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■INNOCENCE / ナンパと説教 (限定受注)■

藤森イズノ
【7433】【白月・蓮】【退魔師】
「おっ。丁度いいとこに」
ニコニコと満面の笑みで近寄ってくる藤二。
屈託のない笑顔に感じる、嫌な予感。
それは見事に的中してしまう。
「ちょっと付き合ってよ。暇でしょ?」
藤二は、これからナンパに出掛けると言う。
嫌だ、興味ないと いくら断っても無駄。
無理矢理引きずられ、同行する羽目になってしまった…。

街へと向かう最中、何だか視線を感じる。
振り返っても…誰もいない。
(何だ、この感じ…)
背筋に走る悪寒と、またもや嫌な予感。
それも…見事に的中してしまうなんて。
INNOCENCE ナンパと説教

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OPENING

「おっ。丁度いいとこに」
ニコニコと満面の笑みで近寄ってくる藤二。
屈託のない笑顔に感じる、何だか楽しそうな予感。
そして、それは見事に的中した。
「ちょっと付き合ってよ。暇でしょ?」
藤二は、これからナンパに出掛けると言う。
蓮は躊躇うことなく「いいよ」と即答。

だが、街へと向かう最中、何だか視線を感じる。
振り返っても…誰もいない。
(何だろ、この感じ…)
背筋に走る悪寒と、嫌な予感?

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「どうした?」
後ろをやたらと振り返り気にする蓮に尋ねる藤二。
「ん。あ、いや、何でも」
蓮はニコリと笑って返す。
気のせいかな…いや、気のせいじゃないよな。
確かに視線を感じるんだよね。
うまいこと隠れてるみたいで尻尾を出さないけど。
まぁ、危険な感じはしないし…放っておいても大丈夫、かな?
街へ向かう最中、蓮と藤二はナンパについて意見交換。
この台詞は成功率が高いとか、
こういう角度から見下ろして言うと一層カッコ良く見えるっぽいとか、
成功例・失敗例を交えて、様々な意見交換を続けた。
そんな中、藤二はとある提案をした。
「勝負しようか」
「ん?」
「どっちが多くガールフレンド作れるか。どう?」
「あははっ。いいよ。腕が鳴るなぁ」
「相手に不足ナシ、だからね」
「っはは。まったく、そのとおりだ」
藤二の提案と宣戦布告に乗った蓮。
二人は、ナンパ勝負をすることに。

街は今日も賑わい、多くの者が行き交う。
活気溢れる街で、蓮と藤二はノリノリ。
二人は行き交う者の中、可愛い或いは綺麗な女性ばかりを見やっている。
異界には、あらゆる人種、種族が存在している。
まさに十人十色。目移りしてしまうほどに。
「よし…始めようか」
「いつでもどうぞ」
「また二時間後、ここでね。じゃあ…スタート」
パチンと指を弾く藤二。
ナンパ勝負、開始。

さてさて、まずは藤二サイド。
(可愛いコ、多いな。いいね、うんうん)
慣れた足取りで街を闊歩する藤二。
人でごったがえしている大通りをスルリスルリと抜けて…。
遠目から見ても、可愛いと判断できた、とある女の子の元へ向かう。
「や。こんにちは」
「はい?あ、こんにちは…?」
キョトンを見上げる女の子。
歳は…二十歳そこらだろうか。
服装は赤いオーバーオールにトレーナー。
長い黒髪を一つに束ねている…ボーイッシュな感じの女の子だ。
けれど顔立ちは整っている。美人の類。磨けば、もっと光りそう。
女の子はキョトンとしながらも、藤二の言葉に耳を傾けた。
女の子が手に持っている袋には、某ロックバンドの最新シングル。
このロックバンドは、藤二も好き。
故に自然と会話は弾む。
持っている物、着けているアクセサリーや香水など、
女の子の全身、存在を藤二は肯定し、あれこれと褒め言葉を述べる。
相手を褒める、という行為はナンパにおいて基本的なものだが、
あまりワザとらしく褒めると警戒されたり、呆れられたりしてしまう。
けれど『自分』を褒められて喜ばない女の子は、そうそういない。
褒めるというよりは感心したり、色々尋ねたり。
女の子が心地よくなるよう…藤二は言葉を選んで華麗に踊らせる。
いつしか、夢中になってしまうターゲット。
女の子の可愛らしい笑顔に、自然と笑んでしまうのは、いつものこと。

さて、お次は蓮サイド。
(あぁ、いいかも)
どうやら、お好みの女の子を発見したようだ。
蓮が見やるのは、アクセサリーショップの前で俯いている女の子。
誰かを待っているのだろうか、腕時計をしきりに確認している。
服装はAラインのワンピース、バッグは某ブランドのもの。
ショートヘアで…人形のような顔立ちをしている。お嬢様タイプかな。
蓮は女の子の隣に移動し、何食わぬ顔で大通りを見回す。
まぁ、見回している”フリ”で、女の子の様子を確認する行為が本分。
近くで見ると、益々可愛い。でも、ちょっと性格はキツそう…かな。
(何だかんだで顔に出るからねぇ、性格って)
とはいえ、多少キツい性格程度なら無問題。
従順(大人しい)な女の子も可愛いけれど、
ちょっとワガママな女の子も可愛い。ワガママすぎるのは駄目だけど。
(ん?)
女の子が溜息を落とした瞬間を、蓮は見逃さない。
時計を確認した後の溜息は…すっぽかしとか、その類の可能性アリ?
蓮は、今だとばかりにススッと女の子に歩み寄って声をかける。
「どうしたの?」
「え…?」
「溜息」
その一言は『キミを見てた』の意味合いを含むもの。
女の子は少し照れくさそうに俯き、事情を説明した。
やはり、すっぽかされたらしい。
向こうから誘ってきたのに、酷いと思わない?と女の子はプンスカ。
蓮は淡く微笑みつつ「死んじゃえばいいね」など、
ちょっとした茶化しを入れて、女の子の荒んだ心を包み込む。
傷心の女の子は、オトしやすい。ということで…彼女はオイシイ。
蓮は女の子の話を聞いてやりつつ、サラッと自己紹介をしたり、
名前や年齢を、ごく自然に聞き出したり。
さすが、手慣れている。
時折、女の子の肩や髪に触れるのもテクニックの一つ。
話し続ける内、蓮の目をまっすぐ見つめてしまう女の子。
それが、何を意味するか。女の子は気付いているのだろうか。


二時間後―
スタート地点へと戻る蓮と藤二。
互いに数名の女の子を引き連れている。
女の子は皆、とても可愛くレベルが高い…。
二人とすれ違う者は、どこぞのホストか?などと思うことだろう。
二人が引き連れている女の子の数は一致で六名。引き分けである。
よりどりみどりの高レベルな女の子に大満足な藤二。
蓮も蓮で、藤二が連れてきた女の子に満足、満足。
二人の好みは重なるところがあるようだ。良いコンビ?
合流後、藤二は皆で食事しようと提案。
自分が奢るよ、という藤二の言葉に女の子は勿論、蓮も大喜び。
楽しいランチになりそうだ、と胸躍らせつつ先陣を切る藤二。
「ベベリアっていうカフェが………あ」
振り返りつつ、おすすめカフェを口にした時だった。藤二がフリーズ。
「ん?」
蓮は何だ?と振り返る。すると、そこに…。
腕を組み、頬を膨らませている梨乃の姿が。
「やばいなぁ」
苦笑しつつ頭を掻く藤二。
ツカツカと歩み寄ってきた、梨乃の第一声。
「…何してるの」
冷たい眼差しと声。いつもの梨乃じゃない。
梨乃の剣幕というか冷た〜いオーラを感じ取り、
そそくさと撤退してしまう女の子たち。その判断は正しい。
梨乃は、ぺしっと藤二の腕を叩いて言った。
「何回言えば わかるんですか」
「はは。ごめん」
「笑い事じゃないですっ」
「…へい」
笑ってごまかそうとする藤二を叱る梨乃。
藤二が、あちこちで女の子に声をかけナンパしていることを、
本部内で知らぬものは一人もいない。
別に好き勝手させてやればいいと思うかもしれないが、
節操なく、あちこちで手を出されては迷惑なのだ。
組織の評判も落ちかねない。というか落ちる。
実際「藤二に遊ばれた」と本部に文句を言いに来る女性もいるのだ。
梨乃は組織を大切にしている。自分の居場所として。
評判を落とされて黙っているわけにはいかないのだ。
故に、こうして尾行ては叱っている。
「蓮さんまで…まったくもう…!」
蓮を見やって不愉快そうな表情の梨乃。
藤二だけならいつものことだが、同行協力者がいることに不満な御様子。
梨乃は、相当ご立腹のようで、目を合わせようとしない。
バツが悪そうに頭を掻きつつ苦笑している藤二。
蓮はクスクス笑って梨乃に告げた。
「そんな顔してちゃ、可愛いの台無しだよ?」
「…ナンパ禁止です」
「ん?」
「ナンパ禁止っ!もう、しちゃダメです。いいですか、二人ともっ」
蓮と藤二に詰め寄りプンスカ怒りつつ言う梨乃。
参ったなぁといった表情で苦笑するも、従うしかないかなぁと思っている藤二。
まぁ、その場凌ぎで。実際に止めるかといえば、止めるわけがないのだが。
そんな藤二と逆に、蓮はスッパリと言い放った。
「無理だね」
「むっ…?」
即答した蓮に目を丸くする梨乃。
蓮は当然かのように続けた。
「俺の趣味だから。ナンパは」
「…本気で言ってます?」
「うん。っていうかさ、今日のナンパは梨乃ちゃんの所為だよ?」
「…はい?」
「梨乃ちゃん、最近冷たいからさ。俺、寂しくて」
「つ、冷たくなんてしてないですよ」
「おいおい梨乃〜。男心を弄んじゃ駄目だぞ?」
「し、してないですってば」
戸惑いながらも必死に否定する梨乃。
事実、冷たくした覚えも、素っ気なくした覚えもない。
完全な言いがかりである。これも、その場凌ぎのテクニックか。
蓮の言動に、それを悟った藤二も乗っかっている状態である。
「あっ、もしかして…ヤキモチ焼いてるの?」
「やっ、焼いてないですっ」
「嬉しいな〜。よし、じゃ。これからデートしよっか。もちろん、二人っきりでね」
「だ、だから…」
「さ、行こう」
梨乃の手を引き、スタスタと歩き出す蓮。
チラリと振り返って、藤二に送る目配せは、
『ここは任せて』という意思表示である。
藤二はクスクス笑いつつ目配せを返し『よろしくね』と意思表示。
蓮のペースに持ち込まれて、さっきまでのプンスカは、どこへやら。
梨乃は蓮に手を引かれ、人ごみの中へと消えて行く。
(ほんと、手馴れてるなぁ。また誘おう)
蓮の協力あって解放された藤二は歩きつつ思う。
反省の色ナシとは…このことを言います。
二人はまた近々、揃って街に来てナンパするのではないかと…。
まったくもって、困ったものだ。また梨乃に叱られるかもよ…?

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度さまです! ('∀'*)ノ
ゲームノベル ”INNOCENCE” への参加・発注ありがとうございます!
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ。

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2008.04.16 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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