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■13番目の席■

早真さとる
【3489】【橘・百華】【小学生】
 学校の授業中。
 教壇では先生が呪文のように教科書の内容を読み上げている。
 女生徒は小さくあくびをしながら、ふと視線を感じて振り返った。
「?」
 あんなところに席があっただろうか? 疑問を感じる。
 前から数えていくと、一列12までしかないはずの机が、13あった。
 思わずまじまじと13番目の机を見ていると、そこに座っている人物と目があった。
 瞬間、ハッと気がつくと何故か自分が13番目の席に座っていた。
 そしてそこに座っていた人物は、とても嬉しそうな笑みを浮かべ、ついと前を向く。
「……!」
 女生徒は悲鳴をあげようとしたが声にならない。
 授業が終わり、机に縛られたように座っている女生徒の前でその人物は立ち上がり、友人達と歓談をはじめる。
『なんで? なんで? 私はここのに、その人は私じゃないのに!!』
 女生徒の叫びは誰の耳にも届かなかった。

「なにか変なんです……」
「変って?」
 事務所を訪れた中学生、大河亜美(おおかわ・あみ)にヒヨリが問い返す。
「友達の根本優子(ねもと・ゆうこ)の事なんですけど」
 と言いながら語り始めた。
 どこがどうおかしい、というわけではないのだけど、それが優子ではない、という気がしてならない、と。
「うちの学校の七不思議の一つに『13番目の席』っていうのがあるんです」
 ある日突然13番目の席が現れて、そこに座っている人と目があうと、いつの間にか入れ替わってしまい元に戻れなくなる、という。
「先日、授業中にその席をみかけた子が数人いました。でも誰も入れ替わってないよ、って言っていたんですが……」
「その優子さんだけが何かおかしい、という訳ですね?」
「はい」
「その13番目の席にまつわる、何か学校での事故とかそういった噂話はないですか?」
「えっと……なんでも、昔のクラスで人数が中途半端でただ一人、一番後ろの13番目の席にポツーンと座らされた女の子がいて。そのせいで友達もできなくて…自殺してしまった、という話が。その女の子が自分の苦しみを変わって欲しくて、自分と他の人を入れ替える、と」
「入れ替わってしまった人は、また自分と入れ替える、という事か……」
 本人はもう、そこにはいないのか、はたまたまだその席にとらわれているのか。
「調べてみましょう」
「お願いします!」
 亜美は立ち上がり、大きく深くお辞儀をした。

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この事件を調べてくださる方を募集します。
どうぞよろしく♪

募集人員:1〜5名
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