■INNOCENCE / 指輪を探して下さい (限定受注)■
藤森イズノ |
【7433】【白月・蓮】【退魔師】 |
本部1F・リクエストボード掲載依頼
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内容:
指輪を探して下さい
報酬:
¥100000
難易度:
C
備考:
森の中で、大切な指輪を失くしてしまいました。
一緒に探してくれる方、いましたら御願いします。
※依頼人はモンスター(危険性はない)
難易度:<高 SS・S・A・B・C・D 低>
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INNOCENCE // 指輪を探して下さい
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OPENING
本部1F・リクエストボード掲載依頼
内容:
指輪を探して下さい
報酬:
¥100000
難易度:
C
備考:
森の中で、大切な指輪を失くしてしまいました。
一緒に探してくれる方、いましたら御願いします。
※依頼人はモンスター(危険性はない)
難易度:<高 SS・S・A・B・C・D 低>
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指輪、か…。
小さすぎて、風で探すのは無理なんだよね。
地道に探すしかないかな…ふ〜…。
ま、落としたのは、この森だってハッキリわかってるみたいだし、
それだけでも、ありがたいかな。
どこで落としたかわからない…とか言われたら、
もうお手上げ状態だからね。
っていうか、もしそういう内容だったら引き受けてないし。
依頼を請け負い、指輪を探す蓮。
依頼人が幽霊だということは、
リクエストボードで確認していた為、抵抗も驚きもなし。
とても可愛らしい女性だ。
歳は…見た感じだと二十歳そこらかな。
生身だったら是非ともガールフレンドにしたところだけど。
さすがに、ちょっとね。そこまでガッついてないし、俺。
それにしても…梨乃ちゃん、一生懸命だなぁ。
一緒に任務を遂行している梨乃を見やって笑う蓮。
いつも真面目なんだけど、今日は特に…。
いつにも増して真剣な顔で任務にあたっている。
大切な人から貰った指輪。
それを落としてしまうなんて…不安で堪らないに違いない。
見つからなかったらどうしようとか、
せっかく貰ったのに、ごめんなさいとか…。
きっと、そんな気持ちでいっぱいだと思うの。
一緒に指輪を探す依頼人に微笑みかける梨乃。
大丈夫ですよ。絶対に見つけますから。絶対に…。
ガサガサと茂みを漁る梨乃と依頼人。
地に這い蹲るようにして探す二人の姿。
う〜ん。良いね。そこまで必死に探してくれるとさ。
恋人冥利に尽きるってもんだよ。
ま、恋人から貰ったものなのかはわからないけど。
顔を見ればねぇ…すぐわかるでしょ。
あぁ、男から貰ったものか、ってね。
クスクス笑い、無数の鎌鼬を四方八方に放つ蓮。
地道に探すしかないのなら、数で勝負。
一番適当な手段だと思う。
森を歩き回り、小さな指輪を探す。
単調な作業に、少々の飽きは生じるものの、
必死に探す梨乃と依頼人を目の当たりにしてしまうと、
サボろうか、手抜きしようか…なんて思えない。
そもそも、これはボランティアじゃなくて、れっきとした仕事だしね。
やるからには全力で遂行を。
惜しむことなく能力発揮と、地道な捜索。
探し始めて、三時間が経過したとき。
ようやく、その努力が実を結ぶ。
「あったよ」
ニコリと微笑む蓮。
彼の手には、確かに。
依頼人が探して欲しいと頼んだ指輪。
シンプルなものだが、小さなダイヤがついている。
『ありがとうございます…!』
指輪を受け取る依頼人。
依頼人はキュッと指輪を胸に抱き、ポロポロと涙を零す。
「良かった……」
ホッとしたのか、感情移入しているのか。
梨乃の瞳にも、うっすらと涙が。
蓮はクスッと笑い、梨乃の涙を指で拭った。
捜し求めた指輪を見つけてもらい、満たされたのだろう。
依頼人は微笑み、ゆっくりと消えていく。
一言…「藤二さんに…」と呟いて。
藤二と関係を持つ、ガールフレンドだったようだ。
藤二に…の後は聞き取れなかったが、
伝えようとしていたことは理解る。
ごめんなさいとありがとう。
彼女が伝えたいのは、その想い。
「藤二さん…連れてきてあげれば良かったですね」
ポツリと呟く梨乃。蓮は笑って言う。
「いや。これで良いんだよ」
「え…?」
「彼女が、それを望んでいたなら別だけど、ね」
「…そうですね」
依頼人が消えた後、森に吹きすさぶ、優しく…柔らかい風。
揺れる髪を押さえつつ、梨乃は空を見上げて微笑んだ。
どういたしまして、そう心の中で呟いて。
*
本部に戻ってきた蓮と梨乃。
いつもどおり、賑わうセントラルホール。
そこで、蓮はふと足を止めた。
「蓮さん?」
首を傾げる梨乃。
キョトンとして見上げる梨乃の瞳。
何故だろう。その瞳に、胸が締め付けられる。
蓮はポツリと呟いた。自然と、漏れた言葉。
「俺が死んだら…同じように、探してくれるのかな。あのペンダントも」
「…えっ?」
目を丸くする梨乃。
蓮は淡い笑みを浮かべているが、
その笑顔は、どことなく弱々しい…。
このまま、消えてしまうのではないか。
何故かわからないけれど、そう不安になる。
「変なこと、言わないで下さい」
キュッと蓮の指を握り、頬を膨らませて言う梨乃。
怒ってる?それにしては、泣きそうな顔。
ちっとも怖くない。ちっとも怖くないよ、梨乃ちゃん。
「冗談だよ。さ、マスターに報告しに行こう」
クスリと笑い、梨乃の頭を撫でて言う蓮。
冗談…でもないんだ、実は。
キミは知らないけれど。
一度、俺は、この世を去ってる。
そう、本来…存在していないはずなんだ。
いつだってね、不安なんだよ。いつか、消えてしまうんじゃないかって。
キミと話すことも、キミに触れることもできなくなるんじゃないかって。
可能性はゼロじゃない。根拠のない不安じゃないんだ。
もしも本当に。俺が消えてしまったら。
キミはどうする?
なんて…口には出来ないね。
そんなことを言おうものなら、泣かせてしまうから。
それに、口にしようとも…今は思わないよ。
だって、こうして。今、確かに…キミに触れているから。
繋いだ指先に、蓮は淡く微笑む。
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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■
7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■
こんにちは! 毎度様です! (o・∀・o)
予想的中です。御見事でした。いやはや、それよりも。
後半、かなり入れ込んでしまいました。これは…やばいですね。
楽しいっていうと不謹慎ですが。何とも魅力的です。
蓮くんの憂い。ささやかではありますが、紡げたことを嬉しく思います。
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ!
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2008.05.22 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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