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■花唄流るる■

草摩一護
【2479】【九重・蒼】【大学生】
【花唄流るる】

 あなたはどのような音色を聴きたいのかしら?

 あなたはどのような花をみたいですか?

 この物語はあなたが聴きたいと望む音色を…

 物語をあなたが紡ぐ物語です・・・。

 さあ、あなたが望む音色の物語を一緒に歌いましょう。



 **ライターより**

 綾瀬・まあや、白さん(もれなくスノードロップの花の妖精付き)のNPCとの読みたい物語をプレイングにお書きくださいませ。^^

『花唄流るる ― 最終話 遠空の彼方に 蒼の章 ―』
 

 それが俺が生まれた時なのか、
 それとももうひとりの俺が目覚めた時なのかわからない。
 20年前の須磨子襲来の折に綾瀬まあやの師によって助け出された俺は、巧妙に戸籍を改ざんされて、とある孤児院に入れられていた。
 そこでの生活は何も覚えてはいない。
 この記憶だって、蓬莱山に行かなければ目覚めなかった。
 そう、赤い、紅い、あかい、アカイ血の湖の中に何体も沈む屍の山…



「見つけたぞ、蒼」
「かわいそうだがおまえには死んでもらう」
「おまえは生きていてはならぬ存在なのだ」



 皆が俺を殺そうとした。
 神刀の一族の生き残りたちは俺がいずれ須磨子…顔無しに喰われて、顔無しがより完璧な存在…【神薙ぎ】を超えた【神狩り】となる事を怖れていた。
 故にその存在の礎となる俺を殺しに来たのだ。


 俺は須磨子が一族の者に作らせた【十六夜】に呼応して生まれてきた異端の存在。



「助けてぇ。誰か、僕を助けてぇ」
 あの日の俺はそう泣き叫びながら逃げていた。
 その俺を襲う神刀の一族の生き残りの者。
 だけどそいつらは………
「ダメだよ。やらせないよ。ようやく見つけた蒼。私は望む。私のより先にある進化を。私は【風の巫女】と蒼を得て、【神薙ぎ】の究極体である【神狩り】となるの。それを邪魔させないよ」
「くぅ、顔無し」
「おのれぇー、顔無しめ」
「我らが顔無しの相手をしているうちにおまえらは蒼を殺せ!!!」
 そして同時に神刀の一族の生き残り六人は、四人が顔無しに、残り二人が俺に襲い掛かってきて、
 ほんの一瞬早く、顔無しが自分に迫ってきていた四人を殺して、
 その四人から迸った血がとても鮮やかに紅くって、赤くって、綺麗で、
 それで俺はああ、いいな、って想ったんだ。欲望のままに、快楽のままに人を殺せるあいつが。


 それはあるいは性であったのかもしれない。
 ――――――【神薙ぎ】の。
 【神薙ぎ】とは神を薙ぐ者。
 神を狩る者だから。


 …………そして俺は、
 気付いたら、
 俺に向ってきていたその二人を、
 殺していた。
 それが俺が生まれた瞬間なのか、
 それとももうひとりの俺が生まれた瞬間なのかわからない。
 だけど俺は【神薙ぎの鞘】と呼ばれる存在で、
 そして九重蒼の中にいる、鞘である俺の中にある【刃】…【不浄の神薙ぎ】であるもうひとりの、俺も確かに……そこにいた。
 ずっと俺はこの事実を知った時から、悩んでいた。
 俺が誰なのか?
 俺は九重の家に引き取られる前の記憶が、無い。
 それはひょっとしたら俺が、あの時に生まれた人格だからではないのか?
 そう、二重人格。
 【不浄の神薙ぎ】の性が目覚めて、それに対するスタビライザー・・・・・安定装置として【神薙ぎの鞘】である俺が生まれた―――――――――――
 ―――――その恐怖があった、俺には。
 そう、俺はいつも人の中にあっても、
 九重の家族の愛に包まれていても、
 ダメだった。
 孤独を拭えなかった。
 いつも何かに怯えていた。



 哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい、哀しい俺。



 それでも俺は抜いたのだ。その恐怖に耐えて。
 生きるために。
 生きて、結珠を助け出すために。
 だけど………


「へっ、安心しなよ、蒼。結珠は俺がたっぷりとかわいがってやるからよ」


 一度抜いた、刃はもはや鞘に収める事はできなかった。

 俺の敵は、【不浄の神薙ぎ】と顔無し。
 孤独な戦いに終わりを見出せぬままに俺は神刀の一族の里にやって来たのだった。



 ――――――――――――――――――
【Begin Story】
【第一章 意識の扉】


「ここが神刀の一族の里…」
「懐かしい蒼さん?」
「いや、懐かしいも何も、ここに来るのはほぼ初めてのようなモノだよ」
「あなたの中に流れる血も何も感じない?」
 そう訊ねてきた綾瀬まあやに俺は首を横に振った。
「いや、何も感じない」
 ――――それは俺があの時に生み出された人格だからだろうか?
「相当に弱っているようだな、俺は」
「大丈夫、蒼さん?」
「ああ、大丈夫だよ。それよりも、ここのどこに顔無しはいるのだろうか?」
「さあ、わからない。だけどここは魔界とも言うべき世界に隠されていた。ここが顔無しの棲家であることは確かよ。ぞっとしない?」
 俺は顔を横に振った。
「そんな事はどうでもいい。重要なのはここに結珠が居るという事だ」
 少し大きくなった声で苛ついたように言った俺を彼女は細めた目で睨めつけた。
「そうね。だけどそうだとしても、今のあなたには彼女を助け出す事はできないでしょう? 【桜火】は折れてしまって、使えないのだから」
「くぅ」
 俺は彼女から顔を逸らした。
 そう、俺の相棒とも言える【桜火】は先の顔無しとの戦いで折れてしまった。
「今のあなたは牙も爪も持たない。獰猛な肉食獣を前に逃げ惑うしかない小動物のように、抗う術は逃げ、だけだわ。まあ、向こうは待っていてくれているようだけど」
「やっぱり、そう想う?」
「もちろん。この里を復活させたのは、自分とあなたの最終決戦の場として相応しいからと、【神薙ぎ】としてのあなたに己が刀を生み出させるため。【神薙ぎ】は一生のうちに一振りの刀を打つ。それが神刀。【桜火】は【神薙ぎの鞘】の守り刀ですものね。そう、【桜火】は【神薙ぎ】の刀ではない」
 肩を竦める彼女から、俺は左手にある【桜火】に視線を落とした。もう俺には死んでしまった【桜火】の声は聞こえない。
 この【桜火】を打ってくれた刀匠も、打ちなおして修復することは無理だと言った。そして今度は己で打てと、刀を。
「【桜火】を炉で溶かし、新たな刀に打ちなおす…」
「辛い?」
 小首を傾げる彼女に俺は素直に頷いた。
「ああ、辛いな。【桜火】は相棒…大切な戦友だから」
「そう。だけど武器は必要だわ。気持ちだけでも、力だけでも想いは実現できない。想いを唱えるのなら、気持ちも力も必要。蒼さん、あなたの想いを実現するのに、新たな力は必要でしょう?」
「ああ」
 頷く俺に彼女はくすりと笑った。
「もしもあなたがあなたを忘れなければ、あなたは出逢えるかもしれないわね。もう一度、【桜火】に」



 +++


 蓬莱山には阿鼻叫喚が飛び交っていた。
「くぅ、顔無しめ」
 仙人たちは顔無しによって斬り殺されていく。
「やあ、お久しぶり。まだ生きていたんだね」
「おのれ、顔無し。今日こそはァ」
 義手を軸として、義足の鋭い蹴りを叩き込まんとするが、しかし顔無しはそれを高速の動きでかわすと、
「さようなら」
 彼の背後から【十六夜】の一撃を叩き込んだ。
「さあ、あとは、あなただけだね。蓬莱山の長よ」
「顔無し。我らがあなたに打たれるのは致し方ありませんでしょう。あなたは我らが蓬莱山の者の心から生まれた存在なのですから」
「そう、須磨子はあなたたちの心の闇が生み出し、須磨子は緋菜を喰らって、顔無しとなった。そして顔無しは結珠の心を得て【不浄なる神狩り】となった。あとは【不浄な神薙ぎ】の方の蒼を喰らうだけ。それで私は【神狩り】となる!!!」
「そうですね。確かに運命がそちらに転がれば、あなたは【不浄な神薙ぎ】である蒼を喰らい、【不浄なる神狩り】から【神狩り】となるでしょう。そう、転がれば」
「何が言いたいの?」
「折れた刀が、不死鳥の如く炎の中から蘇った時、それがあなたを滅ぼす」
 長は美しい笑みを浮かべながら顔無しに不吉な宣告をし、
 そして彼女は顔無しによって貫かれた。
「ふぅー。また、暇になっちゃったな」
 顔無しは無造作に【十六夜】を抜くと、ただ即席の歌を唄いだした。



 +++


「くぅ」
「蒼さん?」
 彼女が心配そうな声を出すが、
 俺は襲ってくる頭痛に堪えきれずに、
 その場に片膝をついた。
 顔を覆った指の隙間から見た場所は、20年前に俺の母親が殺された場所だ。
 そう、ここで俺の半身である緋菜は須磨子に喰われた。
 それがその場にいなかった俺にもわかった。見えた。
 その20年前の光景を見る眼球は抉られるように痛み、頭は割れるような痛みに襲われた。
 大きな口を開ける須磨子。須磨子に喰われんとする緋菜。
 ――――緋菜は横目で俺を見て、口を動かせる。



 あたしを殺して、蒼・・・



「緋菜・・・」
 緋菜、おまえも俺に自分を殺せと言うのか?
 半身であるおまえを。
「そうだな、蒼。緋菜もおまえに自分を殺せと言う。そして、顔無しだって殺さなきゃならない。向ってくる者たちは皆、殺さなきゃならない。だけどおまえにそれができるのか? 【神薙ぎの鞘】などという無力なおまえに」
 ―――意識の扉の向こう側から語りかけてくるのは、もうひとりの俺。
「おまえならそれができると言うのか、【不浄な神薙ぎ】」
「ああ、おまえよりも上手くやれるさ。そもそもが俺なら、あの不細工な人形にむざむざ結珠を誘拐なんざさせなかったぜ」
「くぅ」
「おまえは無力なんだ。だからおまえは【桜火】も折られた。結珠も守れなかった。そんなおまえに結珠を取り戻せるのか? 緋菜を殺してやれるのか? 顔無しを…須磨子を倒せるのか? 俺たちの母親の仇を取れるのか? あの孤児院の皆の仇をおまえに取れるのか? おまえにできるのか、それらすべてが???」



 俺は………
 俺は………
 ―――――――――無力だ。
 だから俺には………



「そうだよ、蒼。おまえには無理だ。無力なおまえには無理だ。だからおまえは沈め。心の奥深く、そのまた奥の深淵に沈め、蒼ぉぅ」



 濁流のような荒々しい感情に塗れた意志が俺を襲う。
 それに抗う術を持たぬ俺は押し流され、そして、意識の扉は、閉められてしまった。




 ――――――――――――――――――


 九重蒼。
 【神薙ぎの鞘】と呼ばれる存在。
 鞘とは刀を収めるもの。
 神刀の一族と顔無しの襲来を受けた日、【神薙ぎ】としての性が目覚め、
 暴走した蒼。その安定装置として、おまえは生まれたのだろうか、蒼よ?


 ――――――――――――――――――
【第二章 新しき刃】


「蒼さん、大丈夫?」
「あ、ああ。大丈夫だよ。それよりも急ごう。早く新たな刀を打たねば」
「そうね。急ぎましょう」
 【不浄な神薙ぎ】の蒼はまるで導かれるようにある工房に足を踏み入れた。
 ―――――そここそが20年前に【十六夜】が生まれた場所であった。
 蒼がそこに足を踏み入れ、炉に火を起こしたのもまた、縁なのであろうか?
 ならばそこで生まれ出る新しき刀とは?
 高温の熱で、【桜火】は溶かされていく。
 そして溶かされた鉄を鉄バサミで固定して槌で打って、また新に蒼は己が刀を作っていく。
 【桜火】のような守り刀ではなく、純粋な破壊の刃を求めて。
 かん、かん、かん、かん、槌を振るい、鉄を打つ。赤く爛れる鉄を。
 作られていく刃。
 その刃を得んがために蒼は槌を振るう。
 ――――――ならば蒼よ、おまえは何故故に刃を求める?




「力が無ければ、倒せぬからだ。敵を倒せねば、誰も守れない!!! 何も守れない」
 ―――――もうひとりの俺、【不浄の神薙ぎ】は泣いていた。血の涙を流しながら、槌を振るっていた。
 どうしておまえが泣くんだ?
 おまえはただ全てを滅ぼすために力を得ようとしているんじゃないのか? 自分と敵対するモノを、自分を殺そうとするモノをすべて憎んで………。


 憎んで?
 ―――――どうして、おまえは憎むんだ、そうまでも・・・
 それは本当にただの純粋な憎しみ?


「滅ぼす? そうさ、俺を殺そうとするモノを滅ぼさねば、全てが奪われてしまうからだ。事実、俺は…おまえは奪われたじゃないか!!! 母を、緋菜を、孤児院の仲間を、結珠をぉッ。俺は奪われたくない。奪わせたくない。だから俺は力を欲するのだ。滅ぼすために!!! 守るために!!!」
 もうひとりの俺はいつの間にか素手で刀を掴んでいた。刀を持つ左手は焼け爛れて、そして刃と同化し始めていた。
 血が、【神刀の一族の者】の血が、教えてくれる。
 このままでは、俺は、九重蒼という存在は刀と同化して、一振りの刀となると。
 それは迷う心故に。
 迷う?
 悪しき心のせいではなく………
 そうだ。こいつは迷っている…迷子なんだ、【不浄の神薙ぎ】は。
 不浄?
 誰がこいつを不浄と決めた?
 そうだ。こいつは…俺は、緋菜の影。代々の【神薙ぎ】のノイズ。
 それだけで不浄な存在と決められた。
 だけど俺には心がある。
 俺は結珠を守りたいと想う。助けたいと想う。
 それはこいつも一緒。
 つまり、それは、慈しむ心を知っているという事。
 慈しむ心を持つモノが、不浄な存在?
 違う、そうじゃない。
 ただ俺も、こいつも生きる事を望んでいるだけなんだ!!!
 必至なだけなんだ。もう何も奪われないように!!!


 そうだ、俺はただ生きたいと望んでいるだけなんだ。
 ―――――だから生きるために、俺は刃を抜いたのだ、あの日に初めて。
 【神薙ぎの鞘】である俺は、鞘であるからこそ、同時に刃も持っていた。
 光と影、二つが生まれた訳ではない。
 光は影を持っているし、
 影は光を持っている。
 故に存在するのだから。
 【神薙ぎの鞘(蒼)】とは【神薙ぎ(緋菜)】の影ではなかった。
 俺もまた、光であったのだ。
 その俺にも影はある。光と影は表裏一体だから。
 つまり、おまえも………
 ――――――――――――――俺だったんだな。


 真っ暗な暗い闇の深淵、そこに俺は居た。
 そしてもうひとりの俺も。
「もうひとりの俺よ」
 俺は血の涙を流しながら刀を打つもうひとりの俺に言う。
「うるっさい。何だ、何のようだ、蒼。おまえは俺を恐れている、嫌っているのだろう??? なのにどうして俺に語りかける??? 俺を再び、闇の深淵に押し込めるためか???」
「違うよ。おまえを迎えに来たんだ」
「なにぃ? 何だと、蒼???」
「俺はもう、おまえを、否定しない。おまえも確かに俺なのだから」
 俺はもうひとりの俺をぎゅっと抱きしめた。
 その俺の腕の中で、もうひとりの俺は、大きく震え、そして涙を流しながら生まれた瞬間の幼い俺の姿となって、小さく微笑みながら俺の中へと、溶け込んでいった。



 俺は瞼を開いた。
 視界に映ったのは、新しき刃。蒼銀色の刀身に走る紋様は緋色の線。
「それがあなたの新しい刀。蒼さん?」
「ああ。【桜火】が炎の中から蘇ったのさ。そう、【桜火】であって【桜火】ではない、【桜火】。【桜火】と【蒼月】が組み合わさって生まれたまったく新しい刀」
「そう。それで、今のあなたはどちらなのかしら?」
 くすりと笑いながらそう言う彼女に俺は肩を竦める。
「俺は【神薙ぎの鞘】。【不浄な神薙ぎ】という刃を収めた」
「そう」
 彼女はふぅーと吐いた溜息で前髪を額の上で躍らせると、視線を暗雲立ちこめる空へと向けた。
 果たしてそこには顔無しが居る。
「だ、そうよ、顔無し。残念だったわね。もうあなたは【不浄な神薙ぎ】を得て、最強の【神狩り】となることはできない」
「ああ、そうだね。これで私は【神狩り】へとなれない。最強の存在、飽くなき進化。それが台無しだよ、【神薙ぎの鞘】九重蒼ぉぅ」
 顔無しは【十六夜】を抜いた。



 ――――――――――――――――――
【第三章 結珠】


 鞘から抜いた【桜火】で空中から踊りかかってきた顔無しの【十六夜】による一撃を受け止める蒼。
 蒼の唇の片端が吊りあがる。
 前回はそこで勝負が決していた。
 そしてさらに交わる刃と刃。
 奏でられる鋼の音色にしかし、終わりは無い。
 蒼と顔無しは互いに剣舞を舞うように鋭い剣撃を放ちあう。
 蒼の放つ剣撃を顔無しが受け止めて、顔無しの放つ剣撃を蒼が受け止めて、互いに刀を返しあい、後ろに飛んで間合いを取った。
 しかし顔無しは刀を持たぬ方の肩を竦めた。
「ふん、いい刀だね、蒼。前回は刀を打ち合わせた瞬間に勝負は決した。だけど今、刀だけは、私の【十六夜】に勝るとも劣らない。そう、刀だけはね、蒼」
「何を! おまえは俺が倒す」
 顔無しの間合いに飛び込むと同時に蒼の繰り出した一撃をしかし、顔無しはあっさりと打ち流した。そしてその刃の切っ先で虚空に優雅に円を描いて、刀を持つ右腕を後ろに引いて、左足を半歩後ろに下げると同時に半身となって、そうして蒼の心臓めがけて鋭い突きを放つ。
 そのスピード、まさに光りの如く。
 顔無しの【十六夜】によって心臓を串刺しにされた蒼は、己の体が指の先までほんの一瞬で冷たくなっていくのを感じた。
 そう、蒼は死への道を歩き始めたのだ。
 蒼は死ぬ。心臓を貫かれて。【十六夜】の持つ瘴気に体を毒されて。
 その蒼が大切な人、結珠の声を聞いたように想ったのは、果たして彼の気のせいであろうか?
 ―――――それが死ぬ間際に願った事だから・・・。
 顔無しの【十六夜】に心臓を貫かれた瞬間に、結珠の声が聞きたいと、あの温もりをもう一度感じたいと、蒼は願った。
 蒼は涙を流した。
「何を泣いている? 後悔している? 自分の選択を、存在を。だけどもう遅い。遅いよ、【神薙ぎの鞘】」
 そして顔無しは無造作に【十六夜】を振り回して、蒼の体はその衝撃に【十六夜】から抜けた、空を舞った。
 空を舞う蒼の瞳から零れた涙は、顔無しの面へとかかった。


「結珠…」


 どさっと大地に落ちた蒼は大切な妹の名前を口にした。



「くぅ、顔無し」
 まあやは顔無しの前に陣取った。そしてリュートを構えんとするが、しかしそのリュートは無造作に顔無しが振るった一撃に砕け散る。
「邪魔だよ、【闇の調律師】。私が聞きたいのは、悲鳴。リュートの音色じゃない。いい声で唄を、歌って」
 ひゅん、と放たれた突き。
 その刃の切っ先がまあやの心臓を狙う。
 だが、【十六夜】の切っ先がまあやの心臓を貫かんとしたその時、蒼がその突きを【桜火】で打ち払った。
「蒼さん?!」
「馬鹿な。心臓を貫いたはずだよ???」
 不思議そうな、そして嬉しそうな声で顔無しが言った。
 しかしまあやの前で【桜火】を構える蒼は虫の息だった。顔も蒼白。
 立っているのが不思議なぐらいであったのだ、蒼は。
 だけどならば、どうして蒼は立てているのか?
「声が聞こえたんだ、結珠の。負けないで、って。だから俺はぁ…」
 抑揚の無い声を喉の奥から絞り出すようにして言う。
 それだけで彼は肩を大きく揺らしている。
 左胸から迸る血の勢いは衰えない。あと少量で蒼は出血多量で死ぬ。いや、もう彼は死んでいてもおかしくない傷を負っている。それでも戦うのか、蒼よ。
「なるほどね。普通の人間とは違うものね、蒼は。だったら、今度は首をはねてあげる、蒼。花を手折るように優しくね」
 ぶんと振られる刃。
 しかしすべてそれを蒼は紙一重でかわしていく。
 完全に見切っているのだ、蒼は。死を前にして、新たな強さの段階へと入ったのか?
 そして右斜め上から振り下ろされた刃をかわすと同時に、蒼は、顔無しの腹に横薙ぎの一閃を叩き込んだ。
「ぐぅぎゃぁー」
 続けて右斜め上からの袈裟斬り。
 今度は左の袈裟斬り。
 右手一本で【桜火】を持ち、そのまま真っ直ぐ刀の切っ先を稲妻が轟く空へと向けて、右手上段の構えを取り、打ち下ろす。
 顔無しの顔を覆っていた面が割れ、そして真ん中に真っ直ぐの刀傷を作った顔に顔無しはにんまりとした笑みを浮かべ、
「蒼ぉう」
 【十六夜】を振り上げて、顔無しは蒼へとそれを打ち下ろさんとする。
 だが、そこで蒼は手を緩めない。
 素早く刀を鞘に収めて、
「【桜火】二の型 一閃炸裂 【破蕾】」
 竜術の力をも得て、超神速で放たれた居合は【十六夜】が蒼を斬る前に、顔無しの胴体を薙いだ。
「いや、まだよ、蒼さん」
 果たしてまあやの言った言葉の意味は?
 衝撃に後ろに飛んだ顔無しの胴体はしかし、空中でふわりと浮いた。そしてそのまま立っている下半身の断面から血管とか神経がうねうねとまるで生きているかのように伸び出して、胴体と下半身のそれらが結合し合うと、胴体は下半身の上に乗って、そして顔無しの体は元に戻ったのだ。その顔を覆う面までもが再生している。
「無駄だよ、蒼。蒼がいかに【神薙ぎの鞘】から限りなく【神狩り】へと近づこうが、それでも蒼は私には敵わない。何故なら、私は顔無しだから」
 顔無しから凄まじい気が放たれた。
 その気だけで、蒼は後方に吹っ飛ばされた。そしてのまま身動きしない。
「ふん、もはや一欠けらの力も残っていないようだね、蒼。だったらそろそろといい声で唄ってよ、蒼ぉう」
 大地に仰向けに転がったまま身動きしない蒼に【十六夜】を振り上げる顔無し。だが、その動きが止まった。
 まあやは目を鋭く細める。
「顔無しに何かが起こった?」
 まあやがそう言う間にも、顔無しの体のあちこちがぼこぼこと膨れ上がっていく。そして面が割れて、顔無しの口から糸が吐き出されて、その糸が蚕のように顔無しの体を包んでいく。その瞬間、ふとこの世界から顔無しの気配が消えた。
 そしてそのまま顔無しは蚕の繭の中で・・・。
「蒼さん、大丈夫?」
 その隙にまあやは蒼を抱き起こした。
「ああ。それより、顔無しから、気配が消えた」
 顔無しの、ではなく顔無しから、と蒼は言った。
「結珠とそれと、緋菜の」
「………それじゃあ、顔無しは…」
「ああ、須磨子に戻った」
 蒼は空中に浮かぶ繭を睨んだ。その繭からは生き物の気配はしない。だが、その繭が破れた時、間違いなく今度は逆に世界から須磨子以外の者が消え去るのだ。
「須磨子は顔無しよりも上だ。顔無しは【神狩り】へとなるための道であった。力を弱めてまで須磨子はそれを求めたが、しかし何かがあって、顔無しは結珠と緋菜を失った」
「ええ。とにかくだったら早く結珠さんたちと合流しましょう。肩を貸すわ」
「すまない」
 蒼はまあやに肩を借りて、歩き始めた。その進むべき方向はわかっていた。
「このまま真っ直ぐでいいのね?」
「ああ。このまま真っ直ぐだ。そちらから結珠が向ってきている」
「了解」
 果たして蒼の瞳に映ったのは一羽の巨大な白い鳥であった。
「結珠」
 蒼が結珠の名前を口にする。
 だがそれと同時に、彼らの背後の方で、巨大な気が爆発した。ものすごく巨大で、そして禍々しくって。
 それを感じた瞬間に蒼の全身の毛が逆立った。
 鳥肌が浮かんだ。
 もはやその禍々しい気に、すべての感覚は麻痺して、冷や汗すらもかかなかった。
 そしてひゅんという刃が空を薙ぐ音がしたと想った瞬間、前方を飛んでいた白い鳥が、翼を斬られて、落ちた。
 だが、それとほぼ同時に蒼は残りの全ての力を、生命を燃やして、最後の竜術を発動させていた。
 彼は大地を蹴って、高度300メートルから落ちる結珠のもとへと飛ぶ。
「結珠ぅー」
 蒼は結珠に向って、手を伸ばした。
 そして結珠も、
「お兄ぃちゃーん」
 自分のもとへと飛んでくる蒼に手を伸ばした。
 蒼と結珠の指先が触れ合い、そして二人の指はしっかりと絡まれる。
 見詰め合う二人の顔に笑みが浮かぶ。
 それを見据える闇。
 その瞳はぞっとするぐらい暗く、冷たい。
 蝋のように白い顔に須磨子は笑みを浮かべて、繋いだ手を引っ張って、結珠を抱き寄せようとする蒼めがけて、【十六夜】で空を薙いだ。
 その剣風は蒼の背を裂かんと。
 だがその蒼の前に両手を広げて、立ちはだかる影。
「太陽、嘆き恨む事しか知らない擬似魂の分際で。だったら、滅びてしまえ」
 須磨子の意志が世界を震わせた。
 だけど…
「それしか知らない、須磨子にはわからない。風の巫女が教えてくれた。許す事をぉ!!!」
 太陽は怖れなかった。
 そしてとても綺麗な笑みを浮かべて、剣風の前に消え去った。
 それを蒼の後ろに見た結珠が瞳を大きく見開いて、涙を零す。
「哀しまないで。偽物の命である僕らに風の巫女、あなたは教えてくれたんだ。僕らもちゃんと生きているということを。そしてだから、僕らは生きるんだ。お兄ちゃんとお姉ちゃんを助けるために。【神狩り】よ、どうか、【風の巫女】を守って」
 そして月は、第二撃を放たんとする須磨子に襲い掛かる。
 須磨子はただ瞳を細めながら、【十六夜】を放った。



「大好きだよ、お姉ちゃん。だから生きて」



 そうして月もまた、須磨子の前に消え去る。
「お兄ちゃん」
 落ちながらも結珠は蒼の胸に泣き顔を埋めた。
「ごめん。結珠。だけどおまえは俺が守るから」
 だけど、そう言った蒼に結珠は顔を横に振る。
「ううん、お兄ちゃん。私も戦うよ。私の意志が守るから、お兄ちゃんを。私は【風の巫女】。そして私の中には緋菜さんもいる。二人の意志がお兄ちゃんを守るの。【神狩り】を、須摩子を超える【真の神狩り】へと、いざ、あなたを導かん」
 結珠は蒼の唇に己の唇をそっと重ね合わせた。



 ――――――――――――――――――
【第四章 神狩り】



 かつて刀匠は蒼に言った。
 神刀が二振りあれば、それは風を乱すと。
 しかし風の巫女による風の加護を受けた時、それが可能となるのだ。
 鞘には新たな刃が収められる。



「緋菜」
「蒼。あたしという刃を受け取りなさい。【風の巫女】がそれを可能としてくれるから。今、代々の【神薙ぎ】から生まれた刃と鞘はひとつとなって、最強の剣となる」



 どくん、と、世界が脈打った。
 そして蒼は静かに大地に下りる。
 それをなんと言えばいいのであろうか?
 蒼の体から放たれるのはとても静かな気であったが、しかしこの世の何よりも澄んでいるように想われた。
 そしてその蒼の首に両腕を絡めて、ふわふわと宙に浮いている半透明の結珠(結珠の意志の結晶体)が居る。彼女は蒼の耳元に囁く。
「お兄ちゃん、大丈夫だよ。私が守るから、力を解放して」
 閉じていた瞼を蒼は開く。荒ぶりそうになる力は、結珠がコントロールしてくれる。故に蒼は、
「我、【神狩り】の刀を鞘から抜かん」
 鞘から【桜火】を抜いた。しかしその刀身は今までのどの【桜火】よりも美しかった。刀身は鮮やかな緋色に蒼銀色の刀身から変わる。
「【緋炎華】」
 蒼は緋菜の神刀【緋炎華】で空を薙いだ。剣風は炎の鳥となって、須摩子に襲い掛かる。
「くぅ」
 須摩子もまた【十六夜】で空を薙ぐ。それは暗黒色の蛇となって、炎の鳥を迎え撃たんとするが、しかし炎の鳥は鋭い爪で蛇を一網打尽とすると、そのまま須摩子へと襲い掛かった。
 それに初めて須摩子の顔に驚愕の表情が浮かび、そしてそれは怒りの表情へと変わって、
「おのれ、蒼ぉう」
 須摩子は【十六夜】を両手で握り締めて、肘を後ろに引いて、突きの体勢を取りながら、自ら炎の鳥へと向っていった。
 果たして炎の鳥は須摩子を直撃した。だが全身を焼け爛らせながらも須摩子は【十六夜】を構えて蒼へと向ってくる。
 須摩子を突き動かせるのは怒り。強大な闇は恐怖を知らなかった。しかし【神狩り】蒼はその須摩子に恐怖を感じさせた。それが須摩子を怒らせた。初めて知った感情に須摩子は頭を真っ白にさせていた。
 それに対して蒼は、静かな風。
 穏やかな目で、蒼は自分に向かって突っこんでくる須摩子を見据え、小さく囁く。
「これで終わる。すべてが」
「そうだよ、お兄ちゃん」
 蒼は【緋炎華】を鞘に収めた。
 そして半身の姿勢を取って、静かに言葉を紡ぐ。
「【桜火】二の型 一閃炸裂 【破蕾】」
 須摩子が放った突きをかわすと同時に、蒼は【桜火】を鞘走らせた。その神速のスピードで抜かれた刃は、
「うぎゃぁぁーーーーー」
 須摩子をついに打ち滅ぼしたのだった。



 ――――――――――――――――――
【最終章 遠空の彼方に】
 
 
「うぎゃぁぁーーーーー」
 須摩子は消え去った。
 そしてその場にただぽつーんと【十六夜】が落ちていた。
 【桜火】を鞘に収めた蒼は、その【十六夜】を手に取る。
「お兄ちゃん」
 己の肉体に戻った結珠は哀しげな声を出した。
 だが、蒼は結珠に優しく微笑むばかり。
「ごめん。結珠。これが俺の役目なんだ。ありがとう、結珠。そしてさようなら」
 蒼は【十六夜】を逆手で持つと、その刃を己が体目掛けて、突かんとする。
 ―――――――そう、【神薙ぎの鞘】の本来の役目とは、【十六夜】の鞘となること。彼は【十六夜】を封印するために生まれたのだ。
 だが、蒼がその役目通りに【十六夜】を封印するということは、それはつまり彼の死を意味することで………。



 ごめん。結珠。これが俺の役目なんだ。ありがとう、結珠。そしてさようなら
 


「お兄ぃちゃーーーーん。嫌だ、嫌だよ、こんなの。こんなの嫌だよぉーーーー」
 結珠が泣き叫ぶ。幼い子どものように感情を剥き出しにして、心のままに。
 だけどその結珠の絶望と悲しみに優しく答える声があった。
「大丈夫だよ、結珠」
 蒼の動きが止まる。【十六夜】を持つ彼の手にそっと手が重ねられたから。
「緋菜」
 蒼の前に緋菜がいる。
 20年前に須摩子に喰われた彼女の体はもはや滅びて、無いはずなのにしかし、彼女は居た。
「蒼、あなたはまだ死ねないでしょう? 結珠を守って、ってお願いされたのだから。だから【十六夜】はあたしが持って行く。あたしもまた、【神薙ぎ】という刃であり、【神薙ぎの鞘】という鞘であるのだから」
 くすりと笑う緋菜。【十六夜】は光に包まれて、緋菜の方へと飛んでいく。そして彼女は【十六夜】を抱きしめると、いつの間にか綺麗に澄み渡った青い空へと【十六夜】を抱きながら、昇っていった。
「緋菜ぁ」
 蒼は緋菜に向かって手を伸ばし、半身の名前を呼び、緋菜は蒼に小さく唇を動かせて、そしてそれに蒼は頷いた。
 伸ばしていた手を下ろして、顔を俯かせる蒼の胸に結珠は「お兄ちゃん」泣きながら抱きついた。
 そしてわずかに躊躇ってから、蒼は結珠の頭を撫でた。
 そうして蒼は遠空の彼方を見つめる。
 どこまでも青い空の下、今の蒼ならば歩いていける。
 もう己の運命を縛るモノは何も無いのだから。
 そしてそこまで歩いていく力は…
「さあ、帰ろうか、結珠」
「はい、お兄ちゃん」
 いつも一緒に居てくれる結珠が与えてくれる。そう、今までのようにこれからも。
 蒼と結珠は手をぎゅっと繋ぎながら、どこまでも広がる青い空の彼方を見つめた。そこまで伸びる、そしてその先もまだまだある道を想いながら。憧れにも似た未来を喜ぶ想いを胸にして。



【遠空の彼方に 蒼の章 ― 了 ― 】




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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】



【2479 / 九重・蒼 / 男性 / 20歳 / 大学生】



【2480 / 九重・結珠 / 女性 / 17歳 / 女子高生】



【NPC / 綾瀬・まあや】





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■         ライター通信          ■
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こんにちは、九重・蒼さま。
こんにちは、九重・結珠さま。
このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。


草:「いやいや、蒼さん、結珠さん、ご苦労さまでした。これで世界も平和となって、のんびりとできますね。^^」
結:「はい、草摩さん。あ、これ、花束です。執筆ご苦労様でした」
草:「わわ、すみません。結珠さん!!! お心遣いありがとうございます。(>< 本当に結珠さんは美人さんで優しくって。書くのが楽しかったんですよ。^^」
   綺麗な花束を貰って、喜ぶ草摩ににこりと笑顔を浮かべながら、近寄ってくる蒼。その手には何故か鞘から抜かれた【桜火】。<え?
蒼:「そうそう、草摩さん、これは俺から今までのお礼。【桜火】一の型 一剣炸裂 【桜花爛満】」
草:「って、うわぁー」
   間一髪よける草摩。蒼、舌打ち。
草:「な、ななななななな、何をするんですか???」
蒼:「いや、今までさんざんお世話になった(酷い目に遭わされた)お礼をと想って」
草:「そ、そんな笑顔で、怖い事を言わなくっても。(>< や、でも本当にこれまで大変でしたね、蒼さん」
   ぽむと蒼の肩に手を置く草摩。その手をクールに払う蒼。
   ちょっと不満げな草摩はそこで無垢なる混沌のような笑みを浮かべる。
草:「ところで蒼さん。今回は結珠さんとキスなんかしちゃったりしたんですけど、本当のところはどうなんですか?」
   蒼、ものすごい目で草摩を睨む。結珠は耳まで真っ赤にして、恥ずかしそうに俯く。俯きながらも横目で蒼を見る、結珠。
草:「ほら、血は繋がっていないんだから、結婚できますよ、結珠さんと。(笑顔) 髪の毛長くって、美人で、優しくって、こんないい娘は他にいないよ、蒼さん? さあ、さあ、お兄さんに言ってごらん。ん? どう想っているのかな、結珠さんの事を??? 結珠さんはどうなんですか??? ん???」
   再びにこりと笑う蒼。【桜火】を鞘に収めて、
蒼:「【桜火】二の型 一閃炸裂 【破蕾】」
草:「うわぁーーーーーー」
   遠くまで飛んでいった草摩を笑顔で見送る蒼と、ほっと息を吐く結珠。そして二人は手を繋いで家に帰りましたとさ。ちゃんちゃん。
   ちなみに草摩はその頃、人形に棒で突かれて遊ばれていましたとさ。



それでは本当にこれまで、当シリーズを任せてくださって、ありがとうございました。
僕自身にとっても良い経験となりました。
当シリーズでさんざん苛められた分、蒼さんと結珠さんが幸せになれる事を祈っております。^^
それでは失礼します。