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■東京ダンジョン 攻略編■

九流 翔
【2512】【真行寺・恭介】【会社員】
 第2次世界大戦末期、本土決戦に備えて東京の地下に広大な通路が築かれた、なんて話はゴシップ記事としてはあまりにも有名だ。新宿の市ヶ谷駐屯地の地下に入口があるとか、いろいろ噂は後を絶たないが、もし本当の入口が見つかったとしたら、どうする?
 誰もが笑い飛ばすよな。そんなことあるわけないって。でも、見つけちまったんだから仕方がない。何人か噂に釣られて見に行ったって話だ。でも、潜った連中がどうなったかはまだ誰も知らないんだ。少し気にならないか?
 そういや、旧日本軍はナチスと結託して心霊兵器を造ったなんて話もあったよな。なにか関係があるかもしれないな。
 まあ、興味のある奴は地下への入口を探してみちゃどうだ?
 噂じゃ渋谷にあるって話だぜ。

 アンダーグラウンド系のサイトにそんな書き込みがされてから2週間が過ぎようとしていた。好奇心で地下へ潜る人間も増え、そして2度と帰ってこない者も少なくなかった。
 そんな折、霊障排除を専門とする組織、都市整備開発機構が動いた。地下に巣食う化物を殲滅するため、組織の人間では数が不足していると判断し、外部協力者を広く募集しはじめた。武器と化物に関する情報の提供は約束されている。
 都市整備開発機構から開かされている情報の一部によると、地下にいる化物は旧帝国陸軍が研究していた不死の兵団であるようだ。しかし、いまだ未完成であるため、ある方法を用いれば倒すことは可能だと言う。
 ヤツらが地上へ出てくる前に、殲滅してほしい。

東京ダンジョン 攻略編

 第2次世界大戦末期、本土決戦に備えて東京の地下に広大な通路が築かれた、なんて話はゴシップ記事としてはあまりにも有名だ。新宿の市ヶ谷駐屯地の地下に入口があるとか、いろいろ噂は後を絶たないが、もし本当の入口が見つかったとしたら、どうする?
 誰もが笑い飛ばすよな。そんなことあるわけないって。でも、見つけちまったんだから仕方がない。何人か噂に釣られて見に行ったって話だ。でも、潜った連中がどうなったかはまだ誰も知らないんだ。少し気にならないか?
 そういや、旧日本軍はナチスと結託して心霊兵器を造ったなんて話もあったよな。なにか関係があるかもしれないな。
 まあ、興味のある奴は地下への入口を探してみちゃどうだ?
 噂じゃ渋谷にあるって話だぜ。

 アンダーグラウンド系のサイトにそんな書き込みがされてから2週間が過ぎようとしていた。好奇心で地下へ潜る人間も増え、そして2度と帰ってこない者も少なくなかった。
 そんな折、霊障排除を専門とする組織、都市整備開発機構が動いた。地下に巣食う化物を殲滅するため、組織の人間では数が不足していると判断し、外部協力者を広く募集しはじめた。武器と化物に関する情報の提供は約束されている。
 都市整備開発機構から開かされている情報の一部によると、地下にいる化物は旧帝国陸軍が研究していた不死の兵団であるようだ。しかし、いまだ未完成であるため、ある方法を用いれば倒すことは可能だと言う。
 ヤツらが地上へ出てくる前に、殲滅してほしい。

 ソファーに腰を下ろし、恭介は短い嘆息を漏らした。このところ仕事が忙しく、満足に休んでいないことを思い出した。それどころか、彼が携わるべき正規の仕事すらおぼつかないような状態だ。それほど、会社から与えられる非合法な仕事が増えていた。
 全身が気だるく、さすがの恭介も疲労を感じていた。目頭を指先で揉み、薄暗い空間でグラスを傾けていると、テーブルの上に置いた携帯電話が不意に着信を知らせて震えだした。反射的に携帯電話を手に取り、液晶画面を見ると見知らぬ番号が表示されていた。
「はい。真行寺です」
 その番号を訝しく感じながらも恭介は電話に出た。安全を期すために知人が携帯電話の番号を変えたということも考えられたし、会社からの緊急連絡という可能性も否定できなかった。しかし、電話の向こう側から流れてきたのは沈黙だけであった。自分の居場所を特定するための電話かと疑いながらも、恭介は言葉を続ける。
「もしもし?」
「真行寺恭介か?」
 聞こえてきたのは男の声であった。どこかで聞いたような気もするが、決して馴染みのある声ではない。
「そうですが、どちら様でしょう?」
 これが最後の言葉だと恭介は考えた。これに対して相手がまともに答えを返さないようならば、逆探知などの可能性を考慮して電話を切る必要がある。恭介が電話に出てから間もなく1分。そろそろ電波を受信している基地局が特定される頃だ。
「都市整備開発機構の黒井だ。覚えているか?」
 意外な名前を告げられ、恭介はわずかに眉をひそめた。都市整備開発機構――渋谷の地下通路から発見したメモに記されていた呂号計画を調べる中で、横槍を入れてきた組織である。その際、恭介は黒井と1つの取引を交わしていた。そして、その取引内容は会社の上層部にも報告され、上層部は条件を呑んだ。それが3日前のことである。
 この3日間。仕事に忙殺される傍ら、恭介は都市整備開発機構という組織に関して独自に調査を行った。そこから判明したのは、都市整備開発機構は総務省の非公式外郭団体の1つであるということ。日本各地の都市の再開発に関する計画立案、開発管理などを引き受ける組織であるとされているが、その実態は霊障などにより、一般の業者には手がつけられない物件や土地を管理、開発する専門の集団であった。
 慢性的な土地不足に悩まされている都市部では、幽霊などに住まわせる場所などない、というのが都市整備開発機構の見解であり、彼ら独自の統計によれば、都内だけでも数百件にも及ぶ霊障物件が存在していることになっているようだ。この組織は霊障対策の専門チームを持っている以外に、治安維持協力員と呼ばれる外部協力者に除霊活動や原因解明などを依頼し、霊障を取り除く作業をしている。また、組織内部にある専門チームは、霊障対策と戦闘の専門家で構成され、その能力はいまだに未知数である。
 調べれば調べるほど、謎が多く、実態の把握できない組織であることを恭介は思い知らされた。総務省の外郭団体でありながら、元自衛隊員や警察官、民間企業の研究員などが出向の名目で所属していることがわかった。また、金の流れも不透明で、総務省の予算だけでは賄いきれないような装備品を購入している節があった。
「この番号をどこで知った?」
 口にしてから恭介は我ながら間抜けな質問だと思った。黒井は恭介の経歴を調べ上げるほどの人物である。そのついでに恭介の電話番号を調べていたとしても、なんらおかしな話ではない。隠匿されている恭介の情報――会社内部に都市整備機構への情報提供者がいる可能性に関しても、恭介は上層部へ報告しておいた。
「調べる手段はいくらでもある」
 黒井は平然と口にした。それは穿った見方をすれば、内通者がいることを認めているようなものであった。
「先日の話、覚えているか?」
「ああ」
 黒井の言葉に恭介は答えた。3日前、黒井は恭介に取引を持ちかけた。それは旧帝国陸軍が行っていた実験情報の譲渡と引き換えに、恭介たちが地下通路を調べるのを一時的に中断してほしいというものであった。オカルト技術や心霊現象の兵器化なども視野に入れている会社は、黒井の説得工作もあり、その条件を呑んだ。
 その際、黒井は都市整備開発機構の指揮で地下通路に攻め込み、そこに蠢いている化物を駆逐すると明言した。地下通路への侵攻準備に2日を要するため、その間、恭介たちを留めておくために取引を持ち出したのだ。いかに総務省の外郭団体といえども、恭介が所属するコンツェルンを力で抑えきることは困難であるようだった。
「準備が整った。できれば、君にも協力してもらいたい」
「いいだろう」
「話が早くて助かる。明日、開発機構の東京分室オフィスまできてもらいたい」
「わかった」
「では、頼んだ」
 そこで唐突に電話は切られた。恭介はテーブルに携帯電話を置き、氷が融けて汗をかいたグラスを手にした。薄くなったスコッチを呷ると、喉と胃が焼けるのを感じた。まだ休めそうにもない。そんなことを思いながら恭介はソファーから立ち上がった。

 都市整備開発機構、東京分室。そのオフィスは丸の内に程近い大手町の一角にあった。
 複数の法人や企業などが入った巨大なビルの数階を、東京分室が専用のオフィスとして利用していた。
 オフィスの片隅にある広い会議室には、10人を超える人間が集まっていた。会議室の中央には巨大なテーブルが設置され、それを囲むようにして全員が座っている。いずれも場にそぐわない面々であることは確かだ。
「こうして集まってもらい、感謝する。私は黒井という。この東京分室で副室長を務めている者だ」
 会議室の最奥、上座に座っていた男が立ち上がり、名乗った。黒髪を短く刈った30代の男だ。ダークグレーのスーツを身に着けているが、その下にある筋肉の盛り上がりは隠しきれていない。事務職の人間でないことは明らかであった。
(元兵士、といったところでしょうかね)
 席に座り、出されたコーヒーに口をつけながらジェームズ・ブラックマンは思った。
「時間が惜しいので、早速、本題に入らせてもらう」
 黒井が言うと同時に窓へかけられたブラインドが下り、天井に吊るされた映写機から投影された映像が、ホワイトスクリーンに映し出された。
「約2週間前、アンダーグラウンド系の掲示板に、渋谷の地下に太平洋戦争時の通路が広がっているという書き込みがあった」

 第2次世界大戦末期、本土決戦に備えて東京の地下に広大な通路が築かれた、なんて話はゴシップ記事としてはあまりにも有名だ。新宿の市ヶ谷駐屯地の地下に入口があるとか、いろいろ噂は後を絶たないが、もし本当の入口が見つかったとしたら、どうする?
 誰もが笑い飛ばすよな。そんなことあるわけないって。でも、見つけちまったんだから仕方がない。何人か噂に釣られて見に行ったって話だ。でも、潜った連中がどうなったかはまだ誰も知らないんだ。少し気にならないか?
 そういや、旧日本軍はナチスと結託して心霊兵器を造ったなんて話もあったよな。なにか関係があるかもしれないな。
 まあ、興味のある奴は地下への入口を探してみちゃどうだ?
 噂じゃ渋谷にあるって話だぜ。

 コンピュータのモニターから切り取った掲示板の画像がスクリーンに表示された。
「この書き込みがなされる以前から、我々は問題の地下通路の存在を把握していた。しかし、外部と完全に隔離されていたため、たいして重視していなかった。だが、今回、なんらかの原因で渋谷の地下を流れる渋谷川の暗渠部分と、その地下通路がつながってしまったようだ」
 続けて暗渠の入口から渋谷川を一キロほど遡ったところにある、暗渠と地下通路を塞いでいたコンクリートの壁が崩れた写真が映された。
 渋谷川(古川水系)は新宿御苑を水源として東京湾まで続いている。新宿御苑から渋谷駅前までは広大な暗渠となっており、渋谷駅東口の渋谷警察署付近で地上に姿を現す。渋谷川は渋谷駅北側で分岐し、東は渋谷川、西は宇田川となっている。
 渋谷川と宇田川を合わせた暗渠の総延長距離は約二十九キロ。当然、そのすべてを人間が入れるわけではなく、宇田川の上流部では幅四十センチほどまで狭まるという。人間が入れるのは暗渠の中でも下流部に限られ、その距離は三キロほどとなっている。
「我々は掲示板の書き込みを発見した以降、暗渠の入り口を監視していた。だが、我々が監視を開始する前、そして開始してからも地下通路に何人かが侵入した」
 そう言って黒井は室内にいる何人かの顔を、さりげない様子で見回した。
「申し訳ありません。ひとつ、質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
 ゆっくりと手を上げ、巫女服を纏った榊船亜真知が言った。
「なんだ?」
「わたくし、化物退治と伺ってきたのですが、その地下通路に化物がいるということでしょうか?」
「そうだ」
「その化物の正体は判明しているのですか?」
 亜真知の疑問はもっともであった。化物を駆逐するために多くの人間を招集した以上、少なくとも都市整備開発機構は問題の化物の正体を把握しているということになる。
「それは、把握している」
 黒井は小さくうなずいた。
「この通路が封鎖されたのは太平洋戦争末期。それから60年以上、誰も足を踏み入れていない。極秘資料によれば、旧帝国陸軍は第3ドイツ帝国と共同でいくつかの研究や実験を行っていた。この地下施設では研究の1つ、呂号計画と呼ばれる研究を行っていた」
「呂号計画?」
 ジェームズが声を漏らした。
「第2次世界大戦の引金ともなった、1939年のポーランド侵攻の際、ドイツ軍はポーランドで奇妙な人間を捕獲した。それは銃を撃っても死なず、切り刻んでも復活したが、太陽の光を浴びると塵となって消えたと資料には明記されていた。状況から見て吸血鬼のような存在なのだろう。ドイツ帝国は捕獲した化物の体内から一種のウィルスのような物を発見し、それが吸血鬼に関係することが判明すると、ウィルスを利用して不死の兵団を創り上げようとした。そして、その技術が同盟国であった日本へも渡された」
 黒井の言葉に応じ、映写機の映像が切り替わった。それは問題の研究を撮影したと思われる古い写真であった。状態が悪く、非常に不鮮明だが、その写真のいくつかに写っているものが、人間ではないことが見て取れた。
「しかし、日本での研究は成功しなかったと資料には残されている。ウィルスを注入された人間は人格が崩壊し、やがて人間を襲うようになった。理性は失われ、会話をすることもできなくなり、化物となった連中を制御することができず、そして簡単に始末することもできないまま、旧帝国陸軍は計画を破棄し、地下施設の封印を決定した」
「では、吸血鬼と思って良いのですね?」
 だが、亜真知の言葉に黒井は難しい表情をした。
「いくつかの報告から、いわゆる伝承などにある吸血鬼とは異なる、というのが我々の見解だ。回復速度が異常に速く、頭部を吹き飛ばしても死なないことが確認されている」
「確かに、あれは純粋な吸血鬼ではなく、吸血鬼とゾンビを掛け合わせたような印象を受けたな」
 黒井の言葉を聞いて真行寺恭介が呟くように言った。
「我々は、ウィルスが宿主を動かしているのではないかと考えている」
「どういうこと? わかりやすく説明してよ」
 それまで黙って話を聞いていた御子柴要が不満そうに吐き捨てた。
「ある意味、条件反射で動いているだけのようなものだ。ウィルスに侵されることで、脳などの器官は破壊され、宿主は死亡する。だが、ウィルスは子孫を残さなくてはならないため、宿主の肉体を操作して次の宿主を求める。それが人間を襲う理由だろう」
「なるほど。狂犬病のようなものか」
 面白いたとえであったが、恭介の言葉はウィルスの特性を全員に理解させるには打ってつけのものであった。それまで理解不能といった顔をしていた要も、その言葉で納得がいったように大きくうなずいた。
「確かに、狂犬病と似ているかもしれない。だが、こちらのほうがはるかに厄介だ。過去のデータから判断するに、恐らくひとかけらの肉片が残ってさえいれば、そこから復活してしまうと考えたほうがいい」
「つまり、肉片すら残らないように消滅させなければならない、というわけですね」
 ジェームズの言葉に黒井がうなずきを返した。
「あるいは、化物の体内にあるウィルスを破壊してしまうか、だ」
「その化物に対する対抗策は?」
 亜真知が言った。黒井が会議室の片隅にいた部下へ視線を送ると、アタッシュケースを抱えた部下がテーブルへ近寄り、ケースを置いた。
 電子錠を開錠して蓋を開けると、そこにはスポンジに似た灰色の衝撃緩衝材に包まれた無数の銃弾が収められていた。
「先ほども言ったように、あの化物はウィルスが死亡した宿主の肉体を動かしているだけにしか過ぎない。それは、体内に巣食っているウィルスをなくせば、おのずと化物も倒せるということだ」
 黒井の言葉に応じるように部下が銃弾を配る。
「我々は、旧帝国陸軍が残した資料から、抗ウィルス薬――ワクチンを急ピッチで作成した。この銃弾にはワクチンが仕込まれている。また、連中が吸血鬼であった場合のことも考慮し、弾頭は渋谷にあるキリスト教会の大十字架を熔かして製作された銀製の弾だ」
 古来より吸血鬼の弱点とされているのは、太陽の光、銀、聖書、ニンニク、流れる清らかな水である。特に教会の十字架に使用されている銀は長年、聖なる儀式を受け続けてきたため、一切の不浄を取り除かれ、吸血鬼を倒すには格好の武器になると言われている。
「この銃弾を使用し、化物どもを駆逐してもらいたい。万一、この銃弾が通用しなかった場合は、ただちに撤退しろ。暗渠につながった入り口を封鎖し、次の対策を練る」
「銃器は貸していただけるのですか?」
「必要な物資は、すべてこちらで用意する」
 ジェームズの問いかけに黒井が答えた。
「地下通路の地図などはありますか?」
 亜真知の言葉に反応するように映写機の映像が切り替わった。
「旧帝国陸軍の資料から発見した地下通路の地図だ。だが、これが全容というわけではない。見ての通り、ところどころ抜け落ちている箇所がある。これに関しては実際にもぐって見なければわからない。あとで同じものを全員に配布する」
 表示された地図は縮尺を考えても広大なものであった。ところどころ、虫食いのように記載されていなかったり、地図の上端――北側は描かれていない場所が多い。
 地図の南端にある通路に、赤いバツ印が明記されていた。それは最近になって書かれたもので、地下通路へ潜った人間たちは、それが渋谷川の暗渠につながった位置を特定しているのだということに気がついた。
 また、同じく地下通路へ潜った経験のある恭介は、地図を眺めていて、その広大さに思わず眉をひそめた。この地図に記されている情報を信じるならば、地下通路は代々木公園とほぼ同等の広さがあるということになる。
 その後、綿密な打ち合わせが行われ、突入する部隊の編成などが決定した。

「我々は左へ進もう」
「前は右だったよね?」
 その言葉に対して反射的に茶々を入れる要を、睨みつけるように恭介は見た。決して望んだわけではないが、部隊を編成する際に、黒井の判断で同じチームとなった。
 互いに黒の戦闘服を身に着け、サブマシンガンなどで武装している。全員、頭部装着型のスターライトスコープを装備している。チームは10人1組。これは通信兵も含めた数で、暗渠と地下通路の各所に中継機を設置することでクリアな無線通信を行えるようにしていた。
 恭介と要の他は、都市整備開発機構に所属する戦闘のプロであった。いずれも自衛隊や警察の特殊部隊――SATなどで高度な訓練を積んだ人間たちであることは明白だ。
 そんな猛者どもがいる中で、自分が部隊の指揮を任されたことを恭介は意外に感じていた。黒井いわく、地下へ潜って化物と対峙した経験があり、なおかつ戦闘訓練を受けている恭介ならば、適任だということであった。
 だが、武芸こそ学んでいたものの、都市整備開発機構の人間たちのように、専門的な戦闘訓練を受けたことがあるわけではない。恭介の戦闘技術は、すべて実戦において身につけてきたものだ。
 そのため、黒井の判断にはどうしても疑いを抱いてしまう。部隊の指揮権を与え、行動を制限させることで、恭介の単独行動を牽制しようとしているように感じられた。後ろに控えている部隊の人間を信用していないわけではないが、その視線は恭介の行動を監視しているようにも思えてならなかった。
「右はチーム・アルファが行った。俺たちは左だ」
「うん。わかった」
 素直に要はうなずいた。
 この少女と一緒にいると、どうも自分のペースが狂わされるのを恭介は実感した。それは、要が誰にも同じように接するせいかもしれない。
「こちら、チーム・ブラボー。十字路を左へ向かう」
「本部、了解」
 無線を介してイヤホンからオペレーターの声が響いた。恭介の合図により、黒服で全身を覆った10人は、左側の通路を奥へと進んだ。

「こちらチーム・アルファ。銃弾は効果あり。繰り返す、銃弾は効果あり」
 通路を進んでいた恭介の耳に届いたのは、銃弾の効果を報告するグレイの言葉であった。
 そこから、チーム・アルファが化物と接触、戦闘状態に突入したことを恭介は瞬時に理解していた。
 しかし、銃弾の効果が保障されたことは、恭介たちの胸中に渦巻いていた不安を少なからず減少させる効果をもたらした。通用するのかわからない武器を携帯して化物の巣を進むほど不安なことはない。
 同じように無線を聞いていた隊員の士気が向上したのがわかった。
 前方を警戒しながら進んでいた恭介たちは、通路を塞ぐように設置された1枚の扉を発見した。それは鋼鉄製の古い扉で、所々に錆が浮かんでいる。扉の反対側からは、なにかが蠢くような音がかすかに聞こえ、向こう側になにがあるのかを誰もが理解した。
「開けます」
 先頭を歩いていた隊員が取っ手を握った。他の隊員たちが射線を遮られない位置に立ち、扉へ銃口を向けて構える。
 蝶番のきしむ音を響かせながら扉が開いた。
 次の瞬間、隊員たちは暗闇の中に蠢く無数の紅い光点を見た。
 サブマシンガンの銃身下部に設置されたタクティカルライトが、暗闇に包まれた空間を切り裂くように照らした。それぞれの頭部に装着されたスターライトスコープが、ライトの光を増幅して緑がかった鮮明な光景を全員に見せていた。
 数十人の化物がいた。
 そこは20メートル四方の広い部屋であった。その中を数十人の化物がなにかを求めるかのように歩き回っている。
 旧帝国陸軍の軍服を着ている者もいれば、明らかに一般市民としか思えない女性もいる。だが、彼らに共通しているのは、生気のない土気色の顔で足を引きずるようにして歩くということだった。その姿はブードゥー教に伝わるゾンビ――歩く屍そのものであった。前回、恭介たちが潜った時に見た化物と同じであった。
「こちらチーム・ブラボー。敵と遭遇。これより戦闘に入る」
 恭介が無線に告げた。
「撃て! 撃て!」
 叫ぶように吐き出された1人の隊員の言葉に反応し、他の隊員たちがサブマシンガンを構えて発砲を開始した。
 消音器を装着しているとはいえ、銃声を完全に消し去ることができるわけではない。くぐもった破裂音にも似た無数の音が室内に乱舞した。まるで射撃の練習でもしているかのような錯覚に陥りながらも、恭介たちは引金を引き続けた。
「やめ! やめッ!」
 しばらくして銃声にかき消されそうになりながらも恭介の声が響いた。
 気がつくと、化物どもは残らず床に倒れていた。だが、驚異的な回復能力を聞いていたため、誰も化物から銃口を外す者はいなかった。
 しかし、しばらく時間が経過しても化物が起き上がる様子はない。サブマシンガンを構えながら恭介は床に倒れる化物の1体に近づき、つま先で小突いた。
 銃弾に込められたワクチンの効果は間違いなくあったようだ。化物の体内にあったウィルスを破壊したということなのだろう。
「よし、このまま進むぞ」
 恭介の声が室内に反響した。

 さらに通路を進んだチーム・アルファの面々は、鍵のかけられた扉にぶつかった。
 GPS――全地球測位装置を利用した位置特定システムによると、代々木公園の南側の地下であるようだとジェームズは理解した。
「どうですか?」
 扉を調べていたグレイに向かってジェームズが訊ねた。
「ダメだな。鍵は開けられそうにもない」
「では、引き返しますか?」
「いや、引き返しても意味はないだろう。この扉をこじ開けて先へ進もう」
 扉にかけられていたのは古い単純な構造の錠前であったが、内部が錆びついていて動きそうもないため、グレイは破壊して扉を開けることを決断した。
 グレイの指示で隊員の1人が大型のバールを持ってきた。それを扉と枠の隙間に差し込み、強引に鍵を破壊しようとする。扉が歪み、枠が壁に押し込まれた。
 やがて鍵が破壊され、扉が開いた。
 サブマシンガンを構えた隊員たちが室内へ突入し、タクティカルライトで周囲を照らして状況を確認する。
「が……ッ」
 その時、闇の中に誰かの声が響いた。瞬時に反応した隊員たちが声のしたほうへ視線を向けるが、スターライトスコープで増幅された視界にはなにも映らなかった。
 だが、その空間を見た隊員は違和感を覚えた。少し前まで、そこには仲間がいたのではなかったのだろうか、と。
 次の瞬間、ガシャリ、と音を立てて落下してきたサブマシンガンが床に転がった。
 ゆっくりと天井を見上げる。と、天井に張りついていた異様な物体を見つけ、隊員は固まった。
 天井からは仲間がぶら下がっていた。しかし、頭部があったはずの部分にはグロテスクな形をした化物が噛みつき、今にも仲間を食べようとしているように感じられた。
 ポタリ、と鮮血とおぼしき雫が床に滴り落ちるのを隊員は見た。
 化物はゆっくりと咀嚼し、徐々に仲間の体が化物の口へ消えて行く。
「う、うあぁぁぁぁぁぁぁわあぁぁぁぁッ!!」
 一瞬にしてパニックに陥った隊員は天井へ銃口を向けると、訳もわからないままサブマシンガンを乱射した。
 くぐもった銃声が室内に反響する。
 銃口から吐き出された無数の銃弾が、化物に突き刺さった。
 10秒と経たぬうちに弾倉が空になったが、それにすら気づかないまま隊員は引金を引き続けていた。
「どうしました!?」
 銃声を聞きつけたジェームズやグレイらがライト向ける。しかし、そこには恐怖に怯えた表情をし、狂ったように天井へ向けて引金を引き続ける隊員の姿があるだけだった。
 弾が切れたことも理解できない様子で、隊員は何度も何度も引金を引く。
 その様子を不審に感じたジェームズは、銃口が向いている天井へライトを当てた。
「なんですか、これは?」
 天井に張りついていた化物を目の当たりにし、ジェームズは珍しく驚愕に震える声で呟いた。長年、様々なものを見てきたが、その中でも最も醜悪と評しても良い形状をしていた。その口に咥えた隊員の体を、ゆっくりと咀嚼している。
 その体は人間を二回りほど大きくした程度だろう。腕が異常に長く、手足からは鋭利な爪が伸び、それが天井へと食い込んで体を逆さまに支えている。
 毛はなく、ぬめりを帯びたような輝きを放つ肌が全身を覆っている。目は紅く輝き、それは血に飢えているようにも感じられた。
「化物!」
 ジェームズは素早く照準を合わせ、サブマシンガンを発砲した。
 両腕、右肩への断続的な衝撃とともに、銃口から放たれた無数の銃弾が化物と、その口に咥えられた隊員の死体に着弾した。
 それに呼応するように、グレイや他の隊員らも化物へ向けて発砲する。
 誰彼構わずに生理的な嫌悪感を与える容姿をした化物を前にして、その場にいた全員がサブマシンガンの弾倉が空になるまで撃ち続けた。
 しかし、対化物用のワクチンを注入した銃弾は効いていないようで、100発以上の銃弾を受けながらも、何事もなかったかのように死体を口に咥えたまま床へと下りた。その真下にいた隊員が小さな悲鳴を漏らしながら慌てて逃げ出す。
 手早く予備の弾倉に交換したグレイとジェームズは、それぞれ化物の頭部を狙って続けざまに発砲した。
 無数の銃弾を喰らい、死体の上半身ごと化物の頭部が吹き飛んだ。
 だが、先ほどまでのゾンビへ普通の銃弾を撃ち込んだ時と同じように、吹き飛んだ周辺の肉組織が急速に盛り上がり、瞬く間に頭部を回復させた。
「効かない!?」
 思わずジェームズは驚きの声を漏らしていた。都市整備開発機構が製造した銃弾が、すべての敵に通用するとおもっていたわけではないが、それでもここまであっさりと効かない敵に遭遇しては、悪態の1つでも漏らしたくなるというものだ。
「だいじょうぶかっ?」
 次の瞬間、グレイたちが入ってきた場所とは別の扉が破壊され、チーム・ブラボーの恭介たちが部屋に突入してきた。
 しかし、目の前にたたずむ化物を見て、一瞬、恭介たちもその不気味さに息を呑んだ。
「なんだ、こいつは?」
 それまで遭遇していたゾンビタイプとは明らかに異なるグロテスクな外見に、恭介は眉をひそめ、要は嫌悪感をあらわにしていた。
「ワクチンが通用しません!」
 ジェームズの言葉に、恭介は渋面にも近い表情をした。
 だが、すぐに状況を判断してサブマシンガンを放り捨てると、腰の後ろに装着したホルスターから大型拳銃に似た物体を引き抜いた。
 恭介は武器を構え、化物に照準を合わせてスイッチを押した。銃口に当たる部分に装着されたライトから紫外線が照射されて化物の肉体に当たる。
 直後――
 耳をつんざく絶叫が化物の口から漏れた。
 紫外線の触れた箇所が焼け爛れ、化物は咥えていた死体を放り出し、大きく飛び跳ねて再び天井へ張りつくと、凄まじい速度で闇の中へ消えた。
「気をつけろ! まだ近くにいるはずだ!」
 化物が消えた方向を睨みつけながら恭介が叫んだ。
「なんだ、あれは?」
 忌々しげな口調でグレイが吐き捨てた。だが、その問いに答えられる人間は誰もいなかった。
「うわぁぁぁぁああぁっ……」
 その時、闇の中から悲鳴が聞こえた。部屋にいた全員が素早く反応して声のしたほうを振り向く。
 そこには鋭い爪で引き裂かれ、上半身と下半身に体を分離させられた隊員が転がっていた。大量の鮮血が辺りに飛び散り、室内はむせ返るような血の臭いに包まれる。
「何人かで固まれ! 死角を作るな!」
 グレイが声を上げた。現時点では、それが精一杯の指示であった。
 いかに訓練された人間といえども、暗闇の中で恐怖に駆られれば、簡単にパニックへ陥る。今、隊員たちがパニックへ陥れば、全滅するかもしれないとグレイは危惧した。
 正常な判断ができない状況では、人間は持っている能力の半分も使うことはできない。その状態で襲われれば、百戦錬磨の猛者であろうとも反撃できないまま殺される可能性は否定できない。
「恭介。その武器はなんなのですかっ?」
 ジェームズが恭介に声をかけた。あの瞬間、恭介の手にある武器が化物を退けたのは確かであった。
「紫外線照射装置だ」
「なるほど。吸血鬼が苦手だとされている紫外線ですか」
 その言葉にジェームズが納得した。確かに吸血鬼は紫外線を受けると、重度の火傷を負って滅びるとされている。この地下通路に蠢いている化物は厳密には伝承にある吸血鬼ではないが、それでも吸血鬼に酷似した特性を持ち合わせている。
 以前、黒井からゾンビタイプの化物に関する話を聞いていた恭介は、太陽を浴びて滅んだという情報から、紫外線が弱点となりうるかもしれないと考え、小型ながらも強力な紫外光線を照射する機械を持参したのだった。それが功を奏したようだ。
「こちらチーム・アルファ。地下通路、北側にて新タイプの化物と交戦中。ワクチンは通用しない。2人やられた」
 無線に状況を告げるグレイの声が室内に反響した。
「紫外線が弱点なら、手がありませんか?」
 ジェームズの問いに恭介は眉をひそめた。
「この程度の発生装置では微妙だな。今のままでは化物の表面を焦がすだけでしかない。もっと増幅させ、1度に滅ぼせるような代物でないと」
 それに関しては恭介の誤算であった。また、大型の紫外光線照射装置を持ち込めなかったということもある。だが、それにしても化物があれほどの耐性を備えているとは思いもしなかった。
「ぐ……がっ……」
 闇の中にうめきが漏れた。また1人、誰かが犠牲になったのだろう。
 隊員たちは多くが4人1組で背中合わせに固まり、敵に対して死角にならないようにしているが、天井に張りついた化物は、頭上から長い腕を伸ばし、隊員たちを掴み、引き裂いて次々と屠って行く。
 次の瞬間、闇の中に無数の鬼火が発生した。それらはグレイの周囲を音もなく漂い、周囲を明るく照らした。要には、その鬼火が真界から引き出した力場の具現化であることが理解できた。
 明かりに照らされ、部屋の天井を移動する化物の姿が見えた。だが、すぐに鬼火の光が届かない闇の中へ逃げ込もうとする。意識を集中させ、要も真界へ意識を伸ばした。その瞬間、十数個の鬼火が新たに出現し、室内を手出し出した。
 そこで全員が初めて部屋の全容を知ることができた。そこは横20メートル、縦40メートルほどの広大な部屋で、奥のほうにいくつもの機材が並んでいるのが見えた。
 俊敏な動きで天井を移動する化物へ向け、隊員たちが発砲する。銃弾が効かないと理解していても、攻撃を加えずにはいられないのだろう。
「どうする? 地上までおびき出すというのも手だが?」
「そんなこと、する必要はないわ」
 恭介の言葉に、いつの間にそこにいたのか、チーム・チャーリーを率いる葉明が言った。
「それは、どういうことです?」
 葉の言葉にジェームズが疑問を返した。
「真界を覗ける人間が3人もいるのだから、銃弾が効かなくても、化物を倒せると思うけど?」
「どうやってですか?」
「例えば……」
 そう言うと、葉は集中した。直後、彼女の周囲にある空間が歪み、まるでそこに見えないレンズがあるかのように葉の姿が湾曲した。
「空間を操作してレンズを作れば、紫外線を増幅させることはできないかしら?」
 そこまで言われ、その場にいた全員がなにをすれば良いのかを理解した。
 天井を移動していた化物が、隊員へ飛びかかった。サブマシンガンを乱射して応戦するものの、その隊員は頭を食いちぎられて絶命した。
「いくよ!」
 要の声に応えるかのように、隊員の死体を咀嚼する化物の周囲が歪んだ。
 空間を歪ませてレンズ状態にしたのだと理解した瞬間、恭介はレンズ同士のわずかな隙間を狙って紫外光線を照射した。
 空間湾曲レンズに当たって反射した紫外光線が、レンズで覆われた空間の内部で乱反射を続け、増幅した。
 肉体が激しく焼け爛れ、化物はその場から逃げ出そうとする。
「させませんよ!」
 ジェームズの右手が閃いた。化物の動きを遮るように、不意に地中から出現した黒い槍状の物質が、円錐状に化物の周囲を取り囲んだ。
 絶え間ない紫外線にさらされ、化物の肉体が徐々に朽ち始める。
 だが、それは微々たるものでもあった。
 その驚異的な回復力により、紫外線で全身を焼かれながらも、肉体が傷を回復しようとしているのがわかった。
 このままでは埒が明かないと誰もが思った。
 紫外光線は確実に化物へダメージを与えているが、それは微々たる速度だ。このままでは1体を倒すのに凄まじい時間を要するのは明白であった。
「滅びなさい」
 淡々とした亜真知の声が響いた。
 次の瞬間、化物の肉体が崩壊を始めた。手足の先端から塵と化し、サラサラと宙を舞った。その塵に紫外線が当たり、跡形もなく消え去る。
 森羅万象――亜真知が持つ能力の1つだ。世界を支配する法則を自在に書き換え、すべてに干渉することができる。だが、様々な弊害を生むため、多用できるものでもない。
 瞬く間に化物は消滅した。

 以後の調査で、地下通路にいた化物は完全に殲滅されたことが確認された。
 地下通路には他に出入り口はなく、渋谷川の暗渠とつながっていた入り口も、都市整備開発機構の手により、完全に封鎖されることが決定していた。
 しかし、最後に現れたワクチンの通用しない化物がなんなのか、旧帝国陸軍の資料にも一切の記載がなく、それは最後までわからなかった。
 また、地下にはゾンビタイプとは別の化物が存在していた形跡がいくつもあったが、その化物の死骸などは発見することができなかった。
 まだ存在しているのか。滅びたのか。
 存在しているとしたら、それらはどこへ消えてしまったのか。
 地下通路に巣食う化物を殲滅し、通路を封鎖するという当初の目的は達成したものの、いくつかの謎は残されたように感じられた。

 完


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
 1593/榊船亜真知/女性/999歳/超高位次元知的生命体・・・神さま!?
 2512/真行寺恭介/男性/25歳/会社員
 5128/ジェームズ・ブラックマン/男性/666歳/交渉人&??

 NPC/黒井和重/男性/30歳/副室長
 NPC/グレイ・レオハースト/男性/32歳/始末屋
 NPC/マザー/女性/45歳/クラブ「ディセンド」のオーナー
 NPC/葉明/女性/25歳/犯罪組織のボス
 NPC/御子柴要/女性/16歳/ピースキーパー(自称)

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■         ライター通信          ■
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 はじめましての皆様。九流翔と申します。
 そして毎度、ご依頼くださる皆様。今回もご依頼いただきありがとうございます。
 遅くなりまして申し訳ありません。長々となってしまいましたが、このような結果となりました。
 リテイクなどございましたら、遠慮なく申し付けください。
 では、またの機会によろしくお願いいたします。