■魔術学院 INNOCENCE / 入学試験■
藤森イズノ |
【7348】【石神・アリス】【学生(裏社会の商人)】 |
異界の森の中にある学校…魔術学院INNOCENCE。
ここには、老若男女・多種多様な者が生徒として在籍、
生徒達は日々、最終目標に向けて鍛錬を重ねている。
白亜の石造りで、神秘的な雰囲気を持つ学院。
フラリと立ち寄ってみると、まさに入学試験の真っ最中。
各所から足を運んだ、入学を希望する者で溢れ返っている学院正門前。
その賑やかな光景を嬉しそうに見やっている少年と少女。
「おー。今回も、すげーな」
「そうね」
「ふっふっふ。また友達増えるな」
「…そうね。あんたは」
「今更だけどさ。お前って、どーして、そんなに冷めてんの?」
「別に冷めてないわよ」
「新しい友達!楽しくなる授業!ワクワクするだろ。フツー」
「…そうね。あんたは」
「………つまんね」
他愛ない話をしている少年と少女の胸には、黒猫のバッヂ。
それは、学院の生徒である証だ。
実に多種多様な入学希望者を遠巻きに見ていると、
一人の男が近寄ってきた。
男は銀の短髪、長身で眼鏡をかけている。耳には黒猫のピアス。
それは、学院の教師である証だ。
男は優しい笑みを浮かべて尋ねる。
「こんにちは。キミも入学希望者?」
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INNOCENCE 学園パラレル@入学試験
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OPENING
異界の森の中にある学校…魔術学院INNOCENCE。
ここには、老若男女・多種多様な者が生徒として在籍、
生徒達は日々、最終目標に向けて鍛錬を重ねている。
白亜の石造りで、神秘的な雰囲気を持つ学院。
フラリと立ち寄ってみると、まさに入学試験の真っ最中。
各所から足を運んだ、入学を希望する者で溢れ返っている学院正門前。
その賑やかな光景を嬉しそうに見やっている少年と少女。
「おー。今回も、すげーな」
「そうね」
「ふっふっふ。また友達増えるな」
「…そうね。あんたは」
「今更だけどさ。お前って、どーして、そんなに冷めてんの?」
「別に冷めてないわよ」
「新しい友達!楽しくなる授業!ワクワクするだろ。フツー」
「…そうね。あんたは」
「………つまんね」
他愛ない話をしている少年と少女の胸には、黒猫のバッヂ。
それは、学院の生徒である証だ。
実に多種多様な入学希望者…を遠巻きに見ていると、
一人の男が近寄ってきた。
男は銀の短髪、長身で眼鏡をかけている。耳には黒猫のピアス。
それは、学院の教師である証だ。
男は優しい笑みを浮かべて尋ねる。
「こんにちは。キミも入学希望者?」
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「え?えーと……」
眼鏡の男に声を掛けられて、多少戸惑う。
石神・アリスは、偶々この場に居合わせただけで、
試験を受けに来た!という入学希望者ではない。
返答に迷うアリスを見て、眼鏡の男はニコニコと微笑み、
入学しない?試験だけでも受けてみない?と勧めた。
要点を纏めれば、入学推薦なのだが、
男の台詞や態度は、ナンパに近い。
アリスの腕や頭に、やたらと触れつつ話すのだ。
男は、この学院で教師をしているそうで。
赤坂・藤二という名前らしい。
アリスと話しつつも、行き交う他の入学希望者に目を配っている。
それも、女の子ばかりに。
随分と女好きな教師だ。
こんな男が教師をやってる学院…大丈夫なのだろうか。
などと思いつつ、加えて馴れ馴れしい藤二の態度に不快を抱きつつ。
アリスは考えた。
(魔法…ね。ふぅん)
藤二の話を聞く限り、この学院は『魔術学院』らしい。
あらゆる魔法を勉強し、鍛錬に励むのだそうだ。
魔術・魔法というものに興味・関心があるアリスは、
やがて、『試験を受けてみよう』という結論を出す。
*
藤二に案内されて踏み入った学院内。
一階ホールにて、試験は行われていた。
白亜の空間の中で、入学希望者たちは、真剣に試験に臨んでいる。
試験は、簡単なペーパーテストと、学院長との面談、それだけとのことだ。
アリスは適当な席に座り、机の上に置かれている問題用紙と答案用紙をヒラリと引っくり返す。
なるほど、確かに『簡単な』ペーパーテストだ。
テストというよりは、アンケートに近い。
悩むことなく、スラスラと答案用紙を埋めていく。
アリスの答案用紙は、これだ。
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魔術学院 INNOCENCE 入学試験 答案用紙
名前(ふりがな):石神・アリス(いしがみ・ありす)
Q1:魔法とは何か。自分の言葉で述べよ。
(自分の夢をかなえてくれる技術)
Q2:魔法における五大元素を答えよ。
(炎、水、風、光、雷)
Q3:魔法に興味があるか答えよ。
(かなり興味があります)
Q4:専攻し極めたい魔法の属性を挙げよ(1つのみ)
(地属性の魔法・石化魔法)
Q5:自分の体術(戦闘)スタイルを述べよ。
(魔眼を使ったヒット&ウェアー)
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ものの三分で埋まった答案用紙。
埋めたものの…これから、どうすれば良いんだろう。
キョロリと辺りを見回すアリス。
答案用紙を埋めた受験者たちが、順に呼ばれていることに気付く。
どこへ連れて行かれるのかは、わからないが…。
もう一つの試験内容である、面談を行う為に、呼ばれているのだろう。
アリスは席で大人しく、自分の名前が呼ばれるときを待つ。
待機しつつ見回す学院内。内部も白亜で、とても美しい。
あまりの白さに、眩暈を覚えてしまいそうだ。
なぁ、慣れれば…何の問題もなさそうだけど。
ペンをクルクルと回しながら、そんなことを思っていると。
「石神・アリスさん。こちらへどうぞ」
名前を呼ばれた。アリスはカタンと席を立ち、
答案用紙を持って、こちらへどうぞと促す案内人の後を着いて行く。
連れて行かれたのは、長い回廊を進んだ先にある、銀の扉の前。
扉の上では『学院長室』と書かれたプレートが浮かんでいる。
なるほど、ここが学院長室か。アリスは扉を開け、中へと入っていく。
扉の先にいたのは、灰色のローブを纏った老人。
この老人こそが、学院長である。
答案用紙を渡すと、学院長はサラリとそれに目を通し、
アリスに、いくつかの質問を飛ばした。
出身地や年齢、誕生日など、当たり障りのない内容がほとんどだが、
中にはハッとさせる質問もあった。
アリスは魔眼の所有者で、見つめた者を石と化す能力を備えている。
学院長は、パッと見ただけで、アリスの、その能力に気付いたのだ。
こうして向かい合って話しているだけで、十分に理解る。
さすが学院長…といったところか。かなりの魔力を備えている。
挑んでも、到底敵わぬであろう。凄いジイちゃんがいたものだ。
*
学院長との面談を終えて、ホールへと戻ろうとしたアリス。
と、そこへ、藤二が微笑みつつ近寄ってくる。
社交辞令…ということで、ペコリと軽く頭を下げると、
藤二は「おめでとう」と言って、小さな箱を差し出した。
何だ?と思いつつ、箱を開けてみると…そこには、黒猫のバッジ。
これは、学院生徒し与えられる、在学生徒の証となるもの。
あっさりと合格したアリスは、こんなに簡単なのか…と肩透かしをくらった。
さほど意気込んで臨んだわけではないけれど、
ここまであっさりしてると、張り合いがないというか何というか。
まぁ、合格できたことは事実だし、ありがたく頂戴しておこう。
アリスは、受け取った黒猫バッジを胸元に着けた。
藤二から受けた説明によると、通学・登校は自由。服装も自由とのこと。
要するに、気が向いたときにフラリと来て、勉強することが可能だということだ。
本業や仕事の合間に通学している生徒が、ほとんどだという。融通のきく学院だ。
藤二と別れ、貰った資料に目を通しつつ学院内を歩くアリス。
学院は広く、どこに何があるのかを把握するのが大変だ。
(学食…あ、図書室もあるのね、楽しそう)
資料をパラパラとめくり『学院構造』で内部を確認していると…。
「あっ!!新入生みっけー!!」
背後から、元気な声が飛んできた。
振り返ると、そこには少年と少女。
少年は、黒いパーカーに黒いニット帽を被っており、
少女は、水色の長い髪を左右で束ねている。
二人の胸元にも黒猫バッジ。彼等も、在学生のようだ。
ペコリと頭を下げて挨拶するアリス。
三人は、挨拶と自己紹介を交わした。
少年の名前は、黒崎・海斗。
少女の名前は、白尾・梨乃。
海斗は炎の魔法を、梨乃は水の魔法を専攻しているそうだ。
「よろしくなー!!」
「よろしく御願いします」
海斗は自由奔放というか何というか、気さくで天真爛漫。
裏表のない、素直で無邪気な少年。
梨乃は礼儀正しく、それでいて気配りのできる良いコ。
アリスはニコリと微笑み「よろしく」と言って、二人と握手を交わした。
晴れて、魔術学院の生徒となったアリス。
この先、どんな学院生活が待ち受けているのだろうか。
…そういえば、梨乃との握手が、やたらと長かったが…その理由は一体?
退屈しない学院生活になりそうだ、とアリスはクスリと微笑を浮かべる。
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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■■■
7348 / 石神・アリス (いしがみ・ありす) / ♀ / 15歳 / 学生(裏社会の商人)
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / 魔術学院 INNOCENCE:生徒
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / 魔術学院 INNOCENCE:生徒
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / 魔術学院 INNOCENCE:教師
■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは! ようこそ、いらっしゃいました! ('∀'*)ノシ
ゲームノベル”INNOCENCE・学園パラレル”への参加・発注ありがとうございます。
発注・参加 心から感謝申し上げます。 気に入って頂ければ幸いです。
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2008.04.17 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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