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■INNOCENCE / 秘蔵のワイン (限定受注)■

藤森イズノ
【7440】【月宮・香織】【お手伝い(草間興信所贔屓)】
「ふむ…良い香りじゃなぁ」
倉庫から出してきた秘蔵のワインを香りつつ嬉しそうに微笑むマスター。
魔法をかけて寝かせておいたものらしく、かなりキツいワインらしい。
今宵は月が綺麗…ということで、
皆で頂こうと、マスターはウキウキしつつ倉庫からワインを出してきた。
本部内を漂う林檎の香り。
その充満さに、何となく、キツそうだということは把握できる。
さぁ、今夜は無礼講。思いっきり楽しんで、酔っ払って。
素敵な夜を過ごしちゃいましょう。
INNOCENCE // 秘蔵のワイン

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OPENING

「ふむ…良い香りじゃなぁ」
倉庫から出してきた秘蔵のワインを香りつつ嬉しそうに微笑むマスター。
魔法をかけて寝かせておいたものらしく、かなりキツいワインらしい。
今宵は月が綺麗…ということで、
皆で頂こうと、マスターはウキウキしつつ倉庫からワインを出してきた。
本部内を漂う林檎の香り。
その充満さに、何となく、キツそうだということは把握できる。
さぁ、今夜は無礼講。思いっきり楽しんで、酔っ払って。
素敵な夜を過ごしちゃいましょう。

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「なーなー。あの二人ってさー…付き合ってんの?」
耳をホジりつつ、呟くように問う海斗。
傍で料理を取り分けている梨乃は、ふふ…と笑い目を伏せる。
「見ればわかるでしょ?」
「まーねー。そーなんだけどさー。何でアイツなのかねー」
「さぁ…?」
「俺のほうが、カッコ良くね?」
「………」
「海斗、今の梨乃の状態をな、絶句、って言うんだぞ」
「へー。そーなのかーって知ってるよ!ばーか!」
藤二の発言に、ノリつっこみする海斗。
マスターが倉庫から出してきた、秘蔵のワイン。
イノセンス本部で、みんなで仲良く、それを味わっている。
せっかくだから…と、特別ゲスト。
IO2のディテクターもお誘いを受けた。
美味いワインが飲めると聞いて、断るわけもなく。
ディテクターは、即答で参加を決意。
丁度、香織と買い物している途中だったので、二人で会場にやって来た。
仲良さげ(というかラブラブ)な二人を遠目に、
わかりきった質問を飛ばした海斗。
梨乃が、見ればわかる、と言ったとおり。
二人は、見てるこっちが恥ずかしくなるほどに、ラブラブである。
「何か…視線を感じますね」
「気にすんな」
クスクス笑いあって、ワインを口に運ぶ二人。
どんなもんかと期待を胸に口にしたが、なるほど…。
これは、確かに美味い。
喉に落ちた瞬間、爽やかな香りが鼻を抜けて、
その数秒後には、心地よい眩暈が襲ってくる。
林檎のワインということで、サラッと飲めてしまうが、
実際、このワインは相当キツい。
ペースを乱してしまえば、あっという間に倒れてしまうだろう。
ディテクターはペースを保ちつつ、
美味しいつまみとワインを交互に舌に乗せて満喫。
これが美味いだとか、あの味付けは良いだとか、
ディテクターが漏らす感想を、しっかりと刻む香織。
こういうのが好きなんですね…覚えておかなくちゃ。
何時如何なる時も、香織の頭はディテクターでいっぱいだ。

*

鼾の響き渡る…本部中庭。
案の定というか何というか。
後先考えずにハイペースでワインを楽しんだ一行は、
揃いも揃って、ばったりと…。完全に酒に飲まれた状態だ。
中には平然としている者もいるが、ごく僅か。
ほとんどのエージェントは、すやすやと心地よさそうに眠っている。
で…ディテクターも、飲まれた面子の一人。
途中まではペースを保ち、オトナな楽しみ方をしていたのだが、
海斗や藤二に煽られて、一気飲みに参戦してしまった。
結果、ディテクターは、ぐったりしつつ歩いている。
フラフラなディテクターを必死に支えつつ、客室へと運ぶ香織。
大丈夫ですか…?と尋ねれば、返ってくるのは一言「うん」それだけ。
どう見ても、大丈夫そうには見えない。
「お水、飲みますか?」
客室、ソファにディテクターを座らせて、水を準備する香織。
だが、ディテクターは頷かず。代わりに、香織を手招きした。
「はい、何ですか…? …きゃ!?」
近寄った途端、ディテクターはグィッと香織の腕を掴み引いた。
ストン、とディテクターの膝に座ってしまう香織。
「デ、ディテクターさん…?あの…」
頬を赤らめ、混乱から、あたふたする香織。
ディテクターは、そんな香織をギュッと抱きしめて微笑む。
「は〜。良い気分だ。微妙に頭痛いけど…」
「お、お水…」
「いらない。いいから、このまま」
「は、はい……」
静かな部屋で、二人きり。
時計の音より風の音より、何よりも。
自分の鼓動の音が、鮮明に聞こえる…。
恥ずかしそうに俯きつつも、香織は幸せを感じていた。
丸ごと、自分を包み込んでしまう大きな腕。
耳にかかる息。腕に顔を埋めれば、大好きな香水の匂い。
触れ合っていることに、覚える幸福。
しばしの沈黙の後、香織はチラッとディテクターを見やる。
(わ……眠そう……)
見やったディテクターは、カックンカックンと揺れている。
虚ろな目で、香織の肩に顎を乗せては、
ハッと目を覚まして…また、うとうと…。
ディテクターの、その姿が可愛らしくて。
香織はクスクス笑って言う。
「あの…膝枕、しましょうか?」
香織の言葉に、コクリと頷くディテクター。

膝の上、すやすやと眠るディテクター。
風に揺れる彼の前髪に触れつつ、香織は淡く微笑んだ。
何だか、子供みたい…。ふふ。可愛いな。
いつしかそのまま、香織も夢の中へ。
ワインの残り香に包まれて、
二人が見るのは、どんな夢だろう。

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7440 / 月宮・香織 (つきみや・かおり) / ♀ / 18歳 / お手伝い(草間興信所贔屓)
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / ディテクター(草間・武彦) / ♂ / 30歳 / IO2:エージェント(草間興信所の所長)

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度様です! ヽ(´▽`)/
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ!

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2008.05.26 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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