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■【雪姫の戯れ】完走せよ!■

緋烏
【1855】【葉月・政人】【警視庁超常現象対策本部 対超常現象一課】
【怪奇通り】

 「はん…?久々に面白い事が起こってるじゃねーか」
 空を見上げれば春の陽気。しかし視線を下げれば一面の銀世界。
 場所によっては春スキーが楽しめる所もあるにはあるが、東京のど真ん中で流石にこれはない。
 勿論、怪奇通りも例外ではなかった。
 捻じ曲がった空間の先にもこれほどの影響を与えるとは恐るべし雪女郎といったところか。
 だが粛瑛はこの状況でも慌てない。
 起きてしまったからには楽しまねば損。

「―――と、いうわけでぇ〜ソリで競争とかしてみねぇか?皆呼ん ぶほぉっ!?」
「ざけんな!」
 結界に守られた境内は無事だが、石段はすべて雪に埋もれている為、道を切り開く為、雪掻きをしていた孫の上総。
 くだらない事が大好きな祖父が言い終わる前にシャベルてんこ盛りの雪塊を食らわした。
「都市機能麻痺してるだろうこんな時に何言い出すかこの馬鹿ジジイ!」
「いや、まて、つーか、思う存分遊んでやらなきゃどうにもならんのですけど…」

 今にも殴りかかってきそうな上総に、慌てて状況の説明をする粛瑛。
 何を如何こうするか対策を練ろうとするより、雪女郎の気紛れに付き合ってやった方が楽だと諭した。
「〜〜〜〜……仕方ないわね……それじゃあ知り合いにも声かけましょうか…」