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■INNOCENCE / 合コンで遭遇 (限定受注)■

藤森イズノ
【7433】【白月・蓮】【退魔師】
面倒だなぁ、気乗りしないなぁ、と思っていたけれど。
古くからの知人だし、ないがしろには出来ず…。
というわけで、やって来ました、合コン会場。
異界にある、オシャレな居酒屋。
へぇ、こんな所あったんだ。
いいかもしれない。デートの時に、とか。
そんなことを考えつつ、知人に引っ張られ、中へ。
ご丁寧に、立派な座敷を貸しきっているそうで。
どんだけヤル気満々なんだか…。
まぁ、美味しいもの食べて飲んで。
舌を満足させれれば、ヨシかな。
経費とか払ってないし。
タダ飯食べれるだけ、ありがたい話だよね。
「おまたせしましたー!」
ガラッ、と引き戸を放ち、元気な挨拶をかます知人。
中は、既にそうとう盛り上がっていたようで。
自分達の到着を、皆、拍手で迎えてくれた。
うん、まぁ、何ていうか。
個性派揃い…かな。
当たり外れで言えば、当たり…だとは思う。
まぁ、気が合う人がいれば、更に良い感じなんだけど…って。
「「あ」」
揃って、そう口にした。
見慣れた顔が、合コン面子の中にいたからだ。
何だってまた、こんなところに。
…ちょっと面倒なことになりそうだ。
INNOCENCE // 合コンで遭遇

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OPENING

面倒だなぁ、気乗りしないなぁ、と思っていたけれど。
古くからの知人だし、ないがしろには出来ず…。
というわけで、やって来ました、合コン会場。
異界にある、オシャレな居酒屋。
へぇ、こんな所あったんだ。
いいかもしれない。デートの時に、とか。
そんなことを考えつつ、知人に引っ張られ、中へ。
ご丁寧に、立派な座敷を貸しきっているそうで。
どんだけヤル気満々なんだか…。
まぁ、美味しいもの食べて飲んで。
舌を満足させれれば、ヨシかな。
経費とか払ってないし。
タダ飯食べれるだけ、ありがたい話だよね。
「おまたせしましたー!」
ガラッ、と引き戸を放ち、元気な挨拶をかます知人。
中は、既に、そうとう盛り上がっていたようで。
自分達の到着を、皆、拍手で迎えてくれた。
うん、まぁ、何ていうか。
個性派揃い…かな。
当たり外れで言えば、当たり…だとは思う。
まぁ、気が合う人がいれば、更に良い感じなんだけど…って。
「「あ」」
揃って、そう口にした。
見慣れた顔が、合コン面子の中にいたからだ。
何だってまた、こんなところにいるの?

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「何してるんですか、蓮さん…」
「その台詞、そっくりそのまま返して良い?」
ポソポソと小声で言葉を交わす蓮と梨乃。
合コン会場で、まさかの遭遇。
驚きはしたけれど、梨乃も蓮と同じ。
友人に頼まれて、仕方なく参加しているのだという。
「仕方なく…ね。随分と楽しそうだったけど?」
「なっ…そんなことないですっ」
「ほんと〜?凄い可愛い笑顔だったけど?」
「そ、そんなことないですってば」
ビールを飲みつつ、ニヤニヤしている蓮。
入ってきた時、目が会った時、そろって「あっ」と口にした時。
梨乃は、男に肩を抱かれていた。
まぁ、当然抵抗して嫌そうな顔はしていたけれど。
嬉しそうな顔なんて、ちっともしていなかったけれど。
蓮はニヤニヤと。梨乃をからかっているだけ。
「何なの、お前ら。知り合いだったのか」
友人がビールを一気飲みして言った。
蓮はニコッと笑い、梨乃の肩を抱いて返す。
「うん。っていうか、彼女」
「まじでっ!!??」
どよめく会場。
「れ、蓮さん」
「いいから、いいから」
何を言い出すのかと否定しようとした梨乃だが、
うま〜く丸め込まれてしまった。
ま、彼女じゃないんだけど。まだ。ここ重要ね。
こうやって言っておけばさ、ちょっと安心なわけよ。
合コンには、危ない男がたくさんいるからねぇ。
入ってきたとき、梨乃の肩を抱いていた男をチラリと見やり笑う蓮。
男は目を逸らし、ちっ…と悔しそうな表情だ。

*

「蓮さん、これ美味しいですよ」
「そう?じゃ、食べさせてくれる?」
「えぇぇ…?」
「ほら、早く」
これでもか、これでもかっ…とばかりにイチャつく二人。
イチャつくというよりは、蓮が見せ付けているという感じか。
ポツリポツリとカップルが出来上がっている会場。
中でも一際ラブラブな雰囲気の蓮と梨乃。
二人は羨ましがられ、弄られる対象と化している。
だが蓮は、あくまでも蓮。
梨乃だけじゃなく、他の女の子にも気配りを忘れない。
「その香水、良いね。俺好み」
「ほんとに?ふふ。嬉しいな。お気に入りなの」
「うん…良い香り」
セクシー系の女性の隣、女性の耳元で囁く蓮。
女性は、まんざらでもない様子で、照れくさそうに笑っている。
そんな蓮を見つつ、もっしゃもっしゃと焼き鳥を食べる梨乃。
まるで海斗が憑依しているかのような食べっぷりだ。
頬が膨らんでいるが、焼き鳥を頬張りすぎているからではない。
不貞腐れているのだ。蓮の言動に。
あからさまに不機嫌だとわかる梨乃。
蓮はクスクス笑って、いそいそと梨乃の隣へ戻る。
「梨乃ちゃん。そんなに食べたら太るよ?」
「いいんです。ぶっくぶくになるんです」
「え〜?勘弁してよ。そんなの嫌だよ、俺」
「関係ないじゃないですか。蓮さんには」
「あららら。酷いこと言うなぁ」
つーん、とそっぽを向いている梨乃。
蓮は苦笑しつつも、そんな梨乃のご機嫌取り。
ジュースを注いであげたり、これみよがしに褒めてみたり。
不貞腐れてはいるものの、蓮が構ってくれていることで、
梨乃の機嫌は直りつつあるようだ。
(…いよいよ出現したのか?本命…)
一生懸命に、梨乃の機嫌をとる蓮を見て笑う友人。
女好きな蓮だが、本命らしき存在はいないかのように思えた。
いつだってドライに、必要以上に求め合わない。
楽しければ、それで良いでしょ?
楽しませてあげる。でも、それ以上を求めてこないで。
何故って、面倒だし、そんな気はないから。
蓮は常に、そういうスタイルで女性と接している。
そんな蓮が、一人の女の子の機嫌をとるのに、ちょっと必死になってる。
その光景は、蓮をよく知る友人からすれば、興味深くも滑稽なものだ。

蓮がトイレに行った直後。
一人の男が果敢な行動にでる。
空いた梨乃の隣にサッと移動し、声をかける男。
「隣、良いかな?」
「え?あの…(もう座ってるじゃないですか…)」
戸惑う梨乃。男は、同一人物だ。
蓮が入ってきたとき、梨乃の肩を抱いていた男と同一人物。
かなり梨乃を気に入ったらしい。
蓮のラブラブ加減を目の当たりにしても、
へこたれていない辺り、なかなかガッツのある男だ。
「ね、ケータイ番号、教えて?」
「え?いえ、あの…」
「デートしようよ。俺、すげぇ良いトコ知ってるんだ」
「は、はぁ…」
「すごいよ、まじで。広くてさ、ベッドもデカくて…」
待て待て。あからさますぎるだろう。何という直球。
だが梨乃は気付いていないようだ。
そうなんですか…とキョトンとして頷いている。
(あ〜。あのコ、天然入ってるな)
様子を窺いつつクックッと笑う蓮の友人。
早く戻ってこないと、面倒くせぇことになるぞ〜蓮。
友人がそう思った直後。蓮が戻ってきた。
飛び込む光景にデジャヴ。
入ってきたときと、同じ光景だ。
梨乃の肩を抱いている男。
唯一、さっきと違うのは、梨乃の表情。
警戒心というものが薄れているかのように見える。
蓮ほどではないが、この男も話術が巧み。
故に、梨乃はポケッと話を聞いてしまっている。
(…ほんと、参るね)
カシカシ…と軽く頭を掻いて苦笑する蓮。
友人と目が合った。どうする?という友人の視線。
どうするって、そりゃ決まってるでしょ。
蓮はツカツカと歩み寄ると、
男の首根っこを掴み、ヒョィッと持ち上げて、ポィッ。
何事もなかったかのように隣に座る蓮。
梨乃はキョトン…としている。
「勘弁して」
コツン、と梨乃の額に指をあてて笑う蓮だが、
梨乃には何のことやら、さっぱり。

本当、放っておけないな。
危なっかしいったら、ありゃしないよ。
そう思い笑っている蓮だが、気付いていない。
友人の読みどおり、いつの間にか、梨乃が本命になっていることに。
まぁ、梨乃は梨乃で、どこか抜けているところがあるし。
お互い様…なのかもしれない。
(これは、面白い。ツッこみがいがありそうだ…)
友人の不敵な笑みにすら。気付かない蓮。

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度様です! ≧(´▽`)≦
何と言いますか。もう、お前ら付き合っちゃえよ(笑)と思いました。
楽しかったです^^ いちいち楽しいです(笑)
お任せされると、ワクワクしてしまう病気を持っています。持病です。
…き、気に入って頂ければ幸いです!! 是非また、御参加下さいませ!!

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2008.05.22 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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