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■INNOCENCE / シトラス・バブルバス (限定受注)■

藤森イズノ
【7403】【黒城・凍夜】【何でも屋・暗黒魔術師】
本部二階にあるバスプレイス。
うん…いつ見ても、オシャレなバスルームだ。
ルームっていうより、本当…プレイスって感じ。
広々とした巨大浴場。
しかも、今バスプレイスには自分だけ。
貸切みたいなもんだ。
バスタブ(っていうには大きすぎるけど)に、
お好みのエッセンスを入れて…ゆったり。
今日はシトラスバブルのエッセンス。
柔らかな泡に包まれて。
うーん…極楽、極楽。
(ん…?)
くつろいでいた矢先、何やら物音が。
おや、誰か入ってきたみたいだ。
INNOCENCE // シトラス・バブルバス

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OPENING

本部二階にあるバスプレイス。
うん…いつ見ても、オシャレなバスルームだ。
ルームっていうより、本当…プレイスって感じ。
広々とした巨大浴場。
しかも、今バスプレイスには自分だけ。
貸切みたいなもんだ。
バスタブ(っていうには大きすぎるけど)に、
お好みのエッセンスを入れて…ゆったり。
今日はシトラスバブルのエッセンス。
柔らかな泡に包まれて。
うーん…極楽、極楽。

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(へぇ…これも魔法か…)
バスタブの中、ゆったりと寛ぎつつ、
床に散らばっている色とりどりの石を手にとってみる凍夜。
不思議な石だ。熱で、トロリと溶ける。
解けて液状になった石からは、ふわりと…ハーブのような香り。
妙に落ち着くのは、この所為なのかもしれないな。
ふぅ…と息を吐き、天井を見上げてみる。
高い天井にも、色とりどりの石。
窓はステンドグラス…どこからか、鈴の音のようなものも聞こえてくる。
不思議な空間だ。心から、ゆったりと落ち着く。
入る前までは、あれこれ考え事をしてたのに。
何をそんなに必死になって考え込んでたんだか…とさえ思えてしまう。
くつろいでいる凍夜は、気付いていない。
もう一人、バスプレイスに人が入ってきたことに。
そして、それが梨乃だということにも。
同じく、梨乃も気付いていない。
凍夜が湯に浸かっていることに、気付いていない。
まぁ、無理もない。凍夜の体は、白い大きな岩に隠れていて見えないのだから。
軽く汗を流し、ちゃぷ……と湯に足を入れる梨乃。
水面が僅かだが揺れたことで、誰かが入ってきたことに、
ここでようやく凍夜は気付く。
ボーッとしてたな。まったく気付かなかっ……。
チラリと見やって、硬直してしまう凍夜。
り、梨乃?何故……というか、混浴なのか?ここ…。
動揺し、大きく身体を動かしてしまう凍夜。
水面が、大きく揺れる。
あれ…誰か先に入ってたんだ。全然気付かなかっ……。
チラリと見やって、硬直してしまう梨乃。
と、凍夜さんっ!?わ、わわわわ…ど、どどど…どうし…。
動揺し、大きく体を動かしてしまう梨乃。
水面が、大きく揺れる。

身動きがとれず、距離を保ったまま、ジッと動かない二人。
動かずとも、二人は揃ってタイミングを計っている。
バスタブから出る、というか逃げ出す、そのタイミングを。
ピチャリと、シャワーから一滴の雫が落ちた。
…今だっ。こともあろうに、そのタイミングさえ被ってしまう二人。
同時にザブッと上がったことで、必然的にバチッと目が合う。
「…!」
「…はわっ!?」
またもや、ザブッと湯の中に体を沈める二人。
その繰り返しだ。タイミングを計っては、出ようと身体を上げて。
でも、そのタイミングが見事なまでに被る為、同じことの繰り返し。
(…熱い)
こんなに湯に浸かりっぱなしになったことなんてない。
さすがにのぼせてきた…。ふぅ…と息を吐く凍夜。
だが、それは梨乃とて同じこと。
大丈夫か…?あいつ…。
心配になり、チラッと見やる。
見やって、ギョッとする凍夜。
梨乃は、バスタブに凭れるようにして、くた〜っとしている。
恥ずかしいだなんて言ってる場合じゃない。
凍夜はザブザブと梨乃に近寄り、抱き上げて外へと運ぶ。
柔らかい…などと思ってる場合でもない。
柔らかい…だから、そんなこと考えてる場合じゃない。
凍夜は、ブンブンと頭を振りつつ梨乃を運ぶ。
くらくらと…眩暈を覚えつつ。

*

そよそよと…心地良い風が頬を撫でる。
(……?)
ふっと目を開ける梨乃。
「あ。大丈夫か…?」
目の前には、扇子で自分を扇いでいる凍夜。
はっ、と我に返った梨乃は、慌てて立ち上がった。
その拍子に、ハラリと…身体を覆っていたバスタオルが剥がれ…。
「…!!」
突風が起きるのではないかというほどのスピードで顔を背ける凍夜。
同じく、凄まじいスピードで、慌てて剥がれるバスタオルを引き戻す梨乃。
静寂……。き、気まずい。
コチ、コチ…と柱時計の音だけが響く。
気まずい雰囲気を何とかしようと、サッと席を立ち、
自販機で、コーヒー牛乳を二本買う凍夜。
少し距離を空けて隣に座り、おずおずと差し出す…。
梨乃は小さく「あ、ありがとうございます」と、
どもりつつ返し、差し出されたコーヒー牛乳を受け取る。
が、動揺してしまって、蓋が…蓋が開かない。
何度もカシカシと蓋を開けようとして必死になっている梨乃。
そんな梨乃を見て、凍夜は思わずクッと笑い、蓋を開けて、渡してあげた。
「あ、ありがとうございます…」
「いや…」
並んでコクコクと飲むコーヒー牛乳。
二人は少し黙っては飲み、チラッと互いを見やり、
また黙って飲み…それを繰り返す。
同じことを繰り返しているうちに、解れていく緊張。
二人は同時に声を放った。
「「ごめんな(ごめんなさい)」」
重なり合った言葉に、一瞬キョトンとして…クスクス笑いあう二人。
せっかく、ようやく、ぎこちない雰囲気から抜け出せたのに。
そこへ、邪魔者がやってくる。
ガラララッ―
「…おっ?」
バスタオルを肩にかけつつ入ってきたのは…藤二だった。
並んで座る二人、まさに湯上りといった格好…。
二人を見て、ニヤ〜リと笑う藤二。
「何だぁ?もう一緒に風呂入る仲になったのかい?」
「!!う、うるさいっ…」
ガバッと立ち上がり、ダダダッと逃げ出す凍夜。
梨乃は、うぅ…と俯き頬を染めている。
あぁ、失敗した。もう少し後から来れば良かった。
っていうか、こっそり観察しておけば良かった。
惜しいことしたな〜〜…。
ふっふっ…と笑いつつ、バスプレイスへ入っていく藤二。
梨乃は、ふぇぇ…と泣きそうな顔をしつつ、いそいそと着替えだす。
ボタン、掛け違えてますよ。梨乃さん。
何て甘酸っぱいハプニング。
まぁ、たまにはこんな…心臓が飛び出しそうなハプニングも、アリなんじゃないですか?
お互いに…ね?

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7403 / 黒城・凍夜 (こくじょう・とうや) / ♂ / 23歳 / 何でも屋・契約者・暗黒魔術師
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! おいでませ、毎度様です^^ くすぐったい…!(笑)
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…^^

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2008.05.24 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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