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■INNOCENCE / 海斗 vs ディテクター (限定受注)■

藤森イズノ
【7440】【月宮・香織】【お手伝い(草間興信所贔屓)】
「勝負ー!勝負ー!勝負しろー!」
「あ〜…うるさい」
「お前がイイヨって言わないからだろー」
「いいって言うまで続くのか…」
「トーゼン」
「…はぁ、わかったわかった」
「おっ!ヤル気になった?」
「なったなった」
「よっしゃ。んじゃ、どこで戦る?」
「どこでもいいよ…どうでもいいよ…」
「ヤル気あんのかっ!?お前っ」
「あるある」

海斗に纏わりつかれているディテクター。
バッタリ街で遭遇したのがウンのつき。
かれこれ三時間、海斗はずっと『勝負しろ』と言っている。
面倒だからと適当に流していたディテクターだが、
治まる気配のない執拗な願いに、すっかりゲンナリ気味。
いつまでも 付き纏われては、それこそ迷惑。
そんなワケで、勝負に応じることになったのだが…。
INNOCENCE // 海斗vsディテクター

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OPENING

「勝負ー!勝負ー!勝負しろー!」
「あ〜…うるさい」
「お前がイイヨって言わないからだろー」
「いいって言うまで続くのか…」
「トーゼン」
「…はぁ、わかったわかった」
「おっ!ヤル気になった?」
「なったなった」
「よっしゃ。んじゃ、どこで戦る?」
「どこでもいいよ…どうでもいいよ…」
「ヤル気あんのかっ!?お前っ」
「あるある」

海斗に纏わりつかれているディテクター。
バッタリ街で遭遇したのがウンのつき。
かれこれ三時間、海斗はずっと『勝負しろ』と言っている。
面倒だからと適当に流していたディテクターだが、
治まる気配のない執拗な願いに、すっかりゲンナリ気味。
いつまでも 付き纏われては、それこそ迷惑。
そんなワケで、勝負に応じることになったのだが…。

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「広いとこが、いーよな。んー…どこがいーかなー」
「ふぁぁ…」
「てめ、何アクビしてんの?ヤル気ねーだろ!」
「あるある。あるよ」
「…ほんとかなー」
勝負する場所、バトル会場を求めて、
異界をウロウロしている海斗とディテクター。
海斗は、例によってヤル気満々だが、
ディテクターは、実にかったるそうだ。
欠伸を連発している。
そんなディテクターに不貞腐れつつ、
どこか、良い場所はないかとキョロキョロしている海斗。
と、そこへ、一人、可愛らしい少女が通りかかった。
「あっっ!!」
「…何だ、いきなりデカい声出すなよ。うるせぇなぁ、ほんとに…」
「あれあれ!香織じゃねー?」
「ん?あぁ、そうだな。何やってんだ、あいつ。こんな所で…」
海斗が示す方向を見やり、キョトンとするディテクター。
示された先には、確かに。香織がいた。
こんな辺境で、何をやっているのか。
疑問に思うのも無理はない。
まぁ、実際は、散歩をしている途中なだけなのだが。
「香織ー!」
大声で呼び、ブンブンと手を振る海斗。
名前を呼ばれて振り返った香織。
香織の目は、先ずディテクターを捉えた。
あっ…ディテクターさん…。
こんなところで会えるなんて。
嬉しさに笑むものの、すぐさま海斗の存在にも気づく。
声をかけてきたのは海斗なのだから、
まず彼に気づくべきだと思うが…。
香織にとって、それほど海斗は空気のような存在なのだろう。
いてもいなくても、どっちでも良い。…これは、少し言いすぎかな?
とにかく、香織の中心はディテクターなのだ。
それは、紛れなき事実だ、うん。
「何…してるんですか?揃って」
二人に歩み寄り、首を傾げて尋ねる香織。
そんな香織に、海斗はノリノリで状況説明をした。
これからバトルをする、と楽しそうな海斗。
ヤル気満々な海斗と裏腹に、ディテクターは苦笑を浮かべている。
どうやら、ディテクターは、やむなく付き合う羽目に遭っているようだ。
仲が悪いってわけじゃなさそうだけど…。
梨乃さんが言ってたな、そういえば。
海斗は、ディテクターさんに、やたらとつっかかる…って。
可哀相、ディテクターさん。
面倒くさいことに巻き込まれて…。
俯き、同情する香織。
だが、しんみりしている暇はなく。
香織は、海斗に引っ張られ、二人に同行することになってしまった。
何でも、審判を勤めて欲しいのだそうで。
…必要かなぁ、審判なんて。

ウロウロと異界を歩き回り、
海斗がバトル会場に決定したのは、
結局…イノセンス本部付近の森。
何だかんだで、ここが一番落ち着くというか、
ぶつかり合うのに、広さも環境も申し分ないということで。
「香織ー!合図して、合図!」
ニッコニコと笑いながら言う海斗。
バトル開始の合図をして欲しいらしい。
…何だかなぁ。まるっきり、遊ぶ感じだなぁ。
そんなことを思いつつ、香織は溜息混じりに、
パチン、と両手を合わせて、合図を飛ばしてあげた。
その合図と同時に、バトル開始。
先手は、やはり海斗。
チャッと腰元から抜いた魔銃で、
ディテクターの足元に、いくつもの炎を飛ばす。
お手並み拝見、といったところか。
ディテクターは、それらをヒョイヒョイと避けつつ、
自慢の銃を腰元から抜き、応戦。
双方共にガンナーということで、
バトルは、ずっと間合いを計ったまま続行されている。
二人の間に立ち、観戦している香織。
とはいえ、香織の視線は、ずっとディテクターに向いている。
海斗の方は、まったくもって見ない。
本当に、どうでもいいらしい。
飛び交う炎と銃弾、その中で香織はウットリ。
何だろう…ちょっと、不思議な感じがするのよね。
向こう(東京)では、こんなに躍動的な草間さんは、そうそう見れないし。
いつもソファに座って、煙草を吸ってる姿ばかり見るもの。
だからかな、このギャップっていうか。
うん…素敵だと思います。
心で思い留めてはいるものの恥ずかしくなったのか、
俯き照れ笑いしてしまう香織。
その瞬間、甘い雰囲気が、一瞬で払われてしまう。
海斗とディテクター、双方の攻撃の飛び火が…。
頬を掠める炎と銃弾に、ウットリ気分から一転。
もう少し、離れて観戦しないと、酷い目に遭いそう…。
そう危惧し、香織はいそいそと移動し、
離れた大樹の下に腰を下ろした。

次々と放たれる炎を避けつつ、ディテクターは感心している。
…何つぅか、な。まぁ、今更だけど。
末恐ろしいガキだと思うよ、心から。
魔法だの何だの、そういうもんはよく理解らねぇけど、
こいつが、凄いっていうのは理解る。
さっきから、急所ばっか狙ってくるしな。
ちょっとでも油断して気を抜こうものなら、
あっという間に敗北だ。
まぁ、それは向こうとて同じことだが。
俺の攻撃を避けつつ、それでいて急所を執拗に狙ってくるんだもんな。
本当、大したもんだ。あれで、まだ未成年だっつうんだからな。
おっかねぇわ。いろんな意味で。
けど、残念なことに、さっきから、チラチラと粗が見えるんだよなぁ…。
気のせいかとも思ったけど。どうやら、そうでもないらしい。
俺が相手だから、なんだろうな。
冷静心を欠いてしまうのは。
隙が出来てることに、気付いてなさそうだ。
普通に仕事したり何なりするときも、
こんな感じで落ち着きないのかもしれないけど、
ここまで荒っぽくはねぇだろうな。…推測だけど。
ディテクターが発見している海斗の粗。
それは確かな粗で、かなりおおっぴらな粗だ。
観戦している香織も、さっきから気付いている。
果敢に攻めているのは良いのだが、
どうにも、攻めることばかりを考えているようで、
防御がおろそかなのだ。
そこを突かれてしまえば、ひとたまりもない。
相手がディテクターなら、尚更だ。
まぁ、相手がディテクターだからこそ。
ムキになってしまっているのかもしれないが…。
しばらく撃ち合いを続け、もう十分だろうと判断し、
ディテクターは、バトルに終止符を打ちにかかる。
ドッと放たれた銃弾が、海斗の頬を掠めた。
これまで、掠りすらしていなかったのに。
そう、ディテクターは、本気じゃなかった。
ただ、付き合っていただけなのだ。
ピタリと動きを止め、不愉快そうな表情を浮かべる海斗。
ディテクターはクックッと笑い、銃を腰元に収めて言う。
「もういいだろ。疲れたよ、おじさんは」
「…むっかつくなー」
ボソリと呟く海斗。不愉快そうにしてはいるものの、
彼は理解している。自分は果敢に攻め、本気だったのに、
ディテクターは、最後に少し本気を出しただけ。
あのまま続けていても、勝敗に変化はなかっただろう。

バトルを終え、ディテクターが勝利したことに納得な御様子の香織。
香織はタタタッとディテクターに駆け寄り、
お疲れ様です、と労いの言葉に、
美味しい食事をご用意します、と付け加えた。
「おっ。そうか?助かるよ。ちょうど腹減っててな」
「はい。何か、食べたいものはありますか?」
「うーん。そうだなぁ…」
並んで立ち去っていくディテクターと香織。
二人の背中を見やりつつ、海斗はプゥと頬を膨らませた。
(ムカつく。マジで。あー…くそっ!)
海斗がディテクターに勝てるようになるのは…いつの日か?

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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■

7440 / 月宮・香織 (つきみや・かおり) / ♀ / 18歳 / おてつだい(何でも屋)
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / ディテクター(草間・武彦) / ♂ / 30歳 / IO2:エージェント(草間興信所の所長)

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度さまです〜! (*´▽`*)ノ゛
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ!

追記:お渡しし忘れていた魔銃を付加しました。ご確認下さい。

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2008.05.12 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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