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■もののけと大掃除!■

伊佐長哉
【3055】【新開・直】【予備校生】
「これは、また…」
いつもよりしわがれた声で晃が呟き、ゴホンゴホンとむせ返る。
出先で風邪を引いてしまい、体調は絶不調だった。
障子の僅かな隙間から狭い部屋を覗くと、中は所狭しと散乱した大小様々な箱と、その中身たち。

「…ごめんなさい…」
しゅん、とうなだれる小さな頭。
留守番をしていた てる(仮名)が小さな声で言った。
「探し物してて、押入れを空けたら一杯倒れてきて…片付けようと思ったんだけど…」
出来ない、のだ。

あの押入れの中にはかつて晃が小物に封じたモノ達が押し込められていた。
一つ一つはたいした害の無い、いろんな「モノ」達。
しかし同じような物の怪である てる(仮名)の気に当てられ、微かにざわついている。

いつかきちんと片付けようと思いつつ、すっかり放置してあったそれらは
封印の効力が弱くなっている物もあるかもしれない。
一度に出て来られたら少しばかり厄介…いや、
絶不調の晃にとってはできれば避けたい事態だった。

ごめんなさい、ともう一度下がる頭に軽く手を乗せる。
「いいよ、片付けて無かった僕が悪いんだし」
「そや、てるはなぁんも悪ない。あんだけ放置しとったんや。
遅かれ早かれこうなるわな。晃がそんな状態じゃ、こっちもなぁんも出来へんしなー。」
朋夜の呑気な言葉は、激しい咳に遮られた。


晃は無言で障子をしっかりと閉め、道具を取りにカウンターに降りた。
ガムテープで簡単に目張りする。
和紙に朱で大きく「封」と書き、障子に貼った。
「すぐに片付けたいけど、今のトコ、これが精一杯…」
だるそうに腰を降ろし呟く。

「しゃあないなぁー。このままにしとく訳にいかんし…誰か、手伝ってくれる人探さなかんなー…」
朋夜は大げさに溜息をついて見せた。



「てな訳でな、ちょっと物の怪(?)退治をお願いしたいんよ。
大丈夫大丈夫。そんな凶悪なのはおらへんし、方法もお任せや。
きっちり退治もよし、封印し直しもよし、なんならお持ち帰りでもOKやで〜♪」