■INNOCENCE / IO2共同任務2 (限定受注)■
藤森イズノ |
【7403】【黒城・凍夜】【何でも屋・暗黒魔術師】 |
IO2との共同任務、野犬討伐。
共同任務なだけに、報酬は高額だ。
たかが野犬と侮るなかれ。
奴等は魔物に魅入られた愚かな獣。
併せて、その"数"にも注意せねばならないだろう。
「よっしゃー。行きますかー!」
「…大声出さないでよ」
気合十分な海斗に呆れて警告を飛ばす梨乃。
二人の変わらぬ遣り取りに、ディテクターは煙草を踏み消して苦笑した。
薄暗い山の中…野犬討伐、開始。
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INNOCENCE // IO2共同任務2
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OPENING
IO2との共同任務、野犬討伐。
共同任務なだけに、報酬は高額だ。
たかが野犬と侮るなかれ。
奴等は魔物に魅入られた愚かな獣。
併せて、その"数"にも注意せねばならないだろう。
「よっしゃー。行きますかー!」
「…大声出さないでよ」
気合十分な海斗に呆れて警告を飛ばす梨乃。
二人の変わらぬ遣り取りに、ディテクターは煙草を踏み消して苦笑した。
薄暗い山の中…野犬討伐、開始。
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合流する三十分前―
「本当に、わかってるのか…?」
「わーかったってば」
「…どうだかな」
「わかったってばー!」
IO2との共同任務、ディテクターと共に働く。
ということで、凍夜は何度も釘を刺した。
あいつと喧嘩をするな、勝手な行動はするな、と。
文字通り、耳にタコが出来るくらい言って聞かせた。
言って聞かせた…のに。
「俺の前、歩くなっつってんだろーがよ!」
「お前の歩幅がお子様サイズだから仕方ないだろ?」
「むっかつく。ほんっと、むっかつくな!」
「でけぇ声出すんじゃねぇよ」
「お前が出させてんだろー!」
「あ〜〜〜うるさいうるさい」
合流してからずっと、海斗はディテクターにツッかかかっている。
ディテクターもディテクターで、相手にしなければ良いものを、
神経を逆撫でするような返しをするもんだから、雰囲気は悪くなっていくばかり。
野犬とはいえ、魔物に憑依された危険な生き物だ。
しかも群れをなして活動している為、
一斉に飛び掛ってこられては、かなり危険。
だから深夜に決行し、寝込みを襲おうとしているのに。
そんなに大声でいがみ合っていては、
速攻で気付かれて、最悪、逆に奇襲されてしまうではないか…。
はぁ…と大きな溜息を落とす凍夜。
その隣で、梨乃は苦笑している。
もはや、頼りになるのは、お前だけだ…梨乃。
「大体、お前はなー。いちいち細かいことでー……」
ディテクターに文句を言う海斗が、ピタリと立ち止まった。
急に大人しくなった海斗に首を傾げる三人。
だが、すぐに気付く。海斗が静まり返った理由を。
注目、海斗の足元。
海斗の靴の下に、黒い尻尾が確認できます。
更に、茂みの中にギラリと光る眼も確認できます。
「…この、馬鹿」
ポツリと凍夜が呟くと同時に、一斉に駆け出す一行。
『ガウガウガウガウ!!』
牙を剥いて追いかけてくる野犬の群れ。
登ってきた山道を全力疾走で駆け下りる。
「も〜やだぁぁぁぁぁ!きゃー!」
「ほんと、ウルサイ上に使えねぇよなぁ、お前は」
「うっせーーーー!!」
「…はぁ」
逃走しつつ、再度溜息を落とす凍夜。
まったく…あれだけ言って聞かせたのに。
どうしようもない問題児だな、呆れて言葉も出ない。
逃げながらも、対策を練る凍夜。
このまま逃げ切れるとは思えない。
というか、山を降りてしまうと一般人に危害が及ぶ可能性が高い。
それだけは避けねばならない。
何としてでも、山を降りる前に始末しなくては。
だが、数が多い。一匹ずつ仕留めている暇はない。
となると…あれしかないな。目には目を…ってなもんだ。
うん、と頷き三人に指示しようとした時だった。
「きゃ!!」
木の枝につまづき、梨乃が転んでしまう。
すぐ後ろには野犬の群れ。
あれに一斉に襲い掛かられては、ひとたまりもない。
「やべぇ!!」
「くそ…間に合うか!?」
「どけ!」
救出に向かおうとした海斗とディテクターを押しのけ、凍夜が駆け出す。
その背中に、黒い翼のようなものが見えた…のは気のせいだろうか。
ごしごしと目を擦る海斗とディテクター。
梨乃を抱きかかえて戻ってきた凍夜の背中には…何もない。
(…あれ?おっかしーな…?)
首を傾げている海斗とディテクター。
凍夜は梨乃を海斗に預け、指示を飛ばす。
「少し、時間を稼いでくれ。少しでいい」
そう告げて、一人先に駆け出す凍夜。
何か、作戦があるんだなと把握した三人は、
揃って腰元から銃を抜き、襲い掛かってくる野犬へ発砲する。
踊る銃弾、炎と水。
バタバタと倒れていく野犬。
けれど、キリがない。一匹ずつ討伐するのは無謀だ。
「どわー!!もー無理!やべーよ!ヤバイヤバイヤバイヤバイ!」
グァッと一斉に飛び掛ってくる野犬。
「きゃーーー!」
梨乃の悲鳴が響き渡った、そのとき。
「討て!」
人差し指で野犬を示した凍夜の声に応じ、
闇の中から、地獄の魔犬ヘルハウンドが出現。
喚び出された魔犬の数は、野犬を上回る。
冷たい風を纏いつつ、ヘタりこんでいる海斗たちの横を掠めて行くヘルハウンド。
ヘルハウンドは野犬を飲み込むが如く牙を剥いて襲い掛かる。
「すげ……」
尻餅をつき、呆気に取られている海斗。
腰を抜かした梨乃を支えているディテクターも、苦笑を浮かべている。
*
「これを機に、ちょっと落ち着いてもらいたいもんだな」
肩を竦めて苦笑し、指先で空に紋章を刻む凍夜。
描かれた紋章からは、黒い風が放たれる。
その冷たく鋭い風圧に、木っ端微塵。粉と化していく野犬。
闇に溶けて、やがて消える黒い粉。
凍夜がパチンと指を弾けば、紋章と共にヘルハウンドたちも在るべき場所へと。
「…凍夜の一人舞台だったな。結局」
銃を腰元に収め、クックッと笑うディテクター。
いつもならここで、文句を言ったり、しゃしゃり出たりする海斗だが…。
さすがに、何も言い返せない。
自分の所為で面倒なことになったのは事実。
そして、それを迅速に収拾してくれたのは、紛れもなく凍夜。
それは認めよう、理解しよう。
でも、美味しいトコを丸ごと掻っ攫われたのも、また事実。
海斗は魔銃を腰元に収め、唇を尖がらせた。
その仕草に、反省の色は感じられない。
またこうして、面倒事を引き起こすとみて間違いないだろう。
先々を思い、一際大きな溜息を落とす凍夜。
凍夜につられるようにして、隣の梨乃も溜息を…。
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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■
7403 / 黒城・凍夜 (こくじょう・とうや) / ♂ / 23歳 / 何でも屋・契約者・暗黒魔術師
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / ディテクター(草間・武彦) / ♂ / 30歳 / IO2:エージェント(草間興信所の所長)
■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■
こんにちは! おいでませ、毎度様です^^ 任務、ご苦労様です。
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…^^
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2008.05.30 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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