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■INNOCENCE / ブラック・アウト (限定受注)■

藤森イズノ
【7433】【白月・蓮】【退魔師】
***

DEAR = INNOCENCE
CHARGE = \500000
OPTION = NONE
ORDER = RINAKA.HAYAMA
DEGREE = class "A"
REQUEST =
<コウモリの目玉採取>
依頼人は、黒魔術師のリナカ。
とある儀式に必要な、コウモリの目玉を採取してきて欲しいとのこと。
採取対象のコウモリは、スタイバという魔物。洞穴に生息。
スタイバの特殊能力:フラッシュには要注意。

DEGREE CLASS=
CRYZY SS-S-A-B-C-D EASY

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INNOCENCE // ブラック・アウト

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 OPENING

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 DEAR = INNOCENCE
 CHARGE = \500000
 OPTION = NONE
 ORDER = RINAKA.HAYAMA
 DEGREE = class "A"
 REQUEST =
 <コウモリの目玉採取>
 依頼人は、黒魔術師のリナカ。とある儀式に必要な、
 コウモリの目玉を採取してきて欲しいとのこと。
 採取対象のコウモリは、スタイバという魔物。洞窟に生息。
 スタイバの特殊能力:フラッシュには要注意。

 DEGREE CLASS=
 SS-S-A-B-C-D EASY

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「さてっ。それじゃ、行こうか。梨乃ちゃん」
「はい」
 準備を終え、揃って本部を後にする蓮と梨乃。
 二人が今回、向かう任務は 『コウモリの目玉採取』
 依頼人は、ちょっと……いや、かなり変わり者。
 自称、黒魔術士。らしいが、かなり怪しいところだ。
 まぁ、そんな彼女への蓮の感想は、いつもの如し。
 ちょっとキツい感じはあるけど、美人さんといえば美人さんだよね。
 う〜ん。俺は、綺麗なコよりも、可愛いコが好みだからなぁ。
 でも、面白いかもしれないね。こういうタイプも。
 デートとか、どんな感じになるのかな。楽しそうかも……?
 などと考えていると、梨乃の冷たい眼差しが背中に刺さり。
「ん? いや、何でもないよ?」
 蓮はニコリと微笑んで言った。
 だが、梨乃は肩を竦めて苦笑と共に返す。
「……何も言ってないじゃないですか」
 確かに。すぐさま気付いた蓮は、ははっと笑い、梨乃の手を引き歩き出す。
 墓穴を掘ったことも、何のその。まぁ、いつもの光景だ。
 依頼人、リナカから指示されたとおり、二人は、とある洞窟へと向かう。
 ルビスセリトル洞窟、と呼ばれている小さな洞窟。
 リナカから預かった地図を見つつ、目的地に到着した二人は、手を繋いだまま洞窟を覗き込んだ。
 洞窟というよりは……ほら穴?
 山、ともいえぬ小さな膨らみに、ポコッと穴が開いているだけ。
 周囲をグルリと一回りしてみたが、ここ以外に入口はなさげだ。
 人一人通れるかどうか……梨乃は眉を寄せ、神妙な面持ち。
 目玉採取の対象であるコウモリ、スタイバは有名な魔物。
 特殊能力の『フラッシュ』は、くらってしまえば一たまりもない。
 入ってすぐに、スタイバが待ち伏せしていたら……。
 むむぅ、と思案する梨乃をチラリと見やり、蓮はクスリと笑った。
 そして、ポンと肩を叩いて。
 穴に飛び込んだ。
「!! ちょっ……!!」
 埋まるようにして、洞穴の中へ落ちていった蓮。
 梨乃は慌てて彼の後を追った。
 どうして、いきなり飛び込んじゃうんですか!?
 もう少し様子を見るとか、対策を練るとか、作戦会議とか。
 任務遂行レベルからしても、簡単な内容ではないんです。
 もっと用心深く、慎重にいかないと、大変なことになっちゃいますよ。
 私がサポートに徹する、それがいつものパターンですけど、
 それにも、ちゃんとした順序だとか準備とかが必要で。
 えぇと、要するに何が言いたいかと言うとですね。
 無茶しないで下さい。 これが言いたいだけなんです。
 あなたに、もしものことがあったら、私はどうすれば……。
 洞穴内部にて、文句とも取れる不安を吐き曝した梨乃の頭を撫でる蓮。
 大丈夫だよ。多分だけど。何となく、大丈夫な予感がしたんだ。
 そう言う蓮に、梨乃は不安で堪らないといった視線を向けた。
 根拠のない自信……。確かに、蓮のカンは良く当たる。
 けれど、所詮はカンだ。絶対、なんてことは有り得ない。
 だからこそ心配しているのに。溜息を落とした梨乃に、蓮は苦笑した。
 まぁ、確かに、何も言わずにピョーンと飛び込んじゃったのは反省してるよ。
 でもね、ほら、俺って色々とあれこれ考えるのが苦手な奴だから。
 どうせ入るなら、いつ入ったって一緒でしょ、と思ってさ。
 もしも、万が一。中で大変なことになっても、大丈夫だとも思ってたし。
 どうしてって? そりゃあ、キミが一緒だからねぇ。
「……もぅ」
「はは。ごめんごめん。さ、行こう」
 梨乃の手を引き、歩き出す蓮。
 意外なことに、洞穴の中は、非常に広々としていた。
 クリスタルだろうか。それらが、辺り一面に敷き詰められている。
 へぇ。綺麗な所だね。外見は不気味な雰囲気だったのにね。
 どうだろう。こういう所で、デートしてみるっていうのも、また良いかも?
 あはは。そんな顔しないでよ。冗談だって、冗談。
 さすがに、魔物の棲処に女の子を連れてくるとかは出来ないよ。
 気分的に、ちょっとね。でもまぁ、それもまたスリルがあって良いかも……とか。
 冗談だってば。ほんと、いちいち可愛いなぁ、キミは。
 わかってるよ。ちゃーんとね。ここに来た目的でしょ?
 忘れるわけないでしょ。その辺は、バッチリですよ、俺。

 さて。どうしようかな。
 確認は出来てるんだよね。あの、巨大なクリスタルの影にいるよね。
 うーん。こうして見ると、かなりデカいよね、あれ……。
 厄介な能力も持ってることだし。とりあえず、様子見かな?
 フワリと掌を躍らせ、使い魔・鎌鼬の『小白』を出現させた蓮。
 梨乃は、小白の前にしゃがんで、不安気な表情をしている。
 いつも、任務の際に駆り出される蓮の使い魔。
 まぁ、それが仕事であり、存在証明なわけだから、彼等が不満を抱くことはないだろう。
 でも、だからこそ。労いの気持ちは欠かさない。
 海斗が言ってたけど、私の見てないところでも、頻繁に呼び出してるみたいだし。
 こういう言い方は何だけど、便利に扱われてるっていうか。
 ありえないことだとは思うけど、ちょっと不安になったりもするの。
 いつか、無茶して(っていうか、させられて?)大怪我するんじゃないかとか。
 余計な御世話かもしれないけど……それに、何だかんだで、私も御世話になってるんだけど。
「んじゃ、よろしくね」
 蓮に背中を指でつつかれ、彼の肩に乗っていた小白は、ピョンと地に飛び降りた。
 そのまま、音も立てずに空を舞い、標的であるスタイバの背後へ。
 スルスルと身体を伝い、頭の上へ。その時、ようやくスタイバが気付いた。
 ブルブルと頭を振り、邪魔者(小白)を振り落とそうとするスタイバ。
 だがしかし、小白は、一向に離れない。
 頭を振るだけでなく、壁やクリスタルに衝突しつつ飛び回ってもいるのに。
 どうやら、放つ前に、蓮が、ちょっとしたワザを仕込んだようだ。
 小白の両手両足に、風膜を施した。
 ペタリとそれが触れれば、ガムのように、へばりついて離れない。
 振り落とされる心配はないが、それでも激しいことに変わりはない。
 ジタバタと暴れるスタイバの動きに、小白は眩暈を覚え始めているようだ。
「か、可哀相ですよ」
「ん〜。もうちょっとだと思うんだよね」
 平然とした顔つきで、腕を組んだまま言った蓮。
 彼の言うとおり、もう一息のところまで来ている。
 眩暈を覚えつつも、小白は懸命にスキを伺っているのだ。
 一瞬のスキをついて、目玉を抉り出して強奪。
 なかなかエグい光景になっていたことだろう。成功していれば……。

 振り払えない異物感に、イラついたスタイバ。
 ここぞとばかりに、発動する特殊能力。
「!!」
「っうおっ!?」
 眩い光、閃光が辺りを覆った。
 事前に、この特殊能力に関して知り得ていた蓮と梨乃の、咄嗟の対処。
 蓮は風で自身の身体を覆い、梨乃は水で自身の身体を覆った。
 ただ一人。いや、一匹だけ。閃光『フラッシュ』を、モロにくらった……小白。
 スタイバの身体に、へばりついてはいるものの、視力を完全に奪われてしまったようだ。
「こ、小白ちゃんが!」
 慌てて、駆け出そうとする梨乃。そんな彼女を制止し、蓮は銃口を向けた。
 照準は、スタイバの両目へ。カウントも合図も、何もナシに発砲。
 放たれた風は、見事スタイバの両目にヒットし、不気味な紅い瞳を抉り出した。
 そのまま風を操り、小白を回収。
 ご苦労さん、と労いの言葉を掛けつつ、一目散にダッシュ逃走。
 何故、逃げるのか。答えは簡単だ。
 今回の任務は、討伐ではないから。
 目的である目玉が採取できれば、それで良い。
 また、スタイバの目玉は消失から数分で再生する。
 そうなると、強制的に相手をせねばならなくなってしまう。
 スタイバは、この洞穴から出ることはない。故に、外に出てしまえば、何の問題もない。

 *

 全力疾走で洞穴から脱出した蓮と梨乃。
 ハァハァと息を切らし、揃って、その場に座り込む。
 具合の悪そうな小白に回復魔法をかけ、優しく撫でてやる梨乃。
 今更だけど。あなたの、御主人様……意地悪よね。
 たまには、反抗してもいいんじゃないかな? ……出来ないだろうけど。
 突飛で意地悪な、御主人様。そんな主に仕える存在。
 不満があれば、ありのままをぶつけてみるべきだと思う。
 そう思う梨乃は、小白に、どこか、自分を重ね合わせているようで。

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 ■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

 7433 / 白月・蓮 (しらつき・れん) / ♂ / 21歳 / 退魔師
 NPC / 白尾・梨乃 (しらお・りの) / ♀ / 18歳 / INNOCENCE:エージェント

 シナリオ参加、ありがとうございます^^
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 2008.07.14 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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