■かわうそ？と愉快な仲間達１■
滝照直樹 |
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【2276】【御影・蓮也】【大学生 概念操者「文字」】 |
貴方の机に程よい厚みのある新書のような本が置いている。
内容はというと、織田義明や、長谷茜。かわうそ？……などの誰かと楽しく過ごしているもしくは喧嘩をしている物語。笑いあり涙あり、そう言った手合いだ。
彼らと一緒に過ごした思い出を書き留めたいなら、思い出すがよい。
その本は厚さに関係なく、白紙を埋めていく事だろう。
そう、思い出はいつもあなたの心にあるのだから……。
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§結婚式バイト騒動§
いきなりですが神聖都学園にての一コマ。
「な、茜。バイトしないか？」
「いきなりどうしたの、蓮也？」
バイトに誘う御影蓮也に目を丸くする長谷茜。
「来週に実家の方で親戚の結婚式があるんだけど人手が足りないって。神前結婚だから巫女なら最適だろうし。俺は儀式で忙しいだろうから余り手伝えないだろうけどさ」
「そう言う事ねぇ」
考える茜。
一応長谷神社でも結婚式関係の手伝いの経験はしているのでさほど問題なく、
「いいよ。今のうちに段取りおしえて」
「よかった」
「え？」
「いや、助かるってことさ」
「うんうん」
ニコリと笑う茜に、ドギマギする蓮也だった。
｜Дﾟ)ﾉ せんせー！ 恋人居る同志危ないです！ 不純異性……
「あんたはだまれー！ ナマモノー！」
茜ハリセンホームラン。
(⊃Д｀) いや――!!
おじゃまむしなかわうそ？ は吹っ飛び、御影流の神前結婚の説明を聞くことに。
で、当日。
蓮也「早！」
――本題は此処からだからだ。文句言うな。
蓮也「わかったよ……」
御影一族は運命を切り開く術に長けていることで、運斬を見立てた儀式があるのだ。つまり、今回の新郎新婦の幸せであるための“絆の糸”と他の障害となる糸を紐でまとめ、小太刀の一刀の元で“絆の糸”のみを残し、断ち切るのである。
独特と言えばそうだろう。
「手伝いにきたよー。そしてバイトさん」
と、茜を連れて蓮也登場。
「あ、蓮也」
親戚の女性陣がやってくる。男の方は新郎の方に忙しい。
「初めまして長谷茜です。宜しくお願いします」
挨拶する茜。
女性陣
「はい。初めまして。忙しいけど巫女さんと聞いて居て助かるわ〜」
「ひょっとして、前に言っていた彼女？」
その言葉に、蓮也はどきりとする。
「ち、ちがう！ 違うって！ 友だちだって！」
「否定するあたり、怪しいねー」
「えっと、……実は……」
茜は赤面して、下を向く。
「え！？ ええ！」
「まてー！」
焦る蓮也。あたふたする姿が何とも滑稽である。
「と、いうのは冗談で、蓮也君の言っているとおり友だちです♪」
「なんだー」
「か、からかうなよ、茜……」
性格変わったなと思う蓮也くんでした。
滞りなく、式典はすすみ、厳かな雰囲気。しかし、茜は御影一族の女性達に新婦は実は蓮也の初恋の人だったり、蓮也は実は昔不良だったりという暴露の話とも聞いていた。もちろんその不良の写真も見せて貰う。
少し準備が一段落したか、休憩の時こんな事があった。
「やはりー♪ 何かあると思ってたー♪」
悪戯笑いで蓮也に軽く肘で小突く茜。
「やはりってなんだ！ 姉さん達も要らん話をするなよ！」
「だってねー」
「折角、蓮也にも春がきたって思って、めでたいところで彼女のお披露目かなと思ったんよ〜」
親戚女性陣と新婦さんが色々言う。
「本当に恋人居るけどさ……」
ぼそっと口を滑らしはっとなる蓮也。
「歳の差１２」
茜がしれっと……。
「そこまでじゃない、４〜５歳程度だ！」
「わー！ 今度連れてきてよー。蓮也―♪」
女性陣にからかわれる蓮也君、茜も混じってかなりピンチ。
「うーん、関係に事情があるから無理と思うのです」
茜がさりげにフォロー？ した。
「喧嘩でもしているのかな？ 倦怠期？」
「そう言うことにしておいてくれ……。そろそろまた忙しくなるから……」
もう、負けを認めるしかない蓮也はフラフラ自分の持ち場に戻る。
御影・運斬の儀式をするときなのだ。もちろん、断ち切るのは継承者の蓮也である。
厳かな雰囲気の中で行われる一番盛り上がり、神聖な儀式。
しかし、其れを打ち破るラップ音と異臭がする。
しかし、茜と蓮也はそこから邪悪な意志を感じ、警戒した。
「「何か来ている！」」
「え？」
「皆は、叔父さん達の結界の中に！ 茜と俺で迎え撃つから！」
「わ、わかったわ！ でも……」
「コレも、仕事のうちです。コレが本業ですけど」
茜がクスリと笑った。いつの間にか、聖別された日本刀を持っている。
不安を隠せない女性達は、既に感知している術者側に駆呼ばれ、そっちに逃げる。
「良い雰囲気を台無しにするのは許さない！」
茜が怒る。
「こりゃ、ストーカーの怨念で動いているヤツだな！」
蓮也が退魔小太刀の１を構え、御神酒の一升瓶の栓を抜いた。
ガラスが割れて、怨念の目で睨む黒い悪魔が現れる。身の丈９尺はあろう巨体。
会場は悲鳴に包まれるなか、
「コレでも食らえ！」
御神酒をかけ悪魔を退ける蓮也。
そのあと、二人のコンビネーションで悪魔を会場の外から出す。
「我、命ず！ 霊木よ、我に答えよ！」
――茜、わかりました。
霊木の加護により結界を形成する。
「抑え込んだよ、蓮也！ 今のうちに！」
「ああ！ 危ない！」
しかし、まだ制御が甘かったのか、悪魔の素速い突撃に茜がもろに喰らってしまった
「茜！ くそう！」
小太刀で応戦するも、悪魔の皮膚は硬かった。刃こぼれしている。
「くそ！ “良く斬れる”と書いていても無理か！」
茜にのしかかっている悪魔だが、
「離れろ！ 卑しき者め！」
茜の渾身の蹴りが巨体を吹き飛ばした。これは霊木の加護があってできる芸当である。
茜の巫女服は既にボロボロになっているが、そんなこと構っていられない。
正眼で牽制する茜だが、今度は悪魔が念だけで、電撃を放つ。
「危ない！ 茜！」
そのまま庇う蓮也。
その時！ 腕に刻まれた“運斬”が浮かび上がる。
因果そのものを断ち切る力、運斬。
彼は無意識に刃こぼれの小太刀で、あらゆる悪魔の定めを斬り、新婦と悪魔を呼んだ“ストーカーの絆”まで断ち切った。
その“糸”を断ち切ったとき、悪魔は居なかったかの如く、消滅する。
「――倒したと言うより、“それ”があったこと自体を無くしたみたいね」
時間魔法にも長ける、茜が呟いた。
「まさか、ここで……何故だろう？」
蓮也が完全にボロボロになった小太刀を見て呟いた。
「あ、そうだ」
急いで、蓮也は儀式の服の上を脱いで、茜にかける。
冷静になった茜は自分の姿がトンデモナイ状態なことで真っ赤になって
「あ、ありがとう」
と、礼をいった。
「なんか、迷惑かけたな……」
蓮也も赤面している。
そのあと、無事儀式も終わり、また茜と女性陣の蓮也弄りが始まった。因みに、今度は男性陣も加わり、タジタジ状態な蓮也。
式が終わった後、茜は普段着になり、仲良くなった人と話をしていた。
「お疲れ様でした」
「ありがとうね」
「かっこよかったよー」
御影一族と仲が良くなる茜。
「では失礼します」
と、式場をさる。
「茜！」
蓮也が呼び止めた。
「何？」
振り返る茜。
女性陣は、ニコニコ笑い、去っていく。
二人きりになるが、其れがどうした？ というのもある。
なんにせよ、二人には立派な彼氏が居るわけだから。
「何時か茜もあんな格好するだろうけど、その時はちゃんと呼んでくれよ」
「何時になるかわかんないけどね♪ じゃ、おつかれさま♪」
と、手を振って茜は去っていった。
「……ふぅ」
蓮也が溜息をつく。
――かなりさんざんな日だな……。
心労で終わった蓮也君であった。
End
■登場人物
【2276 御影・蓮也 18 男 高校生 概念操者】
【NPC 長谷・茜 18 女 神聖都学園高等部・巫女（長谷家継承者）】
【NPC かわうそ？ 以下略】
■｜Дﾟ) 通信
｜Дﾟ)ﾉ せんせー！ これは、異性不純……（スパーン（ハリセンの音））
｜ДT) 痛い……
茜「いちいちうるさい！ 単なるバイトでしょうが」
｜Дﾟ)ﾉ ちょっと読者サービスある！ 問題です！
茜「まさか、撮ってるの？」
｜Дﾟ) ……
茜「データよこしなさい！ こら！」
｜≡３
茜「まてー！」
義明「なんか、茜の方向性が変わってきているな……。蓮也、相関がどうなるかは後々自分のデータを見て確認してくれ。異界のルールでは必ずしも同じ関係にはならない……ってなっているからね」
｜Дﾟ)┐ ペットだとご愁傷様
義明「其れはお前だろ」（ゴン）
｜ДT)ゞ 痛い。
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