■続☆お子様と私■
緋烏 |
【4186】【葉月・麻柚】【神名木高校教師】 |
某月某日未明。
「懲りないわね」
溜息を付くアトラスの面々と、今の状況を代表した言葉を告げる碇編集長。
「本当に懲りないわね」
編集部の応接セットに座っているのは、やっぱりどこかで見たようなある6歳頃の子供達。
「………」
溜息を吐かれても、興味やらの混じった目で見られても表向きでは無反応だった。
むしろ言葉も出ないと言った方が正しいようではあったが。
改めて状況を説明しよう。
この期に及んでタバコを吸おうとして、やはり止められている子供が盛岬りょうである。
次にその横で不機嫌そうにして、写真に写らないように顔を隠しているのが夜倉木有悟。
二人の真ん中で丸まっている子犬がナハトだ。
間に誰か置いておかないと二人でとっくみあいの喧嘩を始めるから、しかたなくとられた処置である。
三人とも普段は立派に……少なくとも見た目だけは大人なのだ。
それがこんなに小さくなってしまったからには、何かあると考えつつも……どうしてもギャップに笑ってしまう。
「何でこうなったの?」
落ち着いた頃合いを見計らい、何があったのかを再度尋ねた途端一斉に口を開いた。
「粛瑛にやられたんだっ!」
「このバカに巻き込まれたんだ!」
きっと睨み合う事一瞬。
「………」
「………」
ソファーの上でとっくみあいの喧嘩を始めた結果。
「ざまーみろ!!」
「このっ!!!」
「キャン!?」
間にいたナハトが喧嘩に巻き込まれ踏まれそうになったのは、些細な事である。
「……何とかしてくれる人、呼んでおきましょうか」
溜息を付きつつ、携帯電話を取りだした。
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