■ＩＮＮＯＣＥＮＣＥ / おばけやしき （限定受注）■ 藤森イズノ 【0086】【シュライン・エマ】【翻訳家＆幽霊作家＋草間興信所事務員】 本部１Ｆ・リクエストボード掲載依頼 ---------------------------------------------------------- 内容： お化け退治 報酬： ￥１０００００ 難易度： Ｃ 備考： 廃館に潜んでいる無数の"おばけ"を退治して欲しいとの依頼。 おばけ＝魔物だが、依頼人でも退治できたので、強敵ではない。 むしろ雑魚といえよう。だが、数が半端なく多い。 その為、依頼人は助けを求めているようだ。 依頼人は、現場・廃館近くにある洞窟内で生活している。 難易度：＜高 ＳＳ・Ｓ・Ａ・Ｂ・Ｃ・Ｄ 低＞ ---------------------------------------------------------- ＩＮＮＯＣＥＮＣＥ // おばけやしき ------------------------------------------------------ ＯＰＥＮＩＮＧ *** DEAR = INNOCENCE CHARGE = \150000 OPTION = NONE ORDER = KAORU.OTONASHI DEGREE = class "C" REQUEST = ＜お化け退治＞ 廃館に潜んでいる無数の"おばけ"を退治して欲しいとの依頼。 おばけ＝魔物だが、依頼人でも退治できたので、強敵ではない。 むしろ雑魚といえよう。だが、数が半端なく多い。 その為、依頼人は助けを求めているようだ。 依頼人は、現場・廃館近くにある洞窟内で生活している。 DEGREE CLASS= CRAZY SS-S-A-B-C-D EASY *** ------------------------------------------------------ 「了解です。御任せ下さい」 「よろしく頼むよ」 「よし。じゃ、行こっか、梨乃ちゃん」 「は、はい」 依頼人と接触し、内容や報酬の確認を終えて。 シュラインは、梨乃を連れて問題の廃館へと向かう。 頼もしい仲間、タシ・エクも一緒だ。 依頼人は、魔物の住処と化した廃館を博物館にしたいのだそうで。 博物館かぁ、いいかもしれないわね。 異界の名所になったりして？ でも、取り扱いはどういうものなのかしら。 やっぱり、魔物だとか事件だとか…そっち方面かな。 完成したら、是非足を運んでみたいところね。 探偵さんとレイちゃん誘って…。 二人とも、意外と、そういうの好きだからなぁ。 きっと、楽しんでくれるはず。 まぁ、何だかんだで一番満喫しちゃうのは私なんだろうけど。 クスッと笑い、シュラインは梨乃を見やった。 浮かべた微笑は、想像に対するものだけではない。 梨乃の様子が、明らかにおかしいのだ。 何もないところで転んだり、辺りをキョロキョロしたり。 とにかく、落ち着きがない。 たまたまホールで鉢合わせたから、 一緒にどう？って誘って連れてきたのだけれど。 そういえば、複雑そ〜な顔してたのよねぇ。 もしかして…とは思ってたけど。 間違いなさそうね、これは。 問題の廃館に到着した途端、梨乃がサーッと青ざめる。 ささっと終わらせちゃいましょう、と中へ入っていくシュライン。 そのシュラインの服裾を、キュッと握る梨乃…。 うん、間違いない。 そうか、そうか。 やっぱり、苦手なのね、こういうの。 「うぱぱぱぱー！」 「おぉっ」 「きゃあああああああ！！」 館に踏み入って早々、いらっしゃいと言わんばかりに出現した魔物。 どっかで見たことのあるような…傘の、おばけ。 ピョンコピョンコと跳ねて、楽しそうに笑う傘おばけ。 いきなり現れたことに驚きはしたものの、 何というか、微笑ましい。可愛らしい、おばけだこと。 そんでもって、梨乃ちゃんも…可愛いなぁ。 シュラインにギューッと抱きつき、固く目を瞑っている梨乃。 そう、梨乃は "おばけ" が苦手だ。 魔物は平気。おばけは嫌い。 どちらも似たようなものだと思うが…。 本人いわく、まったくの別物なのだそうで。 ビビり過ぎな梨乃にクスクス笑いつつ、探る館内構成。 ふむふむ、三階建て…ちょっと入り組んでるのね。 音による推測だけれど、ふむ…確かに、凄い数だわ。 百…ううん、二百はいるかしら。 でも、どれも小さな鼓動。 一つでも大きな鼓動があれば危険度はグンと増すけれど…その心配はなさそうね。 一歩も動かず探り、適当な場所を探す。 効率よく、お仕事が出来そうな場所…。 探った結果、シュラインは、長い廊下に目を着けた。 うん、ここかな。ここが一番しっくりくるわね。よし。 タシ・エクに指示を飛ばす。 二匹は、合点承知〜とばかりに駆け出し、見当違いの方向へ。 「…？」 背中に隠れつつ、キョトンとしている梨乃。 シュラインはニコッと微笑むと、梨乃にバサリと上着を被せた。 ミリオーラの新作、初夏のカーディガン。お気に入りなの。素敵でしょ？ 「あ、あの…？」 上着を被せられ、戸惑っている梨乃を連れて…向かいましょ。現場へと。 長い長い廊下。 真っ直ぐに伸びたそこで、タシ・エクと合流。 前方から全速力で駆けて来る二匹。 はさみうち。 中間には、タシ・エクに追い掛け回された魔物がウジャッと。 さすがに、ここまで集結すると気持ち悪いわね。 怖くはないけど…。梨乃ちゃんが見たら、失神しちゃうから、と。 ササッと梨乃を背中に隠し、パチンと指を弾く。 それは「いつでもどうぞ」の合図。 合図を受けて、タシは眩い光を全身から放つ。 白い光、その逆光に浮かぶシルエット。 存在そのものっていうより、見た目の問題なのよね。 だから、こうして姿を真っ黒にしちゃえば。 「ね？怖くないでしょ？」 「は、はい」 「よしっ。んじゃ、一掃しちゃいましょ」 「はいっ」 眩い光の中、浮かぶシルエットが次々と消えていく。 予想通り、やはり見た目が問題だったようで。 影と化した おばけは、ちっとも怖くない。 躊躇うことなく発砲し、次々と仕留めていく梨乃。 取りこぼしの標的を、タシ・エクと共に始末しながら、シュラインは笑う。 うんうん、やっぱり凄いわよね。狙撃センス。 まだ少し怖いのか、片目を瞑ったままだけれど。 見事に射抜いていく。白い光の中に飛び交う蒼い水。 綺麗だなぁ、なんて…和んでる場合じゃないわよね。 * 「御疲れさま」 「…お、お疲れ様です」 ぱさりと上着を剥がし、労いの言葉をかける。 かなりの数を始末したことで、魔力を放出しすぎたのだろう。 梨乃は、ぺたんと床に座り込んでしまっている。 ありがとうございます、と何度も御礼を述べる梨乃。 彼女の言葉に、シュラインはクスクス笑う。 どういたしまして。 私達だけで、サクッと退治しちゃっても良かったんだけれど。 それじゃあ、梨乃ちゃん、どよーんとヘコんじゃうと思ったの。 ほら、あなたは責任感が強いから。 自分は何も出来なかった…となると、責めちゃうでしょ。 パッと思いつきで行動したのだけれど、上手くいって良かったわ。 タシ・エクも、お疲れ様。 あなたたちがいなきゃ、こんなに早く完遂できなかったと思うの。 シュラインに喉下を撫でられ、嬉しそうな二匹。 機転をきかせた見事な作戦で、おばけたいじは無事完了。 さぁて、依頼人のところへ戻って、報告しなきゃね。 ついでに、博物館のこと、ちょっと聞いていきたいんだけど、良いかしら？ ------------------------------------------------------ ■■■■■ ＣＡＳＴ ■■■■■■■■■■■■■ ００８６ / シュライン・エマ / ♀ / ２６歳 / 翻訳家＆幽霊作家＋草間興信所事務員 ＮＰＣ / 白尾・梨乃 （しらお・りの） / ♀ / １８歳 / ＩＮＮＯＣＥＮＣＥ：エージェント ■■■■■ ＴＨＡＮＫＳ ■■■■■■■■■■■ こんにちは！ おいでませ、毎度様です＾＾ 気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…＾＾ ----------------------------------------------------- ２００８．０６．０６　／　櫻井 くろ （Kuro Sakurai） -----------------------------------------------------