■INNOCENCE / ヘヴン・ファイター 2nd (限定受注)■
藤森イズノ |
【7182】【白樺・夏穂】【学生・スナイパー】 |
「おっ!おかえりー!」
「ただいま〜」
「どーよ?どーよ?」
「ふっふっふ」
「おおおおおおおおお!」
「さっそく…行く?」
「とーぜんっ!!」
朝早くから出かけていた浩太の帰りを、セントラルホールで待っていた海斗。
どうだった?と聞けば、浩太は鞄から、とあるアイテムを取り出して見せた。
不敵に笑って、浩太が鞄から出したもの。
それは、ゲームソフト『ヘヴン・ファイト -2nd- 』
超人気格闘ゲーム、ヘヴン・ファイトの最新作である。
予約していたにも関わらず、朝から並んでソフトをGETした浩太。
それほどまでに、浩太はヘヴンシリーズのファンなのだ。
仲良く肩を組み、地下ラボへと向かう浩太と海斗。
プレイするからには、最高の環境下で。
ゲーマーとして、当然の行いであります。
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INNOCENCE // ヘヴン・ファイター 2nd
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OPENING
「おっ!おかえりー!」
「ただいま〜」
「どーよ?どーよ?」
「ふっふっふ」
「おおおおおおおおお!」
「さっそく……行く?」
「とーぜんっ!!」
朝早くから出かけていた浩太の帰りを、セントラルホールで待っていた海斗。
どうだった? と聞けば、浩太は鞄から、とあるアイテムを取り出して見せた。
不敵に笑って、浩太が鞄から出したもの。
それは、ゲームソフト『ヘヴン・ファイター -2nd- 』
超人気格闘ゲーム、ヘヴン・ファイターの最新作である。
予約していたにも関わらず、朝から並んでソフトをGETした浩太。
それほどまでに、浩太はヘヴンシリーズのファンなのだ。
仲良く肩を組み、地下ラボへと向かう浩太と海斗。
プレイするからには、最高の環境下で。
ゲーマーとして、当然の行いであります。
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地下から響く、けたたましい声。
ギャー、だとか、うおー、だとか、コノヤロー、だとか。
かなり白熱しているようだ。
「何してるんだろ? 行ってみようよ、夏ちゃん」
「うん。いいけど」
何事か、その真相を暴く為に、揃って地下ラボへと降りていく夏穂と雪穂。
いつもどおり、今日も地下ラボはノイズが飛び交っている。
否応なしに、目に入る巨大なモニター。
普段、『オトナの映像』を楽しむ為に藤二が使う、その巨大なモニターに、
見覚えのある映像が映し出されている。
美麗グラフィック、対峙するキャラクター。
勇ましい「FIGHT!」のボイス。
間違いない。あれは、ヘヴン・ファイターだ。
「蜘蛛の方でも、流行ってたわよね、あれ」
「そうだねっ。 最新作、出たんだぁ!」
タタタッと駆け寄る夏穂と雪穂。
可愛らしい二人の到着を、海斗と浩太は歓迎した。
ソファに座り、対戦を見学している藤二も、ヒラヒラと手を振っている。
見やれば、対戦成績は一目瞭然。
二人共、実力は互角のようだ。
勝ち星の数が、同じだ。
「お前らも、やるぞ! はい、交代〜!」
コントローラーを差し出して笑う海斗。
やるー♪ とノリノリな雪穂に反して、夏穂は苦笑している。
見物目的できたのに、まさか対戦することになるなんて。
「ガンシューティングくらいしか、やったことないんだけどな……」
ストンと座り、コントローラーを手に取る夏穂。
ゲームスタート。
キャラクターセレクト画面で、雪穂は真っ先に決定ボタンを押した。
彼女が選択したのは『ナチ』というキャラクター。
攻撃力は高くないが、素早さが頭一つ抜けている。
ちょこまかと動き回り、相手を翻弄しつつ戦う、
それがナチを使う上でのプレイスタイルだ。
「これが、一番使いやすいんだよねー」
ニコニコと微笑む雪穂。
前作もプレイしている雪穂だが、
彼女の持ちキャラは、常にナチだ。
技も極めたようで、かなり手強いかと思われる。
で、夏穂は、というと。
「うーん。どれにしようかな」
十字キーを動かし、次々と別キャラにカーソルを宛がう。
ただ純粋に、誰を使おうか本気で迷っていただけなのだが。
十字キーコマンド、右左左下右右。
キャラクターセレクト画面で、そのコマンドを入力すると、
隠しキャラが出現する。 いわば、裏技だ。
「あれ? 何か出たよ。 可愛いね、この子。よし、この子にする」
ポチッと決定ボタンを押して、隠しキャラクター『リリナ』を選択した夏穂。
「い、今、どうやったんですか」
「すげー! 隠しコマンド!」
驚きを隠せない海斗と浩太。
どうやったの? と言われても、さっぱり。
知ってて入力したわけではないのだから。
キョトンとしている夏穂の横顔に、苦笑する雪穂。
んー。 何ていうか。 夏ちゃんって、怖いよね。
前作だってさ、見てただけなのに、一回やらせてみたら、すごい強かったし。
隠しコマンドを、何となくで発見しちゃうし。
それってさ、ある意味、才能だと思うんだよね、僕は。
ゲーム開始早々、夏穂の連続攻撃。
隠しキャラ『リリナ』は、狐耳と狐尾の、小柄で可愛い巫女キャラクター。
攻撃力は低いけれど、防御力と、素早さが高い。
持久戦向きなキャラクターと言える。
とはいえ、チリも積もれば何とやら。
トリッキーな動きに翻弄されては、ビシッと弓矢で射抜かれる。
一つ一つのダメージは小さいけれど、体力は確実に削り取られている。
リリナの動きだけを見れば、何とも見事な操作だ。
熟練プレイヤーの動きと言えよう。
けれど、実際、操作している夏穂は、例によって何となく動かしているだけ。
ここで、これを押したらどうなるのか。
クルッと一回転したら、楽しそう。
何となくで操作するも、それは見事な戦いっぷりだ。
「あぁぁー。 もぉぉー!」
近付こうにも、近付けない。
背中を捉えようとしているのだけれど、
リリナは、ヒョイヒョイとそれを避けてしまう。
何の気なしに動かしていることを知っているが故に、雪穂はムカムカイライラ。
じわりじわりと体力を削られて、
こともあろうに、トドメは必殺技『巫女の舞い』で。
完封負けしてしまった雪穂は、すぐさまリベンジ。
ムキになって挑む雪穂が可笑しくて、クスクス笑う夏穂。
いつしか、妙な展開となった。
凄まじい強さを誇る夏穂を、皆で打ち負かそう!
ヘヴン・ファイターのファンであり、
かなりのプレイ歴を誇る、雪穂・海斗・浩太。
三人は、束になって夏穂に挑む。
けれど、勝てない。
どういうわけか、一向に勝てない。
何度やっても勝てないとなると、ムキになってしまうのが人の性。
ギャーギャー喚きながら、白熱バトルを繰り広げる四人。
「あ! 駄目だよ! そっちじゃなくて、逆から挟み撃ちするのっ!」
「うおー! んなこと言ったってさ、後ろになんて回れねーよ!」
「ちょ、ちょっと夏穂さん。少し手加減してくれませんか」
「え? あ、うん? えーと……どうすればいいのかな?」
仲良く(?)バトルしている四人の背中を見つつ、
一人、珈琲を味わいながら笑っている藤二。
ん〜。平和だねぇ、今日も。
四人の白熱バトルは、夕食の呼び出しがかかるまで、延々と続いた。
結果は、言うまでもなく夏穂の圧勝。
148戦、148勝。見事な完封勝利。
しばらくは、リベンジだ! と三人がしつこいんじゃないかな。
何度やっても結果は同じな気もするけれど。
もしかしたら。打ち負かすことが出来るかもしれない。
もはや、ある意味、ギャンブルバトルです。
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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■
7192 / 白樺・雪穂 (しらかば・ゆきほ) / ♀ / 12歳 / 学生・専門魔術師
7182 / 白樺・夏穂 (しらかば・なつほ) / ♀ / 12歳 / 学生・スナイパー
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 赤坂・藤二 (あかさか・とうじ) / ♂ / 30歳 / INNOCENCE:エージェント
NPC / 黄田・浩太 (おうだ・こうた) / ♂ / 17歳 / INNOCENCE:エージェント
シナリオ参加、ありがとうございます。
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2008.06.25 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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