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■INNOCENCE / 海斗 vs ディテクター (限定受注)■

藤森イズノ
【7182】【白樺・夏穂】【学生・スナイパー】
「勝負ー!勝負ー!勝負しろー!」
「あ〜…うるさい」
「お前がイイヨって言わないからだろー」
「いいって言うまで続くのか…」
「トーゼン」
「…はぁ、わかったわかった」
「おっ!ヤル気になった?」
「なったなった」
「よっしゃ。んじゃ、どこで戦る?」
「どこでもいいよ…どうでもいいよ…」
「ヤル気あんのかっ!?お前っ」
「あるある」

海斗に纏わりつかれているディテクター。
バッタリ街で遭遇したのがウンのつき。
かれこれ三時間、海斗はずっと『勝負しろ』と言っている。
面倒だからと適当に流していたディテクターだが、
治まる気配のない執拗な願いに、すっかりゲンナリ気味。
いつまでも 付き纏われては、それこそ迷惑。
そんなワケで、勝負に応じることになったのだが…。
INNOCENCE // 海斗vsディテクター

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OPENING

「勝負ー!勝負ー!勝負しろー!」
「あ〜…うるさい」
「お前がイイヨって言わないからだろー」
「いいって言うまで続くのか…」
「トーゼン」
「…はぁ、わかったわかった」
「おっ!ヤル気になった?」
「なったなった」
「よっしゃ。んじゃ、どこで戦る?」
「どこでもいいよ…どうでもいいよ…」
「ヤル気あんのかっ!?お前っ」
「あるある」

海斗に纏わりつかれているディテクター。
バッタリ街で遭遇したのがウンのつき。
かれこれ三時間、海斗はずっと『勝負しろ』と言っている。
面倒だからと適当に流していたディテクターだが、
治まる気配のない執拗な願いに、すっかりゲンナリ気味。
いつまでも 付き纏われては、それこそ迷惑。
そんなワケで、勝負に応じることになったのだが…。

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「良い天気…お散歩日和ね」
「まぁなぁ。ふぁ〜。眠い…」
並んで歩くアリスと夏穂。
珍しく異界が晴天…ということで二人は散歩を楽しんでいる。
とはいえ、満喫しているのは夏穂で、
アリスは、その付き添いといった感じだ。
夏穂は、すれ違う見知らぬ人にお辞儀をしたり、
チラリと茂みから顔を出す動物達に手を振ったり、
道端に咲く花を愛でたり…それはもう楽しそう。
昨晩、徹夜で、何やら ややこしい "プログラム" を組んでいたアリスは、
寝不足から、欠伸を連発している。
そんな二人の目に、見慣れた姿が映りこんだ。
見まごうはずもない。
あれは…海斗とディテクターだ。
ディテクターが海斗に引きずられている…といった印象を受ける。
「何してるのかしら?」
「さぁ。どうせアレだろ。また、あいつが我侭言ってるとか、そんな感じじゃねぇの?」
ワシワシと頭を掻いて言うアリス。
夏穂は、気になるから行ってみよう、とアリスの手を引き、
二人の元へと駆けていく。
「ちょ、待てって。うち、寝てなくて足がもつれ…うわぁっ」
ズサァッ―
見事なスライディングを決めたアリス。
突然、目の前にスライディングしてきたアリスに、
海斗はポカーンとしつつ言った。
「すげー。マイティル・クーンもビックリだ」
「誰だよ、それ」
パッと立ち上がり、ぼすっ…とフードを深く被り直すアリス。
「野球選手だよ。スライディング専門の」
「意味わかんねぇ、何だよ、その専門…」
「有名だぞー。…っていうか、何してんの?お前ら揃って」
アリスと夏穂を交互に見やって言う海斗。
夏穂は「それは、こっちの台詞です」とクスクス笑った。

海斗とディテクターが、揃って何をしていたのか。
何のことはない、二人はバトル会場を求めてウロウロしていたのだ。
まぁ、例によって、海斗がしつこく勝負しろと繰り返し、
そのしつこさにゲンナリしたディテクターが、やむなく付き合う…という展開。
どこか、良い場所ないかな?という海斗の問いに、
夏穂は、うーん…と暫く考え、ピンと閃く。
夏穂が提案したバトル会場、それは、何の変哲もない森。
ただ、ひんやりと寒い以外は。

*

「着てろー」
ポィッとパーカーを投げやる海斗。
投げやられたパーカーは、ぽすっ、と夏穂の膝上に。
夏穂は、ありがとうと微笑み、素直にパーカーを羽織った。
バトル会場が決定したということで、二人はすぐさま身構え。
双方共にガンナーということで。
間合いを計ったまま、互いに銃を構える。
真剣な表情の海斗とディテクター。
二人の顔を見つつ、アリスはクックッと笑った。
「黙ってりゃぁ、それなりにイイのにな。二人とも」
「ふふ。真剣ね、二人とも」
タイミングを計り、数十秒が経過したとき。
海斗とディテクター、双方は同時に発砲。
炎と銃弾が、二人の間で交わり、パァンと弾けて消える。
お手並み拝見…といったところか。
ここだけを抜粋すれば、互角かのように見える。
だが実際は、ディテクターの方が実力は上だ。
まぁ、それなりに歳も重ねていることだし。
経験の差、というやつだろうか。
それは、海斗も理解している。
だからこそ、彼は勝負を挑むのだ。
きっと、自分が勝つ日まで、何度でも挑むのだろう。
一発目の後、海斗は果敢に攻める。
目まぐるしい連続攻撃。
だが、ディテクターは、それを全て軽々と避けつつ応戦している。
明らかに、ディテクターの方が上手だ。
すぐにでも決着をつけることができるだろうに。
それなりに付き合ってやるのは、彼なりの優しさだろうか。
「結果、丸わかりだなぁ」
ガムを噛みつつ、ボケッと観戦しているアリス。
その隣で、夏穂はゴソゴソと準備をしている。
彼女の膝上には、救急箱。
「…どっから出したんだ、そんなもん」
クックッと笑うアリス。と、そのとき。
熱戦を繰り広げる海斗とディテクターの飛び火が。
「きゃ」
海斗が放った炎が、夏穂の頬を掠める。
幸いにも夏穂は瞬時に反応し身を捩った為、僅かに掠っただけだが。
それでも、夏穂の頬には、うっすらと火傷の痕が。
「悪ィっ!だいじょぶか、夏穂!」
一旦動きを止め、夏穂を案じる海斗。
夏穂は大丈夫、とヒラヒラ手を振る。
だが、その隣で俯いているアリスは、心中穏やかじゃない。
ゴゴゴ…という威圧音が聞こえてくるかのようだ。
深くフードを被っている為、表情は把握できないが、
誰が見ても理解る。
アリスは、怒りモードだ。
自分ならまだしも、夏穂を傷つけるとは。許すまじ。
ザッと踏み出し、海斗とディテクターの元へ近付いていくアリス。
アリスの背中に夏穂は「たいしたことないよ」と繰り返したが、無視。
いや、むしろ耳にすら入っていないんじゃないかと思われる。
ジリジリと近付いてくるアリスに、苦笑を浮かべる海斗。
「やべー…」
「何だ。何がやべぇんだよ」
冷や汗タラタラの海斗に、思わず慌てるディテクター。
身構える二人に、アリスはニヤリと不敵な笑みを浮かべると、
「うちも参加する」
ポツリとそう呟き、一気にダッと駆け出した。
「やべっ!!ディテクター!ちょ、一時休戦っ!」
「な、何だ?おい、何だ?」

そこからは、お察しのとおり…。
海斗とディテクターに混じって、アリスもバトル参戦。
三人はギャーギャーと騒ぎつつ、互いの能力をフルに発揮。
ぶつかり合う能力の凄まじさで、ザザザ…と揺れる木々。
夏穂は、風に揺れる髪を押さえつつ、クスクスと笑う。
じゃれあって…楽しそうね。いやいや、当人達は必死ですよ。

*

さて、気になるバトルの勝敗は、というと。
「だー!くそっ!むかつく!」
ジタバタと足掻いている海斗を見れば一目瞭然。
当然の如く、ディテクターの圧勝。
途中から、海斗&アリスで組んでディテクターに挑むという、
半ば反則的な展開もあったが、それでもディテクターの勝ち。
海斗とアリスのコンビネーションは決して悪くなかった。
いや、むしろ即興にしては、かなりの出来栄えだった。
それでも勝てない。やはり、ディテクターは強いのだ。
「いてて…くそぅ…」
擦り剥いた肘をペロッと舐めつつ言うアリスも悔しそうだ。
ディテクターはフゥ、と息を吐くと、
「出直して来い」
ワザと神経を逆撫でするかのような口調で言って、
長いジャケットをひるがえし、颯爽と去っていく。
うーん…何というか。狙ってやってるんだろうけど、
それでも様になっているのが、彼の凄いところ。
イカしたハードボイルドだ。
「次は、ぜってー勝つからな!聞いてんのか、てめー!」
去りゆくディテクターの背中に何度もリベンジを誓う海斗。
そんな海斗の傷の手当をしつつ、夏穂はクスクス笑う。
(仲が良いのか悪いのか、わからないわね)

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■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■

7420 / 猫目・アリス (ねこめ・ー) / ♀ / 13歳 / クラッカー+何でも屋+学生
7182 / 白樺・夏穂 (しらかば・なつほ) / ♀ / 12歳 / 学生・スナイパー
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / ディテクター(草間・武彦) / ♂ / 30歳 / IO2:エージェント(草間興信所の所長)

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度さまです! ゝ(▽`*ゝ)(ノ*´▽)ノ
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ!

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2008.05.13 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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