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■雪月花:1 当て無き旅人■

李月蒼
【4289】【瀧津瀬・流】【古書店店主】
 ずっとずっと探していた……。
 独りの旅が何時からか二人になった。
 誰かが隣にいる、そのことはお互いの支えになった。
 嬉かった。ただ…嬉しかった。それを声や態度に表すことは無かったけれど。
 今はまだ当ての無いこの旅に、俺たちはただ『みちづれ』がほしかった――…‥


「ねぇ……柾葵(まさき)、先はまだ遠い?」
 声に出すは一人の少年の声。声変わりは疾うに済んでいるはずだが青年と言うにはその声は高い。しかしその見かけは十分青年と言えるものを持っていた。表情にはまだ幼さを残してはいるが、身長は成人男性の平均を超えている。
 ただ、サングラスの奥に見える目はその表情に似合わず冷ややかにも思えた。その理由と言えるのは恐らくそれが何も映し出さない瞳、光を感じない眼だからなのだろう。
 そして、その少年の隣に立つ……彼よりも更に背のある一人の男性。柾葵と呼ばれた青年は、ただ少年の問いかけに首を縦に振る。しかし一瞬の後それが少年には見えていないことに気づき、そっと少年の右手を取った。
「洸(あきら)……、まだ 遠いよ……?」
 掌に書かれた文字を読み取り、洸と名前を書かれた少年は苦笑する。
「うん、判ってるよ柾葵。でも俺、そろそろ疲れたんだ」
 言うと同時、少年の膝が崩れ、青年がそれを必死で支えようとした。
 しかし互いに体力は限界に達し、少年の体を受け止めた青年の体も、やがて膝からがっくりと落ち、冷たい冷たいアスファルトに突っ伏した。
 目の前にはもう街明かりが見えるというのに、そこに手は届かぬまま。

 そっと二人 意識は遠のいていく。

 [ 雪月花1 当て無き旅人 ]


 秋の空の下――…‥

  ずっとずっと探してた。
  独りの旅が何時からか二人になった。
  誰かが隣にいる、そのことはお互いの支えになった。
  嬉かった。ただ…嬉しかった。それを声や態度に表すことは滅多に無かったけれど。
  今はまだ当ての無いこの旅に、俺たちは多分『みちづれ』がほしかった。

  ねぇ……俺達に付いて来てくれるのですか?


「ねぇ……柾葵、先はまだ遠い?」
 声に出すは一人の少年の声。声変わりは済んでいるはずだが青年と言うには高く、しかしその見かけは青年と言えるものを持つ。表情にまだ幼さを残してはいるが、身長は成人男性の平均を超えていた。
 ただ、サングラスの奥に見える目は顔に似合わず冷ややかに思える。
 そして、その少年の隣に立つ彼より更に背のある一人の男性。柾葵と呼ばれたらしき青年は、ただ少年の問いかけに首を縦に振る。しかし一瞬の後それが少年には見えていないことに気づき、そっと少年の右手を取った。
「洸……、まだ 遠い……?」
 掌に書かれた文字を読み取り、洸と名前を書かれた少年は苦笑する。
「うん、判ってるよ柾葵。でも俺、そろそろ疲れたんだ」
 言うと同時、少年の膝が崩れ、青年がそれを必死で支えようとした。
 しかし互いに体力は限界に達し、少年の体を受け止めた青年の体も、やがて膝からがっくりと落ち。ゆっくりと冷たいアスファルトに突っ伏した。
 目の前にはもう街明かりが見えるというのに、そこに手は届かぬままに。
 そして――時間の経過と共に辺りには柔らかい風が吹いていた。それは木々の葉を、二人の服や髪を、そして……そこに現れた一人の人物、その長くも緩く編まれた銀色の髪をも揺らしている。
「行き倒れ、か」
 うつ伏せに、重なるように倒れている二人の男を見下げ、その男はそっと呟いた。
「久方ぶりに遠出した先で、此れは思わぬ物を見付けたな。しかし……」
 外見のわりに落ち着いた口調で言うと、男はゆっくり二人の前にしゃがみ込みその頬に触れてみる。
 最初に触れた青年はこの季節にしてはロングコートを身に纏い、一見格好だけは温かそうに見えるが、既にその頬は冷え切り震えても見えた。逆に少年は青年が上に重なっているのが幸いしているのか、ジャケット姿と薄着に見えたが、その頬が僅かに冷えているだけ。
 しかし今のままだと二人とも確実に体温が下がっていくことだけは明らかだった。
「このままでは――」
 小さく呟くと男は立ち上がる。
 夕刻と言うこともあるが、空にゆっくりと広がり始めるは厚く見た目も重い灰色雲。辺りは暗く、仰いだ天からはやがてポツポツと降り注ぐ冷たい水滴。
 雨はまだ、降り出したばかり――…‥


 暖かな空気が立ち込める一室。窓の外は一昨日から雨が降り続けていた。厚い雲に覆われた空は薄暗く、まだ昼間にもかかわらず部屋には薄い灯りがともされている。
 部屋には並ぶ二つのベッド、そこからさほど離れていない場所にベッドの方を向く一つのソファー。
 ベッドには倒れていた少年と青年が寝かされ、ソファーにはそれを助けたらしい男が居た。今彼は少しばかり表紙の色褪せた本を片手に持ち、雨音を心地良い音楽のようただ読書に没頭している。
 昨日からこの部屋には雨音と紙の捲れる音、そして三人の呼吸がただ静かに響いていた。しかし不意に男は顔を上げ、長い間読んでいた本を脇へと置く。
「――……」
 同時、右手のベッドに寝かされていた青年がそっと意識を取り戻す。そしてすぐさま上半身を起こすと今の状況、何より見知らぬ人物の存在に顔を強張らせた。
「……目覚めたか」
 そっと呟く男の声。青年は横目で隣のベッドで眠る少年を確認すると、掛けられていた布団をそっと退けた。動作はゆっくりながらも隙がない。それは仕掛けられたら迎え撃つという表れだ。
「そなた達はこの町近くで倒れていたのだが憶えているか?」
「――――っ」
「……そう警戒するな、取って食ったりはせぬ」
 男が苦笑を浮かべると、青年はやや間を置き頷いた。ただ、警戒の色を完全に無くした訳でもなく、何か言うでもない。恐怖や警戒心で声が出ないということは良くあることだが、この青年の場合それでは無いからだ。しかしそれでも尚男は普通に語りかけた。仮にそうだとして、それは青年が切り出すことだと思ったのかもしれない。
「それにしても余程疲れていたのだな、長い事眠っていた。まだ若いというのに其処の少年と二人旅の途中の様だな?」
 その台詞に青年は思わず腕時計を見た。恐らく日付表示もされているのだろう。それを見た表情が心なしか落ち着いていく。同時に時計から目を離し、何か言いたそうに男を見た。
 しかしその何かを伝えようとする前、隣の僅かな動きに視線を逸らす。
「ん……そなたも目覚めたか」
 男が声をかけたその先には起き上がる少年の姿。その髪の毛は長い間寝ていたせいか、寝癖がつき所々はねている。少年は欠伸をかみ殺すと、そっと目を擦りながらゆっくりと右から左へ辺りを見渡した。その視線が男で止まると同時、叫ぶ。
「誰? いやっ、それよりも柾葵は……」
 彼にとって今この場所と目の前に居る人物は問題では無いらしい。不安に駆り立てられたのか、勢いよく布団を捲り上げるとベッドから降りようとした。
「柾葵……連れのことか? ならばそなたの隣に――否、そなたもしや……」
 その声の終わりとほぼ同時、いつの間にか立ち上がっていた青年が面倒そうに目の前でパンッと手を叩いてみせる。あまりに突然のことだったため、男の言葉は途切れ肩が僅かに上下した。
「柾葵! 又はぐれたのかと思ったよ……馬鹿野郎」
 突然声を張り上げた少年に、青年は一瞬目を瞑る。それは親にぶたれる瞬間の子供の顔のようだった。
「いや、でも……お前が居たならば良いよ。怒って悪かったね」
 そして安堵の息を吐くと同時、少年は男の方を見た。その目は先ほど青年に向けていたものとは違い、とても冷たく、彼以外の存在は何構わず嫌悪している印象を受ける。
「所であなたは? 状況から察するに……俺達はあなたに助けられたようですが」
 加えて刺々しい声色。表情や声のトーンもそうだが、まだ所々に子供っぽさが残り、思わずどう接するべきか悩んでしまいそうだった。
「すまぬ、名がまだであったな。我の名は瀧津瀬流、そなた達の名も良かろうか?」
 そう、自分の名を告げた男――流は、ソファーに座り直し二人を見上げ言った。
 すると二人は顔を見合わせ、何を喋るでもない、ただ少しの間を置くと青年がそっと少年の右手を握る。すると少年が小さく頷いた。それは少年の考えに青年が無言のままに了解し、それに少年も同意したようだった。
「普段は当てになる奴じゃないけど柾葵が信じて良いと……なので俺も少し信じますよ。お察しの通し俺は目が見えません」
 少しという言葉にやや少年の目元が穏やかになる。ただ、まだ完全に警戒心を解いたようではない。
 それにそっと苦笑交じりに彼は言うが、その姿はしっかりと流を見ていた。そうして立っている分にはまるで見えないことなど嘘のように。
「でも多分見えてるのと同じ程度に感じてますから。えっとたき…つせさん、俺よりは年上の方ですよね? 俺は洸と言います」
 多分という単語が出てきたのは、彼が生まれつき見えるということを知らないから。しかし彼にとって感じていることが意外にも見えているということなのかもしれない。
 そして少年――洸はそっと青年を見た。
「――……」
 視線を受け青年は無言で洸の手を取り、その掌に指で何かを示していく。洸はそっと頷き、時折相槌を打ってはやがて流を見た。
「えっと、もう判ってると思いますがこいつ喋れないので俺が代理で……『俺の名前は柾葵。瀧津瀬さんとやら、助けてもらったことは感謝してる』とのことです。って、柾葵よくこんな漢字書けたね」
 最後は青年――柾葵を見、洸は言う。
 一方の柾葵はそっと流を見たまま。見た目はさほど大差のない二人だが、敬意を払っている辺り柾葵は年下の自覚を持っているのかもしれない。しかし身長は柾葵の方が明らかに高く、高さという見た目の圧倒感はある――因みに洸は柾葵より低く、流よりは少し高い程度――加えて柾葵は洸とは違う、しかし明らかに好いたものではない眼で流を見る。その胸の内に一体何を秘めているのか……そればかりは流も読み取ることは出来ず、それを表に出さぬようそっと言った。
「なに……礼には及ばん。此処は我が取った宿だが明日まで引き払わぬ、ゆっくり休め」
 その語尾は心なしか、今までで一番柔らかい声色。
「ありがとう、ございます。でも俺はもう眠くないし……柾葵は?」
 流石に一日半も眠り続ければ眠気どころか体の痛みの方があるだろう。苦笑いを浮かべた洸の問いに、柾葵は右手を握り流には頷いて見せた。それは洸と同じだと言うこと。
 二人の応えに流は頷くとそっと眼を逸らした。それが意味するのは好きにして良いという意味だろう。
 洸はそれを察したのか、柾葵に手を離すよう促すとベッドに戻った。どうやら荷物を探しているらしい。しかしすぐ足元の鞄とベッド横のラックに置かれている小物に気づき安心すると、ベッドに座り中からMDを出す。
 そんな洸の様子を横目に、流は先ほどから変わらぬ位置で自分を見ている柾葵に気づいた。
「……そなたも、楽にして良いのだぞ?」
 しかし柾葵はそっと頭を振ると、洸を少し振り返る。丁度イヤホンをつけたところだった。
 確認と同時、柾葵は流の前に立ちポケットからメモ帳とペンを取り出す。そんなものを持ち歩いているところを見ると、それが洸を仲介としない時の会話方法なのだろう。
 そっと差し出された一枚のメモ用紙。見ると意外にも綺麗な文字が並んでいた。
『長い過去と多くのものを背負う……おまえ一体何者だ?』
「――そなたは……」
 恐らく洸には聞こえていないと思いながらも声のトーンを下げ流は言うが、途中その言葉を切る。
 代わりにすぐさま柾葵が新しいメモ用紙を流に手渡した。
『言いたくないなら良い。俺もこんなだから面倒だし、一々言いたくないことも多い』
 そして流がそのメモ用紙から視線を柾葵へと移すと、彼は苦笑いを浮かべていた。それは確かに彼が初めて見せた微かな笑み。
『ただ、俺は勿論洸もお前の異質さに気づいてる…でも、悪い感じはしない。お前は俺達に害を加えようという考えが無い』
 二枚目のメモに続けて書かれた言葉。流は頷きソファーに背を預ける。
「そなた達に害を加えるなど……百害有っても一利無しであろう」
 すると柾葵は頷き、それを見ると流はそっと目を閉じ小さく言葉にした。
「少し……休む」
 同時、カサリと紙の置かれた音。立ち去る柾葵の足音。
 流はそっと目を開け手元に置かれたメモ用紙を見た。
『ゆっくりやすめよ。店主さん』
 その文字に、流はそっと頷くと目を閉じる。
 雨は小降りとなり、僅かな陽の光がカーテンの合間から部屋の中へと差し込む。
 やがて流がソファーで眠り始めた頃、洸と柾葵は頷くことと掌に書くこと、それだけの会話を繰り返していた。


 翌朝、朝露が輝く良く晴れた日。
「ありがとうございました」
 洸はそっと流に頭を下げた。それに柾葵も続く。しかし流はその言葉に暫く返答しない。そして俯き右手を口元へと持って行くと、少し何かを考え顔を上げる。
「……そなた達、旅の途中のようだが我も共に行こう」
 唐突な流の言葉に洸がすぐさま反応した。上げた顔はサングラスをかけており、その冷たい眼を少しばかり隠している。
「いえ、好意は嬉しいけど……俺達の旅は当てが無くて既に二人で一年以上彷徨ってます。俺の場合独りの時を入れたらもっと、かな? だから…‥」
 そう言う洸の隣で何故か柾葵は薄い笑みを浮かべている。そんな二人を見、流はもう一つの言葉を足す。
「なに、元々暫く戻らぬつもりで出てきたし店は殆ど客等来ぬ……構わぬのだ。それに二人よりは三人、道連れは多い方が何かと便利ではないか?」
「でも……」
 しかし依然躊躇う洸の右手を柾葵が握ってみせる。洸が柾葵を見上げると、彼はそっと頷き流を見た。
「連れてけって? まだ名前しか知らない、それに柾葵の嫌いな…‥むっんんっ!?」
「――――」
 洸の台詞は途中で柾葵に遮られる。その大きな掌が無造作に口を塞ぐことによって。
「……っ柾葵、自己中にも程があるんじゃないかな? なんでこんな……」
 柾葵の手を無理矢理引き剥がすと洸は言うが、彼は頭を横に振る。そのやり取りは、何となく普段からの二人の様子を感じ取れた。
 やがて洸は舌打ち混じりに頭を振る。
「判ったよ……お前がそこまで言うならもう勝手にして良いよ。昨日は散々警戒してたくせに」
 言うと洸は先に歩き出す。その姿に流はそっと苦笑した。
「どうやら我は……あの者に嫌われたようだな」
 呟くように言うと、柾葵が頭を振って見せた。そして取り出したメモ帳に昨日と同じようペンを走らせ流に手渡す。
『あいつも瀧津瀬さんの本心知れば変わるだろし……本当は喜んでるはずだ。ただ大人ぶってるから、そういう感情を表に出せないでいんだ』
 本心――その文字に流は首を少しだけ傾けて見せた。何かを疑問に思ったわけではない。ただなんともなしに笑みが出た。そんな流に柾葵はまた一枚、メモ用紙を破って渡す。
『行こ、あいつ足だけは速いからすぐ見失う』
「……そうだな」
 言うと柾葵が先を行く。流は柾葵からのメモ用紙を無造作にポケットへと入れると二人の背を追った。
 確かに歩くペースは速く、二人とも旅に向かない靴を履いているのに歩き慣れた感じ。
 やがて柾葵が洸に追いつき、その二人の一歩後ろを歩くよう流が続く。
 季節は秋。街路樹の葉が風で揺れ、枯れ葉は枝を離れやがて空へと昇って行く。その姿がふと目に入り、流は立ち止まり空を仰いだ。
「我の本心、か」
 呟き前を見ると、その先には同じく立ち止まり流を振り返る二人の姿。
「瀧津瀬さん! 置いてきますよ!?」
 届く洸の声、その隣で内容が見えるわけもないのにメモ用紙を振りかざす柾葵。
 その二人に流は、聞こえる筈もない小さな返事を返し一歩を踏み出した。


  二人の旅が三人になった。
  嬉かった。本当に…嬉しかった。それを声や態度に表すことなど今は無いけれど。
  当ての無いこの旅。本当は行く先がある事を俺は誰にも告げていない。そこが何処か知る術がないから。
  誰が自己中だと言ったら、それはきっと俺なんだ…‥知ってるけど知らない振りをした。

  それでもあなたは尚俺に……俺達に付いて来てくれるのですか?


 やけに風が冷たい朝の始まり。昨日まで雲に隠されていた陽は今、暖かく地上を照らしてる。
 それはまだ 冬の訪れの遠い秋の出来事――…‥


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
 [3356/瀧津瀬・流(タキツセ・ナガル)/男性/999歳/古書店店主]

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■         ライター通信          ■
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 初めまして、新人ライターの李月と言う者です。
 このたびは雪月花1 当て無き旅人、ご依頼にプレイング、有難うございました。
 二人一緒に助けてくださり、そっと心の中で心配までしてくださり!
 プレイングをほぼ参考にさせていただいてしまったのですが、口調や行動は大丈夫でしたでしょうか?
 二人の中へと入って行った瀧津瀬さん、その心に反応し徐々に警戒心は解いていく二人。
 何処か少しでもお気に召していただけていれば幸いです。
 表記名は二人が名前だけの為統一させていただきました。
 又最初と最後だけは某視点、他は三人称(第三者視点)としております。
 何かありましたらレターにてお知らせください。

 まだ歩き出し間もないこの世界は、途中離脱可能、追加シナリオも可能なプレイング次第世界です。
 もしお気に召していただけ、次回に興味を持たれましたら引き続き二人の旅に同行していただれば嬉しいです。
 それでは又のご縁がありましたら…‥

 李月蒼