■笹に願いを！■ 南京 武 【2736】【東雲・飛鳥】【古書肆「しののめ書店」店主】 きれいな星空にみとれていると、見落としてしまいそうなほど小さな「星」がそこにいた。 星空をながめるには恰好のその場所に、誰が置いたのか一本の竹が置いてある。 星はこちらに気がつくと、何かをさし出しにこりと笑う。 見ると、その小さな手には大きいほどの短冊が握られていた。 なるほど、この竹はどうやらこの星が用意したものらしい。 小さな星がさし出す短冊を受け取ると、そこには文字が記されていた。 ――あなたのねがいごと　きかせてください あなたはどんな願い事を吊るしますか？