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■INNOCENCE / メロメロ・ロメオ (限定受注)■

藤森イズノ
【7433】【白月・蓮】【退魔師】
敵対する、もしくは己が気に入った人物を魅了し、
虜にさせて、自分のものにしてしまうモンスター、ロメオ。
サキュバスという悪魔の進化系であるモンスター。
近頃、このロメオによる被害が、あちこちで報告されている。
あまりにも酷い有様ということで、本部に届く討伐要請。

報酬は、そこそこ。
気合を入れて望んでも良い仕事だ。
だがしかし、同行するエージェントが、
まさか…ロメオに魅了されてしまうだなんて。
INNOCENCE // メロメロ・ロメオ

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OPENING

敵対する、もしくは己が気に入った人物を魅了し、
虜にさせて、自分のものにしてしまうモンスター、ロメオ。
サキュバスという悪魔の進化系であるモンスター。
近頃、このロメオによる被害が、あちこちで報告されている。
あまりにも酷い有様ということで、本部に届く討伐要請。

報酬は、そこそこ。
気合を入れて望んでも良い仕事だ。
だがしかし、同行するエージェントが、
まさか…ロメオに魅了されてしまうだなんて。

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「よろしくね、蓮くん」
ニコリと微笑み、手を差し出す千華。
蓮は微笑み返し「はい、よろしく」と千華の手を取り握手に応じる。
握手を交わした後、二人は揃って仕事へ。
魔物、ロメオの討伐へと向かう。
道中、蓮は千華の横顔を見つつニコニコと微笑んだ。
その視線に気付き、千華は蓮を見やる。
「ん?なぁに?」
「あぁ、いえ。千華さんと組むのは初めてだなと思って」
「ふふ。そうね。簡単な仕事じゃないけど…ちょっと楽しみだわ、私」
「はは。俺もです」
「頑張りましょうね、蓮くん」
「はい」
梨乃と組んで仕事に向かうことが多い蓮だが、今日は千華がパートナー。
というのも、梨乃が一人で他の仕事に出ているため、
どうしようかな、と思っていたところに千華が声を掛けたのがキッカケ。
その仕事に行くなら、私も連れて行ってくれないかしら?という千華に、
蓮は即答で「よろこんで」と返した。
いつもと違う女性が隣を歩いている。
いつもと違う香水の香りが隣で漂う。
その新鮮さに、蓮は心から微笑んだ。
二人は何気ない言葉を交わしつつ、ロメオが潜む森へ…。

*

イノセンス本部がある魔森に良く似た森。
ただ、魔森の神秘的な雰囲気と違い、この森は不気味だ。
いかにも、魔物や悪魔が好みそうな場所…。
蓮と千華は揃って森を警戒しつつ歩き、標的を探す。
そのまましばらく探し続け、一時間ほど経過したとき。
二人は、大樹の下で髪をセットしているロメオを発見。
リクエストボードには記されていなかった情報…ロメオは男だった。
男か…うーん。と、なると…千華さんが危ういな。
魔刀、風月を風に乗せて出現させつつ思案する蓮。
ロメオの厄介な能力、魅了。
同姓には効果を発揮しないが故に、蓮が魅了される心配はないが、
千華が…魅了されてしまったら、ちょっと厄介かもしれない。
蓮は、千華に警戒を怠らぬよう警告を飛ばす。
「油断禁物ですよ」
「えぇ」
「じゃあ、いきましょうか」
「いつでもどうぞ」
互いに顔を見合わせ一つ頷き、同時に茂みから飛び出す蓮と千華。
まどろっこしい作戦は要らない。どうせ討伐するのなら、真っ向から。
ここに来る途中で、蓮と千華はそう決めた。
突如姿を現した二人に、さすがのロメオも驚いたようで。
ロメオはゆっくりと立ち上がると、やれやれ…と肩を竦めて言った。
「まだ途中なのに…レディに見られてしまうなんて」
どうやら、髪のセットに気を使うらしい。
だが、そんなこと知ったこっちゃない。
蓮はゆるやかに腕を躍らせ、千華を背に庇うような形で、風月を構えた。
蓮の後ろにいる千華に、興味津々のロメオ。
「へぇ。とびっきりの美女だ。あんたの女かい?」
ロメオの問いに、蓮は警戒を怠ることなく、クスリと笑って返す。
「そうだと良いんだけどね」
「ふぅん。まだ、そういう関係じゃないのか…じゃあ、奪ってもいいね」
ロメオの発言に、ははっと笑う蓮。
随分な自信家だな。まぁ確かに、そこそこかな、魔物にしては。
でも生憎。そう易々と奪わせたりしないよ。
何があっても、俺が護るから。ね、千華さん…って。
キョトン、と目を丸くする蓮。
自分の後ろにいたはずの千華が、ロメオの腕に抱かれているではないか。
どうやら、話をしつつ、ロメオは千華に魅了をかけていたようだ。
あーあ…何だかな。そういう感じで能力を発動するんだね、キミって。
ちょっと不意打ちだったかな…。うーん、それにしても…。
呆れつつも苦笑する蓮。
ロメオの腕に抱かれている千華の様子が、何とも異様だ。
うっとりした目でロメオを見つめ、
何だかイヤラシイ手つきで、ロメオの胸元をまさぐっている。
誘っている…というよりは、ねぇ…?とおねだりしているかのような図。
そんな千華を見つつ、蓮はロメオを褒めてみた。
「すごいね、キミ。いいな、その能力…」
「ふふん。そうだろ?」
千華は、やたらと恋愛に関してはクールな女だ。
言い寄る男性は多いけれど、皆、適当にあしらわれる。
そんな千華をメロメロにしてしまうのだから…大した能力だ。
しかし、ただジッと感心しているわけでもない。
何だか、妙な闘争心というか。そういうものが生じ、蓮は千華に声をかける。
「千華さん…酷いな。いつも俺には素っ気無いのに…」
だが蓮の言葉に千華は無反応。
蓮は、はぁ…と憂いの表情を浮かべて、一旦、風月を風に戻して呟く。
「そんな奴にオトされるなんて…悲しいな。千華さん、俺だって、あなたのこと…」
ズイッと千華に近寄り、千華の頬に触れつつ言う蓮。
本気なのか?それとも演技なのか?
わからないが、それでも千華は無反応。
千華の瞳には、ロメオしか映っていないようだ。
ロメオは、千華が自分にメロメロなことにご満悦のようで。
ふふん、と勝ち誇った顔で蓮を見やる。
その表情に、ムカッときた蓮。
蓮は、ごそごそと懐から、とあるものを取り出すと、
ニッコリ微笑み「さよなら」そう言って、
ロメオの額に、取り出したものをペタッと貼り付けた。
蓮が取り出したのは、実家から持ってきた封印符。
とっておきの秘密兵器だ。
かなり強力なもので、ロメオ程度の魔物ならば、
一瞬で消してしまう。まさに、さよなら、である。
シュゥ…と消えるロメオ。
何とも、あっさりと討伐されてしまったロメオ。
まぁ、風月を消して、戦う意志が消失したかのように見せた蓮の演技もあっての結果。
その辺りは、さすがと言えよう。

*

任務を終え、本部へと戻る蓮と千華。
どうやら魅了されていたときの記憶はスッ飛んでいるらしく、
千華は、まるっきり覚えていなかった。
ロメオに色っぽい視線を送っていたことも、
イヤラシイ手つきで胸元をまさぐっていたことも。
「俺の気持ちも…届いてないのかな」
苦笑し、小さな声で呟く蓮。
千華は、キョトンとして尋ねた。
「うん?何のこと?」
(…やっぱ駄目だ。手強いな)
何というか…どこからどこまでが演技なのか、さっぱりである。
千華を手強いと言うが…蓮も、なかなか手強い曲者かと…。

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 青沢・千華 (あおさわ・ちか) / ♀ / 29歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度様です〜! (ΦωΦ)
ゲームノベル ”INNOCENCE” への参加・発注ありがとうございます。
どこから、どこまでが演技なのか。わからない…!^^(笑)
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ。

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2008.05.17 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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