■★鶴来理沙の剣術道場■
雛川 遊 |
【1564】【五降臨・時雨】【殺し屋(?)/もはやフリーター】 |
剣神リアイアの巫女、鶴来理沙の剣術道場です。
理沙と一緒に武の道を極めたい人や、必殺技の修行をされたい人は修行をされて汗をかいてみませんか?
剣術道場では修練を積むお手伝いから戦いのアドバイスまで、手広くカバーしています。
なんとなく和みたい人も大歓迎!
ぜひ一度当道場の門をお叩きください。
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★鶴来理沙の剣術道場
●ようこそいらっしゃいました! 〜オープニング〜
はじめまして!
当道場は剣神リサイアの巫女、鶴来理沙(つるぎ・りさ)の剣術道場になります。
(――――つまりこの私が道場主です!)
場所はあやかし荘の大部屋を間借りして開いています。が、とある結界の力を用いて道場内に色んな修行の場を出現させたり、古の武術を伝える師範がいたりと、ふつーの道場ではないのです。
武の道を極めたい人、必殺技の修行をされたい人、なんとなく和みたい人などは、ぜひ当道場の門をお叩きください。ビンボーですががんばりますので!
あ、それと補足がひとつ。
ただいま門下生希望者は、随時熱烈大歓迎です☆
それでは、本日も良き修行の場になりますよーに。
●本日の修行、開始です!
「あ、時雨さん! お久しぶりですねっ!!」
しばらくぶりに剣術道場を訪れた殺し屋(?)―― 五降臨 時雨(ごこうりん・しぐれ) に道場主の鶴来理沙がトタタッとかけよってきて、ニコニコと見上げた。
「‥‥‥‥うん‥‥久しぶり、だね。理沙‥‥‥‥」
「えっと、あの〜」
「‥‥‥‥‥‥どうしたの、理沙‥‥?」
「い、いえ! なんでもありませんから――!!」
モジモジソワソワと落ち着かない理沙に、時雨は表情を和らげる。
「‥‥‥‥無理しないで。何でも、聞いていい‥‥‥‥」
「それじゃ――あの、最近余り姿を見かけませんでしたが、今まで何していたんですか?」
「‥‥‥‥気になる?」
「はい!! とっても!!!」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
ジーとにらみ合う二人。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥内緒」
ガクッ。
「え〜、何でですかぁ〜!?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥だって、企業秘密‥‥‥‥」
そう言って時雨は口元だけでにやりと笑った。
しかし、理沙はもう一つ気になることがある。
「今日もその子、かわいいですねっ」
時雨の頭を上目使いで見つめる。
相変わらず頭の上にチワワ装備。
「‥‥‥‥‥‥うん‥‥‥‥」
この謎のチワワ、近頃二足歩行ができるようになったと評判らしい。しかも相変わらずプルプルと震えている。全くの謎だ。‥‥しばらく考えた末に理沙はチワワを気にしないことにした。
などともはや挨拶のようになった恒例の漫才を終えて、さて、今日の師範は――と時雨が見渡すと、子犬のように理沙が期待で目を輝かせている。
「‥‥‥‥‥‥‥‥それじゃ、汐に‥‥‥‥‥‥‥‥」
ズデデッ。道場の床を滑りながらズッコケる。
申し訳なさそうにおずおずと師範代の一人であるくのいち、村雨汐が道場にやって来た。
じろーっと睨みつけるような理沙のいじけた視線を背中に受けて、汐は汗をかきながら笑顔を浮かべた。
「そ、それじゃ本日の修行を始めましょうか」
今日は時雨用の修行メニュー【こじんまりとした暗殺剣〜そろそろ技も完成か?〜】編である。
「‥‥‥‥‥‥理沙も暇そうなら、手伝っていいよ‥‥‥‥」
「暇じゃないもん!」
ぷいっと顔をそむけるとスタスタ道場の奥へ歩いていく理沙。
イジケテこれ見よがしに竹刀で素振りを始めるが、さすが剣の女神を司る巫女であるだけあって、その姿はなかなか様になっている。
「――――だそうです。ではふたりで仲良く始めましょうか」
よく通る汐の声にキッと猫目で睨む理沙であった。
☆
「いきます、時雨さん!」
汐は瞬時に複数に分身し、同時に取り囲んだ中心に位置する時雨へと手裏剣を放った。
瞳を閉じた時雨は動かない。
風を切り裂く手裏剣の雨の中で、一人、彼の周囲の空気だけが台風の目のように無音で静寂に満ちているような錯覚。
いや。時雨は緩やかにだが動いていた。
それは日舞でも踊っているような緩慢でありながら優雅な動きをとりつつ、無数の手裏剣はことごとく時雨にかわされていく。
勝負は決した。
分身から手裏剣投げという連続した動きを終えて動作の隙を垣間見せた見せた汐に、緩やかな動きという余力を残した状態の時雨が足に力をこめ、瞬発力だけで一気に彼女の本体との間合いを詰めた。
これはいわば、攻撃直後で体勢の崩れた相手に反撃するカウンターとしての技だ。
時雨と汐は互いに剣先を寸止めしていた。ゆっくりと互いに身を引く。
「――――完成しましたね。これが基本形ですので、後はご自身で徐々に技の完成度を上げていってください。この柔の技はきっと時雨さんを助けてくれるはずです‥‥」
「へえ〜、技が完成ましたか」
中庭の温泉に入りながら理沙がしきりに感心した。
時刻は夜。今夜は時雨の技の完成のお祝いをかねての混浴宴会なのだ。(理沙&汐はタオル装備)
「で、技にはどんな名前を付けるんですかっ!?」
「‥‥‥‥‥‥考えてる、けど‥‥‥‥」
ワクワクして理沙が聞いてくる。
今までの修行の雰囲気から【止水舞葉】あるいは【穏行流水】という名前が検討されているそうだ。
突然、キャハハハハハ!!!! と爆発するような笑い声が上がった。
「うぃ〜、酒たりらいぞぅもっともってこぉ〜〜い、ヒック」
キャハハハ!! 陽気というか異常と表現したくなる明るい声を上げて汐が笑っている。
「‥‥‥‥もう、そのくらいにしたら‥‥汐‥‥」
「あーん? 今日はおいわいでわたしはぜんぜんよてらんからいですよ? くのいちが酔ってどぉしますかぁ〜キャハハハ!」
ああ、なんか得体の知れない見知らぬ人がいる。
時雨と理沙はああならないように、とチビチビ乾杯するの剣術道場の月夜であった。
【本日の修行、おしまい!】
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【1564/五降臨 時雨(ごこうりん・しぐれ)/男性/25歳/殺し屋(?)】
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■ ライター通信 ■
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こんにちは、雛川 遊です。
ゲームノベル『鶴来理沙の剣術道場』にご参加いただきありがとうございました。それと、作成が遅れてしまい申し訳ありません。
春が近いですね。日に日に暖かくなってきて、季節の移ろいを感じています。早くお花見がしたいなあ。
さて、剣術道場はゲームノベルとなります。行動結果次第では、シナリオ表示での説明にも変化があるかもしれません。気軽に楽しく参加できるよう今後も工夫していけたらと思います。
また、宣伝になりますが『白銀の姫』でもシナリオを始めました。よろしかったらこちらも覗いてみてください。
それでは、あなたに剣と翼の導きがあらんことを祈りつつ。
>時雨さん
しかし理沙本人は漫才しかしてないような気がしますネエ。一体何の修行をしているんだか。もうギャグキャラなのかな、理沙?(汗)
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