸すのかをお教えください。台詞を一つ入れておいてくださると嬉しいです。

 8月はお任せくださいませ。

 9月。この物語のラストをお書きください。そしてそのラストに相応しいPLさまのPCさまのお言葉を書いてください。
 
 エンディングはですから、今回は集合型になりますが、それぞれ違う形となります。
 それとラストの内容によってはエンディングを『庭園』で迎える形式があります。
 尚、今回の物語は集合型となります。
  
 

『 千紫万紅  ― 花暦(7、8、9月) ― 』


 深夜の雑貨屋【モノクローム・ノクターン】。その店内に並べられた品々は店の主人であるノージュ・ミラフィスが遺跡やなにかから『拾って=助けて』来たものが主で、それらはアンティーク調でまとめられた歳月と森の香りが感じられそうな木造造りの店内の静謐な空気の中でひっそりとそこにいた。
 そう、それらは息を静めてただいつか誰かが迎えに来てくれる予感に身と心を震わせながら、だからその人以外には誰にも見つけられないようにひっそりとこっそりとそこにいる。
 その雑貨屋【モノクローム・ノクターン】においてはこんな噂が実しやかに囁かれている。人によっては妖精の姿が見えると。
 うん、そう。店内には妖精がいた。
 雑貨屋【モノクローム・ノクターン】に住まう数々の品の妖精と、
 それと今夜はそれに付け加えて初瀬・日和(はつせ・ひより)が連れてきたイヅナの末葉(うらは)、
 あとは白の助手のスノードロップの花の妖精であるスノードロップが遊んでいた。
 その日の晩の月は満月だった。
 その月の光のような蒼銀色の髪に縁取られた顔に人懐っこい笑みを浮かべながらノージュは窓際に用意した丸いテーブルに着く日和と白の前に紅茶の入ったカップと皿を静かに置いて、笑みを深くした。
「さあ、彼女は送れてくるそうだから先に深夜のお茶会を始めましょうか?」
「はい」
 微笑むノージュに日和も嬉しそうに微笑む。
 白いテーブルクロスが敷かれたテーブルの真ん中に乗せられた花瓶に生けられた花々も綺麗に咲き綻んでいるが、ホール型の大きなドライフルーツケーキを綺麗に扇形に切り分けて皿に乗せていく少女たちの嬉しそうで楽しそうな笑い声の前では引き立て役に回るしかないようだ。
 そしてお茶会の準備が完全に終わると二人は揃って白を見た。
「白さん、紅茶はあたしが担当で、最高の葉と水を見繕って、カップなんかもちゃんと温めたりして最高の手法で煎れた究極の紅茶なんですよ」
「ドライフルーツケーキは私が。ああ、でも材料に使ったドライフルーツは完全に私の好みにしてしまったので、白さんのお口に合うといいんですけど。うーん、スノードロップちゃんに訊くんだったかな?」
 失敗という感じでこつんと頭を叩いた日和にノージュは横から抱きついて、明るい笑みを浮かべた顔を日和のちょっとびっくりしたような顔に近づけて、歌うように言う。肩もおどけたように軽くすくめて。
「でも、あの小さな身体のどこにあんなにいっぱいに入るのかしら? って不思議に想っちゃうぐらいに何でも好き嫌い無くよく食べるスノードロップちゃんに訊いてもねー」
「ああ、きっと、白さんは何でも食べるでしよ、なんて言っちゃうんでしょうね」
 二人は顔を見合わせあって、雑貨屋【モノクローム・ノクターン】の妖精と一緒に末葉に乗ってきゃっきゃっと騒いでいるスノードロップを見て、くすくすと笑った。
 そんな二人の少女を柔らかに細めた瞳で見ていた白もそれにつられたように口元に軽く握った拳をあててくすっと笑う。
 そしてそんな白に二人はやっぱりまた嬉しそうに笑うのだ。だって今日のお茶会は白を励ますためのものでもあるのだから。
 滝山修二と結城京香、結ばれながらも死というどうしようもないモノに別れさせられてしまった二人の姿にとても寂しそうにしていた…哀しんでいた白を。
「白さんがあたしや日和よりも一番先にあの二人に出会っていたんですよね?」
 ノージュはフォークに刺したドライフルーツケーキの欠片をスノードロップに食べさせながら白を上目遣いで見た。
 今までそれを疑問に想いながらも訊けなかった事だ。それをここで訊く事には気が引けもしないがそれでもこの優しい雰囲気の中ではそれは許されるような気がしたし、やっぱりそれが滝山修二の供養になる気もしたから。
「そうですね。彼と彼女に出会ったのは2年前でした。まだ京香さんが高校生だった頃です」
 胸を片手で叩きながら苦しそうにするスノードロップにスプーンですくった紅茶を飲ませながら日和も白の訥々と語る声に耳を傾けた。
 末葉は甘えるように日和の膝の上で小さな体を丸める。
 白は語る2年前の二人の出会いの物語を。
「二人の出会いは2年前、まだ京香さんが高校生2年生で、それで修二さんが大学の一回生だった頃です。
 その頃の京香さんはちょっとお転婆さんで万引きとかカツアゲ、それにバイクや車の無免許運転なんかをやっていましてね、でも…、ええ、寂しかったんだと想います、彼女は。
 京香さんのご両親はお互いに社会的地位のある方で同時に二人で不倫なされていたらしくって、家には帰ってこなくって、それで京香さんもそんな家には帰りたくないって………それで家には帰らなくって、だけど本当はご両親が大好きで見ていてもらいたいから無茶をやって、って…そんな生活を。
 最初は僕は修二さんと友人だったんです。
 修二さんは趣味で写真をやっておられたんですね。彼の写真はとても綺麗で優しくって、物凄く心地が良くって。
 彼は風景写真を専門に撮っておられて、それで僕と知り合いになったんです。彼の被写体の植物のいくつかを僕が診ていて、その縁で。
 彼と彼女の出会いは偶然でした。
 たまたま僕と修二さんとで歩いていたらそうしたらその視界の先にあった橋から京香さんが飛び降りようとしていて………
 それを目撃した修二さんが京香さんをものすごい勢いで怒って。
 修二さんには京香さんと同い年の妹さんがおられたそうなんですが、ご両親ともども彼が中学生の頃に亡くなられていたんです。だから彼は余計に親身に彼女を怒り、そして誰よりも彼女の辛さをわかって………
 それで二人は。
 それは何も弱い者同士が寄り添って傷を舐めあうとかそういうのではなく、とても純粋な愛の切欠で過程だったんでしょう。
 それから二人はどんどん仲を親密にしていき、両想いになって結婚の約束をした。
 だけどどうやらそのすぐ後だったようですね。彼が自分の運命を知ってしまったのは……。
 ノージュさん。修二さんがここに来たのもきっとその頃なのでしょう。
 そして日和さんの見た絵を京香さんが描かれたのはそれからもう少し後………」
 白は口を閉じて、静かに紅茶を啜った。
 テーブルの上に座りながら美味しそうにドライフルーツケーキを食べるスノードロップを見ながら自分たちも食べたそうな顔をしている妖精たちにノージュはにこりと微笑んでフォークで妖精の分だけ切ったドライフルーツケーキが乗った皿をその妖精たちの前にずらし、そうして彼女は青色の瞳を指輪などが置かれたショーケースがある場所に向けた。
 そう、彼はちょうどそこに立っていたのだ。



 ――――――――――――――――――
【Begin tale】

【7月】
 7月の花 ラベンダー。
 ラベンダーの花言葉はあなたを待っています、期待、疑い、不信、疑惑、沈黙、私に応えてください、豊香、私に答えてください・・・



 貨幣価値よりも、それに込められた想いを汲み取れる方にだけ、お譲りします。



 それはあたしが経営するこの雑貨屋【モノクローム・ノクターン】の経営方針。
 ここで売られている子たちは皆待っているの、自分を迎えに来てくれる人が来るのを。
 それは予感。
 とても嬉しくって、
 そして緊張に満ちた予感。
 それに込められた想いを汲み取れる方にだけ譲るからだからその子たちが酷い事をされることは無いからそれは安心。
 でもだからといって縁という糸があるからその子たちとその縁の糸を辿ってこの店に来た人たちとが一緒になれるかというと決してそうではない場合も時としてはある。
 そう、例えばこの指輪………
 ――――私はショーケースに並べられた指輪の一つを手に取る。
 それは古めかしいデザインのアンティークな指輪。
 ほんの少し細かい傷がついているがそれでその指輪の美しさは消えることはなく、その指輪は次なる人…そう、ほんの数ヶ月前にこの店に来て、確かにこの指輪に惹かれていたのになのにその指輪を引き取る事の無かった彼。
 あたしはその彼の顔が忘れられない………。


『こんにちは、いらっしゃいませ。指輪をお探しですか?』
『あ、いえ、はい、まあ…』
『では、こちらのアンティーク調の指輪はいかがですか?』
『え、あ………』
『良い指輪でしょう? 前の持ち主がどれだけその指輪を大事にしていたか、わかりますよね?』
『はい。とてもこの指輪が大好きで、大事にしておられたんでしょうね』
『ええ、そうですよ』
『本当に綺麗ないい指輪です』
『気に入られました? ではその子をどうかお引き受けしていただけませんか? 当店は貨幣価値よりも、それに込められた想いを汲み取れる方にだけ、商品をお譲りするようにしているんです。あなたにならばこの指輪をお引渡ししたいのですが。この指輪もそれを望んでいますし』
『あ、や、すみません。俺は…。他の、他の人にこの指輪をお願いしてあげてください。すみません』


 ――――――それは愛しいような、どこか辛そうな表情だった。
「はぁー、どうして、なのかしらね?」
 あたしはその子に話し掛ける。
 かつてその指輪はとある夫人の持ち主だった。
 その人はとても綺麗な人で、そして幸せな結婚をした。
 とても愛している人に愛されて、望まれて、それで結婚したのだ。
 指輪はその幸せの象徴。夫人はこの指輪を今度も幸せになりたい、幸せになろう、幸せにならなければならない二人にもらって欲しいと願い、
 そうしてこの店に来たのだ。
 そしてその指輪は確かに彼を呼んでいて、
 彼はその声を聞いていたのに。
 ・・・。
「あーぁ、本当にどうしてだかわかんないよ」
 あたしはお店のカウンターに突っ伏して吐いたため息で前髪を浮かせた。
 からーんとお店の扉につけられた鐘が綺麗な音色を奏でた。
「こんにちはでしぃー♪」
 軽やかな声と共にお店に入って来たのはスノードロップちゃん。
 背中の羽根を羽ばたかせて彼女はあたしの顔の前に飛んでくる。
「こんにちは、スノードロップちゃん」
「はいでし」
 こくりと頷いたスノードロップちゃんの周りにはこのお店の妖精たちが集まってきて、早速妖精どうしのお喋り会が始まる。
 あたしは彼女に続いてお店に入ってきた白さんににこりと笑った。
「いらっしゃい、白さん」
「ええ、こんにちは、ノージュさん」
「今日はどうしたんですか?」
「ええ、ちょっとノージュさんに訊きたい事がありまして」
「訊きたい事、ですか?」
 あたしは小首を傾げて、さらりと揺れた前髪の奥にある目をぱちくりと瞬かせた。
「それで一体訊きたい事とは?」
「ええ、ここに数ヶ月前に青年が指輪を探してやってきませんでしたか?」
「指輪、ですか」
 驚きに開け広げた口を片手で覆い隠してあたしは目を瞬かせた。
 その様子を見て白さんも目をぱちくりとさせて、次に白さんにしては珍しく少し勢い込んで訊いてきた。
「心当たりがあるんですね?」
「あ、はい。ここ数ヶ月で指輪に呼ばれてやってきたのはその人だけだから、だから多分あたしが想っている人と、白さんの言っている人は合っていると想いますけど、でもその人が何か?」
「はい。その人は滝山修二さんと言います」
「そうでし。修二さんが京香さんに指輪をプレゼントしたいと言うから、わたしがノージュさんのお店を紹介したでし♪」
「京香さん、恋人に?」
 うん、そうだ。そうに決まっている、この指輪に彼は呼ばれたのだから。
 あたしは手の平の上のショーケースの中から取り出したままの指輪を見た。その指輪は天井の照明の光を反射させていたのだけど、だけどその鈍い反射はどこかその指輪が泣いているように想えて、だからあたしは瞼を閉じた。そうするとあたしの心には人、物、自然を問わずに声なき声が届く。距離に関係なく心の底の底で発する悲痛な想いが響きとして。
 聞こえたいくつかの声。
 それは一つはこの指輪で、
 そしてもう一つは声を押し殺して泣いている女性で、
 そうしてこれは声を出すことを自分に禁じている重く暗い悲しみに満ちた声。
 すべてはこの一連の事に関係する声。
 なぜか香ったラベンダーの花の香り。
「修二さんは京香さんの恋人だったんでしが、でも京香さんを残してどっかに行っちゃったんでし」
 彼女の舌足らずな言葉はあたしの心に衝撃を走らせた。
 そして白さんとスノードロップちゃんは、指輪を買いに来たのが滝山修二という青年で、その彼の恋人が新進気鋭のイラストレーターの結城京香で、
 二人は想いあっているけど、
 でも数ヶ月前に彼の行方が突然に不明になってしまったのをあたしに教えてくれた。
「それでその時の彼の様子や、彼が何かを言っていなかったかを聞きに来たのですが?」
 あたしは顔を横に振った。
「いえ、あたしにはわかりません。知りません」
「そうですか。ああ、すみません。仕事中に。それでは失礼します。スノードロップ」
 あたしに向って手を振るスノードロップちゃんを肩に乗せて立ち去ろうとする白さんにだけどあたしは声をかけた。
「待ってください、白さん。今日はもうお店は閉店です。あたしも彼を探すのを手伝います。これからはあたしの時間だから、だからあたしは役に立ちますよ」
「ノージュさん」
 あたしを振り返って柔らかに微笑んだ白さんにあたしはこくりと頷いた。
 そう、この指輪はやっぱり滝山修二と結城京香の二人の手に渡るのが相応しいのだ。
 だからあたしはそのためにも滝山修二を探し出す決意をした。



 ――――――――――――――――――
【8月】
 8月の花 キスツス。
 キスツスの花言葉は私は明日死ぬだろう。


 花束を持って綾瀬まあやは病院の廊下を歩いていた。
 知人の見舞いであろうか?
 だが看護士の中には彼女の持つ花束を見ておもむろに嫌そうな顔をする者がいた。
 それは彼女が持つ花束が原因であった。彼女が両腕に抱える花束を構成するのはキスツス。その花言葉は『私は明日死ぬだろう』だ。まず到底見舞いの花として考えられない。それを見舞いの花に選んだ彼女は何を考えているのであろうか?
 まあやはこんこんと扉をノックした。
「はい」
 きっちりと3秒後に返された返事。彼女は病室に入り、ベッドの上で手を動かしている彼に眉寝を寄せた。
「呆れた。また写真を撮っていたの?」
 ベッドの上の彼は悪戯が見つかったような顔をする。
「ああ、この病院の人たちを撮っていた」
「どうして?」
「戦友だから」
 そう答えた彼にしかしまあやは即座に突っ込んだ。
「嘘。あなたは戦ってはいないでしょう。投薬治療も何もしていないのだから」
 そう言われた彼はむぅっと眉根を寄せて、そしてまあやから顔を逸らした。
「どうせ死ぬのなら無駄な抵抗をしても同じだろう」
 彼がそう言った瞬間に病室に景気のいい音がした。ぱちんとまあやが彼の頬を叩いたのだ。
「それはここで口にしていい言葉ではないわ。恥ずかしいと思いなさい。あなたにはあなたなりの想いがあって投薬治療を拒否してるんだろうけど、でもあなたの場合はほんの少しでも可能性があるのよ」
「ふん。確かに俺は投薬治療をして、ドナーが現れれば助かるだろう。末期ガンの人に比べれば生きれる可能性は天と地ぐらいの差があるさ。だけどそれが何だって言うんだ。苦しい想いをして、でもドナーが現れなかったらそれはすべてが無駄になるんだ!!! だったら・・・」
「あら、でもあなたの場合は違うでしょう。あなたには結城京香さんが居るでしょう? 彼女と少しでも居る時間が延ばせれば・・・」
 その後のまあやの声は掻き消された。
 彼が手に持っていたカメラを病室の床板に叩き付けたから。
「ふざけるなー。そんな…そんな惨い真似ができるわけがないだろう。その時間は彼女にとっては残酷なだけだ」
「その時間が残酷かどうかはあなたが決めることではないわ、滝山修二さん。それは結城京香さんが決めることよ」
「それは…綾瀬まあや、あんたはどうして俺にかまうんだ? あんたには俺がどうなろうがかまわんだろうが」
「いえ、かまうのよ。あなたがこのまま死ねば、あなたの魂はその狂った音色の果てに世界に不協和音をもたらす。それは【闇の調律師】として見逃せないのでね」
「・・・」
「だから賭けをしましょう」
「賭け?」
「そう、賭け。今、二人の少女があなたを探しているわ。結城京香のために。あなたのためにね。そのあなたを探す行為をこのキスツスの精に妨害させる」まあやがリュートを奏でるとキスツスの精が現れた。「もしもこのキスツスの精が二人に勝ったらあなたの勝ち。その時はどうとでもするといいわ。ものすごく面倒臭くって嫌だけど、あなたが死んで生まれた不協和音をあたしが片しましょう。でも二人がキスツスの精に勝てばあなたには二人の言う事を聞いてもらうわ」



 +


 季節は8月になった。
 あたしは初瀬日和と一緒に修二を探すけど、でもそれらは全て空振りに終わっていた。
 夕方のだけどちっとも涼しくならない都会の一角にある公園であたしと日和は公園のベンチに座って、だれていた。
 この殺人的な気温の中では半吸血鬼のあたしはもちろんの事、体があまり丈夫ではない日和もきつかった。
「地球の温暖化の影響でしょうか?」
「知ってる、日和。本土の都会よりもかえって沖縄の方が涼しいそうよ」
「え、それって本当なんですか?」
「ええ。ほら、都会はアスファルトに覆われていて、高いビルも多いじゃない。だから地熱も下がらないし、風も塞がられるしで温度が高いんだって」
「ああ、沖縄は高い建物とかはあまりないですものね」
 そんな世間話なんかをしながらあたしたちは体力が回復するまでそうやってベンチでだれていた。
 それでもなんかおかしいとは想った。
 いかに半分とはいえまがりなりにもあたしは吸血鬼なのだ。そのあたしがここまで体力を削られるなんて。
 それでもそれは逆に半分とは言えども吸血鬼なんだからそれで熱すぎる灼熱の円盤かのような太陽が発する光のせいであたしの体が弱ったと説明したとしても、もう直に夜が来るのだ。だったら・・・
「やっぱり、おかしいわ、日和」
「え、何がですか、ノージュさん?」
「だってあたしの体が回復しないんですもの」
「え?」
「あたしは半分とはいえ吸血鬼。夜の眷属よ。この夜という世界の序曲と言うにも相応しい夕方でもあたしのその夜の眷属としての本能はざわめき、目覚めるはずなのよ。それなのにあたしの体はまったく回復しようとしない。これはひょっとしたら今現在も誰かの攻撃を受けているのかも?」
「え、それは、でも一体誰がどうして?」
「わからない。でもあたしはこれまでずっと滝山修二を探すために能力を扱おうとしても、その場合は上手くその能力を扱えなくって…」
 あたしは首を横に振った。
「それは滝山修二の情報がまったく無いからだとかどうとかって勝手に自分を納得させていたんだけど、だけどひょっとしたらそれは違うのかもしれない。あたしたちは滝山修二を探させんとしている何者かの攻撃を受けているの?」
 日和は口元に軽く握った拳をあてた。
「攻撃、ずっと私たちはされていたんですよね。でもそれは傷つけるというモノではなく、削るというモノで、だったら私たちの体からこんなにも体力を削り取る何らかの攻撃がされていて、それを防げればノージュさんも力を発動できますよね?」
「ええ、多分。できて、日和」
「はい」
 あたしと日和は表向きはだれてベンチに座っていますという恰好をしながらもそう段取りをつけると、視線と視線とを合わせあって、同時に頷いた。
「「3、2、1、0」」
 そしてあたしたちは同時にベンチから立ち上がって、お互いに背中を合わせあって、それで………
「水を操ります、ノージュさん」
 日和の能力は水を操る事らしい。大気中の水分を霧状にして、それにより防御壁代わりに水の幕を展開して、そうしてそれは・・・
「魔力が、蘇った」
「ならば、見えるよ」
 あたしは魔力を発動させた。
 吸血鬼の魔力はあたしを夜の眷属にしたものが与えた森羅万象を見透かす瞳。視界に映るものの性質を読み取るこの能力の前には………
「花粉?」
「花粉、って、ノージュさん?」
「あたしたちを攻撃していたのは花の花粉。それが細菌のようにあたしたちの体に入り込んでそれで、体力を奪い取っていた」
「だけどその花の花粉はどうして私たちを?」
「待って…心が………過去が見えるから…これは、滝山修二にまあや?」



 魔瞳の前では誰もどこにも鍵をかけることはできない。
 あたしの魔瞳には見える、
 真っ白な病室が・・・
 ――――そこにいるのは滝山修二と、まあやさん?
 彼と彼女があたしたちを襲わせた!?
 賭け・・・もしもあたしたちが見つけ出せなかったら、そうしたら・・・彼女の前に現れない・・・。
 彼女が苦しむから?
 自分が白血病だから、だから残された彼女が苦しむから、それだったら嫌われた方が…恨まれた方がいいって、それで彼女を置いてけぼりにして・・・。
 じゃあ、置き去りにされた………今も二人で暮していた部屋でひとりあなたを待っている京香さんの気持ちはどうなるの?



 ――――どくん、とノージュの心臓が大きく脈打った。
 そして美しい蒼銀色の髪が月色に変わる。
 それは【吸血進行】。ノージュが人の心の醜さ、性根に絶望したときに吸血化は進む。



「ノージュさん」
「許せない」
「え?」
「そんな自分勝手な想いは許せない」
 あたしは大地を蹴り、夜の空に舞った。



 +


 病室のドアの前には白さんがいた。
「ようこそ。よくここまで辿り着いてくれましたね」
 そう、白さんは最初から知っていたのだ、すべてを。
「どいてちょうだい、白さん」
「僕をどかせてどうするんですか?」
「滝山修二さんに話があるの。あたしは、あたしは許せない」
「何が?」
「彼の性根が。結局は彼は逃げようとしているだけ。置かれていった人の気持ちをちっともわかろうとはしていない」
「そうですね。うん、そう。彼は置かれていった人の気持ちをわかろうとはしていない。だから僕らはあなたたちに賭けた。そうしてあなたはここに来てくれた」
「ええ、そうね。あたしは彼を殴りに来たの。いっぱつひっぱ叩いて、それで京香さんの前に差し出してやるの」
「無理やりに?」
「え?」
「今の感情的になっているあなたには、そう、そうやって無理やりにしか彼を彼女の前に連れ出せない。でもいつものあなたなら、それなら彼を納得させて、ここから…殻の中から出させる事はできるでしょう。今のあなたにはその指輪の声は聞こえますか?」
 白さんはそう言うと、首にかけた銀のチェーンに通されている指輪を指差した。
 あたしの胸元を飾るそのアンティーク調の指輪はしかしあたしに何も語りかけてこない。
 いや、あたしがその子の声を聞く事ができないでいるのだ。
「こっちに来てください」
 白さんはあたしの手を握って、あたしを病院の屋上に連れて行った。
 風が吹くそこに彼はひとりで立っていた。
 そして遥か下にある階下を見ていた。



 自殺しようとしている?



 どくん、と心臓が脈打って、また体が熱くなった。
 吸血進行が進んだのだ。
 だけど・・・
「早まらないでください。よく見てください、彼を」
 彼は階下を見ながら肩を震わせていた。
 夜という時間になってより見えるようになったあたしの目には屋上の手すりをぎゅっと掴む彼の手が見えた。血管が浮かぶぐらいにぎゅっとその手は屋上の手すりを掴んでいた。
「戦っている?」
「そう、彼は戦っている。死と。どうせ死ぬのならば治療は無駄だと言いながらも彼はあーやって湧き出してくる自殺の願望と戦っている。ただ彼は見出せないだけなのです。そう、見出せないだけ。投薬治療なんかをしながら、白血病と戦う意味を。僕らが願うのはそれを見出すための意味をあなたたちがここまで来る事で彼に示してもらうこと。お願いできますか、ノージュさん?」
 あたしは白さんの瞳を見た。
 そしてこくりと頷く。
「ええ、任せて。って、あ」
「どうしたんですか?」
「公園に忘れ物してきちゃった」
 と言ったら、
「忘れ物って、その言い方はちょっと」
 と、苦笑混じりの声。そちらを見たら日和がいた。まあやと一緒に。
「日和、それにまあや」
 二人はにこりと笑い、そして日和はあたしの前に立ち、
「さあ、ノージュさん、伝えましょう。私たちがどうしてここまで来たのかを彼に」
「ええ」
 そしてあたしと日和は白さんとまあやに見つめられながら、滝山修二の前に立った。



 +


「君達は…」
「こんばんは。滝山修二。あたしはあなたと会うのは二回目なんだけどな。ああ、髪の色が諸事情によりちょっと違うんだけどね。この指輪、憶えていない?」
 あたしは彼に首にかけたチェーンに通した指輪を見せた。
「あ」
 どうやら彼はこの指輪の事を覚えていたようだ。
「そう、雑貨屋【モノクローム・ノクターン】の店主のノージュ・ミラフィスです」
「私は初めましてです。初瀬日和と言います」
 日和は彼に頭を下げた。
「どうして、君達はここに?」
 あたしと日和は顔を見合わせあって、
 それでまず先に日和が前に出た。
「あなたと京香さんが住んでいたアパートのすぐ近くの商店街には街角ギャラリーというものがあるんです」
「あ、え、あ、うん」
「そこには一枚の絵が飾られています。キャンバス一面にラベンダーが描かれていて、その中には笑っているあなたが。私がこうしてここに来ようと想ったのはその絵が理由です。その絵はね、とても綺麗なんですが哀しいんですよ? その絵に込められた胸が痛くなるほどの想いのせいで。それは今も京香さんがあなたを好きだと言う想い。一面に描かれたラベンダーの意味、あなたには伝わりますか? ラベンダーの花言葉は『あなたを待っています』です。あなたは本当にこれが彼女にとって一番良いと想いますか? もしもこのままあなたが彼女の前に現れなければ、彼女はずっとあなたに縛られたまま一歩も前に動けなくなります。それはものすごく哀しい事だと思いませんか? 私にも実は経験があるんです。私の場合はとても大切な友達だった。果たせなかった約束に、罪悪感に私の心は縛られて…だけどその友達は人形に宿って私を助けてくれた。それにどれだけ救われたか。修二さん、苦しんでいる京香さんを助けられるのはあなただけです」
 そして次にあたしが前に出る。
 あたしは首の後ろに手をまわし、チェーンを外して、そして指輪を手の平の上に乗せて、その手を彼に出した。
「この指輪をもらってください。この子はあなたにもらわれる事を願っているし、あたしもこの指輪はあなたたちに相応しいと想う。輪は廻るわ。たとえ期限付きだったとしてもそれでもその想い出はこれからの彼女を支えてくれる。そしてその支えとなる想い出の証拠としてこの指輪はこれからも彼女の指を飾り続ける。そして環が円を成すようにそれはあなたの幸せでもあるでしょう。あなたに還るでしょう? これからの時間はあなたたちが不幸になるためにあるんじゃなくって、あなたたちが幸せになるためにあるんじゃなくて?」
 そうして彼は日和とあたしを順に見つめ、
 固い蕾のようだった顔に花が咲き綻んだような笑みを浮かべて、
「ごめん。ありがとう、二人とも」
 あたしの手から指輪を受け取った。
 その瞬間にあたしの【吸血進行】はおさまり、彼の決意があたしを人に近づけた証拠にあたしの髪は月の色から、元の蒼銀色に戻った。



 ――――――――――――――――――
【9月】
 9月の花 ヒマラヤスギ。
 ヒマラヤスギの花言葉はあなたのために生きる。


 あたしと日和は滝山修二の病室から、結城京香の心が引き裂かれるような声にもならない悲鳴のような泣き声を背に病院の廊下から出た。
 廊下ではスノードロップも泣いていた。病院の廊下に蹲って滝のように大粒の涙を流して。
 あたしと日和もスノードロップを二人の手の平の上に乗せて、互いの額を当てながら涙を流した。
「どうしてでしか? どうして修二さんが死なないといけないんでしかぁ?」
 小さな妖精は人の運命を憂いていた。
 滝山修二は今日死んだ。白血病で。
 でも彼は確かに京香の心に想い出と、そして新たな命を彼女のお腹の中に宿していった。
 だけど………
「大丈夫ですか?」
 そう訊いてくれる白さんは優しい…そう、この場ではとても哀しすぎるぐらい優しい表情であたしたちに微笑みかけてくれる。
「はい。ね、日和」
「はい、私も大丈夫です。でも京香さんが…」
「そうね、京香さんがすごく心配なんです」
 あたしたちは居たたまれない気持ちに苛まれながらも主の居なくなった病室に入った。
 しかしそこに彼女はいなかった。
「そんな、京香さんはどこにいったんでしか?」
「探そう、日和」
「はい、ノージュさん」
 病室から飛び出そうとしたあたしたち。そのあたしたちの前に・・・



 ちりーん。



 風鈴の音色が聴こえた。
 とても澄んだ透明な音色の………
「この風鈴の音色は最後の彼の声を表しているのだよ、ノージュに日和」
「あなたは?」
「猫さん?」
 猫はこくりと頷いた。
 彼の事はスノードロップちゃんから聞いている。
「あの、それで修二さんはなんと言ってるんですか?」
 日和が訊いた事に猫は軽く目を細めた。
「彼女は屋上に居ると」
「屋上ね」
 あたしはそう言うと、全速力で走って屋上についた。
 そこでは、あの日の夜に滝山修二がそうしていたように京香も下を見下ろしていた。
「何をやっているの?」
「来ないで」
「来ないで、って、馬鹿な事はやめてください、京香さん。そん、な…そんな真似をしたら修二さんが哀しみます」
「そうよ、やめなさい。修二が哀しむわよ」
「哀しまないわよ。哀しまない。彼は…彼は私を置いていってしまった…酷い人なんだから」
 その言葉にあたしも日和も絶句した。
 あたしたちはもう彼女に何を言えばいいのかわからない。
 だけど、


 ちりーん。


 また風鈴の音色が響いた。
「ならば庭園においで。そこで二人の【想い出】の風鈴を見るがいいだろう」
 いつの間にかあたしたちの足下にいた猫。
 そうして彼は、あたしたちを庭園へと導いた。
 百花繚乱とも言い例える事ができるぐらいのいくつもの色取り取りの風鈴が青い空をバックに飾られた地、庭園。
 その綺麗な音色の中でしかし、音を発しない真っ黒な風鈴が一つ。
「これは?」
 ショックを受けたようにそう訊く彼女に猫は答える。
「想い出の風鈴。滝山修二とあなたとの想い出を封じ込めた風鈴だよ」
 いつの間にかいた今ひとりの少女も口を開く。
「あなたがその想い出を拒絶した瞬間にこの風鈴はこうなりました。元の美しい柄もその音色も失って。だけど……」
 あたしと日和は顔を見合わせて頷きあう。やるべき事はわかっていた。


「「だけどあなたが想い出を…滝山修二の愛を信じれば、風鈴はまたその美しい音色も柄も取り戻す」」


 そしてあたしと日和は彼女の手に自分達の手を重ね合わせて、風鈴に触れさせた。
 そうして彼女は何を見たのだろうか?
 ぼろぼろと涙を零しながらその場に膝を折って、声をあげた。
 とても哀しい哀しい・・・
 だけどどこかとても安らぎにも満ちたような・・・
 そんな不思議な言葉には言い表せない感情に満ちた泣き声を。
 風鈴に描かれていたのはどこかの風景のようだった。おそらくそれは………。
 日和は泣いている京香の傍らに両膝をついて、そっと泣いている彼女の背中を叩く。優しい慈母が愛する子どもにそうするように。
「人は、知り合った、関わった人達の想い出の中でも生き続ける事ができるって、私は信じているから…だから、忘れません…出会った人たちの事、みんな…」
 そしてあたしも結局は彼が彼女に渡せずにいた指輪をスノードロップちゃんと一緒に京香の手の平の上に乗せて握らせる。
 彼がそこにいるのなら、きっと言うに違いない言葉を口にしながら。
「想い出に縛り付けてでも、あなたには生きて欲しいと修二は願っている。あなたと、小さな命―自分の生きた証に。京香、あなたは死によって想い出を拒否することしか考えていなかった。だけど修二は死の間際にもあなたの幸せだけを願った。あなたを愛した人の想い出を拒まないで」
 そうして彼女はまた大声をあげて泣き出し、
 二人の想い出の風鈴はそんな彼女を優しく宥めようとするかのように静かに静かに鳴っていた。



 ――――――――――――――――――
【ラスト】


 からーん、と鐘が鳴った。
 あたしはにこりとテーブルに着く日和、白さん、スノードロップちゃんに微笑んで、そうして彼女を迎えに行く。
「いらっしゃい。ようこそ」
 ぺこりと頭をさげた結城京香はとても幸せそうな表情を浮かべてそこにいた。
 その彼女の左手の薬指にはあの指輪がとても大事そうにはめられていた。



 ― fin ―


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】


【 2060 / ノージュ・ミラフィス(のーじゅ・みらふぃす) / 女性 / 17歳 / 雑貨屋【モノクローム・ノクターン】の主人 】


【 3524 / 初瀬・日和(はつせ・ひより) / 女性 / 16歳 /高校生 】



【 NPC / 白 】



【 NPC / 風鈴売りの少女 】


【 NPC / 猫 】


【 NPC / スノードロップ 】 


【NPC / 綾瀬・まあや 】



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■         ライター通信          ■
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こんにちは、ノージュ・ミラフィス様。
こんにちは、初瀬・日和様。
いつもありがとうございます。
このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。


今回も本当に依頼参加ありがとうございます。
今回は千紫万紅では初の集合型だったのですが、
ノージュさん、日和さんは性格においても能力においても、またプレイングも本当にお二人とも素晴らしい設定でしたので、
このお二人をコンビにして物語を書き進めていくのは本当に面白く楽しかったですし、
それに会話や二人が一緒にいるというのにも違和感などが一切無かったので、
本当に書き手としてもものすごく気持ち良く物語を書き進める事ができました。
9月の庭園のシーンは実はエンディングシーンとしておひとりおひとりで別々の形で書く予定だったのですが、
お二人のプレイングが本当にぴったりで、これはお二人同時に書いた方がよりこのプレイングの綺麗さを引き出せると想って、
それでこういう形式になったのです。
本当に素敵なプレイングありがとうございました。^^




ノージュさんの指輪の設定は本当にこちらにはすごくありがたい設定でした。
この指輪という小物がものすごく話に華を添えてくれましたし、それにすごく素敵でノージュさんらしい理由だなって。^^
やっぱりノージュさんの雑貨屋【モノクローム・ノクターン】は素敵ですよね。
ここには色んな物語が詰まっていて。
その中のお話をまたこうして書かせていただけたことを光栄に想います。
でも今回は本当にノージュさんの指輪、日和さんの絵に助けられたと想います。
ノージュさんの指輪はノージュさんの行動理由だけではなく、修二や京香の魅力を引き出し、それぞれを支えてくれるモノになってくれましたから。


そして以前のシチュエーションノベルに素敵なイラストを添えてくださり、ありがとうございました。(*^^*)
ずっとお礼を言いたかったので、こうして直にお礼を言える機会に巡りあえたのもまた嬉しいです。
本当に見た瞬間にすごく嬉しかったです。(^^)
本当にありがとうございました。


それでは今回はこの辺で失礼させていただきますね。
本当にありがとうございました。
失礼します。