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■INNOCENCE / IO2共同任務2 (限定受注)■

藤森イズノ
【7433】【白月・蓮】【退魔師】
IO2との共同任務、野犬討伐。
共同任務なだけに、報酬は高額だ。
たかが野犬と侮るなかれ。
奴等は魔物に魅入られた愚かな獣。
併せて、その"数"にも注意せねばならないだろう。
「よっしゃー。行きますかー!」
「…大声出さないでよ」
気合十分な海斗に呆れて警告を飛ばす梨乃。
二人の変わらぬ遣り取りに、ディテクターは煙草を踏み消して苦笑した。
薄暗い山の中…野犬討伐、開始。
INNOCENCE // IO2共同任務2

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OPENING

IO2との共同任務、野犬討伐。
共同任務なだけに、報酬は高額だ。
たかが野犬と侮るなかれ。
奴等は魔物に魅入られた愚かな獣。
併せて、その"数"にも注意せねばならないだろう。
「よっしゃー。行きますかー!」
「…大声出さないでよ」
気合十分な海斗に呆れて警告を飛ばす梨乃。
二人の変わらぬ遣り取りに、ディテクターは煙草を踏み消して苦笑した。
薄暗い山の中…野犬討伐、開始。

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「わんこーわんこー♪」
「…お前。それ、やめろ」
「何だよ。楽しませてやろーとしてんのに」
「…逆に不快だから」
IO2との共同任務。
この任務にあたることになった四名。
INNOCENCEからは、蓮・海斗・梨乃の三名。
IO2からは、ディテクターが抜擢された。
一行は、野犬が生息している山を行く。
薄暗い山道だが、海斗の炎が赤々と光り、視界は良好だ。
山に入ってから、海斗はずっと歌を歌っている。
タイトルは『わんこのうた』…もう少し、捻りなさい。
時刻は深夜零時。寝込みを襲おうと山に入ったのに、元気に歌われては迷惑である。
ディテクターは、歌う海斗の口を塞いだり、ポカッと殴ったり。
それを後ろから見やっている蓮と梨乃はクスクス笑う。
「何だかんだで、仲良いよね、あの二人」
「ですねぇ…」
仕事中だというのに、何という緊張感のなさ。
大丈夫なんだろうか…こんなんで。
「おっ!いたー!」
「だ〜から、叫ぶなっての…」
海斗が、前方に野犬の群れを発見。
群れ…というには、少し少ないかな。
何グループかに分かれて活動してるんだろうね、きっと。
で、襲うときは一致団結してワサッと集まって襲い掛かる、と。
野犬被害にあっているのは、主に狩人。既に、死者も出ている。
発見された遺体は、無残に引きちぎられ、とても見れたものではない。
ただの野犬ではなく…魔物に憑依されているのだろう。
確認できる野犬は、一、二、三、四匹…か。
複数のコロニーというか…グループで活動しているなら、
集結する前に倒しちゃえば楽だよね。
「よっしゃー…サクサクっといこーぜ!」
「だから…叫ぶなって」
「おらーーー!!」
「………(はぁ)」
大声で叫びつつ、突っ込んでいった海斗。
魔銃から放たれた炎が、次々と野犬を消し炭に変えていく。
「瞬殺ってやつだねぇ。俺達の出番なしか」
クスクス笑い、魔銃を指先でクルッと回す蓮。
海斗は消し炭となった野犬を踏みつけ、ふふんと高笑い。
「よゆーだぜ!よゆー!」
ダダッと駆け出す海斗。元気で何よりだ。
少々やかましいけれど、彼の能力は逸脱している。
事実、文字通り余裕かもしれない。
意外と早くカタがつきそうだなと煙草に火をつけるディテクター。
蓮と梨乃は、そうですねぇと苦笑した。
「やべぇ!!」
どうしたことか。一人、先を行っていた海斗が血相変えて戻ってきた。
梨乃は嫌〜な予感をビシビシ肌に感じつつ、それでも聞いてみる。
「…どうしたの」
「事故だよ、事故」
あははっと笑う海斗。その後ろには…ギラギラと眼を光らせた野犬の群れ。
先程とは違う。数が半端ない。まさに "群れ" だ。
先頭にいる野犬を見やり、事情を把握する一行。
尻尾が…くしゃくしゃになっている。
一体、どう踏んづけたら、あそこまで滅茶苦茶になるのか…。
疑問を抱きつつ、はぁ…と溜息を落として…とりあえず、エスケープ。
「ほんっと、馬鹿なんだから!」
「だからー!事故なんだって!」
「…言い訳は、いいから。どうすんだ、お前これ…」
「っははは」
『ワウワウワウワウワウ!!』
追いかけてくる野犬の群れから逃げつつ、山を駆け回る一行。
さぁて…どうしたもんかな、これ。
まぁね、嫌な予感はしてたよ。
海斗くんがハイテンションで暴走すると、いつもこうだからね。
一匹ずつ始末するのが一番妥当なんだけど…数がなぁ。
立ち止まったら、一斉に飛び掛ってきてアウトだよね。これは。
う〜ん…と考えつつ逃げる。その途中。
「あっ!」
ドシャッ―
木の枝につまづいて、梨乃が転んだ。
「ばか!」
「…間に合うか?」
慌てて駆け寄ろうとする海斗とディテクター。
だが、案ずることはない。
二人が駆け出すよりも先に、蓮が "活性" により駆け寄っていたから。
「大丈夫?」
「は、はい。すみませんっ」
梨乃を抱き起こし、手を繋いで再び逃げる。
あと一歩、出遅れていたら梨乃は野犬の餌となっていただろう。
ふぅ…と息を吐き、気持ちを切り替えて前を向く梨乃。
その真剣な眼差しに、蓮はピンと閃く。
「梨乃ちゃん。あれ、やってみようか」
「え?」
「フレアウルフのときの共同作業♪」
「えっ……あぁ!」
思い返して理解した梨乃は、コクリと頷く。
蓮は、うんうんと頷き返すと、前を走る海斗とディテクターに指示を飛ばした。
指示に応じ、走行速度を落とす海斗とディテクター。
二人を追い抜いた蓮と梨乃は、手を繋いだまま、空いた手で魔銃を握り構える。
クルッと振り返り、野犬へ乱射し、威嚇する海斗とディテクター。
だが、その威嚇は一時的なもの。
少しだけ、少しだけ足止めさせれれば、それで良い。
「準備は?」
「いつでも…!」
「オーケイ。じゃ、よろしく」
「はいっ」
梨乃が頷くと同時に、蓮は発砲。
放たれた風は竜巻と化しつつ、野犬の群れの上空に留まる。
グルグルと、ものすごい速度で回っているそこへ…梨乃が発砲。
放たれた水の帯は、竜巻に取り込まれて…飛沫を撒き散らす。
風と水の融合。鋭利な…水の刃。
切り裂かれた野犬は、バタバタと倒れて減っていく。
かなりの威力を誇る融合魔法だが、無差別だ。
標的を絞って攻撃することはできない。
故に、海斗とディテクターも避けねば、くらってしまう。
運良く切り裂かれず、生き長らえた野犬は、変わらず追ってきて牙を向く。
いわば、取りこぼし。それを担当するのが海斗とディテクターの役目だ。
「すげー!」
「完成の域に達してるな…。おまけにまだ、応用が利きそうだ」
蓮と梨乃の融合技・融合魔法に感心しつつ、取りこぼしを始末していく二人。
山を駆け回る、四人と野犬、風と水のワルツ。

*

「…はぁ…はぁ…」
「あっはは!だらしねーぞ!」
「お前こそ…汗だくじゃねぇか」
「ふん。俺は、まだまだイケるし」
「…もっかい走り回ってこい」
「やだ」
討伐完了。山の頂で、息を切らす一行。
一行が駆け回った後には、野犬がバタバタと倒れている。
後は、討伐した証として野犬の屍骸を袋に詰めて…依頼人に渡せば良い。
だが、何匹倒したのか、どこで倒したのか定かではない為、
もう一度、山を一回りすることになりそうだ。
まぁ…もう走り回る必要はないから、ゆっくりと歩きながらで良いけれど。
「…さすがに、疲れましたね」
はふぅと息を漏らして微笑む梨乃。
蓮と梨乃は、討伐最中ずっと魔力を消費していた為、
海斗・ディテクターよりも疲弊している。
うん。確かに…ちょっとキツかったかな。
でも、キミと力を合わせたお陰で、討伐完了できたよ。
ねぇ、気付いてる?あの時より、威力が格段に上がってた。
俺達、まだまだ成長していけるよ。
お互いの魔力が更に上がったら…あの技、すごいものになるかもね。
探偵さんの言ってたとおり、応用も効きそうだし。
今晩あたり、色々考えてみよっか?
で、考え付かれたら、一緒に眠ろう。同じベッドで。ね?
「お疲れ様」
ニコッと微笑み、梨乃の額にチュッとする蓮。
梨乃は慌てて、額を隠した。
見られたら、どうするんですか!と頬を染める梨乃。
「見られたら…ね。それは、それで燃えるかな?」
「もぉ……」
背後から聞こえてくる、甘ったるいトーク。
背中にバシバシ感じる甘いオーラに、海斗とディテクターは苦笑。
「丸聞こえだっつーの」
「…いいねぇ、若いってのは」
さぁ、気を取り直して。野犬の亡骸を集めに参りましょうか。
全部回収できたときは…おそらく、朝になっているだろうけれど。

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / ディテクター(草間・武彦) / ♂ / 30歳 / IO2:エージェント(草間興信所の所長)

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! おいでませ、毎度様です^^ 任務、ご苦労様です。
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…^^

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2008.05.30 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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