■獣の石■
霜月玲守
【2919】【アレスディア・ヴォルフリート】【ルーンアームナイト】
 石屋、エスコオド。聖都から離れた森の中にあるというそこには、本来ならば路傍の石にしか過ぎぬ石が、所狭しと売られている。仕入れは店主であるエディオン自身が行い、販売する。
 だが、中には販売出来ぬほど強い意志や力を持った「ロウエイ石」が存在する。それらは一旦鎮めてからではないと販売できないばかりか、壊すことすらできないのである。
 エディオンは、店外で肩から提げた袋の中身を取り出す。
 出てきたのは、赤黒い石。
 何かがこびりついているその石は、手では持てぬくらいに熱い。エディオンは厚手の手袋をはめ、石を手にしている。
「こういったロウエイ石は、久々ですね」
 苦笑交じりに呟き、エディオンは簡易魔方陣を描いてから石をそこに置いた。石の力を押さえつける効能を持った魔法陣の中でないと、置く事すらままならない。
「まずは、鎮めてもらわないと」
 そう呟いた次の瞬間、パアン、という風船が割れるような大きな音が響いた。森の中にいた鳥達が、ぎゃあぎゃあと鳴きながら飛んでいく。
「なっ……」
 エディオンは息を呑む。魔法陣には亀裂が入っており、石から大きな獣が出てきている。
 巨大な獅子の形をした、獣。ぐるるるると唸る口元からは、火がはみ出ている。
「いけません!」
 エディオンは叫ぶ。しかし、獣はエディオンの言葉を聞く事は無く、ものすごい勢いで走っていった。
 石がごろごろと道を転がっていく。
「石と共に移動しなければいけないようですね。となると、実体は」
 エディオンはそう言って口を噤む。
 どうこう言う前に、まずは対策をとらなければならない。エディオンは早速紙を用意し、冒険者を募るのだった。
獣の石


▲序

 石屋、エスコオド。聖都から離れた森の中にあるというそこには、本来ならば路傍の石にしか過ぎぬ石が、所狭しと売られている。仕入れは店主であるエディオン自身が行い、販売する。
 だが、中には販売出来ぬほど強い意志や力を持った「ロウエイ石」が存在する。それらは一旦鎮めてからではないと販売できないばかりか、壊すことすらできないのである。
 エディオンは、店外で肩から提げた袋の中身を取り出す。
 出てきたのは、赤黒い石。
 何かがこびりついているその石は、手では持てぬくらいに熱い。エディオンは厚手の手袋をはめ、石を手にしている。
「こういったロウエイ石は、久々ですね」
 苦笑交じりに呟き、エディオンは簡易魔方陣を描いてから石をそこに置いた。石の力を押さえつける効能を持った魔法陣の中でないと、置く事すらままならない。
「まずは、鎮めてもらわないと」
 そう呟いた次の瞬間、パアン、という風船が割れるような大きな音が響いた。森の中にいた鳥達が、ぎゃあぎゃあと鳴きながら飛んでいく。
「なっ……」
 エディオンは息を呑む。魔法陣には亀裂が入っており、石から大きな獣が出てきている。
 巨大な獅子の形をした、獣。ぐるるるると唸る口元からは、火がはみ出ている。
「いけません!」
 エディオンは叫ぶ。しかし、獣はエディオンの言葉を聞く事は無く、ものすごい勢いで走っていった。
 石がごろごろと道を転がっていく。
「石と共に移動しなければいけないようですね。となると、実体は」
 エディオンはそう言って口を噤む。
 どうこう言う前に、まずは対策をとらなければならない。エディオンは早速紙を用意し、冒険者を募るのだった。


▲対処

 アレスディア・ヴォルフリートは、ふと見つけたエスコオドの前を通り、張り紙に気付いた。アレスディアは「ふむ」と一つ頷き、張り紙を手にして店内に入った。
「いらっしゃいませ」
 奥から声がし、店主であるエディオンがにこやかに出てきた。アレスディアは「客ではない」といい、張り紙を差し出す。
「これを見た」
 アレスディアが言うと、エディオンは「ああ」と頷く。
「対処に当たっていただけますか?」
「ああ。まずは、情報がほしい」
 エディオンは「分かりました」と答えるが、すぐに肩をすくめる。
「あまり有益と思える情報は、あまりありません。僕が読み取れたのは、あの石が酷く悲しみを帯びている、というくらいで」
「悲しみを?」
 アレスディアは聞き返し、そして「ふむ」と頷く。
「獣には、何か悲しい出来事があった、というのだな?」
「恐らくは」
「訳もなく暴れているのではないなら、獣と意思疎通が取れるかもしれないな」
 アレスディアがそういうと、エディオンは「気をつけてください」と真剣な眼差しでいう。
「確かに、獣には理由があるでしょう。ですが、石の意識から感じたのは悲しみだけなのです。はっきりとした気持ちというものを感じられないという事はつまり」
「我を忘れている状態かもしれない」
 こくり、とエディオンは頷く。
「意思の疎通は、難しいでしょう。そのまま話しかけたとしても、言葉は届かないかと」
 エディオンの言葉を聞き、アレスディアは考え込む。
(意思の疎通は難しいかもしれない。だが、きっかけがあれば)
 今は興奮状態であるために、何を言っても耳には届かない。ならば、届くようになるきっかけがあればいい。
(そう、例えば……)
 アレスディアはゆっくりと顔を上げ、じっとエディオンを見る。
「獣に、好きなものはないんだろうか」
「好きなもの、ですか」
「今は悲しい気持ちに支配されて、我を忘れている。ならば、楽しい気持ちだとか嬉しい気持ちが不意に沸き起こったら、それが自分を思い出すきっかけにならないだろうか」
 アレスディアの言葉に、エディオンは「なるほど」といい、しばし考え込む。そして、小さく「そういえば」と口を開いた。
「林檎」
「林檎?」
「そうです。あの獣は、何故か林檎が好きなようでした」
 アレスディアは「分かった」と頷く。
「それでは、林檎を用意していこう」
 それだけで懐柔できるとは思わない。きっかけとなればいいのだから、何も無いよりも良いだろう。
「あの石は、オノメク村で拾いました。よって、獣はその村に向かっていると思われます」
 エディオンはそう言って、地図を取り出す。エスコオドのある森から一直線に向かった場所に、オノメク村がある。さほど遠い場所ではない。
「ここから近そうだな」
「ええ。途中には、林檎の木があったと思いますよ」
「それは助かる」
 アレスディアは頷き、地図を頭の中に入れる。ここから一本道とはいえ、森を抜けるのだ。しっかりと把握しておくに越した事はない。
「オノメク村、か」
 今一度呟き、アレスディアは立ち上がる。情報はこれ以上なさそうだ。ならば、一刻も早く対処に当たった方がいい。
 アレスディアは、足早に出口へと向かっていく。その背中に、エディオンが「お気をつけて」と声をかけた。
 アレスディアは手をそっとあげ、それに答えるのだった。


 エディオンの言うとおり、オノメク村への途中で林檎の木があった。それをいくつかもぎ、道具袋の中に入れておく。ふわりと甘酸っぱい香りが広がった。
「いい香りだな」
 ぽつりと呟き、歩く。もうすぐ、オノメク村が見えてくるはずだ。
 道具袋に入れた林檎を一つかじろうかと思っていると、背後の方でドッドッドッドッ、という音が聞こえてきた。定期的に聞こえるそれは、足音に違いなかった。
「獣か」
 アレスディアはぽつりと呟き、音のする方へと向かう。すると、大きくなる足音と共にハッハッという荒い息遣いが聞こえてきた。
「あれが、獣か」
 獅子を思わせる風貌をした獣は、想像以上に大きい。近くにはごろごろとこぶし大の石が転がっており、そこから伸びる影のような状態で獣が走っていた。
 おおおおお、と獣が咆哮する。びりびりと空気が震えるような声に、アレスディアはぐっと拳を握り締める。
「獣よ、聞いてくれ!」
 獣に向かって叫ぶが、獣の耳には届かない。代わりに、アレスディアに向かって、ごお、と炎を吐き出す。
 アレスディアは地を蹴り、後方に飛んでそれを避ける。獣は炎が外れた事を知ると、より一層大きく吠え、更に大きな火球を放つ。
「いけない」
 アレスディアは一つ呟き、今度は右に避ける。火球は木に当たり、一瞬のうちに木全体を包み込む。
「このままでは、山火事に」
 着地しながら、アレスディアは燃えた木を確認する。だが、燃えたはずの木は何ともなってはいない。確かに、熱を感じたというのに。
(まさか、幻術?)
 もしくは、それに近いもの。
 アレスディアは改めて獣を見る。ごろごろと石が転がり、その影から伸びるように獣の体が形成されている。
 大きな体も、根本にあるのは石の影なのだ。
「影であるが故、炎は木に当たっても燃えないということか」
 だが、それは木が炎だと認識できないからだ。もし認識が可能なもの、例えば、人間があの炎に焼かれたとしたら、どうだろう。
 巨大な炎が我が身を包んだと認識すれば、それは現実の事となる。どれだけあれが幻術なのだと聞かされたとしても、目の前で炎を見、熱を感じればそれは事実に近い状態となる。
 つまり、あの炎が木や草などに当たっても燃えることはなくとも、炎を炎として認識可能なもの達に対しては、炎がもたらすのと同じ効果を与えるという事だ。
(これは、厄介な)
 アレスディアは身構える。一瞬、槍による攻撃をするかどうかが頭を過ぎるが、すぐにその考えを捨てる。
(こちらからは、攻撃せぬ)
 そう、決めていたのだ。
 獣が追ったという悲しい出来事が、今こうして暴れるに至らせたのだとしたら、こちらから攻撃すべきではないと。
「牙を、収めてくれないか?」
 アレスディアは訴える。獣は、ぐるるるる、とアレスディアを見て唸る。先程から放つ攻撃を、アレスディアが避けているから。
「あなたにも、何か事情あってのことだろう。だが、その牙、誠、突き立てて良いものなのか?」
 アレスディアの訴えに、獣は、うおおおお、という咆哮で返答する。
 聞こえていないのだ。
 獣の心を支配しているのは、深い憎しみと激しい怒り。そして、酷い悲しみ。
「牙を、収めてくれ!」
 うおおおおお、と獣が叫び、飛び掛ってきた。炎があたらぬのならば、自らの体を以って攻撃しようとしているのだ。
 アレスディアは避けようとするが、若干獣の動きが早い。最初はしっかり避けていたのだが、徐々に獣の攻撃を掠めるようになる。
 ぐおおおお、とより一層獣が叫び、巨大な前足がアレスディアに襲い掛かる。アレスディアは咄嗟にごろりと体を転がし、それを避ける。が、前足は別のものを切り裂いた。
 アレスディアの、道具袋を。
「あ」
 切り裂かれた道具袋から、ころん、と何かが転がる。それは、甘酸っぱい芳香をあたりに漂わせる。目に鮮やかな赤を、焼き付ける。
 転がったのは、林檎。
「林檎、か」
 不思議な光景が、アレスディアの前に広がっていた。
 先程まで、暴れて手がつけられなかった獣が、林檎に釘付けになっている。甘酸っぱい匂いの赤い実を、じっと見つめたままでいる。
 大きな体をした獣が、小さな林檎を前に、動きを止めているのだ。
「牙を、収めてくれないか」
 三度目の訴えは、容易に通った。
 獣は一瞬、ぐるる、と唸った後、大人しく座りなおしたのだ。そうして、アレスディアの方を見た。
「ありがとう」
 アレスディアが礼を言うと、獣はゆっくりと首を横に振った。
「教えてくれないだろうか。何があったのかを」
 獣は、ぐるるる、と小さく唸った。また目に怒りが灯る。
 アレスディアは「落ち着いてくれ」といい、ぐいっと林檎を差し出す。
「話したくないなら、それでもいい。だけど、先程のあなたは今にも全てを滅ぼさんとしていた。牙を剥き、全てを破壊しようと」
 獣は頷く。そうしようとしていた、といわんばかりに。
「事情あって、そうしようと思っていたのだろう。悲しみを抱いていると、知っているから」
 アレスディアの言葉に、獣はじっと林檎を見つめる。その悲しい出来事を、思い返しているかのように。
「だから、教えて欲しい。あなたがどうして牙を剥いたのかを。私は、それが知りたい」
 獣は林檎とアレスディアを交互に見つめた後、アレスディアの傍に行く。そうして、アレスディアに石の方を示す。
「これを、持てと?」
 アレスディアの問いに、獣は頷く。アレスディアは「わかった」と答え、石を手にする。
(これは……!)
 一瞬のうちに目の前が暗くなり、アレスディアはその場に崩れ落ちた。
 石の中にある記憶が、アレスディアの中に入り込んだ。


 アレスディアは、森の中にいた。
 少し離れた所には、集落が見える。位置から考えると、そこはオノメク村であろう事が分かった。
(獣の記憶、か)
 アレスディアは辺りを見回す。かすかに、甘酸っぱい林檎の匂いがしたのだ。
「ここにいたんだね」
 少年が居た。少年はにっこりと笑いながら、林檎をずいっと差し出してきた。アレスディアはそれを受け取り、林檎を食べる。
(今、獣の中に私が居るのか)
 獣の感じている楽しさが、アレスディアの中に広がる。少年はオノメク村の子なのだが、孤児であるために一人ぼっちだった。友達と呼べる子はおらず、少年を親なしだといって苛めてくるばかりだ。引き取ってくれた遠い親戚ですら、彼を苛めていた。
 獣はそんな境遇を知って、何度も村を襲ってやろうと考えた。だが、自分と居る時の少年の顔はずっと笑顔だから、やめた。
 村を襲う事は、少年の笑顔を奪う事なのだと、本能的に悟っていたのだ。
(そうか、分かっていたのか。それなのに、どうして?)
 アレスディアの疑問は、ある日獣の元に来なくなった少年が解決してくれた。
 いつもならばとっくに来るはずの少年が来ないのを心配し、獣はオノメク村に少しだけ近づいた。すると、そこには全身傷だらけとなった少年が無造作に転がっていたのだ。
 獣は慌てて少年に近寄る。少年は虫の息で、それでも獣に気付いて笑った。
「今日は、林檎が、なくて、ごめんね……」
 獣は、吠えた。
 吠えて、吠えて、吠えて……気付いたら走り出していた。
 背中で少年の気配がぷっつりと消えてしまい、走りを加速させた。頭の中を支配するのは、よくもやってくれたな、という激しい怒り。
 オノメク村に到着すると、巨大な壁とたくさんの武器が待ち構えていた。一方的とも言える攻撃に、獣は咆哮する。
 そんな中、視界の端に夫婦が笑っているのが見えた。少年を引き取った、親戚夫婦だ。
「ほら、やっぱりそうだったんです。あの子は、獣を手なずけて私達を殺すつもりだったのです」
 誇らしげに笑う夫婦。
 獣の頭を支配するのは、深い憎しみ。
 破壊の衝動でいっぱいになる。許さない、許さない、と何度も頭の中で繰り返される。
(なんて、深い)
 アレスディアは獣の気持ちを知り、居たたまれぬ気持ちになる。
(確かに、悲しい。苦しい。憎い。腹立たしい。だが、だが……)
 獣が吠える。
 全身は村人の武器によって血まみれになっており、あたり一面に赤い水溜りを作っていた。
(傷つけたものは、もはやどうやっても元に戻らぬ)
 獣が何度も体当たりした壁が、倒壊する。いっせいに、村人達が逃げた。時折武器で威嚇し、攻撃して。
(なかったことには、できぬ)
 命を奪う。既に獣の命には後が無い。辺りにできるのは、赤い池。
 ああ、ああ。まるで林檎のように、赤い。
(傷つけたそこから、新たな悲しみや憎しみが生まれる)
 ばたり、とついに獣は倒れる。ぐるるる、と最後まで唸り声をあげて。
(それで、本当によいのか?)
 ぽてん。
 アレスディアの問いかけと同時に、既に動かぬ獣の体に石が投げつけられた。
 獣が奪った命の一つの、子であった。


 アレスディアはゆっくりと目を開け、体を起こす。
「あなたの悲しみは、確かに深いものだ」
 ぐるる、と獣が喉を鳴らす。
「だが、あなたの悲しみも、そこから生まれたのではないのか?」
 アレスディアの言葉に、獣がじっと彼女を見る。
 獣の持つ悲しみは深い。だが、その悲しみがより一層深みを増したのは、傷つけられた事から生まれたのだ。だからこそ、深い。
「傷つけられた悲しみを知るものが、新たな悲しみを生んで良いものか?」
 うおおおおお、と獣が吠えた。
 アレスディアの問いかけが、獣の心に届いたのだ。だからこそ、獣は咆哮する。
 まるで泣き声のような、悲しみを押し出すかのような、心の叫びのような咆哮を。
 アレスディアは、道具袋から新しい林檎を取り出して、獣に差し出す。獣は咆哮をやめ、何度かくんくんと林檎の匂いを嗅いでから、ぱくりと林檎を食べた。
 甘酸っぱい林檎の香りが辺りに広がり、獣はもう一度吠えた。
 お別れを言うかのような、優しい咆哮であった。


▲結

 咆哮の後、ゆっくりと獣の姿は石の中に溶けていった。既に獣が飛び出してくることはなさそうだ。
 アレスディアは石を道具袋の中にいれ、再びエスコオドに向かった。到着すると、エディオンは「お疲れ様でした」と言って出迎える。
「獣の悲しみは、想像以上に深いものだった」
 アレスディアがそういうと、エディオンは少しだけ顔を曇らせてから頷いた。
「辛い依頼を、してしまったかもしれませんね」
「そんな事はない。それでも、言葉を聞いてもらえた」
 道具袋から回収した獣の石を取り出し、アレスディアは言う。石はほんのりと温かく、そして持っていると何故か涙があふれた。
「あ」
 ぽろぽろと流れる涙に、エディオンはハンカチを渡してくれた。それを受け取る為に石を手放すと、すぐに涙は止まった。
「涙を流す石となりましたね」
 エディオンは石を取り上げ、店頭に並べた。エディオンの目にも、うっすらと涙が浮かんでいる。
「不思議な石だな。持っているだけで、なんだか胸が締め付けられる気がした」
「ええ。でも決して、悪い気分じゃないでしょう」
 何処となく心が温かくなり、胸がきゅうっと締め付けられ、涙が出る。
 確かにそれは、別に悪い気分ではない。
「そうかもしれないな」
 アレスディアは頷き、ふと道具袋の中に入っているものに気付く。
「いい香りがすると思ったら」
「ああ、気付かなかった」
 取り出したのは、赤い林檎。まだ一つ、道具袋の中に残っていたのだ。
 アレスディアは林檎を手に取り、きゅっきゅっと軽く磨いてから、林檎を口にした。
 しゃり、という音と共に、甘酸っぱい香りが当たり一面に広がるのだった。


<獣の石は涙の石となりて・了>

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    登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  
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【 2919 / アレスディア・ヴォルフリート / 女 / 18(18) / ルーンアームナイト 】

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          ライター通信          
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 お待たせしました、こんにちは。霜月玲守です。この度は「獣の石」をご発注いただきまして、有難うございます。いかがでしたでしょうか。
 獣に問いかける言葉の全てに心が入っており、どきどきしました。獣が心を開いてくれたのは、そこにあります。きっかけは林檎ですけれども。
 少しでも気に入っていただけると嬉しいです。ご意見・ご感想等、心よりお待ちしております。

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