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■かわうそ?と愉快な仲間達1■

滝照直樹
【2276】【御影・蓮也】【大学生 概念操者「文字」】
 貴方の机に程よい厚みのある新書のような本が置いている。
 内容はというと、織田義明や、長谷茜。かわうそ?……などの誰かと楽しく過ごしているもしくは喧嘩をしている物語。笑いあり涙あり、そう言った手合いだ。

 彼らと一緒に過ごした思い出を書き留めたいなら、思い出すがよい。
 その本は厚さに関係なく、白紙を埋めていく事だろう。
 そう、思い出はいつもあなたの心にあるのだから……。
■真・傘持ち誕生|Д゚)

|Д゚) 旦~~ むかあし むかしのことぢゃった〜
 と、相変わらずアスキーアートの小麦色から始まるのは、この話がギャグ感覚と言うことはわかるだろう。故に、ツッコミ満載でもノークレームノーリターンとなるわけに。

|Д゚) そんなもの?
 そう、そんなものだ。今回、題名の後にお前がいる。
|Д゚) なぅー ←納得いかないらしい。


 御影蓮也は良く行く傘専門店で傘を買っていた。何故傘にこだわるのかというと、概念操者の能力を活かせる事にある。
 彼の能力は概念を言葉にし、物に其れを書き、概念を書き換え、見た目ではなく“存在”を変えるのだ。100kgのボールに「浮き玉」と概念として書けば、それは「浮き玉」として機能し、名刀になまくらと書けば、それは何も斬れないなまくらになるという。「絶対言語」の神秘に近い。その点で傘は何か概念を書くことに適している。持ち柄、布、骨、基本道具として用途が充実している。普通に傘として使うほかに、地面に落書きをするペン代わり、物を吊って(骨が曲がる危険性があるが)軽々持つ棒代わり、そして、臨時の武器として使える。概念操者は其れを概念武装化し、更に特化できるわけだ。傘で「名刀」と書き、畳一畳を横に置いて、上段から斬るという離れ業も、今の彼には容易いだろう(もちろんコレは彼の技量にも関係している。
 それが因果か、義明達に(かわうそ?が発端だったのか定かではない)、『傘持ち』と素晴らしい渾名が与えられた。
「説明は長くて結構だが、その素晴らしいというのは全く違う。何時も持っているけどさ……」
 苦笑する蓮也。

 蘊蓄はこれぐらいにして、話を進めるとしよう。

「蓮也さん」
 店主が蓮也を呼び止める。
「なんでしょうか?」
「ええ、実はこの傘なのですが……何か気味の悪い力を感じまして」
 と、大きな62cmの封印の神秘シンボルが仄かに光る傘を見せた。
 良くある傘なのだが、持ち柄が欠けており、明らかに魔力などを放出している。
「呪いの傘ではないか心配でして、できれば解呪をお願いしたいのですが」
「ああ、それなら構わないです」
 と、蓮也は傘を大事に箱に入れてもらい、封をする。
「鑑定に数日はかかります。解呪したら連絡を致します」
「お願いします」
 と、仕事を任された蓮也。
 御影は因果を斬る者でもあるため、彼にとって縁たぐりは容易いものだ。しかし情報がなければその縁たぐりの糸は迷宮の状態である。彼は運命を「糸」で見ることが可能なのだ。御影継承者としての力である。
「とはいったものの、鑑定は苦手なんだよな……」
 とかぼやいてみる。
 と、
「よう、蓮也」
「どうしたの? 傘コレクション?」
 と、織田義明と長谷茜と鉢合わせた。
「やあ、って傘コレクションはないだろう、茜」
 苦笑する蓮也
「傘にこだわってそうだし」
「うんうん」
 このデタラメ人間幼なじみ2人は頷いた。
「ま、丁度いいや、鑑定と解呪を頼まれたんだけど、手伝ってくれるか?」
「傘の?」
「傘だよ」
「いや、傘だけど、傘傘いうなよ」
|Д゚) カサカサ……カサカサ
「その擬音は黒い悪魔だ!」
 いきなり現れた小麦色に対し、傘で世界一周ホームランさせる蓮也。
。・゜・(ノД`)・゜・。 いやー(ヤッパリ傘の専門家なり)

「ごほん、真面目な話に戻そう」
 咳払い一つしてから本題に入る蓮也。
「ここでは何だから、茜ん家に行く方が良いな」
「うんうん」
 と、流石親友と蓮也は喜んだ。


|Д゚) 地球は昔蒼かった……(成層圏外突破し旅行中らしい小麦色)



 鑑定してみると。
「この傘、持ち柄は木だけど骨組みはミスリル、布は聖布でできてるぞ。呪器どころか神器だ。聖剣ならぬ…聖なる傘かよ!」
 3人は驚く。
「“聖傘”はどう読む? 『せいさん』?『ひじりがさ』? 聖剣を『せいけん』と言っているわけだし音訓ハッキリしておきたいなぁ」
 茜はどう読むべきか考え込んでいる。
「読み方もかなり問題が……と、其れは後回しだ! 『せいさん』って『凄惨』にも聞こえそうだ」
 蓮也は溜息を吐く。
 傘に関わると、こぞってかわうそ?やこの2人がからかい始めるから在る意味困ったものだ。
「封印を解いて調べるしかないか?」
 封印は神秘的呪縛で、呪符のように剥がすことが出来ない。
「解呪なら……俺がしよう」
 義明が言う。
「解の技で簡単にできるか?」
「すぐ、すむ」
 と、義明はシンボルを触る。
 シンボルは光を失い、跡形もなく消えた。
 天空剣の解の技。防御魔術や魅了、幻覚など、あらゆる神秘、奇蹟を攻撃と同時に解呪する事ができる。使い手の力量により、怪我を与えず触るだけでもこうして解呪可能になる。

 すると……

 傘自体が光って、何か人魂らしいモノがでてきたら、澄んだ水のような可愛い存在が出てきた。10cm程度で犬耳に尻尾でポニーテール女の子だ。
「はじめまして、ミナサン。封印を解いて下さりありがと」
 と、可愛くお辞儀する。
「かわいい♪」
 と、茜は萌えている。
「君は一体なんだ?」
 蓮也が尋ねた。
「わたしは、この傘の魂であり、精霊です。弱くなった私をとある大魔技が持っていた傘に助けて頂いたのです。ただ、古くなったために、決してコレを開いてはなりません」
「どうしてだ?」
「局地的に暴風雨になるのです。私が住んでいた所は私が弱ってしまったために、自然力が弱くなったのです干ばつによる自然の営みが狂ってしまった。そのとき大魔技は私を癒すかどうか当時は知りませんが天候操作をする特殊な道具を作り発動してみた。しかしうまく行かなかったのです」
「で、其れが傘というのは……まるで蓮也だ。傘マニアなんだその大魔技」
 と、義明は頷く。
 |Д゚) うむ!
「そこで、俺の話は良い」
 蓮也が突っ込むが……。
「おい、調べるにはって何をしている」
「開けないでと言われても、開けないと調べ付かないじゃないか? カースギアなのかどうかも」
「だからって!」
「だめです〜!」
 2人の言葉を無視して義明は傘を開いてしまった。
 持ち柄が砕け散る。
「静香!」
 茜は叫んで、結界をはる。
 傘を中心に、暴風雨が吹き荒れたのだ。
「ばか! なにしてんだ!」
「うわーすっげー」
「感心している場合じゃありません! ああ、神の子なのになんてことを!」
 結界に守られているのは4人と1匹。
「俺を責めるな。こんなコト日常茶飯事でなきゃ、半神なんて……」
 開き直りよっしー
 |Д゚) そーなんす
 沈黙する蓮也と精霊。
 口をあんぐりと開けるしかない。
「天魔断絶でも壊れそうにないな……どうしよう?」
 真面目なのか不真面目なのか義明はずぶ濡れの姿で考える。
 直系10kの暴風雨。
「兎に角! 何か封じる手は!」
 焦る蓮也。
 茜は静香と共に沈黙している。
 義明がたまにこう言う馬鹿なコトすることはわかっているため、敢えて口を挟まない。

「神木として階位をもつ樫の持ち柄を付け替えれば……封じれます」

 精霊は言った。

「なら、其れを探す……ここの神木はダメって言うから……どこだ!」
 と、蓮也は持ち柄の欠片をみつけ……
 糸をたぐり寄せる


 長い時間の意識だけの旅路。
 絆を探すことも彼の力だ。


 なんと、
「あの傘専門店かよ! しかも裏側に神木のある寺社が!」
 と、彼は走り出した。

[謎の暴風域がこの……避難……]
 と、携帯ラジオから流れる。
 義明とかわうそ? と茜はのんびりお茶を飲んでいる。
「あの……なにもしないのですか?」
「あ、今は俺がすることないし」
「無責任ですね。それでも影を斬る光の御子ですか?」
 精霊は怒っている。
 いや、義明に怒っていても仕方ない。
 究極奥義でも壊れないという神器、というのはあることはあるが、おそらく義明は蓮也を試したのだろう。
 師範代、兄弟子として。
「アイツには傘に宴がある。なので、其れの手伝いをしただけ。死ぬ気でなきゃ、神器も己の真の力も使えない」
 と、一寸真剣な顔になる。
「む」
 何故か反論できない。
 茜も其れには何も言わなかった。
 やっていることは無茶苦茶だが、少しエルハンドに似てきたのだろうか?

 と、数時間後。
 ずぶ濡れの蓮也が、新しい持ち柄を持って帰ってきた。
「つ、つらかった……」
 心身共に疲れている模様。
「つけるから、義明。責任とってフォローしろ」
「はいはい」
 蓮也がいないときの真面目顔から一転、全くやる気がない義明。
「四神剣に堪える業物あったか?」
「一寸待って」
 義明は茜に刀を探してきて貰う。
「その間に……」
 と、義明は準備運動をし始めた。
「何呑気な!」
「落ちつけ。運命を変える力があるんだ。自信持てよ」
 相変わらずのマイペースさの義明だ。
「お前、彼女の言ったことを忘れてんじゃない!」
 どんどん蓮也は怒り始める。既に頂点に……
「なら、あの後何時間もかけて茜や俺に調べさせて置くつもりか?」
「……う」
「お前が目指した道は俺より茨の道なんだ。俺がその試練を作っても問題ないだろう」
「詭弁だというか話題をそらすな! お前……」
|Д゚) よっしー詭弁いうのは珍しいと思う。
|Д゚) つかさー傘。手伝いでも、足引っ張ること、同じ手伝い。てしってた?
 かわうそ? が割り込んで蓮也に言う。
「は?」
|Д゚) 謎は謎だし。かわうそ? は、かわうそ? だし 傘は傘だし餅は餅屋だし。
 何かナマモノが真面目(?)なことを言っている。
 其れに比例して、暴風雨が酷くなった。
|ДT) かわうそ? のせいじゃなーい!
 ヤッパリ自覚はある模様。流石ナマモノ。

「あーもう! 俺がとりつけるからお前何とかサポートしろ! 義明、かわうそ? !」
 こうなりゃ自棄だと、蓮也は壊れた傘の所に向かう。

 刀を持った義明は、静かに深呼吸し、神格覚醒と闘気を解放する。
「天空剣・四神剣の極み・四方獣咆吼破」
 四方の神、朱雀玄武青龍白虎を刀に招来し、暴風雨の“点”に“撃つ”。
 其れは咆吼。暴風雨を貫く。
 雨は蒸発し、雷は力に、風をなぎ払い周りを守り、地から力を与え災害を抑える。
 傘に命中したとたん、台風の目の様に一瞬嵐が止んだ。
 四神は、封の技の発展。4第元素の上級エレメンタルとも言えるだろう。
「いまだ! 5秒しか抑えられん!」
 義明が叫ぶ。
 |Д゚) きゃー!
 かわうそ?を持って蓮也が駆ける。
 丁度5秒でたどり着く。
 再び暴風雨が始まる。
 蓮也は何とかとりつけようとするが、暴風雨のなかとりつけ作業は困難極まりない。
。・゚・(ノД`)・゚・。 いやー!
「あー! こんな時にこそ謎回避を発動しやがれ!」
 ナマモノを盾にしようとしてもかわうそ?だけが飛ばされた。
――謎って結構御都合だもん。そう都合良く盾にはならないと思うけど
 悪戦苦闘し、何とかとりつけると……。

 天から、光の帯が見えて……。


「まずは一段落」
 蓮也が、着替えを済まし、暖かいお茶を貰っている。
|Д゚) ただいまー
 全然濡れていない、かわうそ?が何かタイヤキを持ってきている。
|Д゚) あんこの他にクリーム、カレー ピザもあるけど、どー?
「ど、“どー?”って言われても」
 風邪をひかなかったのが幸い。
 縁側に嵐の元凶、聖なる傘が横たわる。
「他に被害はないし、問題なし」
「後はコレをどうするかだけよ?」
 義明と茜は周りの調査をして戻ってきた。
「とはいっても、仕事があやふやになったなような」
「そうはありませんマスター」
「「「え?」」」
 精霊が蓮也に向かって言う。
「あなたは、殆どのことをやり遂げ、私の命を救って下さいました。柄がなければ、私は呪われた魔器として永遠に生きていたでしょう。影を斬る御子はそのきっかけを作っただけです。あなたは私のマスターです」
「えっとその……話は良く見えないんだけど? つまり?」
 精霊の言葉を理解できない様子の蓮也
「つまり……」
|Д゚) 4五銀 
「んじゃ 6三飛車」
「真面目にやってんのに近くで将棋すな! 天然、ナマモノ!」
 と、思わず傘を持った。
 材質的に、ナマモノの頭をかち割れそうだとか、そういう理由ではなく、純粋にツッコミ道具として取っただけ……
 しかし、
「マスター コレから宜しくお願いします」
 と、傘に戻る精霊
 周りの皆は傘が光って、驚いた。

 光がおさまると、極普通の傘になった。
 持ち柄の握り心地は良く、最高。
 思わず開けてみると、癒される気分に。
 一部を除けば……。
「買い足す必要がないのはいいけど、これは」
 蓮也は苦笑する。
 そう、地味な布に対し、持ち柄だけ非常に可愛いファンシーな絵柄になっているのだ。小さなあの精霊と、犬の足跡の模様が……。
「……オイ、何とか言ってくれよ」
 傘に戻った精霊は全く反応しない。
 この状態になって完全に傘と精霊は融合したようだ。
 おそらく、それほど弱っていたのだろう。もし傘を破壊か解放すると、精霊は消滅し、先ほどの局地的暴風雨が起こるか、それ以上の災害が起こるかもしれない。大事に扱わなければならないと、蓮也が“糸”からこの「傘」の事をたぐり寄せた結論だった。

 真剣に考えている蓮也をよそに、
「真・傘持ち、おめでとう」
|Д゚) 傘持ちはレベルアップした〜ぱぱらぱ〜
 義明とかわうそ? 更に。
「継承者になって良かったね」
 と、茜まで祝う。
「よ、喜んで良いのかわからない……」
 苦笑する蓮也。
|Д゚)ノ ナマモノ評議会から。汝をナマモノと認定しないが、称号「傘」をあたえると!
「そんなものいらんわ〜!」

 そのまま聖なる傘でかわうそ?をホームランする蓮也君でした。

|Д゚) ん〜 月までいけるか? ←結構クール?


おわり?

■登場人物
【2276 御影・蓮也 18 男 高校生 概念操者】

【NPC 織田・義明 18 男 天空剣剣士】
【NPC 長谷・茜 18 女 神聖都学園高等部・巫女(長谷家継承者)】
【NPC かわうそ? 以下略】

■|Д゚) 通信
|Д゚) 傘―傘―♪
|Д゚) もう壊さずにすむ傘
|Д゚) 傘と共に生き、傘と共に逝くがよい
|Д゚) かわうそ? 止めない。
|Д゚) 永遠に称号「傘」、もらってくれいw
 
|Д゚) ここから大事な話。コレ納品確認後、アイテム欄と下記よくみる。OK?

■取り扱い御注意
 この物語により渡されるアイテム『アンブレラ オブ ストーム』に封じられた精霊は、完全に筐体の傘に同調し、自我を保てなくなりましたので、破壊しない限り(もう壊れないんでが、万が一です)、姿を現したり会話したりなどの自立行動は致しません。しかも、解放後は更に弱くなり彼女は消滅します。その時アイテム欄からこのアイテムは無くなります。