■容疑者グレゴリウス■
烏鷺山 |
【4689】【燕・輝羅】【魔法少女】 |
かなたはこの前知り合った戦友、田中の家に遊びに行った。
いくら年上とは言え、共に戦った仲。
その見苦しいわき毛もすね毛も確かに見るに耐えないけれど
それでも仲間だ。
かなたはケーキを持って遊びにいく約束をしたのであった。
ピンポーン
ピピピピピンポンピンポーン
かなた「…?」
ピピピピピピピピピピンポンピンポポポポポポポピンポーン
チャイムを取り敢えず連打してみるかなた。
だが一向に出てくる気配はない。
おかしいな?約束したから不在な筈はないんだけど…
そう思った時だった。ドアに手をかけてみると
ドアは簡単に開いたのだった。
かなた「あれ…開いてる…」
「おじゃましまーす」
取り敢えず失礼して部屋に上がるかなた。
かなた「!!」
かなたはその光景に思わず目を疑った。
震える手はとっさに口元を覆う。
かなた「…な…なんて惨いことを…!!」
リビングには田中が倒れていた。
そして、田中の周囲にはおびただしい量の…
おびただしい量の毛が散乱していたのだった。
かなた「なんで…なんでこんな無残な…」
ガクリとその場に座りこむかなた。
そう。田中はあらゆる毛という毛をむしり取られていたのである!
残り僅かなその髪の毛すらも…
かなた「田中さん!田中さん!!しっかり!」
かなたが揺さぶると、田中は朦朧とする意識の中でこう言ったのである。
田中「ピンクの…ピンクのアイツが…私の最後の髪の毛すらもむしって…うあああああ!!」
頭を抱えて叫んだかと思うと、また田中は意識を失った。
かなた「ピンクの…」
とっさに頭に浮かんだのはあのピンクのアイツ。
グレゴリウスであった。
確かにかなたが出かける前にグレゴリウスは珍しく「ちょっと出掛けてくる」と言って
どこかに行ってしまったし、それになによりグレゴリウスのあの性格ならやりかねない。
かなたはグレゴリウスに容疑をかけた。
かくして迷探偵たちが集い、「田中毛むしられ事件」の推理大会が始まったのである!!
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