■INNOCENCE / 潜入捜査 (限定受注)■
藤森イズノ |
【7433】【白月・蓮】【退魔師】 |
本部1F・リクエストボード掲載依頼
----------------------------------------------------------
内容:
マフィア "G-0" の構成員ファイルの入手
報酬:
¥3000000
難易度:
S
備考:
異界各所で悪事を働いているマフィア "G-0" (ジーゼロ)
その本部へ潜入し、構成員のデータが記された、
極秘ファイルを入手してきて欲しいとの依頼。
マフィアを叩く必要はない。
依頼人は、マフィアマニアの物好き。
かなり危険を伴うので、ソロ遂行は禁止。
難易度:<高 SS・S・A・B・C・D 低>
----------------------------------------------------------
|
INNOCENCE // 潜入捜査
------------------------------------------------------
OPENING
***
DEAR = INNOCENCE
CHARGE = \3500000
OPTION = NONE
ORDER = SEIJI.KASUGA
DEGREE = class "S"
REQUEST =
<マフィア "G-0" の構成員ファイルの入手>
異界各所で悪事を働いているマフィア "G-0" (ジーゼロ)
その本部へ潜入し、構成員のデータが記された、
極秘ファイルを入手してきて欲しいとの依頼。
マフィアを叩く必要はない。
依頼人は、マフィアマニアの物好き。
かなり危険を伴うので、ソロ遂行は禁止。
***
------------------------------------------------------
さて〜…どうしたもんかな、これ。
さすがに、マフィアに知り合いはいないしねぇ。
いや、もし仮にいたとしても、
極秘ファイルちょうだい、って言って、
うん、いいよ、って言うわけないんだけどさ。
蓮が今回請け負った仕事は、かなり難易度の高い仕事。
異界各所で悪事を働いているマフィア"G−0"の本部に潜入し、
マフィア構成員のデータが記された極秘ファイルを入手してくるというもの。
先程、依頼人と電話して色々と交渉・確認したけれど、
あれは…かなりの物好きだ。いるもんだよね、どこにでも。
マニア、ってのはさ…。よし、行くか。
襟を正し、気合を入れて部屋を出る蓮。
マフィアへの潜入捜査ということで、黒いスーツを着用。
スーツは勿論、本部倉庫から借りたもの。
こういうの…あんまり着ないからなぁ。
何か、動きにくい。ぎくしゃくしちゃうね。
ネクタイを少し緩め、セントラルホールへ。
そこでは、共に任務にあたる仲間、梨乃と藤二が待機していた。
二人も黒いスーツを着用している。
ソファに座り、煙草をふかす藤二と、魔銃の調整をしている梨乃。
まるで、映画のワンシーンのような光景だ。
「ホストみたいだね…藤二」
歩み寄りつつ苦笑して言う蓮。
藤二は煙草をジュッと消し、笑い返して言った。
「お前もだよ」
「はは。そう? ね、梨乃ちゃん、どう?似合う?」
蓮に問いかけられ、梨乃はハッとして。
「あ、はい。カッコいいと思います」
ポロッと本音を漏らした。
すぐに慌てて、何言ってるんだろ…と照れる梨乃。
梨乃のスーツ姿は新鮮だ。うんうん、そういうのも良いね。
似合ってる。でも…マフィアって感じじゃないな。
「ふふ。梨乃ちゃんも、可愛いよ」
頭を撫でて笑う蓮。
イチャつく(イチャついてるのか?)二人を横目に、
藤二は、チャリ…とキーを懐から出し、指先でクルクル回して言う。
「はいはい、そこ。イチャついてねぇで。行くよ〜」
マフィア"G−0"の本部までは、藤二が運転する車で。
藤二の車は奇抜で、個性的だけど、さすがに今回は…ということで、
魔法で、真っ黒に染めている。中で談笑を交わす三人だが、
黒塗りの車の中、黒スーツの三人…道行く人が、反応しないわけもない。
信号で止まるたび、チックチクと刺さるような視線。
車内で一行はケラケラと笑った。本物だと…思われてるかな?
*
すんなりと…G−0本部へ潜入した三人。
何だか、ここまであっさり潜入できると、かえって不安になるよね、
などと笑いつつ、一行は入手すべき極秘ファイルを探し、本部内をウロウロと。
マフィアの本部…という感じが、至るところに散らばっている。
壁に達筆で書かれた、理念のようなものや、
綺麗なガラスケースに並ぶ "武器" だとか…。
「お。これ、面白い型だな…」
並んでいる武器の一つに興味を持ち、立ち止まって見入る藤二。
梨乃は、ぺしっと藤二の背中を叩いて叱る。
変なことしちゃダメ。怪しまれたら、面倒だから…。
へいへい、と笑い…姿勢を正して歩き出す藤二。
すれ違うマフィアには一礼を、廊下を歩くときは右側を。
毎時間、二十五分になったら、その場で胸に十字を刻む。
事前に依頼人から聞いていた、マフィア内でのルールを忠実に守りつつ、
一行は本部内をザッザッと歩きつつ探す。極秘ファイルを…。
そうして捜索を続ける中、とあるマフィアが蓮たちに違和感を覚える。
あんな奴等…いたか?そう思ったマフィアは、ツカツカと蓮たちの元へ。
「おい。お前ら」
背後から声を掛けられ、ビクッと肩を揺らす梨乃。
蓮と藤二は冷静に、サッと梨乃を自然に背に庇うような体勢で振り返る。
「はい」
ピシッと姿勢を正して藤二が言うと、
マフィアはジーッと…蓮たちを見やった。
バレたかな…そう思うけれど、それは不要な心配だったようで。
「お前ら、新入りだな?」
マフィアはフッ、とニヒルな笑みを浮かべて言った。
バレてない。っていうか、こいつ…頭悪そう。
そう思いつつ、蓮はペコッと頭を下げ、核心をつく問いを飛ばした。
「ボスの部屋は、どこですか?」
「あん?ボスの…?」
「えぇ。挨拶がまだなので」
「はぁ、なるほどな。そりゃマズイな。来な、こっちだ」
ボスの部屋へと案内するマフィア(粋がってるけど、多分下っ端)
重要なファイルがあるとするならば、それはボスの部屋。
おそらく、鍵付き金庫の中に…とか、そんな感じだろう。
一昨日見た、映画を参考にしてみた蓮。
事実、それは的を射ていた。
極秘ファイルは、ボスの部屋にある。
ボスの部屋へと案内され、失礼のないように…と警告される一行。
案内されて、大きな扉の前…何だか、イノセンスにスカウトされた日を思い出す。
まぁ、この扉の中にいるのは、灰色ローブの気さくなジィちゃんじゃなくて、
葉巻を咥えた油ギッシュなオッサンなんだろうけれど…。
部屋に入り、三人は横一列に並んで両手を後ろにやって、一礼。
開く足の幅は、肩幅と同じくらいで…。
チラリと蓮たちを見やり、葉巻を咥えてボスは言った。
「おぅ。新入りか…。若ぇな」
何という想像通りな風貌だ。小太りで油ギッシュで、葉巻…。
想像通りの姿に、思わず笑ってしまいそうになるが、我慢、我慢…。
蓮は、トン、と梨乃の背中を軽く押した。
「…(え?)」
一歩前に出た梨乃は、キョトンとしている。
蓮は片目を瞑り"合図"のようなものを飛ばして言った。
「ボス。この女なんですが…いかがですか」
「あぁん?くっくっ…気が利くじゃねぇか」
「当然のことです。お気に召せば…光栄です」
ニッと笑って言う蓮。蓮の言葉に、ボスは満足そうに笑みを浮かべ、
じーーーーっと梨乃を見つめた。
舐め回されているかのような…気色悪い視線。
梨乃は、うぅ…と肌に粒を浮かべて身震いしつつも、ニコリと微笑みかけた。
ボスは梨乃を気に入ったようだ。ここも予想通り…ロリコンね。
蓮の即興劇に、隣の藤二は苦笑を浮かべている。
(この状況で即興か…度胸あるよな、ほんとに、こいつは…)
「くく…なかなかの上物じゃねぇか」
梨乃を膝の上に乗せて満足気に笑うボス。
「何よりです」
蓮は目を伏せ、淡く微笑みつつ…。
密かに、鎌鼬を部屋内に放った。
ボスは、当然のごとく気付いていない。
さて、ここからは時間稼ぎだ。
即興ではあるものの、藤二と梨乃も作戦をすぐに理解する。
さりげなく、さりげなく質問を飛ばしたり、ボスを褒めたり、
蓮・藤二・梨乃の三人は、時間を稼ぐ。
チラチラと見やる鎌鼬。
よし…金庫の鍵を…開けた。
そのまま…鎌鼬は、音もなく、中にあったファイルを一冊取り、
スルスルと窓から、外へと脱出。
OK…もう、ここに用はない。
顔を見合わせ、コクッと小さく頷く蓮と藤二。
ボスは、先程から調子に乗って、梨乃の体をペタペタと触っている。
いやぁぁぁ…うぅぅぅ…勘弁して…という表情で耐えている梨乃。
やれやれ。調子にノンなよ、このブタ。
ニコリと微笑み、風月を出現させ、その切っ先をボスの喉元へ向ける蓮。
その瞬間、梨乃はタタッと逃げ出し、蓮の背後へ。
「貴様…何のつもりじゃぁ…?」
ギン、と睨みつけて言うボス。
蓮は淡い笑みを浮かべつつ返す。
「新しく仕入れた獲物です。切れ味を試してみたくて」
「…貴様」
スッと懐から銃を抜こうとした瞬間。
とぅっ、と藤二が煙玉を放る。
「ごほっ!?…き、貴様ら!くそっっ!!!!」
煙に紛れて…一行は、窓からエスケープ。
*
「すげぇ即興劇だったなぁ。感心したよ」
くっくっと笑いつつ、入手したファイルをパラパラめくって言う藤二。
鎌鼬を肩に乗せ、蓮は「どうも」と微笑む。
餌のような扱いをされた梨乃は…不快そうだ。
いまだに、触られているかのような感触が…。
う〜…と顔をしかめている梨乃。
そんな梨乃の肩を抱き、蓮は「ごめんね」と謝った。
作戦とはいえ、かなりキツかった。
何ていうか、色んな意味で…。
「仕事ですから…」
割り切って、そうは言うものの。
梨乃の表情は、曇ったまま。
任務は見事な完遂。
けれど、ちょっと厄介なことになった。
イノセンス本部へ戻る道中、蓮は、もう一仕事。
梨乃の機嫌を直す、ミッションを。
------------------------------------------------------
■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■
7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント
■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■
こんにちは! おいでませ、毎度様です^^
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…^^
-----------------------------------------------------
2008.05.23 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
-----------------------------------------------------
|