■封じられた過去(後編)■
川岸満里亜
【3510】【フィリオ・ラフスハウシェ】【異界職】
「ねえ、ホントのところ、あなた達何でここに来たの? この先に進むってことはさ、村の生き残りと会った……とかはではなさそうだし」
「どうして?」
 マイラの言葉に、キャトルが訊ねた。
「村人なら危険性を知っているし、入る意味がないことを、知っているはずだから。で、なんで?」
 そのマイラの言葉に、キャトルと仲間達は沈黙した。
「あーはいはい。言いたくないのならいいわよ。その代わり、私ももう何にも教えてあげないんだから」
 少しふて腐れて、マイラはそう言った。
「ふーん、何も教えてくれないのなら、一緒に行かなくてもいいよね。ホント、そんなに危険な場所なら、他人を連れていきたくないし。入る意味もない場所だそうだし」
 キャトルはにっこり笑ってみせる。
「はははは……。入る意味がないのは、村人には賢者達が仕掛けた罠を解除するだけの手段が思いつかないからよ。私、連れて行ってくれなくても、後ろからついていくわよ。護身術の心得もあるし、魔法も多少は使えるわ。さっきも言ったけど、危なくなったらあなた達見捨てて逃げるから大丈夫。私は仲間じゃないしねぇー」
 皮肉気にマイラはそう言った。
「あーでも、1つ忠告をしておくわね。罠を張ったのは、賢者達だけじゃないわ。自分が手に入れられない力なら、他の誰にも渡したくない……などと考えた輩がいたみたいでねー」
 マイラは意味ありげな笑いを見せたのだった。
『封じられた過去(後編)』

 危険区域にて、一同顔を合わせながら考えていた。
 受付の女性――マイラを連れていくかどうか。
「そうですね、連れていくのは危険です。こちらの仲間だと思われて、人質などにされてしまうと厄介ですし」
 最初に口を開いたのは、山本健一であった。
「私……も、同じ……」
 千獣も健一と同じく、マイラを同行させることには消極的であった。
「どーしても連れてってくれないっていうんなら、入り口塞いじゃおっかな〜」
 マイラがふて腐れ気味にそう言った。言葉の調子から、本気ではないことは分かるが……。
「では、貴女の身体の中を調べさせていただきます。何者かの魔力で操られていないか等ですが。あとキャトルさんも念のために調べさせてください」
 健一の言葉に、マイラはケヴィン・フォレストの後ろにささっと逃げ込んだ。
「冗談はやめてよっ。医者でもない人に、身体の中を見られるなんていーやー! えっちー! 何をどう見るのかも、私にはわかんないしっ。いやよ、いやっ」
 40歳くらいの女性がそう騒ぐ姿には、一同苦笑するしかなかった。
「あははははっ、あたしはいいよ。……ホントはダメなんだけどね」
 そう言って、キャトルは健一の側に近付いた。
 キャトルを生み出した人物が、彼女の身体の情報の流出を嫌っていることを、キャトルは知っている。
 だから、他人に自分の情報を見せ、その事実を自分を創った人物に知られた際には……とてつもない折檻を受けることもわかってはいた。
 それでも、自分を助けようとしてくれている人達や、キャトルの身体の情報を悪用したりはしないと信じられる人物の申し出は、キャトルは今まで拒否してはいない。体罰を受ける覚悟はある。
 健一はキャトルの頭に手を置いて、彼女の中の魔力を見た。
 以前と同じように、膨大な魔力が渦巻いている。だけれど、その魔力の流れが、以前よりずっとスムーズになっている。魔力の流れを害していた物質が減っているようだ。
 その他、キャトル以外の力は何も感じられなかった。
「大丈夫なようですね。ありがとうございます」
 健一はキャトルに微笑みかけた後――マイラに顔を向ける。マイラは相変わらずケヴィンの後ろに隠れている。
「……それ、なら、私が、調べる、のなら、いい? 魔力、は、わから、ない、けれど、持ち物、とか、血を、一滴だけ、もらえれば、いい、から……」
 千獣は、ザリス・ディルダを負傷させたことがある。その時の感覚を頼りに、マイラがザリスに操られているかどうか、探ることができるかもしれない……と思ったのだが。
「だったら、私も貴方達、全員のことが知りたい。誰の命令で来ているのか、どんな力を持っているのかも探りたいし、何者かに操られていないかどうかも知っておきたいわよ」
 なかなか強情な女性なようだ。
 それとも、知られてはいけないことがあるのだろうか。
「連れて行っても良いんじゃねぇ? 実際の所は知らねぇが、役立つって言ってんだ。ま、敵に回ったら倒しゃいいだけだろ」
 リルド・ラーケンの意見は、ストレートであった。
「俺も同意見だ」
 リルドの意見に、クロック・ランベリーが賛同する。
「どちらの場合もリスクを伴う。連れて行かない場合、後をつけられる可能性があるとなれば、連れて行った方がマシだろう」
 更にクロックは意見を続ける。
「連れていく場合、スパイならば当然仕掛けてくるだろう。情報が向こうに渡ってしまうかもしれんな。禁書の類いを奪われた上に、人材として何人か攫われる可能性も否めない。メリットは、罠について多少知ることができる……スパイであるのなら、敵側の情報を得ることも方法によっては可能だろう」
 それは冷徹な意見だった。
 だけれど、2人のそんな言葉にもマイラはめげることはなかった。
「なんっっっっっっっって失礼な人達なのッ!! 倒すとか、スパイとか、か弱い女性に向かって言う台詞? そんな力もってるんなら、勝手に一人で行ってるわよーっ!!」
 マイラがヒステリックに叫んだ。ケヴィンの腕をぎゅっと掴んだまま。
 身体の調査は拒むし、危なくなったら、俺等見捨てて逃げるって言い方をしたのはそっちだし。……我が侭な女だなあああ……。婚約者がいたというのも嘘かも? いや、女っていくつになっても、こういう生き物だよなあ、うん。
 そんなことを考えながら、ケヴィンはマイラの怒りの肘鉄を片手で受け流していた。
 凪は視界の野で周囲を探りながら、無言でマイラのことも調べてみた。
 ……特に、違和感はない。普通の人間だ。怪しい持ち物も所持してはいない。
 やはり此処で拒絶しても、後でこっそりついてくるようにも思える。また恋人に対する強い思いを敵につけ込まれても厄介だ。
 それなら一緒にいるほうが安全だし、お互いにとって有益だろうと凪は考えていた。
「私たちがここに来た理由を細かく語ることは、訳あって出来ません」
 怒るマイラに、穏やかに語りかけたのは、フィリオ・ラフスハウシェであった。
「貴方が信用できる出来ないとは関係なく……私達の仲間は皆彼女――キャトルが信頼する人たちですが、その中にもほとんど事情を知らない者もいます。仲間内であっても、知らない者には事情を話せないことなのです。……マイラさん、申し訳なく思いますが、これで許していただけませんでしょうか?」
 キャトルが攫われた経緯を知る者もいる。
 ファムル・ディートと長く関わっていた者もいる。
 ファムルやキャトルに秘密を知られている者も、彼女の秘密を知っている者もいる。
 キャトルの作り主と会ったことがある者も……。
 それぞれが、様々な経緯と、事情を知っている。
 そのいくつかは、自分とキャトルだけが知っている事柄や、できることならば、記録には残さずにおいた方がいいと判断している事柄もある。
 ある程度の情報交換はしているが、軽い気持ちで口には出せない事情を抱えている者が、この場には多く存在していた。
「最初から、そう言ってくれれうばいいのよ」
 相変わらず、不服そうな顔ではあるが、マイラはケヴィンの後ろから姿を現した。
「少なくても、この中にあるものって、貴方達より、私達の方が入手の権利があると思わない? それなのに、あんた達ときたらさー。ま、利害関係が一致することに関しては協力しましょうってことで、よろしくね」
「マイラさん」
 凪が、マイラに声を掛けた。
「この探検であなたが怪我をしたり、得た情報で誰かに追われる事もありうると思います。俺達が負える責任も限られていますから、場合によっては一生、後悔することになるかもしれませんよ。それでも良いですか?」
 凪の言葉に、マイラは僅かに顔を強張らせた。
「それは、さ……得られなくても、同じかも。受付やってるだけで、荒くれ者達にしょっちゅう絡まれてるから。私じゃないけど、無理矢理探索に連れていかれた人もいるのよ。だから、何よ今更ってカンジ!」
 マイラが強く瞳を煌かせた。
「わかりました」
 凪はマイラの後へと歩いた。
「俺は付近を探りながら、後方から支援します」
「ん、お願いね。マイラさんのことも、守ってあげてよ。ケヴィンはそのまま腕を組んでてねー」
 キャトルはそう言うと、仲間達を見回した。
「それじゃ、行こっか。全員で」
「まずは……落とし穴を解除してくれ」
 言いながら、リルドが歩き出す。
 ワグネルはリルドに続き、周囲を見回しながら、罠の仕組みに目星をつける。
 健一とクロックはちらりとマイラを見た後、2人の後に続いた。
 千獣はその後に、頻繁にキャトルを振り返りながら続いていくことにする。
「私、監視されてるのよね? でもまーいっか、体内探ってくるとかじゃなさそうだし。互いに人質ってカンジでもあるしね。よろしく〜」
 ケヴィンは成り行きで監視役になったが、ケヴィンに魔法の能力がないことは、マイラにも分かるらしく、監視役として気に入ってもらえたようだ。

    *    *    *    *

 地下道には明りなどはなく、魔法を使えるものが魔法で明りを灯し、進むことになった。
 マイラがランタンを持ってきており、元々盗賊業に携っているワグネルも明りになるものを所持しているため、万が一魔法が封じられてしまったとしても、最低限の明りは確保できそうであった。
 入り口付近の整備された地下道でも、時折冒険者達の亡骸を見かけた。
 先を歩くワグネルは、なるべくそちら側に明りを向けないようにする。
 フィリオは風の魔術で外の音を拾っていた。
 地下道に仕掛けられた罠には無論注意せねばならないが、自分達の背後から敵がやってくる可能性も考えられる。
「キャトルも魔術がもっと使えるようになったら、こうして周囲の状況を観察し、少しでも違和感を感じたら警戒して調べるといいですよ」
「なるほど、魔術でサーチするんだね。でもなんか、疲れそうだね」
「私が風の力を利用しているように、自分に合った精霊力や、能力で行なえば、さほど疲れはしません」
 フィリオの言葉を頷きながら聞き、キャトルは周囲を見回す。
「薄暗くて、見回してみてもホント何も分からないからね……」
「そうそう、一人でつっこんだりしたらダメよ〜。くっついてないとねー!」
 そう言うマイラは、まるで恋人のようにケヴィン腕に自分の腕を絡めていた。
「しっかし、アンタってホント無愛想よね……何も喋んないし。もしかして、口が利けないの?」
「…………」
 どうでもいい質問なので、ケヴィンは答えなかった。
「お酒を飲むと、普通に喋るらしいですよ」
「えーっ、ホント?」
 フィリオの言葉に反応したのはキャトルだった。
「それじゃ、探索終えたら、皆で打上げしよっかー!」
「さんせー! でも、ここにお酒なんてないけどねっ」
「なんだー、残念」
 マイラとキャトルが笑い合う。
 この2人、もしかしたら結構気が合うかもしれない。
 振り向いた千獣は、和やかな雰囲気に安心しながらも、警戒は怠らなかった。いつ、誰の元にでも駆けつけられるよう、感覚を研ぎ澄ましていた。
 キャトルがくるりと振り返り、凪に顔を向ける。
「ねえ、凪、私その魔術知りたいな。探索とか警戒にすんごく便利だよね。視界の野だっけ?」
「あ、いや。これはダメなんだ。えっと……種族の特殊能力だから」
「そうなんだ……。でもあたしにも、種族的な特殊能力あると思うし、魔術の他にそういう能力伸ばせば……」
 キャトルは凪と並んで歩きながら、呟きはじめる。
「あたしは、皆の前に立って、ガンガン進みたいんだけど、こうして一緒に進む時ってさー……なんか皆から教わった皆が持ってる能力じゃなくて、自分だけ優れた部分が欲しいっていうかさー」
「魔女の特殊能力って?」
 凪はキャトルに対しての興味というより、友人のダラン・ローデスに関しての興味から訊ねた。
「それは、それぞれ違うみたい。私にも植え付けられてると思うんだけどねー。実家帰ったら、聞いてみるよ! あたし、自分の身体のこと、もっと知らなきゃね」
「その能力って、シスさんも持ってた?」
「うん、持ってたはず。あ、ダランが受け継いでるかどうか気になるんだ? シスお姉ちゃんの能力に関しても聞いてみないとわかんないなー。それもついでに聞いておくよ」
 頷きながら、友人の可能性がまた少し増えたことを、凪は素直に嬉しく思った。
 視界の野で周囲を見回しながら、彼の役に立つものを何か持ち帰れれば……などと、考えるのであった。

「どう思う、あの女」
 クロックは小声で健一に問いかけた。
「アセシナート側の人物には見えませんが、どうも『仲間じゃないし』と仰られていたことが、引っかかってしまいます。話の流れからして、皮肉を込めて言っただけなのでしょうけれど……やはり例の件以来、疑い深くなってしまっています」
 言って、健一は苦笑した。
 本当は、他人を疑うなどということは、したくはない。
 まして、彼女は多少の目論見はあるにしても、ほぼ好意でこの村の説明や、宿を提供してくれている人物なのだから。
 本当にそれが好意ならば、自分達はとても彼女に申し訳ないことをしている。
「当然だ。奴等はどんな手段で仕掛けてくるか、分からんからな」
「少なくても、アセシナートの者達と接触したことはあるでしょうね」
 クロックは健一の言葉に重々しく頷いた。
 奴等もここを訪れたことがあるはずだ。
 自分達の置かれている状況や目的を説明せねば、マイラから情報を得ることもまたできないだろう。
 彼女が全く無関係であるのなら、許可無く術で語らせたり、体内の状況を見るのは、彼女の言葉どおり、失礼で道理に外れた行いである。
「強行であっても、必要であれば、吐かせるべきだ」
 クロックは冷酷とも言える発言を、度々するようになった。
 例え嫌われ疎まれたとしても、自分が言わねばならないことだと、思っていた。
 小さなほころびや小さな歪みを放置した結果、全て失ってしまったら元も子もない。
 一人、有能な人物がアセシナートに奪われるということは、多くの聖都の人々が命の危険に晒されるも同然。
 例え、非道といわれる手段であっても、自分が迫害の対象になろうとも、やらねばならぬこともあるだろう。
「あ、ちょっと待て」
 ワグネルが、先を進むリルドを引き止めた。
「なんだ、罠か?」
 リルドの目には壁以外なにも映っていない。
「罠か別の仕掛けかはわかんねーんだが」
 ワグネルが壁の隙間にナイフを差し込んだ。
「んー、やっぱスイッチになってるな。何が起こるかはわかんねーんだけど」
 そう言って、ワグネルは後方を振り返った。
 魔力を張り巡らせ、警戒をしていた健一は何も感じていないようだ。
 その後方の凪も何も言ってはこない。
「……となると、この仕掛けはここら辺じゃあなくて、ずっと先で変化が起こるタイプってヤツだろうな。魔術的なモンでもなさそうだ。とりあえず、入れるぞ?」
「ああ」
 ここで発動するものではないと聞くと、リルドはそのまま先に進み出す。
 カチリと小さな音がしたが、確かに何も起きはしなかった。

「止って!」
 数十分歩いたところで、今度は後方から大きな声が飛んだ。――凪だ。
「大規模な仕掛けがある」
「どれくらい先だ?」
 振り返り、ワグネルが訊ねた。
「まだ結構先だけど、血の跡が沢山あるから分かると思う」
「了解。気をつけることにする。あー、あんまりヤバイ仕掛けなら、キャトル達はここで待機してた方がいいんじゃないか?」
「うん、そうしよう」
 そう言ったのはマイラであった。
「多分、そこの仕掛けは私にも良くわかんないしね。ただ、そこまではたどり着けたっていう冒険者は結構いたわ。そこで仲間を失ったりしてるみたいだけど」
「どんな風に失ったんだ?」
「それがね、突然消えたとか、突然串刺しになったとか、突然押しつぶされたとか。複数仕掛けられてるのかしらね。どういう基準でどの仕掛けが発動するのかもわからない」
 マイラの情報は曖昧であったが、全く何も知らずに行くよりはマシだろう。
「俺とワグネルだけで十分だろ」
 リルドは魔法で先を照らしながら、先へと進んでいく。
「……私、も、行く……」
 千獣も2人の後を追うことにした。
「キャトルさんをよろしくお願いしますね」
 魔法的罠の可能性が高いため、健一も後を追うことにする。
 残りのメンバーはその場で待機をして待つことにする。
 キャトルは黙って、4人が消えた先を見ていた。
 何も言わなかったが、その表情の真剣さから、皆は気付いた。
 本当は真っ先に自分が行きたいのだろう。
 だけれど、今自分が無力であることが分かっている。この場の誰にも敵わないことも。
 今の自分には何も成し得ることができないことが。
 彼女の歯痒さがその表情から、手に取るようにわかった。
 ケヴィンは無表情ながらも、そんなキャトルを見つめていた。
 そうして気づいていけばいいと、思った。
 皆の前に出たいという気持が、たとえ皆を守るためであっても。自分が傷つけば、皆をも傷つくのだということ。
 力の無いものが、いくら皆の盾になることを望んでも、それで倒れたとしても、それは自己満足でしかないのだということ。
 結局、彼女は自分のことしか考えてはいない。
 仲間のこと、仲間と協力をするということを、もっと考えるべきだ。
 ……まあ、自分が言うべきことではないし、上手く言える能力もない。
 ケヴィンはキャトルから目を逸らした。
 気が済むまで、自分で気づくまでやればいい。
 あまり無謀なことをしたのなら、自分を含めた仲間が、庇い止めるだろう。
 側にいる、今は。

 乾いた血の跡であった。
 臭いもない。
 あまり女性には見せたくない場所である。
 しかし、自分達の同行者はこの程度の状況に悲鳴を上げる女ではないだろう。
 ワグネルは皆を制し、まず慎重に足を進めることにする。
 壁や地面に違和感がある。壁が動き罠が飛び出すタイプか、床に穴が開くタイプか。
 また天井もこの先は若干高くなっている。
 更に足を踏み出したワグネルの頭に、声が響いた。
『資格無き者は引き返せ。資格無き者は決してたどり着けぬ。資格無き者はここで滅びる』
 ギリッと歯を食いしばる。
 この手の罠は普段であれば、関わらない分野だ。
 ワグネルはもう一歩だけ足を踏み出した。途端……激しい眩暈に襲われる。
 訳の分からぬまま、突如自分の身体が落下していく。
「ワグネルさ……千獣さん!」
 健一が魔法を発動するより早く、千獣が飛び出した。
 倒れるワグネルの腕を引っ張り、後方へ飛ばす。反動で自分の身体が先へと進む。
「うあっ」
 短く声を上げ、ワグネル目を見開いた――見えるのは天井。飛び上がるように、立ち上がる。
「なんだ?」
 深い闇の中に引き込まれるような感覚を受けていたが、別段変わったことはない。
 ただ……。
「千獣?」
 彼女が何故か、傷を負っていた。
 千獣の身体をひっぱり、健一は回復魔法で手当てを行なう。
「あー……、すまねぇ。俺を庇ってくれたんだよな?」
 ワグネルが体勢を崩した途端、左右の壁から鋭い風の刃が飛んできたのだ。
 痛みに耐える千獣は、ワグネルの言葉に頷きはしなかった。庇ったとか、そういうのではなく、自分が受けるべき傷だと思った。こうして親しくも無い人が治療してくれるのでさえ、彼女には不思議なことだった。
「……すぐ、治る、から……」
 千獣はそう言って、目を閉じた。
「で、何かわかったか?」
 リルドの言葉に、ワグネルは首を縦に振った。
「罠の種類とかはわかんねーんだが、床に足をつくと精神攻撃が発動するらしい。恐らくその状態で先に進むと、横の壁から次の罠が発動する。そして、道は先に見えるが――先じゃねぇと思う。そっちに向えば向うほど、激しく攻撃を受けるはずだ。正解は……」
 ワグネルはその場で下を指差した。
「ここから下に進む」
「下ぁ?」
 リルドが踵で床を蹴る。硬い床だ。階段があるようには思えない。
「スイッチは、向こうだ」
 続いて指差したのは罠の仕掛けられている奥の道であった。
「それってどういう意味だ」
 リルドにも察しがついていたが、あえて訊ねた。
「恐らく、罠の発動がスイッチとなり、床が開き先に進めるってタイプだ。誰か一人、床に触れず高速で奥へと進めばいい」
「つまり、誰かここに残れと?」
 ワグネルはゆっくりと頷いた。
「……私、残る。跳べる、から、怪我、してて、足で、まとい、だし……」
 目を開いて、千獣が言った。
「やってくれるっつーんなら、俺は止めねぇよ」
 リルドの言葉に、千獣は強く頷いて、四足で立ち上がった。
「応急処置はしましたが、無理をすると傷が開きます」
「……大丈夫、直ぐ、治る、から……」
 人間よりずっと高い回復能力を持っているとはいえ、瞬時に治るわけではない。
 痛みも、人と同じように感じるのだが……。千獣は、これは自分の役目だと強く思っていた。
「犠牲を出さなきゃ進めねぇようには作ってないはず。この奥には攻撃を受けないポイントが存在しているはずだ。そこを見つけ出し、留まっていろ」
 千獣はワグネルに強く頷いた。
 健一は眉根を寄せながらも、仕方が無く千獣の治療を再び始めることにする。
 ワグネルは下へと続く穴が現れる場所を探っていく。
 必然的に、リルドが皆を呼びに戻ることになった。

 皆の足音が近付いた途端、千獣は地を蹴った。
 説明すれば、止められるかもしれない。
 だから何も言わずに、自分のすべきことを、したのだ。
 彼女の身体が闇の中に消えると同時に、左右の壁が動いた。
「何、何っ!?」
 キャトルが驚きの声を上げる。
 マイラはケヴィンのぎゅっとしがみつく。
 男性達はいつでもその場を離れることが出来るよう、警戒をしながら、事態を見守った。
 動き始めた壁は、中央に向い。音を立てて、先の道は塞がれた。
「あれ? 千獣は?」
 キャトルが千獣がいないことに気づく。
「ああ、軽く怪我をしてな。さっきの場所で休んでる。あいつなら、一人にしても大丈夫だろ」
「え? あたしちょっと見てくる」
 戻りかけるキャトルの腕を、ワグネルが掴んだ。
「コラコラ、お前は一人で行動すんじゃねーよ。大丈夫だってば。寧ろヤバイのは先に進む俺達の方だろ? とっとと済ませて、安心させてやろうぜ」
 そういうと、キャトルはしぶしぶといったように頷いた。
 キャトルの手を離すと、ワグネルは閉ざされた壁を見た。
 何かが押しつぶされる音はしなかった。
 ワグネル、リルド、健一は千獣の無事を祈りながら、先を見据える。
 右側の壁の隙間に出来た、下への空間を。

 整備されていない道が続いていた。
 分かれ道にはなっておらず、迷うことはなかった。
 ただ真直ぐに、道は続いている。
 床が平ではないこともあり、キャトルとマイラは時々よろめいた。
 マイラはケヴィンに捕まっていることもあり、直ぐに体勢を整えるのだが、キャトルの方はその度に近くを歩くものが、彼女を支えてあげていた。
「ありがと。大丈夫だよ。山道に慣れてるからね」
 そういいながら進みはするが、その顔にはあきらかに疲れが表れていた。
 無理も無い、緊張状態で歩き続け、数時間が経過している。
「足下がおぼつかなくなっていくのは、それだけじゃないのよね」
 くるりと凪を振り返ったマイラの顔には、疲労が浮かんでいた。
「ほんの少し、微弱だけれど、力が吸収されてるのよ。わかる?」
 凪は更に意識を集中して周囲を探ってみる。
 手を触れて壁など、至近距離の状態を。
「……確かに、ほんの少しだけれど、そういう力があるみたいだ」
「だから、奥に進まなくても、引き返そうとした時には手遅れで帰ってこれない人もいるみたいよ。ちなみに、私ももう、帰るだけの体力はないかな。でも、帰りはケヴィン君に背負ってもらうつもりだから平気!」
 ワグネルとフィリオがキャトルを見た。
 以前より身体の調子はいいといっても、すでに彼女は限界を越えているのかもしれない。
「あたしは、大丈夫だよ」
 視線に気づいたのか、キャトルが言った。
「魔力を上手く使ってるからね」
 魔力を使っているようには感じられないのだが……一同はもう少し、様子を見ることにした。
 ペースを落とせば、それだけ力を奪われるだろう。
 一向はペースを落とさず、奥へ奥へと進んでいく。
 さすがにこの辺りには、冒険者が仕掛けたと思われる罠はなかった。
「おっ、これか」
 突然ワグネルが立ち止まる。
 普通の壁が続いている場所ではあったが――。
「ほら、随分前に上で入れたスイッチだ。入れて正解だったみたいだぜ」
 ワグネルが足で、一方を示した。そこには、小さな横穴がある。
「この先、低くなって濡れてるだろ? きっと、水がたまっていたんだ。どんな仕掛けがあったのかは、今となっちゃあわかんねーが、解除したと考えて大丈夫だろう」
 健一と凪が周囲を探るが、魔法的な力も物理的な罠も特になさそうに見えた。
 リルドが先へと進む。
「ぬかるんでるぜ。足下に注意しろよ」
 一応仲間に注意を促しながら、慎重に進む。
 下り坂になっており、注意していても、何度も足を滑らせてしまう。
 ワグネルがロープをたらして下りてはくるが……自分は兎も角、女性陣は躊躇するだろう。魔法で運んでやった方が……と上を見上げるが、キャトルはすでに泥まみれであり、マイラはちゃっかりケヴィンにおぶさっていた。……が、ケヴィンが時折滑って転び、マイラをも泥だらけにしていた。わざとだろうか? 軽く笑みを浮かべながら、リルドは先へ進むことにする。
「っ……」
 泥の坂を下りた途端、ワグネルが立ち止まり、頭を振った。
 ケヴィンもまた、マイラをつかんだまま、立ち止まった。
「力が強くなった……。何らかの意思の干渉がある」
 凪が周囲を調べながら、そう言った。
 物理的な罠ではない。この地下道の壁の土や木材に織り込まれた術だろう。
 脳に幻術を送り込んでくる。
「少しだけ、時間をもらえないかな?」
 凪の言葉に、皆が頷くと、凪は舞を始める。
 凪とて、疲れていないわけではない。
 しかし、幻術は恐ろしい術である。
 同士討ちになる事態は絶対に避けねばならない。
 舞術で皆の幻術に対する防御力を上げていく。
「わりぃ、もう大丈夫だ」
 ワグネルが舞を続ける凪の肩を叩いた。
 気づけば、凪の呼吸が乱れている。
 キャトルもまた、苦しそうに、大きな呼吸を繰り返していた。
「じゃ、行こっか」
 それでも彼女は笑顔でそう言った。
 一同、再び歩き出す。
 真直ぐな道だった。
 長く、長く……ひたすら長い道だった。
 仕掛けも何も施されてはいないようだ。
 とにかく長い道だった。
「あ? ここって」
 リルドが上を見上げた。
 上には暗い空間がある。
 ぬかるんだ泥の道。
 その下には池と自分達が下り立った道。
 来た道であった。
「幻術で迷わされているのか?」
 ワグネルが小さく舌打ちした。
 池の水の量が増えている。この階に長居はしていられないようだ。。上への道が閉ざされてしまいかねない。
「いえ、違います。確かに幻術の効果はあるようですが、凪さんの力により無害となっているはずです」
「それじゃ、多、分……ぐるっと、回っちゃった、の……かな……」
 そう言った途端、キャトルの身体から力が抜けた。
 ケヴィンが左腕を、フィリオが右側から身体を支えて転倒を防ぐ。
 キャトルは意識を失っていた。
「ここは空気がかなり薄い。彼女には限界だろう。丁度いい、上に連れていこう」
 クロックがそう言った。
「私も限界。ごめん、引き上げてほしい」
 ケヴィンにもたれながら、マイラも荒い呼吸を繰り返している。
 キャトルの強い思いを知っているだけに、フィリオやワグネルは複雑な気持ちであったが、これ以上進んでは取り返しのつかないことになりかねない……。フィリオはキャトルを抱えて、風を起こす。健一が援助をし、フィリオとキャトル、ケヴィンとマイラを坂の上へと押し飛ばした。
「俺は先に進むぜ」
 リルドは周囲を見回しながら、どう進めばいいのか考えを巡らせた。
「一緒に戻りましょう。見てのとおり、上への道、そのうちなくなっちゃうわよ」
 リルドはマイラの言葉に耳を傾けず、真直ぐ続く道を見据えていた。自信があった。自分はやり遂げることができると。
 健一もリルドと同様、先に進むつもりであった。元々キャトルには力を渡すべきではないと考えていた。手に入れることも、その力を行使することも、彼女にとって益にはならないだろう。
「多分、この道は、村があった場所を大回りで一周してんだと思う。なんかがあるとしたら」
 ワグナルは右の壁を指差した。
「この中央。土ん中だ」
 リルドと健一は、壁に手を当てた。
「上に、空気を送れって言ってくれ」
 リルドの言葉に頷いて、ワグネルはロープを伝って上に上っていく。
 凪は壁の向うを探った。ずっとずっと奥まで。
「……何かあるような、そんな感じもするけど、よくはわからない」
「俺はここでサポートをする。行けるか?」
 クロックがそう言うと、リルドと健一は大きく頷いて、それぞれ、魔術を唱える。
 リルドは土の中の水分を調節することで、壁を脆くする。
 健一は、高度な魔術を用い、一時的に土と肉体を同化させて、中へと進んでいく。
「ああ、多分こっちに戻ってくるより、上に抜けた方が早そうだから、そっちも勝手に帰ってくれ」
 そう言葉を残すと、リルドは壁の中へと消えた。

 キャトルは皆に見守られながら、眠り続けていた。
 風を呼んで、彼女により多くの空気を吸わせようとするが、やはり早く地上に連れていった方がよさそうだった。
「生きていれば、健康であれば、まだチャンスはありますから。分かりますよね、キャトル……」
 そう囁いて、フィリオは彼女を抱き上げ、立ち上がった。
 ケヴィンはやはり、マイラを背負うことになってしまった。嘘ではなく、本当に限界なようなので仕方が無いのだが……ケヴィンの方も相当疲れており、荒い呼吸と汗が流れ出ていた。
「先に戻るぞ!」
 ワグネルが下に声を掛けた後、皆の前に立つ。
 凪とクロックもまた、健一達の気配が完全に消えた後、急ぎ坂を上り、皆と合流を果たしたのだった。

    *    *    *    *

 それが何であるのかはわからない。
 健一は強い力を感じていた。
 高度な魔術を使っているため、更なる魔術で深く探ることは不可能であった。
 慎重に近付いてみる。
 まるで、太陽に近付いているかのような、熱を感じていく。
 分からない。何だか分からないその物質に、手を伸ばす。
 ゆっくりゆっくり近付いていく。
 バチッ
 突如、激しい衝撃を肉体に受ける。
 胸が破れそうなほどに、心臓が高鳴る。
 健一は、迷わず上へと跳んだ。地上へと。

 リルドは健一より送れて、中心部へと到着する。
 かなり距離があったため、もう殆ど体力は残っていない。
 汗を拭いながら、目の前のモノを見た。
 何、とは言い表しがたい。
 黒い塊だ。大きな黒水晶のような――。
「こんなの、どうやって持って帰れっつーんだ」
 そういいながらも、手を伸ばす。
 バチッ
 やはり、リルドも健一同様、身体に強い衝撃を受ける。
「はああっ!」
 衝撃をぶつけてみるが、その物体はまるで動かない。
 触れた部分から、腕の付け根に言いようも無い熱さが残っている。
 まるで、自分の腕ではないように。
 次第に、腕が動かなくなる。
「クッ」
 リルドは上に手を伸ばし、脱出を図る。

    *    *    *    *

 罠の奥へと跳んだ千獣は、皆が戻ってきたことを知ると、迎えを拒否し自力で通路まで戻ってきた。
 そんな彼女を、皆は軽く叱った。まだどんな罠が仕掛けられているかわからないのだから、そんな身体で動くべきではないと。
 その後彼女を労って、クロックが彼女を抱えたのであった。

 ――目を覚ましたら、ベッドの中にいた。
 小屋の中だ。1晩泊まった小屋……。
 もう一つのベッドでは、千獣が眠っている。布団からはみ出した腕には、深い傷がある。顔にも……。
(ああそうか、あたし、気を失っちゃったんだね)
 キャトルは皆に気付かれないうちに、再び目を閉じた。
 寝返りのふりをして、壁に顔を向ける。
 拳を握り締めて、目を強く閉じ、歯をぎゅっとかみ締めて。キャトルは震えた。
(くやしい……っ、くやしい。あたしは、やっぱり何もできない。このままじゃ、ダメだ。誰も失いたくないんだ。ファムルを……取り戻したいのに……っ)
 声を上げずに唇を噛み、腕に爪を立てる。血が、滲むほどに。

 地上に戻った後、凪は地下を探りながら、村の中心へと進んだ。
 凪が到着するより早く、健一は地上へと戻ってきていた。
 即座に凪は、舞術で健一を癒し始める。
 その数十分後、リルドも姿を現す。リルドが戻った途端、まるで意思があるかのように、地下への穴が埋まっていった。

    *    *    *    *

 翌朝、片付けを済ませて、一同は資料館へと向った。
 館内にはマイラの姿がある。まだ疲れているようで、椅子にこしかけて、力のない笑顔で皆を迎えたのだった。
「結局、今回は何も得られませんでしたが、一旦戻ることにします」
 フィリオがそう言うと、マイラは首を横に振った。
「うそうそ、あそこまで進んで、成果がなかったなんてこと、絶対にない。協力したんだから、分け前ちょうだいよ!」
「いえ、本当に何もありませんでしたので」
 フィリオは困り顔でそう言った。
「あそこまで進んだのは初めてだろ? それが成果だ」
「うーん……」
 ワグネルの言葉に、マイラは不服そうだった。
「よお」
 リルドが前に出る。
 普段より赤い顔をしていた。……健一もだ。
「熱でもあるの?」
「まあな、けど直ぐ治るさ」
 言いながら、リルドは腕を捲くった。
「何だこの文字は」
 リルドの肩に――文字が刻まれていた。焦げたような跡。
「まるで刻印、ね。あそこでついたのね?」
 リルドは答えなかったが、マイラは納得をして、その文字をノートに書き記した。
「何て書いてあるのかはわからないけど、調べてみるわ」
「この村の文字か?」
「そうね、多分」
 見せはしなかったが、健一の肩にも同じ文字が刻まれていた。
 呪い……のようではない。消そうとしても消えない刻印。一体何を意味する文字なのだろうか。
「ま、今回の分け前はこの情報ってことでヨシとするわね!」
 そういうマイラを見て、ケヴィンは密かに吐息をついた。
 確かに少しは役に立ったとは思うが……。それ以上に面倒を見させられた気がしてならなかった。なんかこー、そればっかりで手が一杯だったような気が! 身体中が筋肉痛でとっても痛し!
 でも相変わらず、ケヴィンは無表情でその場に立っていた。
「では、俺達はこれで」
 凪が礼儀正しく、頭を下げた。
「うん、気をつけてね」
「またね、マイラさん。ありがと」
 キャトルは礼を言った。
「うん、またいらっしゃい! もっと色々話ができるようになったら、是非!!」
 キャトルは頷いて、手を振って去っていく。
「世話になったな」
 クロックはぶっきらぼうにその言葉だけ残して、立ち去った。
「……さよ、なら……」
 皆の魔法の力と、特異な回復力で、千獣も歩く分には問題がないくらいに回復はしていた。
 ちょっと不安気にマイラを見ながらも、ぺこりと頭を下げて、千獣はキャトル達に続いていく。
 資料館の入り口に、皆が集う。
「……ホントのこと言うとね。私、ダメだと思った瞬間に足手まといになろうと思ってたんだ。アンタ達、悪意がある集団とは思えなかったし、盗賊の類いでもなさそうだから。足を引っ張って、これ以上無理ーとか、この先の罠は無理ーと言えば、諦めてくれるんじゃないかってね。宝を盗られたくなかったからじゃないわよ。命を落として欲しくなかったの」
 そんなマイラの声が、資料館の中から響いてくる。
 一同、マイラに向かって礼をして、その場を後にした。

 資料館を出ると、キャトルは周囲をゆっくりと見回したのだった。
「ずっと昔、ファムルは毎日この風景を見ていたのかな」
 それはとても寂しげな声だった。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【3087 / 千獣 / 女性 / 17歳 / 異界職】
【0929 / 山本建一 / 男性 / 19歳 / アトランティス帰り(天界、芸能)】
【3601 / クロック・ランベリー / 男性 / 35歳 / 異界職】
【2787 / ワグネル / 男性 / 23歳 / 冒険者】
【2303 / 蒼柳・凪 / 男性 / 15歳 / 舞術師】
【3544 / リルド・ラーケン / 男性 / 19歳 / 冒険者】
【3510 / フィリオ・ラフスハウシェ / 両性 / 22歳 / 異界職】
【3425 / ケヴィン・フォレスト / 男性 / 23歳 / 賞金稼ぎ】
【NPC / キャトル・ヴァン・ディズヌフ / 女性 / 15歳 / 魔力使い】
マイラ(資料館受付嬢?)

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■         ライター通信          ■
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ライターの川岸です。
『封じられた過去(後編)』にご参加いただき、ありがとうございます。
何を重視しているかに注目して、ノベルを書かせていただきました。
語りきれなかった謎は、今後の物語で少しずつ語られていくのだと思います。
先に納品をした関連ノベル、『伝説の魔術師』の方もよろしければご覧下さいませ!
それではまたどうぞ、よろしくお願いいたします。

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