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■★鶴来理沙の剣術道場■

雛川 遊
【1564】【五降臨・時雨】【殺し屋(?)/もはやフリーター】
剣神リアイアの巫女、鶴来理沙の剣術道場です。
理沙と一緒に武の道を極めたい人や、必殺技の修行をされたい人は修行をされて汗をかいてみませんか?
剣術道場では修練を積むお手伝いから戦いのアドバイスまで、手広くカバーしています。
なんとなく和みたい人も大歓迎!
ぜひ一度当道場の門をお叩きください。

★鶴来理沙の剣術道場

●ようこそいらっしゃいました! 〜オープニング〜

 こんにちは!
 当道場は剣神リサイアの巫女、鶴来理沙(つるぎ・りさ)の剣術道場になります。
(――――つまりこの私が道場主です!)
 場所はあやかし荘の大部屋を間借りして開いています。が、とある結界の力を用いて道場内に色んな修行の場を出現させたり、古の武術を伝える師範がいたりと、ふつーの道場ではないのです。
 武の道を極めたい人、必殺技の修行をされたい人、なんとなく和みたい人などは、ぜひ当道場の門をお叩きください。ビンボーですががんばりますので!
 あ、それと補足がひとつ。
 ただいま門下生希望者は、随時熱烈大歓迎☆

 それでは、本日も良き修行の一日を!!



●本日の修行、開始です!

「うぅ〜‥‥寒くなってきましたね‥‥はぁ〜」
 12月にしてはまだ暖かいはずのに、大げさに思えるくらいの重ね着で着ぶくれしている道場主――鶴来理沙はぶるぶるっと震えた。
 道場主なのにおばんてを深々と羽織りながら、背を丸めつつ手をこすりあわせる。そんな情けない姿をさらしてはいるものの一応理沙は蒼色水晶剣という聖なる剣を司る(現在、紛失中! がーん!)立派な巫女らしいのだが――そんな威厳は微塵の欠片も見られない。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥理沙。寒そうだ、ね‥‥‥‥‥」
 本日の修行に訪れていた二刀を背負った青年の殺し屋(?)―― 五降臨 時雨(ごこうりん・しぐれ) が、そんなあやしい着膨れ妖怪の理沙をしげしげと珍しい動物でも発見したかのようにみつめた。
 逆に理沙のほうも、いつもと変わらない服装姿の時雨に、冷え冷えと氷で作られた謎物体でも見つけたかようにジト目をむける。
「えっと、時雨さん。こんなに凍えて死んじゃいそうなくらいに寒い日に‥‥もうちょっと厚着をしてみてはいかがですか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥理沙は寒いの? ボクは寒くない、から‥‥‥‥」
「時雨さん! 本気ですか!? こんな南極みたいな気温で全然寒くないだなんてっ!!」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥うん。平気」
 がーん。
 すごくくやしい。
 時雨は理沙に280ダメージをあたえた。ちなみに南極という表現が理沙の誇張であることは言うまでもあるまい。
 うぅ〜と何か言いた気に上目遣いで理沙は睨みつけるも、さすがに道場主としてのほとんど残っていないだろうちっぽけなプライドが「見てる私が寒いんですッ!」と叫びたい衝動をギリギリ一線で押しとどめているようだ。

 だが、時雨には理沙のせつない想いは 全 く 通 じ な か っ た 。

                             ○

「汐さん、出番ですよー!」
 さて、恒例の小コント(何?)も無事終わったところで、今回の修行メニューは【こじんまりとした暗殺剣中間発表・実戦編】である。
 時雨は、本日の修行担当を務める師範に、道場付きのくのいち 村雨汐(むらさめ・しお)を指名した。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥よろしくね、汐‥‥」
「こんにちは。今日もよろし――――」
 音もなく姿を現した汐が挨拶しようとした途中で言葉をとめる。数瞬の間をあけてしげしげと時雨の眺め回した。
 ヘンだ。ヘンですよ。何でしょうこれは。
「その、いつもお聞きするようで申し訳ないのですが」
 ん? と顔をあげた時雨の頭の上にはチワワが。
 チワワが。
 チワワが。
 謎チワワがいるっ!?
 いやいつもの光景なんだけど、というかむしろ剣術道場における時雨の正装。みたいな? 理沙なんかもう慣れきっていて疑問にすら思ってないし。
 しかし剣術道場に残った唯一にして最後の良心である汐は、やはり今日も訊ねずに入られなかった。謎。そう、こころから謎です。
 と、一方理沙が所在なげに自分を指差してニコニコしている。
「えっと、あの、私は?」
「‥‥‥‥‥‥‥このチワワに、泳ぎを教えて‥‥‥‥」
 がーん! 理沙ショック。


「さて、本日から逆練法の封印を解禁します。次の段階ですね」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥解禁‥‥?」
「はい、そうです」
 とニッコリと汐は答えながら印を素早く切り始めた。
「今度はくるりと反転します。逆練法で培った集中力を維持しつつ、通常の速さで剣や動きをおこなってみてください」
 汐に言われたとおり、時雨は数秒間意識を集中すると、意識の密度を切り替えた――瞬間、四方八方から分身で8人になった汐が斬りかかってきた。

 シュン‥‥。

 一閃、
 全ての汐は斬り伏せられる。

           シュン‥‥。
                   次々と倒れながら煙となって消えていく、

 凝縮された集中力の中で精度の高い体捌きと剣の振りで全ての攻撃を見切りながら、同時に最小の動きで剣を返していったのだ。

 それはまるでスローモーションのような世界。

「はい、お見事です」
 と、何事もなかったように立っていた汐が説明する。
「後は持続時間の問題でしょう‥‥慣れないと意識の方が精神量の摩滅に耐えられないでしょうから。でも、もうここまで出来るだなんて驚きです」
 近所の公園でたっぷりと逆練法の練習してきた成果があったようだ。この後、おさらいを兼ねて汐と前回の訓練の組み手版のような、といっても、太極拳のようにゆっくりとした逆練法による組み手を行った。


 カポーン。
 訓練が終わって恒例となった中庭の温泉で疲れを汗と一緒に流していると、目の前を謎チワワと理沙(当然、タオル付き)が目の前を泳いでいった。
 このチワワ、実は凄くお風呂好きのメスと言うことが発覚したのであった。
 犬なのに犬掻きもできなかったチワワの今日一日の特訓成果だ。理沙による水泳訓練の賜物だ。(理沙はこの頃こんなことしかしていない‥‥このまま汐にヒロインの座を奪われてしまうのか!?)
「あの、私もここの混浴じゃないといけないのですか‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥うん‥‥」
 タオルを巻いて体を隠しながら、汐はとても恥ずかしそうにハアと溜息をつきながらうつむいてしまった。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥早く‥‥理沙の様に崩れるといい、ね‥‥‥‥‥♪」
「わたし、全然ぜんぜんくずれてませんっっ!!!」
 腕をぶんぶんを振りながら抗議する理沙。最後の抵抗。
 汐は頬を真っ赤にしながらうつむき続けるのだった。


 完全に崩れた時、どうなってしまうんだろう‥‥。




【本日の修行、おしまい!】


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【1564/五降臨 時雨(ごこうりん・しぐれ)/男性/25歳/殺し屋(?)】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、雛川 遊です。
 ゲームノベル『鶴来理沙の剣術道場』にご参加いただきありがとうございました。
 スローペースの執筆で申し訳ありません(汗)
 次回あたりでお題のこじんまりした技は完成しそうな流れになってきておりますので、模試子の次がありましたら技の名前なども考えてみてください。
 それにしても深まり続けるチワワの謎‥‥‥‥こっちも目が離せないかも。そして理沙はどこまで落ちていくのか(え?)


 剣術道場はゲームノベルとなります。行動結果次第では、シナリオ表示での説明にも変化があるかもしれません。気軽に楽しく参加できるよう今後も工夫していけたらと思いますので、希望する修行やこんなのあったらいいなぁというイベントがあれば、雛川までご意見をお寄せください。

 それでは、あなたに剣と翼の導きがあらんことを祈りつつ。