コミュニティトップへ




■INNOCENCE / ラボに住まうエージェント■

藤森イズノ
【7440】【月宮・香織】【お手伝い(草間興信所贔屓)】
INNOCENCEのアジト、白亜の館。
この館の地下には巨大なラボが在る。
魔物のデータや、エージェントの情報が保管されている そこには、
常に、とあるエージェントが滞在している。
エージェントの名は、赤坂・藤二。
海斗と梨乃にとって、兄のような存在である彼は、
情報収集と武器の改造能力に長ける。

今日も藤二はラボで一人。
読書をしながら、ゆったりと過ごしている。
優雅な空間へ、突然の来客。
「藤二〜〜〜〜〜!」
騒々しい来訪者。それは、無論…海斗だ。
藤二は読んでいた本をパタンと閉じて、優しい笑顔を浮かべた。
INNOCENCE // ラボに住まうエージェント

------------------------------------------------------

OPENING

イノセンス本部、白亜の館。
この館の地下には巨大なラボが在る。
魔物のデータや、エージェントの情報が保管されている そこには、
常に、とあるエージェントが滞在している。
エージェントの名は、赤坂・藤二。
海斗と梨乃にとって、兄のような存在である彼は、
情報収集と武器の改造能力に長ける、古株エージェントだ。

今日も藤二はラボで一人。
まったりと優雅な時を過ごしている…。

------------------------------------------------------

「あっ。香織さん、ちょっと良いですか?」
とある任務を終えて、イノセンス本部に戻ってきたばかりの香織に声を掛ける梨乃。
「はい…?」
今日は、海斗と一緒じゃないんだ…などと思いつつ話を聞く香織。
梨乃が声を掛けたのは、とある目的があってのこと。
何でも "会わせたい人" がいるのだそうで。
「構いませんよ」
「良かった。じゃあ、こっちへ…」
「え…地下…にいるんですか?」
梨乃が導くのは、本部のセントラルホール、
中央階段横にある、地下へと続く階段。
「ちょっとクセありますけど…良い人ですから」
薄暗い階段を降りつつ、梨乃は何度も言った。
クセがある、という意味を、香織はすぐに理解する。

イノセンス、本部地下。
そこは、上階の白亜の空間とは別世界。
機械とノイズ音に満ちた、何ともメカメカしい空間だった。
慣れぬノイズ音に、若干眉を寄せつつ梨乃の後を付いていく香織。
本部地下はラボラトリーで、ここには、あらゆる情報が保管されている。
そして同時に、とあるエージェントの部屋でもあり。
そのエージェントというのが…。
「あっ…」
地下ラボを進み、普通の部屋のような一角に辿りついた瞬間、香織は気付く。
そこには、優雅に読書を楽しんでいる男が一人。
見覚えのある、その姿は。
「赤坂さん…でしたっけ」
「おっ?あぁ、いらっしゃい。新入りさん」
読んでいた雑誌をバサリとテーブルに置いて笑顔で迎える男。
そう、梨乃が言っていた "会わせたい人" とは、藤二のことだったのだ。
藤二も、イノセンスに所属するエージェント。
情報収集と武器の改造に長け、この地下ラボで生活している。
東京で藤二と既に知り合っていた香織。
梨乃は、知り合いだったんですか…と少し驚いたが、
同時に、嫌な予感を感じ取り、すぐさま藤二に尋ねた。
「藤二さん。もしかして、香織さんに変なことしたんじゃ…」
「おいおい、変なことって何だよ」
「否定しないってことは…そうなんですね?」
ジトリとした視線を藤二に向ける梨乃。
藤二は、なかなかのクセモノで、ナンパを趣味・生き甲斐としている。
抱いた女の数知れず、来る者拒まず、去るもの追わず。
誰も彼もドライな関係らしく、
本気で愛することは、ないという。
かくいう香織も、藤二にナンパされたクチだ。
まぁ、あの時は武彦も一緒だったが…。
「気をつけて下さいね、香織さん」
ポン、と香織の肩に手を乗せて言う梨乃。
その表情は、心から案じている想いが溢れている。
やたらと念入りに警告する梨乃に、藤二はクスクスと笑った。
「そこまで危険視しなくてもいいと思うんだけどね」

*

ようこそ、俺の城へ。
そういわんばかりに、藤二はラボ内を色々と説明しつつ一回り。
なるほど、確かに機械技巧に長けるようだ。
説明されたものの、機械に疎い香織には、何が何だか。
とりあえず、藤二が機械弄りを好むことは、十分に理解できた。
うん、それだけで十分だとも思う。
一通りの説明を終え、藤二はコーヒーを振舞う。
コクコクとコーヒーを飲みつつ、テーブルの上を見やる香織。
さきほど藤二が読んでいた雑誌だが…。
イヤラシイ雑誌だ。パッと表紙を見ただけで理解る。
見なかったことにし、視線を移すものの。
目に入るのは、何だかイヤラシイものばかり。
インテリアとして飾っているものなんだろうけれど、
何とも言いがたい…落ち着かない部屋だなぁ、と香織は恐縮気味だ。
姿勢を正してコーヒーを飲む香織を見つつ、不敵な笑みを浮かべて言う藤二。
「香織ちゃん。デートは、いつにする?」
「え?」
突然何を言い出すのか。何の脈絡もない…。
相変わらずな藤二に、梨乃はヤレヤレ、と肩を竦める。
「どこか、行きたい所はある?どこでも連れて行ってあげるよ」
「え…いえ…」
「おすすめは、すぐ傍にあるスポットだけどね」
「傍に…?」
「うん」
チラッと見やり、その "スポット" を目で示す藤二。
藤二が見やった先には、特に何もない…香織は首を傾げた。
キョトンとしている香織に、藤二はクスクス笑って言う。
「ベッドだよ。俺の」
「ベッド…?……あっ。…………」
「っはは。可愛いなぁ、香織ちゃん」
「…えぇと」
俯き頬を赤らめる香織。
ストレート、直球。
包み隠すことなく、突っ込んでくる藤二に、香織は戸惑いを覚える。
この手の男と関わることは、あまりないから。
そもそも、香織の頭の中は武彦のことでいっぱいで、
他の男が入り込む余地はなさそうである。
それゆえに、土足でズカズカと無理矢理入ってこられると戸惑ってしまう。
どう反応すべきか、とたじろいでいる香織を見かね、
梨乃は藤二の膝を、ぺしっと叩いて言った。
「もう!駄目です、藤二さん。困ってるじゃないですかっ」
「それがイイんだよ。もっとイジめたくなる」
「駄目です。やめてください」
「厳しいなぁ」

梨乃に粛清されるものの、藤二はマイペース。
以降も、香織をからかい、その反応を楽しむ。
いちいち過剰に反応し、どう反応すべきか、と真面目に考えてしまう香織。
頭の中で、武彦に助けを求めたりもしつつ…。
香織の感度、いやいや…反応は藤二好み。
武彦に想いを寄せていることは、
東京でのナンパのときから、しっかりと理解しているが。
興味が湧いて、イジめたくなるのは、止められない。
いつしか、藤二の "玩具" になってしまわないように気をつけねばならない。
…まぁ、香織の場合、その心配はなさそうだけれど。念の為。

------------------------------------------------------

■■■■■ THE CAST ■■■■■■■■■■■

7440 / 月宮・香織 (つきみや・かおり) / ♀ / 18歳 / お手伝い(草間興信所贔屓)
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度さまです〜! (*´▽`*)ノ゛
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ!

-----------------------------------------------------
2008.05.17 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
-----------------------------------------------------