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■INNOCENCE / 華と舞う (限定受注)■

藤森イズノ
【7433】【白月・蓮】【退魔師】
色とりどりの華が舞う。
初夏の訪れを喜ぶかのように。
色とりどりの華が舞う。
初夏の訪れを待ちきれぬが如く。

イノセンス本部、中庭で。
初夏の訪れを祝うダンスパーティ。
華の中、手を差し伸べて微笑んで。
お誘いしましょう、愛しきあなたを。
共に初夏を歓迎しましょう。
「踊って、いただけますか?」
この手を、取ってくれますか?
INNOCENCE // 華と舞う

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OPENING

色とりどりの華が舞う。
初夏の訪れを喜ぶかのように。
色とりどりの華が舞う。
初夏の訪れを待ちきれぬが如く。

イノセンス本部、中庭で。
初夏の訪れを祝うダンスパーティ。
華の中、手を差し伸べて微笑んで。
お誘いしましょう、愛しきあなたを。
共に初夏を歓迎しましょう。
「踊って、いただけますか?」
この手を、取ってくれますか?

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「…ちょ、ちょっと。ねぇ、ちょ…」
「うぉぁっ」
「きゃぁ!」
ベシャッ―
爽快に転んだ海斗と梨乃。
梨乃は、はぁ…と溜息を落として、ドレスについた汚れを払う。
初夏の到来を歓迎する、ささやかなパーティ。
本部中庭で行われているそれは、ダンスパーティのようなもの。
御好きな仲間と、御好きなようにダンスを楽しむ。
咲き誇る華、舞う花びらに包まれつつ…。
とまぁ、そんな感じで、ロマンチックな雰囲気になるはずなのだが、
海斗と踊ってしまうと、どうにも無理なようで。
たまたま偶然、擦れ違ったということで踊ってみたのだけれど、もう滅茶苦茶。
エスコートなんて、出来やしない。
中庭には、優雅な曲が流れているのに、
海斗のダンスは…阿波踊り?
ステップとは言えないステップに、ついていけるはずもなく。
二人は、爽快に転んでしまった。
しかも、センターで。目立ちまくりだ。
「無理っ!ぎぶあっぷ〜〜〜〜」
「………」
腕を引いて、起こしてあげたのは良いけれど、
海斗は、そのままダンスを放棄。
踊ることよりも食べることのほうが楽しいようで。
パタパタと駆けて去って行く海斗の背中を見やり、梨乃は、もう一度溜息。
何か、毎年転んでる気がする…。
もう、海斗とは絶対に踊らない。決めた。今、決めた。
センターで、うん、と強く頷いた梨乃。
そんな梨乃を見て、藤二はワイン片手にクスクス笑う。
「あいつは、ほんと…いつまでたってもエスコートが下手だなぁ」
「まぁ、彼らしいとは思うけどね」
隣で、ワインを飲み干して笑う蓮。
「せっかく可愛い格好してんのに、台無しだな」
藤二が言うように、梨乃は可愛らしい水色のドレスを纏っている。
ダンスパーティということで、フレアタイプのものを。
上手に華麗に踊れれば、ふわふわと舞って綺麗だろうに。
転んで、泥をつけてしまうなんて、あんまりだ。
自身の誕生月でもある六月ということもあり、初夏が大好きな梨乃。
それゆえに、このパーティは毎年楽しみにしているのに。
毎年毎年、恒例かのように転ぶ。
原因は海斗にあり、彼と踊らなければ無問題。
そうは悟っても、何故か毎年、一緒に踊る羽目に。
これもまた、恒例かのような。いや、寧ろ呪いの類か?
藤二と踊れれば、華麗なステップを踏めるのだろうけれど、
彼は彼で、毎年忙しそう…というか、手一杯。
他に、ダンスが上手いエージェントはいない。
今まで、素敵なダンスを踊れた試しがない。
楽しみたいのに、叶わない。
気持ちと裏腹に、切ない恒例。
しょぼんとして、気晴らしにワインでも飲もうかとテーブルに歩み寄る梨乃。
その姿を見かねて、蓮は微笑み、梨乃に駆け寄る。
そんな悲しい顔しないで。
でも、気持ちは理解るよ。
せっかく可愛いドレスを着ているのに、無意味だもんね。
キミが求めているもの、今、求めているもの。
承知していますよ。だから、ね。
「踊りませんか?」
スッと手を差し伸べて微笑み言う蓮。
俯いていた梨乃は顔を上げ、ニコリと微笑み返す。
「…喜んで」

家柄もあり、パーティに御呼ばれすることの多い蓮。
両親の手ほどきもあり、蓮のダンスは見事なものだ。
先程、転んだことなんて、もう忘れてる。
センターで、華麗に舞う二人。
とはいえ梨乃も、ダンスが上手というわけではない。
時々ぎこちなくなったり、戸惑ったり。
けれど、その度に蓮は梨乃を誘い、エスコート。
絡んでは離れ、また引き寄せられて、絡ませる。
踊る指先に覚える、鼓動の高鳴り。
ダンスが楽しいから?
皆が、羨ましそうに見てるから?
それとも、蓮が…頼もしいから?
尋ねなくても理解ってる。答えは最後。
淡く微笑みつつ目を伏せて、優雅な曲に合わせて舞う。
黒いスーツを纏った蓮は、とても素敵。かっこいい…。
見惚れて乱れるステップに、クスクス笑われて、返す照れ笑い。
いつのまにか、パーティの主役と化した二人。
踊る梨乃は、とても幸せそうだ。
ステップに合わせて、ふわふわと一緒に踊るドレスも、
キュッと高い位置で一つに束ねた髪も、
舞うたびに、ふわりと香る桃の匂いも。
全部、全部、愛おしい。
びっくりするかな?とは思うものの、止められない。
グィッと腕を引いて、胸の中に閉じ込めてしまえ。
「ひゃ…?」
「ははっ」
「あの、蓮さん…」
「ごめん。可愛くて、つい、ね」

「エスコートってのは、ああやるんだよ」
「…ほぇ〜」
「ほえーじゃねぇよ。学びなさい、少しは」
クルクルフワフワと舞う蓮と梨乃を見やって笑う藤二。
もしゃもしゃとチーズを口に運ぶ海斗は、一見興味がなさそうだけど。
実は、かなり感心している。
エスコートの何たるか。それを知った気がする。
けれど、知ったからと言って、すぐにどうにかなるわけでもない。
ちゃんと見て、観察して、踊れるようになりなさい。
いつか現れる、キミのパートナーの為に。
華麗なステップを踏めたなら、その子はきっと、キミの虜になるよ。
今、こうして、俺に酔ってる梨乃ちゃんみたく。
「ね?」
「…えっ?何ですか?」
「おっと。何でもない」
「え〜?」
クスクス笑い、息ぴったりな、二人のダンス。
微笑んで、時々、身を寄せて、耳元で何かを囁き合う。
覚える軽い眩暈は、ターンのし過ぎですか?
それとも、あなたに酔ってるだけですか?

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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント

■■■■■ THANKS ■■■■■■■■■■■

こんにちは! おいでませ、毎度様です^^
気に入って頂ければ幸いです。 是非また、御参加下さいませ…^^

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2008.06.01 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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