コミュニティトップへ




■INNOCENCE / 白竜の祈り (限定受注)■

藤森イズノ
【7433】【白月・蓮】【退魔師】
とにかく謎だらけ。
それが魅力でもあるけれど。
それにしても謎すぎる。
イノセンス・マスター。
素性の知れない実力者。
わからないことが多ければ多いほど。
知りたくなるのが人の性。
ということで…尾行してみようと思うんだ。
無謀かもしれないけど…ね。
INNOCENCE // 白竜の祈り

------------------------------------------------------

OPENING

とにかく謎だらけ。
それが魅力でもあるけれど。
それにしても謎すぎる。
イノセンス・マスター。
素性の知れない実力者。
わからないことが多ければ多いほど。
知りたくなるのが人の性。
ということで…尾行してみようと思うんだ。
無謀かもしれないけど…ね。

------------------------------------------------------

イノセンスに所属して、それなりの時間が経過したけれど。
やっぱり…どうもイマイチわからないんだよなぁ。マスター。
気さくで、ちょっと茶目っ気があって…。
まぁ、魅力的な人だなぁとは思うんだけど。
だからこそ、こうして組織に身を置いてるわけだし。
彼に従う人がたくさんいるのも事実だし。
でも、謎な部分が多すぎて、気になるよね。
だからね、観察してみようと思うんだ。丸一日使って。
暇人?失敬だなぁ。重要任務だよ、これは。
離れた位置、木の影に隠れてマスターを観察している蓮。
マスターは今日も今日とて、中庭でガーデニングを楽しんでいる。
中庭にある花壇は、彼の手により色鮮やかに染まる。
エージェント達の憩いの場である中庭に、更なる癒しを加えているのだ。
…楽しそうだなぁ。めっちゃ笑顔だ。
うっかり釣られて、こっちまで笑顔になっちゃうね。
っていうか、いつもそうか。
マスターと話してると、いつの間にか笑顔になっちゃうよね。
毒気を抜かれるっていうか…そんな感じかな。
色とりどりの花を一つ一つ丁寧に、真心こめて飾っていくマスター。
大胆且つ繊細なそれは、ガーデニングというより生け花のような…。
器用だよなぁ…。今度、教えてもらおうかな。
いや、待てよ。面倒かも、それは。
それなら、生けた花を貰うほうが手っ取り早いよね。
うんうん、と頷いている蓮。
そんな蓮の後ろに、ちょこんとしゃがむ梨乃。
気配を感じて、ふっと振り返って…蓮はビクッ。
「ぅぉ」
「何してるんですか?」
クスクス笑って首を傾げる梨乃。
「びっくりした…気配消すの上手だね、梨乃ちゃん」
「ふふふ。鍛えてますから」
「っはは。いや…ちょっと、マスター観察をね」
「えぇ?どうしてですか?」
「梨乃ちゃんは気にならない?謎だらけなマスター」
「うーん。気にはなりますけど、そこが魅力だと思いますよ」
うん。キミらしい意見だ。ごもっとも。
いやね、俺もさ、そうは思うんだよ。でもねぇ…。
そうこうしている内に、マスターが移動。
「おっと。移動だ移動」
「蓮さん…って、あの」
梨乃の手を引き、連れて行く蓮。
尾行なんて駄目ですよ〜と言う梨乃を説得し、蓮は尾行る。
説得しきれておらず、半ば強制連行ですけども。

至って普通の生活…。
何の変哲もない生活をマスターは送っている。
愛猫のシャトゥと遊んだり、紅茶を飲んだり、
エージェントに声を掛けて調子はどうじゃ?と聞いてみたり、
森林浴しつつ読書を楽しんだり、うとうと居眠りしたり…。
うーん…特にこれといった発見はないなぁ。
やっぱり、謎は謎のまま…なのかなぁ。
「蓮さん。もう止めましょうよぉ…」
梨乃からしてみれば、自分の親を尾行しているようなものだ。
興味がないわけではないけれど、やっぱり心境は微妙。
待って、もう少しだけ…そう言って梨乃を宥めたときだった。
ふと眠り(居眠り)から目覚めたマスターの表情が変わる。
神妙…というか何というか。変わったのは明らかだ。
マスターは、その面持ちのまま、ゆっくり歩き、森の中へと入っていく。
「何だろう。特ダネの予感…。よし、行こう。梨乃ちゃん」
「も〜〜〜……」

*

マスターを尾行て辿り着いたのは…魔森の中にある泉。
蓮にとって馴染み深い…ここは、梨乃と、よくデートする場所だ。
こんなところに一人で来て…何をするつもりだろう。
こそこそと隠れつつ見やっていると、
マスターは一人、トコトコと歩いて…泉の中へ入っていく。
愛猫のシャトゥは、ほとりで毛づくろい。
(…泳ぐには、まだちょっと早いと思うんだけどなぁ)
うーん?と首を傾げている蓮。
さすがに梨乃もジーッと見やっている。
ザブザブと泉の中に入っていくマスターは、どこから見ても異様だ。
首を傾げて見やって、およそ三分後。
二人は驚き、尻餅をついてしまう。
泉の中でマスターが眩く輝き…白い竜へと姿を変えたからだ。
「お〜……」
「な、何で…」
バサリを翼を広げ、コクコクと泉の水を飲む白竜。
竜の背中には、不思議な紋章。
それは、マスターが着ているローブの背に刻まれているものと同じ紋章。
一体、何がどうなって…と困惑する蓮と梨乃。
そんな二人に、竜はフォッフォッと笑って、大きな翼で泉の水面を叩いた。
「うわっ」
「きゃぁ」
バシャッと水を被ってズブ濡れになる二人。
自分達を見やって笑う竜に、蓮はクスクスと笑う。
「いつから気付いてました?」
「最初っからじゃ」
「…恐れ入りました」
「気配の消し方が荒いのぅ、おぬしは」
「すんません」

白き竜へと姿を変えたマスター。
梨乃は濡れたブラウスをキュッと絞りつつマスターに問う。
「マスター…。どういうことですか?」
「どういうことも何も、こういうことじゃよ」
バサバサと翼を揺らして微笑むマスター。
人の姿は仮の姿。マスターの正体は、白き竜。
この泉で、ひっそりと暮らしていた。
時々、森に迷い込んでくる人間と言葉を交わしつつ。
人間と言葉を交わす内、その面白さに惹かれていった。
悩み、迷い、成長していく。
人間に抱く想いは、憧れに近かった。
そんな中、迷い込んできた一人の人間が持ちかける。
人を統べる存在になってみないか?と。
竜である私に、そのような持ちかけをするとは何たる無礼な。
そうは思ったけれど、その言葉に興奮している自分がいた。
話を持ちかけた人間の瞳は、何とも希望に満ちていて…。
引き受けようと応えたことに、後悔はなかった。
どこまでいけるか…それはわからぬが。
目的を果たせるかも、わからぬが。
やらねば果たせまい。
私は、今も、そう思い生きている。
「なるほど…ね。その持ち掛けてきた人間っていうのが…」
「そう。藤二と千華、じゃよ」
「目的っていうのは…何なんですか?」
「ふぉっふぉ。それは、まだ言えんのぅ」
「………」
顔を見合わせ、苦笑する蓮と梨乃。
マスターは淡く微笑みつつ元の姿に戻る。
シャトゥを肩に乗せ、杖をついて歩いて行くマスター。
「ほれ、帰るぞぃ。そろそろ昼食の時間じゃ」
蓮と梨乃は肩を竦め「はい」と返しマスターの後をついて行く。
マスターの正体が白竜だという事実。
果たすべき目的があるという事実。
そして、その目的を知りえているのは、藤二と千華とマスターだけという事実。
うーん。微妙に、こう…スッキリしないけれど。
それでも、それなりに謎は解明された、かな?
これからゆっくり、紐解くように…解明していけば良いよね。
それにしても…やっぱり、あなたは魅力的な人だよ、マスター。
ますます興味が湧いちゃった。
あなたの下で、この先も。
飽きそうにないね、イノセンス。
もっともっと、楽しめそうだ

------------------------------------------------------

■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / イノセンス・マスター / ♂ / ??歳 / INNOCENCE:マスター(ボス)  

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! 毎度様です! (o・∀・o)
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ!

-----------------------------------------------------
2008.05.30 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
-----------------------------------------------------